日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2014年9月5日号

2014年9月5日号  

岡山・倉敷民商弾圧事件 須増さん小原さん釈放勝ちとる  

 岡山・倉敷民商弾圧事件で「税理士法違反」として逮捕、起訴され身柄の釈放を求めていた小原淳さんと須増和悦(かずよし)さんが8月15日、保釈を勝ちとりました。しかし、「法人税法違反」と「税理士法違反」で逮捕、起訴されている禰(ね)屋(や)町子さんは、いまだに保釈が認められず、勾留が続いています。引き続き、禰屋さんの釈放と、3人の無罪判決を勝ちとるために、全国のご支援をお願いします。

否認すると勾留
人質司法が横行

 須増さんと小原さんは2月の逮捕以来、接見禁止付きの勾留決定が更新され続け、勾留は6カ月を超えていました。この間、倉敷民商の会員が検察庁に抗議し、即時釈放するよう電話したところ、「全部認めればすぐに出られる」などという返答がされています。否認すれば報復的な勾留を続け、被疑者の生活を破壊し疲弊させ、ウソの自白を求める、まさに「人質司法」そのものが、平然とおこなわれているのです。
 岡山県商工団体連合会と倉敷民商、倉敷民商を支える会、国民救援会岡山県本部は家族とともに7月8日、岡山地裁へ公正な判断と、早期釈放を求め要請行動をおこないました。禰屋裁判、小原・須増裁判、それぞれ1万人分近い署名を提出し、家族からは「一日も早く釈放してほしい。何も罪に問われるようなことはしていない」と、裁判長宛ての手紙を読み上げ、訴えました。
 しかし、17日、弁護団の強い要請にもかかわらず、裁判所は保釈請求を却下しました。
 その後、岡山県本部が釈放を求める要請ハガキ運動にとりくみ、7月の第57回全国大会でも多くの参加者が協力しました。ハガキは小原・須増、禰屋それぞれ500枚を普及。そして、8月14日付けの保釈請求が、今回ようやく認められたものです。

民商への弾圧
闘いぬこう

 岡山地裁での裁判は、小原・須増裁判(税理士法違反)で検察が冒頭陳述の補充書を提出、問題とする具体的行為を相当程度詳しく明らかにしました。弁護団は、この事実関係は大きく争わない態度を示し、今後、税理士法の法的評価(検察の歪んだ民商観の誤りを事実で正すことを含む)という根本的な争点について、双方の証人尋問に進むことになります。また、禰屋裁判のうち、脱税ほう助についても検察による任意の証拠開示が進み、期日間の三者打合せで、証拠と争点の絞り込みがおこなわれる予定です。
 事件は、憲法に立脚した納税民主主義を旗印として活動する民商を敵視した組織攻撃です。全国からの支援をいっそう強め、禰屋さんの即時釈放と、3人の無罪判決をかちとりましょう。

〈激励先〉〒710―0038 倉敷市新田1294 倉敷民主商工会内 倉敷民商を支える会

 *倉敷民商弾圧事件 今年1月21日、倉敷市内の建設会社の脱税をほう助した(法人税法違反)という容疑で、倉敷民商の事務局員の禰屋さんが逮捕されました(2月10日起訴)。さらに2月13日、同会事務局長の小原さんと事務局次長の須増さんが税理士法違反として逮捕され、禰屋さんが再逮捕。その後3人は税理士法違反で起訴されました。
 脱税の主犯である建設会社の社長夫婦には、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決が確定。

屈しない夫は誇り 須増和悦さんの妻 須増伸子さん  

 夫は、民商の会員さんの経営や後継者作りなど、いろんな相談に乗ったり、業者を苦しめる消費税に反対する運動などに生きがいを感じ、20年以上専従者として活動してきました。
 拘置所では、番号で呼ばれることもはじめて知り、屈辱感に包まれました。夫はこの夏、狭い独房の中で、うちわであおぐと体温よりも熱い空気が当たるので、ひたすらじっと動かないようにしていたそうです。入浴の際、かけ湯が13杯しか使えないところ、(最初に浮いている垢(あか)や髪の毛をすくうため)1杯多く使ったことをとがめられ、懲罰として反省文を書かされました。私は弁護士からその話を聞き、このままでは夫がおかしくなってしまうのではと本当に心配でした。
 でも、接見禁止が一部解除され、7月25日に30分だけ面会ができた時、夫は前と同じように優しく、私と娘のことを心配してくれました。
 不当なことに屈しない夫は、誇りです。
 禰屋さんの即時釈放と、3人が無罪となるまで、私たち家族もたたかいます。どうぞよろしくお願いします。

