日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2014年4月5日号

2014年4月5日号  

大阪・東住吉冤罪事件 青木さん、朴さんの無実は明らか 14都府県260人が大阪高裁を「人間の鎖」で包囲  

 「大阪高裁は、青木さん、朴さんの再審裁判を開始せよー」3月とは思えない寒風が吹くなか、大阪高裁をヒューマンチェーン(人間の鎖)でぐるりと取り囲んだ支援者は高裁に向かってシュプレヒコール。大阪・東住吉冤罪事件は、12年3月に再審開始決定が出されましたが、検察の即時抗告により大阪高裁で審理が続いており、再審開始決定の早期確定を迫ろうと支援する会と国民救援会大阪府本部は、3月7日、14都府県260人の参加で大阪高裁包囲行動をおこないました。

 95年、娘が火災で死亡した事故で青木惠子さんと内縁の夫・朴龍(たつ)晧(ひろ)さんによる保険金目当ての放火殺人事件とされ無期懲役が確定した東住吉冤罪事件は、再審開始決定が出されましたが、検察の即時抗告により、現在大阪高裁で審理が続いています。今回の行動は、再審開始決定から2年も経ち、青木さん、朴さんの無実が証拠上明らかになっているにもかかわらず、裁判所が検察の裁判の引き延ばしを容認し決定を出そうとしないことからおこなわれました。
 包囲行動では、裁判所の周囲を260人の支援者が囲み、裁判所の4つの角に設置されたハンドマイク6台から、「米山裁判長は即時抗告を棄却せよー」「1日も早く再審裁判を開けー」「ガソリン実験で無実が証明されているぞー」「朴さん、青木さんを家族のもとへかえせー」などとシュプレヒコールをおこない、裁判所と周辺の市民にアピールしました。その後、裁判所に、審理の終結と再審開始を要請しました。

「息子助けて」
 母が涙の訴え

 行動後、3・7再審開始決定2周年報告集会が開かれ、149人の支援者が参加しました。
 朴さんの母・李文子さんは、先月、1年ぶりに面会してきたことを報告。「息子は元気にしていましたが、心はいつも落ち着きません。今後とも、よろしくお願いします」と涙ながらに訴えました。
 最後に支援する会の尾良江事務局長が署名や宣伝、要請などの行動提起をおこない、1日も早く再審裁判の開始と2人の釈放を勝ちとろうと誓い合いました。

放火は不可能
審理の終結を

 確定判決では、ガソリン7・3リットルを車庫にあった車の後方に流し、ターボライターで火をつけたという朴さんの「自白」が信用できるとして、2人に無期懲役が言い渡されています。しかし、弁護団の新再現実験により、「自白」通りにおこなえば、ガソリンをまききる前に気化して、風呂釜の種火に引火して車庫全体が大きな炎に包まれ、大やけどを負うことになり、犯行は不可能であることが明らかになり、大阪地裁で再審開始決定が出されました。
 これに対し、検察は、実験は犯行時の状況を正確に再現していないとして即時抗告し、燃焼実験をおこないました。検察の実験結果は、弁護団の実験と同様に、「自白」通りの放火は不可能であることが再度明白となりました。
 それにもかかわらず、検察は「新たな自然発火に関する実験」を求め、裁判所もそれを認め、昨年12月、実験が実施されました。この4月15日には実験に立ち会った大学教授の証人尋問が予定されています。「自白」通りの犯行が不可能であることが明白になったため、検察は、自然発火の可能性が低いならば、相対的に、「自白」通りでなくても放火の可能性が高いと裁判所に判断されると考えていると思われます。
 弁護団は、このような追加立証は不要であり、裁判所は直ちに審理を終結し再審開始をすべきと主張しています。

静岡・袴田事件「無実の弟を返して」 姉・ひで子さん街頭で訴え  

 3月10日は、袴田巌さんの78歳の誕生日。1月に開催された、「袴田巖さんは無実だ!即時再審開始を求める全国集会」の実行委員会8団体が、30人で静岡地裁に、「即時再審開始と刑の執行停止」を求める申し入れをおこないました。国民救援会静岡県本部も全国からの1538人分の署名を提出しました。
 静岡地検には、42団体の署名と共に、「検察官はデッチ上げ捜査を認め、袴田巖さんの再審を認めろ」と求め、再審開始決定に際して即時抗告をするなと求めました。
 東京拘置所に袴田巖さんとの面会に訪れ、残念ながら面会できなかったひで子さんが静岡に戻り、青葉公園で行われているリレー・トークに加わり、「一刻も早く、生きて私のもとに無実の弟を返してほしい」と街行く市民に訴えました。
 キャンドルで、「78」の文字を作り、巌さんの78歳のバースデーを示して、再審開始を市民に訴え、ビラを配りました。(静岡県本部常任委員・袴田次郎)

袴田さん医療棟へ 3月から糖尿病治療のため  

 袴田巖さんの78歳の誕生日となる3月10日、姉のひで子さんが面会のため、東京拘置所を訪れました。しかし、袴田さんが面会を断ったと職員が伝えたため会えず、拘置所の医師や職員から健康状態について説明を受けました。健康状態の聞き取りには、袴田巖死刑囚救援議員連盟の事務局次長・鈴木孝子衆院議員も同席しました。
 袴田さんは、糖尿病の治療のため、3月から医療棟に移ってインスリン投与を受けており、食事の量を減らしているとのことです。
 ひで子さんは、「医療棟に移る際に自分の名前が言えるようになったと聞いた。少し前は、『袴田巖』というのは存在しないと言っていたから、少しは(精神状態が)良くなったのかな、と思いたい」と話しました。

