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2015年12月15日号

2015年12月15日号  

静岡・袴田事件 全ての証拠開示を 弁護団 審理引き延ばしを批判 東京高裁  

 昨年3月に静岡地裁で再審決定が出され、即時抗告審をたたかっている袴田事件の三者協議(裁判所、弁護団、検察官)が11月27日、東京高裁(大島隆明裁判長)でおこなわれ、裁判所が再審決定の根拠の一つとなったDNA鑑定の有効性を確かめる検証実験をおこなうと口頭で決定を伝えました。裁判所は来年1月に鑑定人尋問をおこない、鑑定項目を明らかにする方針です。
 検証対象は、袴田巖さんが犯行時に着ていたとされた5点の衣類に付着した血痕のDNA鑑定で、筑波大学の本田克也教授の鑑定によって、衣類から袴田さん、被害者のいずれのDNAも検出されず事件とは無関係であることが分かり、再審開始決定の有力な証拠となったものです。検察は、本田鑑定は独自の鑑定方法で信用性に欠けるとして検証実験を強く求めていました。
 しかし、本田鑑定の検証というならば、本来は本田鑑定人がおこなった鑑定手法と同じ条件でおこなうべきですが、裁判所が検討している条件設定は、事件と関係のない古い血液痕の資料に、新鮮な第三者の唾液を垂らして、血液由来のDNAだけを検出できるかを確かめるというもので、まったく条件が異なります。弁護団は、この検証条件では新しい唾液のDNAが検出され、誤った結論を誘導する非科学的な検証だと反対しています。
 協議後の会見で西嶋勝彦弁護団長は、「無意味な検証はやるべきでなく、いたずらに審理を引き延ばすだけだ」と裁判所の決定を批判しました。
 一方、裁判所は、弁護団が開示を求めていた取調べの際の捜査報告書、メモなどついて、検察に証拠を開示するよう口頭で勧告しました。これは、先に開示された袴田さんの取調べ録音テープの解析にあたり、録音した際の日付、取調官などを特定し、自白に追い込んでいく実態を解明するうえで必要だとして弁護団が開示を強く求めていました。
 同日、国民救援会やアムネスティなどの支援8団体が東京高裁を訪れ、裁判所に早期の再審開始を要請し、東京高検に対しても即時抗告を取り下げるよう申し入れました。

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