3人の無罪を 禰屋町子さんの夫 禰屋祐司さん  

 全国のみなさまのご支援の広がりの中で、8月15日に、小原さん、須増さんの釈放を勝ちとることができました。ありがとうございます。
 3人は身に覚えのない容疑で逮捕、起訴、勾留されましたが、完全黙秘を貫き闘い続けました。この間、個人署名は1万5千人超、300団体超の到達となり、2人の保釈の大きな力になりました。全国のご支援と、支える会、弁護団の粘り強い闘いの成果によるものです。
 いよいよこれから本格的な闘いとなります。妻の釈放と、3人の無罪を勝ちとるため、引き続くご支援をよろしくお願いします。

高知・白バイ事件 警察の証拠捏造(ねつぞう)解明を証拠に基づく判断で  

 バスで白バイをはね警官を死亡させたとして、業務上過失致死罪で実刑を受けた片岡晴彦さんが再審を求めている事件。高知地裁が、「止まっていたバスに白バイがぶつかり、バスが動いてスリップ痕ができたのではないか」とする「第3の説」を持ち出したことについて、弁護団は7月3日、白バイの衝突によって路面にタイヤ痕がつくことはあり得ないとする専門家の鑑定書と合わせて、裁判所に上申書を提出しました。

 検察が「ブレーキ痕」だとする路面についた2本の黒いすじ。これが片岡さんの有罪の根拠とされました。
 2006年3月、高知市内の国道で片岡さんが運転するスクールバスに白バイが衝突した事故で、片岡さんは、駐車場から右折しようと道路を横断した際、安全確認を怠り右方向から直進してきた白バイと衝突し、直後に急ブレーキをかけたとされました。「ブレーキ痕」はその事実を示す証拠とされていました。

「バスは停止」
 裁判官が新説

 片岡さんは、裁判で禁固1年4カ月の実刑が確定し、出所後、高知地裁に再審請求をおこないました。そのなかで、片岡さんの弁護団は千葉大学の三宅洋一教授に、「スリップ痕」や現場を撮影した写真のネガフィルムの解析を依頼しました。スリップ痕は、左側1・2メートル、右側が1メートル。本来路面に残るはずのタイヤの溝もないものです。解析の結果、バスのスリップ痕は人為的に造られたもので、現場写真はいたるところに画像を切り貼りした痕跡があり、合成された疑いがあると三宅教授は指摘しました。
 昨年4月に裁判所で人事異動があり、新たに担当となった武田義徳裁判長は、三宅教授の証人尋問を却下し、三者協議を打ち切ると、弁護側と検察側双方に最終意見書を提出するよう求めました。ところが今年1月、裁判所から、停止中のバスに白バイがぶつかり、その衝撃などによって、バスが滑走しスリップ痕を付けたのではないかという文書が送られてきました。
 検察側、弁護側の双方の主張とも異なる裁判所の「第3の説」で、注目すべきは仮にこの説の通りだと、片岡さんに過失の責任はなく、無罪となる可能性があることを示唆した「無過失・無罪?」という文言があったことです。これまでの裁判では、片岡さんが右方向の安全確認を怠りバスを発進させたことが過失だと認定されていました。しかし一旦止まっていたことが認められるならば、過失は成立せず、無過失無罪になるというものです。
 この提案をどう見るか。主任弁護人の生田暉雄弁護士は、「高知県警が証拠を捏造したという事実認定を、裁判所としては何としても避けたいという意図があると思う。そこさえ回避できれば、再審開始自体は認めてもいいということではないか」と分析します。