現場めぐり無実確信 福井女子中学生殺人事件 現地調査に93人  

 87年に福井市内で女子中学生を殺害したとして、懲役7年の判決を受けた前川彰司さんが再審を求めている福井女子中学生殺人事件の第4回全国現地調査が3月9日、福井市内でおこなわれ、93人が参加しました。
 事件は、覚せい剤犯罪や窃盗で逮捕されていた暴力団員のAが、自分の罪を軽くしてもらおうと企み、警察に前川さんが犯人だと虚偽の告白をしたことによるもので、Aは自分の知り合いをどんどん巻き込み、警察と一緒になって、前川さんが犯人であるという話を作っていきました。一審は、Aとその知り合いの変遷する証言は信用できないとして前川さんを無罪としましたが、高裁では、「大筋で一致しているから信用できる」として逆転有罪とし、最高裁で確定しました。刑期満了後の再審請求審では、名古屋高裁金沢支部でいったんは再審開始決定が出ましたが、名古屋高裁本庁が開始決定を取り消し、現在最高裁に係属しています。
 参加者は、被害者が住んでいたアパート、犯行後に前川さんが乗ったとされる車が移動したルート、前川さんが着ていたシャツを捨てたとAが証言した川などを回り、Aらのストーリーのでたらめさを実感し、前川さんの無実を確信しました。
 前川さんの父・禮三さんは、「1年前、再審決定が取り消され、間違っていてもそれを押し通し、真相に目を向けようとしない裁判が公におこなわれている現実に、涙を流した。ただ、当人の息子が少しずつ元気を取り戻しつつあり、それが一番嬉しく思う」と話し、前川さんは、「事件は、1から10までデタラメで、証拠は総崩れしている。それでも私を犯人とする裁判官には、まともな判断能力が欠落している。呆れて言葉も出ないが、勝つまでたたかっていきたい」と話しました。

三重・名張毒ぶどう酒事件 検察の証拠 開示せよ 裁判所と検察庁に要請  

 1961年にぶどう酒に農薬を混入させ、5人を殺害したとして死刑判決を受けた奥西勝さんが再審を求めている三重・名張毒ぶどう酒事件で毎月おこなわれている名古屋高裁と名古屋高検に対する要請行動が3月12日におこなわれ、6都府県25人が参加しました。
 事件は、昨年最高裁で再審請求が棄却され、名古屋高裁に第8次再審請求をしています。
 名古屋高裁の要請では、「証拠を隠したままの裁判なんて、不公正すぎる。裁判所は証拠の開示を求めよ」、「良心に従って再審をおこなえ」、「あやまちを認めず自分で自分に泥を塗るようなことをするな」などと口々に訴えました。
 続いて名古屋高検に対する要請では、「袴田事件では証拠開示がおこなわれ事件の解決が進んでいる。検察官へ証拠開示をするように伝えてほしい」、「病床から訴えている奥西さんの姿を検察官にみてもらいたい。証拠を開示して正々堂々と検察は闘え」などと訴えました。
 高裁に対して、署名2098人分を提出し、累計で2万771人分となりました。
 名張事件全国ネットワークや国民救援会は、4月6日に全国支援市民集会を開き、一刻も早い再審開始を求めて運動を大きく広げる構えです。
(再審開始をめざすニュースより)

大阪・思想調査アンケート裁判 「市長の責任は明確」原告側が準備書面に反論  

 橋下大阪市長が、アンケートと称して職員に対する違法な思想調査をおこなった責任を追及している裁判で、3月10日、大阪地裁で第9回口頭弁論が開かれ、被告・市側が提出した準備書面に対して、原告側が反論しました。
 原告弁護団は、アンケートに関して橋下市長が幹部職員に発した「(アンケート調査を推進した)野村顧問はぼくの身代わりです。顧問への拒否はぼくへの拒否です。末端まで徹底してください」とする内容のメールの存在を示し、市長自らの強い意志があったことを強調。アンケート内容について知らず関知していないと主張している点についても、市長がアンケート実施の前日に内容を知らされていたことを、市側が自ら用意した書面に記載している事実を指摘しました。
 次回弁論は5月26日となりました。
(大阪市労組裁判闘争ニュースより)

長野・特急あずさ35号窃盗冤罪事件 推論でなく科学的見地で判断を 東京高裁に要請行動  

 電車内で財布の置き引きをしたとして、窃盗罪が確定し、再審を求めている特急あずさ35号窃盗冤罪事件で、3月11日、東京高裁へ第4回の要請行動がおこなわれ、請求人のYさんと支援する会、国民救援会長野県本部、東京都本部、中央本部の代表6人が参加しました。
 Yさんは、「裁判は公正におこなわれるものと信じてきた。一審は裁判官が現場検証も行い、自称『被害者』とされる女性の証言は現場の状況と矛盾し、信用できないとして無罪判決だった。ところが高裁では、勝手な推論で覆し逆転有罪となった。弁護団が科学的な鑑定意見書を含めて提出しているので、どうか澄んだ目で証拠を見ていただき、真っ当な判断をしていただきたい」と訴え、公正で慎重な審理を求めました。
 長野県本部では、支援する会と協力して、5月10日に地元諏訪市で再審請求の現状について報告集会を開催する予定です。

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