日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2014年7月5日号

2014年7月5日号  

岡山・倉敷民商弾圧事件 裁判勝利へ全国から支援を! 弁護団 「民商への組織攻撃」と公判で主張  

弾圧許すな!
仲間を守りたたかおう!

 本紙5月25日号既報のとおり、事件は、昨年国税当局が倉敷民商の法人会員であるI建設の脱税と、同建設会社が倉敷民商の会員であることを「発見」し、これにことよせて倉敷民商事務局員の禰(ね)屋(や)町子さんを法人税法違反(脱税ほう助)と税理士法違反、同会事務局長の小原淳さんと事務局次長の須増和悦さんを税理士法違反で逮捕・起訴したものです。3人の裁判は、禰屋裁判が岡山地裁刑事2部に、小原裁判・須増裁判が岡山地裁刑事1部に係属して、いずれも第2回公判まですすんでいます。

 弁護団は、本件は、被疑事実と無関係の資料を多数押収し、弁護人との連絡を排除する等の違法捜査にもとづいた起訴であり、検察官が公訴権を濫用して起訴したものであるから、公訴を棄却すべきと主張しました。

証拠も出さず有罪だと検察
 検察の立証方針は、徹底した証拠隠しが顕著な特徴です。脱税ほう助については、検察に迎合したI建設側の「すべて禰屋さんの指示によってやった」とする供述が柱で、具体的な会計・税務補助実務で禰屋さんがどの部分で何をしたのかについて、一切明らかにしようとしていません。また、税理士法違反事件についても、国税査察官の供述(報告書)により、「査察官がそう言っている」というもので、3人が会員の申告準備実務の補助において、具体的にどの部分で何をしたのかを、全く明らかにしようとしないのです。
 このため弁護団は、検察官に対して、いずれもいかなる行為が違法となるのか明らかにせよ、その明確にした主張をどの証拠によって証明するのか証拠を示せ、そうでなければ、認否すら不可能で、審理のすすめようがないと追及し、裁判所には求釈明と証拠開示勧告を求めました。この問題は、なおも論争が続いており、三者協議で調整もおこなわれています。

民商の活動は正当性がある
 弁護団は公訴事実に対して、法人税法違反事件、税理士法違反事件ともに、無罪であると述べました。法人税法違反については、禰屋さんは、一切の原資料を見せられないままに、信用していたI建設が読み上げる数値をソフトに入力しただけであり、知らないままに、脱税の手伝いをさせられていたのであるとして、無罪を主張。
 3人の税理士法違反容疑については民商事務局員としての活動の正当性を以下のように主張しました。
 \罵士の業務は税理士以外は行ってはならないと制限されている(税理士法52条)。一方、同50条では臨時税理士制度という、税理士資格も税務知識もない者に税理士業務を許可するという大きな例外を設けている。この制度により、農業協同組合(JA)など4団体が全国で3万6千団体、3300余万人の構成員の相当多数がこれを利用しており、税理士独占業務は立法時点から破綻しており、現在の実態においても崩壊している。
◆〔云Δ稜疾任紡个垢覲萋阿蓮△海譴箸詫念が全く異なる。請負などというのではなく、納税者は主権者という立場で、会員が「自主記帳・自主計算・自主申告」をすることを学びあい、助け合って申告するという、申告納税制度の確立を目指している。
 弁護団は、戦後の重税反対運動の中で、中小零細商工業者の営業と生活を守るために各地でつくられた民商の運動について触れ、「民商の活動の大きな柱に憲法に立脚した納税者の権利の確立がある、かねてより税務当局は、納税民主主義を旗印とする民商を敵視しており、本件は、民商に対する組織的攻撃にほかならない」と述べました。

3人の即時釈放を!
 この事件で、岡山地検は建設会社の社長夫婦を在宅起訴で野放しにする一方、3人(倉敷民商の専従者全員)はいまも勾留され続けています。しかし、3人は法廷で「私は違法なことはしていない」と毅然と訴え、また、傍聴支援者へは弁護人を通じて、「傍聴席のみんなの顔を見て自然に笑顔が出て支えとなっています」(禰屋さん)、「法廷でみなさんの顔を見ると元気が出る、検察官の訴訟態度には怒りを覚える」(小原さん、須増さん)と語っています。
 倉敷民商を支える会は、国民救援会岡山県本部との共同の、「慎重・公正な審理と道理ある公正な判決等を求める要請署名」を開始しています。また、全国商工団体連合会は国分稔会長名で、署名のとりくみや、「支える会」への入会・カンパ等で、全国の民商に物心両面の支援を訴えています。公正な審理・裁判と、見せしめ的な長期勾留を解き、3人の釈放を勝ちとるために、全国のご支援をお願いします。