証拠に基づく
適正な認定を

 弁護団は、裁判所からの「提案」を受けて、交通事故鑑定人の松本昇治さんに鑑定を依頼。科警研などでも導入されているコンピュータシミュレーションソフトによる解析を実施しました。その結果、白バイがバスに対して直角に近い角度で衝突すると、バスの横方向にスリップ痕が形成され、バスの進行方向にスリップ痕がある現場の状況とは一致しないことが分かり、裁判所の「新たな説」は、起こりえないことが明らかになりました。さらには、再審段階で裁判所が鑑定を依頼した交通事故鑑定人の大慈彌雅弘氏の、「スリップ痕にタイヤ溝がないのは横滑りしたからだ」とする証言を覆す可能性も出てきました。
 片岡さんの無罪と引き換えに、警察の証拠捏造を不問にせよといわんばかりの裁判官の「新たな説」。弁護団は、大慈彌鑑定人の再度の証人尋問を要請し、本件「スリップ痕」について、証拠に基づいて正しい認定をするよう求めています。

〈再審開始要請先〉
〒780―8558 高知市丸ノ内1―3―5 高知地裁・武田義徳裁判長

真実明らかに 再審請求人 片岡晴彦  

 裁判所は「新たな提案」をして、バスは止まっていたということまでは、認めてきました。私は、鼻の先にエサをおかれたようなかたちで、鼻ムズイような気持ちでした。バスが止まっていて、白バイがあたってバスが横にすべりますか?どんなに考えてもおかしいと思います。
 これを立証するには、三者協議を再開し、裁判所が依頼した鑑定人の尋問をし、明らかにしたいと思っていますので、今後も国民救援会の皆様のご支援とご協力をよろしくお願いします。
(全国大会での発言より)

福井女子中学生殺人事件】 暴力団員とその仲間の嘘で殺人犯に! 最高裁は、前川彰司さんに一日も早く再審開始決定を  

 昨年3月に名古屋高裁刑事第1部で再審開始決定が取り消され、現在最高裁に係属している福井女子中学生殺人事件(請求人・前川彰司さん)。弁護団が昨年3月11日に特別抗告申立書を最高裁判所に提出して、1年半が経ちます。弁護団は、これまでに特別抗告申立理由補充書を6回にわたって提出し、有罪判決・再審開始取消決定の問題点を明らかにしてきました。
 (注)前川彰司さん以外の関係者については、「A」などの記号で記載しています。

事件発生から有罪確定まで  

無罪から一転有罪に
 被害者の女子中学生は、自分の卒業式の夜に殺されました。その日の夜には、被害者の友人にもリンチ騒ぎがありました。被害者は、暴走族や薬物使用者を含む幅広い交友関係があり、1人で自宅にいるときは、玄関のカギを掛けることを習慣としていたため、警察は、当初から友人関係を捜査対象にして捜査をおこないました。そして、事件が起きた時間頃に、被害者宅に友人が遊びに来る予定であったことが判明しましたが、それが誰かがわからないまま、捜査は行き詰まり、半年が経過するのです。

減刑欲しさに
仲間引き込む

 そこに現れるのが、当時21歳の暴力団員のAです。
 Aは覚醒剤の売人で、かつて前川さんをシンナー遊びに引き込んだ男です。そのときも覚醒剤の罪と窃盗罪で警察に勾留されていました。Aは警察がこの事件で犯人を捕まえられず、地元マスコミに「難航の女子中生殺し、解決楽観、捜査に緩み、指示不徹底、連携も欠く」等と批判され、右往左往しているのを横目で見ていたのです。Aは面会に来た知人に、「犯人を知らないか。犯人が分かると刑が軽くなるかもしれない」と協力を求め、また当時同棲していた女性に手紙で、「殺人事件の事が俺の情報で逮捕されれば、減刑してもらえるから頼むぞ」などと情報提供を依頼します。そして、86年10月下旬、Aは、前川さんが犯人であると警察にほのめかします。Aは減刑目的で前川さんを犯人に仕立て上げたのです。

