日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2015年1月25日号

2015年1月25日号  

名張毒ぶどう酒事件 奥西さんの再審認めず 名古屋高裁  

 ぶどう酒に毒物を混ぜ5人を殺害したとして一審の無罪判決が二審で死刑判決となり確定し、再審を求めている奥西勝さん(89)。一度は再審開始決定が出されたものの覆され、いまだ獄中にいます。昨年5月に名古屋高裁刑事1部が出した第8次再審請求の棄却決定に対する弁護団の異議申し立てについて、同高裁刑事2部(木口信之裁判長)は、1月9日、異議申立てを棄却し再審請求を退けました。弁護団は最高裁に特別抗告しました。(奥西さんと弁護団の面会記は3面に掲載)

 午前10時過ぎ、裁判所の玄関から出た弁護団が「不当決定」と書かれた垂れ幕を掲げ、集まった支援者が「不当判決を許さないぞー」と抗議のシュプレヒコールをあげました。

審理せず門前払い

 裁判では、奥西さんが所有していた農薬が犯行に使われたぶどう酒に入っていたものと同じかどうかが争われてきました。
 しかし今回の第8次再審請求異議審で名古屋高裁刑事2部は、弁護団が提出した新証拠は第7次審で提出した証拠と同一で、同一証拠での再審請求を認めない刑事訴訟法の規定にあたるとして請求を棄却。前回決定を出した同高裁刑事1部と同じ理由で棄却決定しました。
 また、前回の刑事1部の審理で、弁護団が提出予定だった新証拠の提出を待たずに裁判所が棄却決定を出したことや、裁判所が検察に証拠開示を促さなかったことが審理不尽であると弁護団が主張した点についても、すでに提出されている証拠を検討すれば足りるから違法性はないと結論付けました。
 わずか7カ月の審理期間。裁判所は実質的な審理をせず、弁護団が求める証拠開示要求にも応えず、奥西さんが切望した再審請求を門前払いしました。

裁判所に次々抗議

 決定の後、支援者は裁判所に抗議行動をおこないました。
 兵庫の大藤信子さんは、「裁判所は証拠によって事実や真実を明らかにして決定を出すところじゃないのか。証拠を隠しているのは警察・検察だけではない、裁判所が背を向けている。国連の規約人権委員会が証拠開示をするよう勧告しているが、それに挑戦するような決定だ」と話し、愛知の小出紀代司さんは、「奥西さんは、無罪判決と再審開始決定、最高裁の差し戻し決定を受けている。ここまで有罪判決が揺らいでいるのになぜ証拠を開示しないのか。納得ができない」と述べました。

最高裁へ特別抗告

 記者会見で弁護団長の鈴木泉弁護士は、「証拠を隠したり、調べ尽くさず死刑を維持することは正義に反する。こんな決定が司法の歴史に残るのは許せない」と述べ、最高裁に特別抗告する意志を表明しました。
〈抗議先〉 〒460―8503 名古屋市中区三の丸1―4―1 名古屋高裁 木口信之裁判長

兄に希望を 奥西さんの妹 岡美代子さん  

 決定を受け、奥西さんの妹・岡美代子さんは次のように話しました。(聞き取り=特別面会人・稲生昌三さん)
 兄は命を削り続けて無実を訴え続けてきました。残念です。裁判所は兄の必死の訴えに応えてほしい。もう事件から54年近くにもなります。兄は絶対にやっていません。
 弁護団の方がた、支援者の皆さん、長い間本当にありがとうございます。兄も喜んでいると思います。一日も早く、命があるうちに、兄に希望を与えてください。

不屈の気力出し 奥西さん闘いの決意  

 不当決定の直後、東京在住の弁護団2人が、八王子医療刑務所にいる奥西勝さんに不当決定の内容を伝えたときの様子が記者会見で報告されました。
 伊藤和子弁護士によると、奥西さんは不当決定を覚悟していたのか、表情に変化はなく、淡々と受け止めた様子だったとのことです。弁護団が最高裁に特別抗告する方針であることを、握っていた手を強く握り返し、野嶋真人弁護士が「七転び八起きだ。最後に勝とう」と話すと、大きくうなずいたとのことでした。
 また、「われわれも頑張るから、奥西さんも頑張れ」と言った言葉に大きくうなづいたことから、野島弁護士は奥西さんの不屈の気力を感じたと話しました。
 奥西さんは意識もはっきりし、弁護団が話したことは理解していたようです。手元にあった50音の文字ボードを指すことがうまくいかず、指を上にかかげて一生懸命空に文字を書いていました。何と書いているのか、弁護団にも分かりませんでしたが、必死に訴えかけていたとのことです。

愛知・南医療生協梅村裁判 被告側が謝罪、勝利和解 名古屋地裁  

 南医療生協病院に勤務していた梅村紅美子さんが、病院増築・建て替え等の責任者を任され、激務の中でうつ病を発症し退職を強要されたことについて慰謝料を求めていた裁判で、名古屋地裁で12月22日、和解が成立しました。
 和解内容は、原告のうつ病発症に病院側の安全配慮義務違反があったことを認め、謝罪するとともに再発防止の努力を約束するというものです。

国民救援会のご支援に感謝 梅村紅美子さん  

 当初は、和解協議の中で病院側からは、「安全配慮に不十分な面があった」、「重く受け止める」という和解案しか出てこなく、裁判官からも「和解条項に『違反』や『謝罪』という言葉を出すよう被告を説得するのは難しい」と言われていました。
 しかし、初心を貫けたのは、全国の国民救援会の皆さんの支えがあったからです。本当にありがとうございました。

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