〈署名問合せ先〉〒710―0038 倉敷市新田1294 倉敷民商を支える会 TEL086(426)1578

兵庫・養父市議選不当捜査事件 警察が市民を脅迫  

 養父市議選不当捜査事件では、今も警察の不当な呼び出しが続いています。
 2012年10月21日の兵庫県養父市議選投票日直後から、養父警察が元教諭3人へ公職選挙法の文書違反を口実にして、1年8カ月経った今も呼び出しなどの不当捜査を続けています。3人への呼び出しは合計50回以上、一時は毎日24時間、張り込みがおこなわれ、外出にも尾行がつきました。半年後の昨年4月、元教諭Aさんの自宅を家宅捜索。20人の警察官が押しかけ、5時間も捜索しましたが、押収品は2カ月後に全て還付(返却)されました。これで捜査は終わりかと思えば、今も終結もせず、送検もされていません。
嫌がらせ目的

形だけの捜査
 警察は投票日から1年半たった今年4月時点でも、「捜査は時効(3年)までやるかもしれない」と言い放っており、4月17日には、またも家宅捜索を受けたAさんに、任意出頭を求めてきました。この日にちは、前回呼び出しの1月17日からちょうど3カ月目にあたります。これまでの家宅捜索も、押収品の還付も、呼び出しの再開も、区切りのいい日付でおこなわれています。本件は、証拠収集の必要性に応じておこなわれているのではなく、Aさんや市民への脅迫、嫌がらせが目的です。
 3人の市民には持病を持つ人もいて、捜査以来、警察に対して出頭しない意思をはっきりと伝えてあります。捜査に協力しないことを知りながら呼び出しをおこなうとすれば、警察の目的は取調べでの「自白」強要しか考えられません。本件の呼び出しは、「自白」獲得を目的に、公務員が市民に重い苦痛を故意に与える行為であり、脅迫・強要の効果を持つものです。これは、日本も批准している拷問禁止条約が定義する拷問に該当し、公務員としてあるまじき行為です。

多方面作戦で徹底的に反撃
 対策会議はこの弾圧手法を定着させないために、多方面作戦で反撃をおこなっています。県警、養父署への抗議行動や、捜査終結指示を求める公安委員会宛の団体署名、検察への要請、令状発付をさせないための裁判所宛の個人署名にとりくんでいます。
 養父警察署協議会(※)へは2月以降、委員へも捜査の中止を申し入れました。
 国民救援会兵庫県本部名で、米田壮警察庁長官あてに捜査終結を求める書面を送付し、県公安委員長に申し入れを計画中。中央本部は、国連自由権規約委員会に対するレポートでも養父事件の例を示して公選法による言論抑圧が続いていることを報告。7月には日本の人権状況による第6回審査がおこなわれます。
〈署名問合せ先〉国民救援会兵庫県本部
Tel078(351)0677