Aの作り話
著しく変遷

 Aは最初、警察に、血だらけの前川さんが自分のところに逃げてきたとして、事件の翌日、前川さんが自宅に来たなどと言いますが、その内容が曖昧だったため、警察に信用されませんでした。
 そうすると今度は、前川さんがL男と一緒に喫茶店に来たので、H子宅に匿ったと供述を変えます。
 しかし、L男が関与していないことが警察の捜査で判明すると、Aは、前川さんはB男と一緒に喫茶店に来たので、H子宅に匿ったと述べたのです。
 ところが、今度は、B男が喫茶店の場所を知らないことが判明します。
 すると、Aは、前川さんはB男と一緒に喫茶店近くの神社まで来て、神社に迎えに行かせたN男と喫茶店に来たので、H子宅に匿ったと供述を変えるのです。
 なんと、このAの供述を警察が「信用」するのです。
 B男、L男、N男、H子という人たちは、そろって警察に弱みを握られている青少年でした。彼らは、最初、関わりを否定したり、曖昧なことしか述べていなかったのですが、Aの筋書きに沿った供述をおこない、Aの供述が変わるとそれに合わせるようにして供述を変えていきます。
 多少なりとも冷静に考えれば作り話とわかるにもかかわらず、世論とマスコミから遅々たる捜査を批判されていた警察は、Aの供述を「信用」して行動するのです。

別人の血痕で
前川さんを逮捕

 前川さんが逮捕された直接の根拠は、事件後、前川さんを乗せて福井市内を走ったとAが特定した乗用車(スカイライン)に、被害者と同じO型の血痕が付着していたことでした。それは、Aらが、前川さんが血だらけでスカイラインに乗ったと証言していたからで、血だらけの前川さんが車の中に血をつけたと証言していたからでした。しかし、警察が関係者を取り調べた結果、その血痕は事件から1年も前の別人のものであることが判明しました。まさしく誤認逮捕だったのです。
 実は、前川さんはシンナー遊びをしたことがあったために、捜査初期の段階で調べられ、事件当日、自分の家族と一緒にいたというアリバイがあったために捜査線上から外されていたのです。前川さんは、一貫して、「この事件は、Aとその知人たちの作り話です」と訴えています。

一審では無罪
二審逆転有罪

 検察は前川さんの訴えを無視し、起訴しますが、1990年9月、1審の福井地裁は、〜粟遒気鵑犯塙圓魴襪咾弔韻詈証が全くない、∩粟遒気鵑亮白がない、Aたちの供述は信用できない(事件から7カ月も経った後のものであること、核心部分に裏付けがないこと、捜査機関に弱みがあって誘導に乗りやすい人たちであること、重要部分で供述が変遷していること、法廷で事件関与を否定した者もいることなどがその理由)として前川さんに無罪判決を出しました。
 ところが、同じ証拠にもかかわらず、控訴審の名古屋高裁金沢支部(確定有罪判決)は、確かに物証はないが、Aら関係者の供述は、「血が付いている前川さんを見た」という大筋で一致しているから信用できるとしたうえで、前川さんがシンナー乱用による幻覚、妄想状態で、被害者といさかいになり激昂のあまり、ガラス製の灰皿で頭を数回殴り、電気カーペットのコードで首を絞め、台所から持ってきた2本の包丁で顔、首、胸をめった突きにして殺したと認定し、有罪(懲役7年)としました。1997年11月、最高裁はそれを支持し、有罪確定。前川さんは服役したのです。

再審請求から最高裁(現在)まで  

証拠を見れば、無実明白

04年再審請求
再審開始決定

 前川さんは、服役後の2004年7月に名古屋高裁金沢支部に再審(裁判のやり直し)請求をおこないます。
 弁護団は再審請求直後に、証拠開示を請求しますが、検察官は「要求に応じる意思はない」とはねつけます。しかし、弁護団の粘り強い働きかけで、裁判所は証拠開示の勧告を出します。それにより、2008年に被害者の解剖写真等の物的証拠、09年にAら関係者の供述調書等の証拠がそれぞれ開示されました。2011年に鑑定人の尋問も行われ、名古屋高裁金沢支部は、再審開始決定を出します。

供述の矛盾は
警察の誘導で

 名古屋高裁金沢支部への再審請求の申し立てで前川さんと弁護団は、次のように主張しました。
 ,海了件は、第1審の福井地裁が無罪判決を言い渡したことからもわかるように、もともと証拠が脆(ぜい)弱(じゃく)な事件である。
 ∨^絣愆嫩蟒馘から認められる、客観的犯行態様、首つり偽装、犯人自ら凶器を準備していること、犯行現場に請求人の指紋や足跡等の痕跡(こんせき)が一切残されていないことなどから、本件は、シンナー乱用による幻覚、妄想状態で、被害者といさかいになり激昂のあまり突発的に犯した犯行であるとする関係者の供述には著しい矛盾がある。
 K^絣愆嫩蟒馘から認められる事実(一旦付着した血痕は清掃をしてもルミノール反応がでないことはまずないこと、スカイライン車内に1年前に付着した第三者の血痕は鮮明な状態で残っていること、事件直後に、前川さんが血だらけの姿で乗降を繰り返したとされるスカイラインや立ち寄り先のどこからも被害者の血痕が発見されないことなど)から、「事件直後に、手等の身体や着衣を血だらけにした請求人が、スカイラインに乗降を繰り返し、立ち寄り先に行った」というAら関係者の供述には著しい矛盾がある。
 ご愀玄圓龍―劼、同時期に、同内容に変遷を繰り返していることは、捜査機関がAの供述に依拠した強引な誘導を行ったことを示している。
 グ幣紊茲蝓⊃卦貍攀鬚鯀躪臧床舛垢譴弌確定判決の有罪認定に合理的疑いが生じており、再審開始すべきである。

客観証拠で
Aの嘘暴露

 その結果、名古屋高裁金沢支部での審理で次のことが明らかになりました。
 “鏗下圓隆蕕覆匹鮹羶瓦砲靴燭燭さんの傷の中には、確定有罪判決が認定した刃物(2本の包丁)では生じない刃物による傷が存在していること(傷の深さに対応する傷口の長さより2本の包丁の刃幅のほうが長いので、第3の刃物が使われたといえる)(イラスト「傷口の長さと深さ、包丁の刃幅」参照)。
 ∩粟遒気鵑血の付いた手でスカイラインのダッシュボードを触ったため、血がついたとの証言があったにもかかわらず、ダッシュボードからルミノール反応が出なかったことは、そもそも血は付いていなかったことを示すこと(左の「警察実験」の結果参照)。
 3猟衄酬茲蓮∩粟遒気鵑シンナー乱用による幻覚、妄想状態で、被害者といさかいになり激昂のあまり、被害者を殺害したと認定しているが、被害者方に前川さんの指紋及び足跡など犯人特定に結びつく痕跡を全く残していないことや第3の刃物をあらかじめ携えて被害者宅を訪れ、使用後に持ち出していること、などから、犯人は合理的で高度の思考能力を備えた者と考えられ、シンナー乱用による幻覚・妄想状態とは考えられないこと。
 このような理由から、再審開始決定を出しました。

客観証拠無視
開始決定棄却

 ところが、2013年3月に名古屋高裁本庁の刑事第1部は、―口の深さ、長さは測定に誤差が存在することは否定できない、∧杆鄲Δ隆嫩蠖佑亮存海蓮⊆尊櫃半魴錣違うのでルミノール反応が出なかったとしても不思議ではない、9眦戮糧獣杷塾呂泙派要とするものではなく、シンナー乱用による幻覚・妄想状態での行為と考えても矛盾しない、ぃ舛藉愀玄圓龍―劼蓮⊇淑に信用できる、などと述べて、再審開始決定を取り消しました。
 前川さんと弁護団は、最高裁に特別抗告をおこない、現在、最高裁第2小法廷でたたかっています。

最高裁でこそ
再審開始を!