※警察署協議会
 警察業務に民意を反映させるためとして、全警察署に設けられている諮問機関。数人の市民で構成されている。

鹿児島・大崎事件 原口さんに再審開始を 袴田ひで子さんらが要請 福岡高裁宮崎支部  

 6月18日、大雨が降る中、九州各県を中心に山口、東京など70人を超える支援者が参加して、決定間近の鹿児島・大崎事件の原口アヤ子さんらの再審開始決定を求めて裁判所要請と緊急報告集会がおこなわれました。
 この日の要請には、今年3月に再審開始決定を勝ちとった静岡・袴田事件の袴田ひで子さんや、布川事件の桜井昌司さんらも激励に駆けつけました。
 昨年3月に即時抗告を申し立ててから約1年余、国民救援会と大崎事件の守る会は毎月裁判所へ再審開始を求めて要請行動をおこない、累計で約1万7000人分の署名を提出しました。
 要請で原口さんは、「私は絶対にやっていません。どうかよろしくお願いします」と、訴えました。また、原口さんの娘さんも「気丈な母も6月15日で満87歳となり、体力もかなり落ちてきました。母だけでなく、この事件で私たち家族は大変な苦労を味わってきました。どうか今度こそ、裁判官が正しい判断をしてください」と、涙を流しながら訴えました。
 報告集会では、鴨志田祐美・弁護団事務局長が即時抗告審の流れと、この間の経過を報告。弁護団が提出した新証拠にもとづいて3人の専門家の証人尋問がおこなわれ、裁判所の検察官に対する証拠開示「勧告」によって新たに213点の証拠が開示されたと話しました。その結果、原口さんたちが真犯人であると認定するには合理的な疑いが残ることは明白であり、もはや有罪判決は維持することができない、新旧証拠を総合評価すれば、再審開始に向かわなければおかしいと、述べました。
 ひで子さんは、「原口さんが巖と同じように冤罪で苦しんでいることは前から知っていた。原口さんらの気持ちはよく分かるので、応援に駆けつけた」「原口さんも87歳になったことですが、まだ元気なようなので、ぜひ良い結果を、と思う」と激励しました。
 報告集会では、再審開始決定を勝ちとるために最後まで奮闘する決意を固めました。

沖縄・ヘリパッド訴訟 伊佐さんの上告棄却 国の住民運動弾圧を容認 最高裁  

 最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は6月13日付で、沖縄・ヘリパッド訴訟の伊佐真(まさ)次(つぐ)さんの上告を棄却する不当決定を出しました。
 訴訟は米軍の軍事演習用のヘリパッド建設に座り込みで抗議行動をおこなった沖縄県東村高江地区の住民15人を、防衛省沖縄防衛局が通行妨害禁止の仮処分を申し立て、那覇地裁は「ヘリパッドいらない住民の会」代表2人に通行妨害禁止を命じ、2人が不服申し立てをしたところ、国が2人を被告として提訴したものです。本裁判では一、二審ともに国の訴えを認め、住民のひとり・伊佐さんの座り込みを「通行妨害」だと認定。これを不服として、伊佐さんは上告していました。
 日本国民救援会は、国民の言論・表現の自由を守るため、「高江住民運動弾圧訴訟をたたかう伊佐真次さんの最高裁でのたたかいを支援する会」(事務局・安保破棄中央実行委員会)に参加し、運動をすすめてきました。

周防さん招き市民集会 事務当局試案を批判  

 6月14日、なくせ冤罪!市民評議会と布川国賠を支援する会の共催で「冤罪の原因究明と再発防止を!! 6・14市民集会」が東京都内でおこなわれ、法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会の委員である周防正行さんと成城大学教授の指宿(いぶすき)信さんが「特別部会」の審議について対談をおこないました。

警察、まるで「被害者」
 取調べの可視化についての議論では、警察はパソコン遠隔操作事件で虚偽自白を強要したことについては、「サイバー犯罪に対する自分たちの知識が浅かった」とか、被疑者の「嘘の自白を信じてしまった自分たちの浅はかさ、正直さ」を反省するだけだと周防さんが述べると、指宿さんは、警察は、まるで被害者と言わんばかりですねと言って会場を沸かせました。
 指宿さんは、4月に出された「事務当局試案」に言及し、裁判員裁判だけが取調べの可視化の対象とされているが、パソコン遠隔操作事件は、裁判員裁判ではない、痴漢事件も同じと述べると、周防さんは、「警察は、痴漢事件では勾留をすることは少なくなったから問題ないという認識」と述べ、さらに、警視総監に昇進した元委員は、取調べが可視化されたら、「今までの取調べができなくなるから駄目だ」と述べたことが衝撃だった、今までの取調べが間違っていたという反省がまるでないと警察を批判しました。

「全ての証拠開示ない」
 証拠開示についての議論では、周防さんは、証拠の事前全面一括開示が必要であると主張したが、ある委員から、全面的な証拠開示はありえないことは決められており、蒸し返すなと言われたことを報告。また、証拠を事前に全面的に開示すれば、被告人は、全ての証拠について矛盾しない合理的な言い訳を考えるから、できないという警察の言い分も紹介しました。指宿さん、周防さんともに、事務当局試案の「証拠の一覧の交付制度」は、リストの開示にすぎなく、公判前整理手続がおこなわれる事件だけの話であり、事件全体のわずか数パーセントに過ぎないと批判しました。
 集会は、2人の対談の後、布川事件の桜井昌司さんのミニ・コンサートや袴田ひで子さんと弁護団の元団員から袴田事件勝利報告がなされ、集会決議を採択しました。

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