 最高裁で弁護団は、名古屋高裁本庁刑事第1部の誤りを徹底的に暴露し、再審開始決定を勝ち取るために、次のようなことを主張しています。
 ,海了件が、Aの減刑目的での嘘の供述が生み出したものであることを、関係者の供述調書等を分析して、Aの供述が変遷していくに連れて、他の関係者の供述も変遷していること、■舛藉愀玄圓、前川さんから「犯行告白を聞いた」という供述の内容が客観的証拠と食い違うこと、Aら関係者の「血だらけの前川さんに同行した」との供述の内容に、被害者の血痕がどこにも発見されないなど客観的裏付けがまるで無いこと、さらにぬ掌轍姐盧柬楪7沙第1部の判断が、最高裁白鳥決定をはじめ、数々の判例に反すること。

大きな世論で
良心の発揮を

 最高裁では、検察の具体的な反論がないなか、弁護団の奮闘で前川さんの無実は、幾重にも明らかにされています。
 服役の後遺症に苦しめられながらもあちこちで支援を訴えている前川さんと、80歳を過ぎてもなお前川さんの冤罪を晴らすべく懸命に活動を続けるお父さん・禮三さんの救援のために、いま必要なことは、最高裁の裁判官が良心を発揮し、再審開始決定が書けるように、多くの国民の声を裁判官に届けることです。あなたも周りの知人に事件の真実を広げ、要請署名をお願いしてください。

 【要請署名の問い合わせ・送り先】
 〒910―0026 福井市光陽3―4―18 民医連ビル4F
 日本国民救援会福井県本部
 【要請先】
 〒102―0092
 千代田句隼町4―2
 最高裁判所第二小法廷
 千葉勝美裁判長

全国のみなさんのご支援を 再審請求人・前川彰司さん  

 いまから28年半前、女子中学生が卒業式の夜に何者かに殺され、その1年後、当時、覚醒剤と窃盗の容疑で勾留中の知人の暴力団員Aが自分の量刑を軽くすることの見返りに、虚偽の情報を警察に流し、私が逮捕されました。
 この事件には、自白はおろか、物証もなく、あるのは覚醒剤などで警察に弱みのある数人のジャンキー(麻薬常用者)の証言でした。しかも、それらの証言は二転三転四転五転し、互いに齟齬(そご)や矛盾があり、まったくもって信用できないものです。そんな証言によって私は殺人犯にされてしまったのです。
 私は刑務所を出たのち、これはどうしても納得できない、社会正義に反すると、再審請求をし、名古屋高裁金沢支部では再審開始が認められました。しかし、またしても検察の妨害に会い、いま最高裁でたたかっています。
 無罪、有罪、有罪確定、再審開始、再審開始の取り消しと、私は司法のおもちゃにされています。司法暗黒時代と言われて久しい今の世の中、もはや司法に絶対的な正義などありはしないということを、私は痛感しています。
 国民救援会のみなさんのお力をお借りして、最高裁で何としても再審開始を得たいと思います。ご支援、よろしくお願いいたします。

福井女子中学生殺人事件  

 1986年3月19日午後9時40分頃、福井市内の市営団地に母子2人で住んでいた女子中学生が、団地2階の自宅の奥6畳間で、母親の留守中に惨殺されました。被害者の自宅玄関には、これといって争った後などはありませんでした。
 犯行の手口は、頭部・顔面をガラス製の灰皿で殴打し、電気カーペットのコードで首を絞めたうえ、顔面にビニールのコタツカバーを掛けた上から刃物で数十カ所も刺した痕があるという複雑かつ残忍なものでした。しかも、部屋の鴨居には、首つりを偽装するためにドライヤーコードが吊されていました。
 事件から、半年以上経って、被害者の女子中学生とは面識すらなかった前川彰司さんが逮捕・起訴され、有罪とされました。

三重・名張毒ぶどう酒事件 高裁前で終日宣伝 死刑宣告45年行動にご参加を  

 1961年にぶどう酒に農薬を混ぜて、5人を殺害したとして死刑判決を受けた奥西勝さんが再審を求めている三重・名張毒ぶどう酒事件。5月28日には、名古屋高裁刑事第1部が奥西さんの8度目の再審請求を棄却する不当決定を出しました。現在、名古屋高裁刑事第2部で異議審がたたかわれています。
 奥西さんは、1964年の1審で無罪判決、2005年に再審開始決定(実質的な無罪判決)と、2度も無罪の認定を受けながら、いずれも覆されています。88歳となった奥西さんは53年間もの間、人生を裁判に費やされ、いまは八王子医療刑務所で人工呼吸器と多くの機器につながれながら、必死に命の炎を燃やし続けています。
 1969年9月10日は、1審無罪判決に対して、名古屋高裁が逆転死刑判決を言い渡した日です。名張毒ぶどう酒事件愛知守る会と国民救援会愛知県本部は、9月10日に名古屋高裁前で終日行動を呼びかけています。
 この日は、現在の第8次再審請求審が係属している木口信之裁判長も出勤する日です。「奥西さんの再審開始を」のメッセージを伝えましょう。
〈日程〉9月10日(水)
午前9時〜正午 スタンディング(メッセージボードを持って立ちます)
正午〜12時45分 宣伝行動
12時45分〜午後4時45分 スタンディング
午後1時30分 名古屋高裁へ要請行動
午後3時 名古屋高検へ要請行動

奥西さんに再審開始を 名古屋高裁、高検に要請  

 名張毒ぶどう酒事件の要請行動が8月22日におこなわれ、東京、長野、愛知、奈良、大阪、兵庫の6都府県から19人が参加しました。
 名古屋高裁では、「7月の国連人権委員会の日本審査総括所見でも証拠開示の問題など厳しく指摘されている」「裁判所は逃げないでほしい」「1審無罪判決をもう一度読み直せ」など要請をおこないました。署名4680人分を提出しました(累計1万313人分)。
 名古屋高検に対しては、「検察がこれほどまでに証拠を隠すのは、無実を示すものがあることが明らか。そうでないというなら正々堂々と出せ」「検察の理念から見ても、名張事件に対する検察の態度は異常。何ら証拠改ざんを反省していない証拠」「国連人権委員会でも日本の検察の在り方は間違っていると指摘されている」など、要請をおこないました。(再審開始をめざすニュースより)

自由権規約委員会第6回審査 濱嶋隆昌中央常任委員のレポート(中)  

 今号は第6回日本審査の全体的な特徴点を報告します(救援運動にかかわる部分は次号)。

 第6回審査に参加するNGOは事前にネットワーク(JapanNGO Network CCPR2014)をつくり、多くのNGOが重視する特定秘密保護法とヘイトスピーチの問題で共同レポートを提出し、共同発言をおこないました(国民救援会も参加)。
 このようにNGOが共同するのは、限られた時間で多くの課題を効率的に審査するための自由権規約委員会の要請にも応えたものです。結果、秘密保護法は日本の新たな人権問題として関心を集め、総括所見でも、同法は情報に対する権利を規定した規約第19条に適合しないという勧告を得ました(ヘイトスピーチも新たな問題として勧告)。
 また、各NGOは、従前から報告している民族的マイノリティや先住民、障がい者、難民の権利、刑事司法や言論の自由の問題に加え、性的少数者やムスリムに対する偏見などを新たに問題提起し、委員会も勧告にとりあげました。勧告は、福島原発事故もとりあげており、あらゆる問題を人権という視点からみること―人権の主流化(国連の方針)の重要性を教えています。
 一方、政府の対応は驚くほど官僚的で、例えば袴田事件についての質問に法務省は、分かりきった刑事訴訟法の条文をくり返した挙げ句、「抗告中なので具体的な内容は回答を控えたい」というものでした。
 これに対して委員会のナイジェル・ロドリー議長は、代用監獄と従軍慰安婦(性奴隷)の問題を例にあげて、「今審査の特徴は委員会から改善を勧告されながら政府が改善せず、同じ問題について同じ勧告を受けるという『くりかえしのプロセスが長年続いていること』で、さらに厳しい勧告が出ても驚くに値しない」とまとめました。
 審査は、旧態依然として数十年前の宿題を解決できない政府の姿を露(あら)わにしました。
 その一方で、各委員とNGOの発言は、民族、宗教、ジェンダーアイデンティティなど、地球全体が多元的な共存社会になっているなか、日本も例外ではありえないこと、そして、民主主義、情報の公開、暴力の否定といった原理によって、必ず一人ひとりの人権が尊重される社会を築けること、そのために努力する市民社会(NGO)と国連人権機関のパートナーシップに希望を感じさせる審査でした。

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