日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2014年2月5日号

2014年2月5日号  

滋賀・JR山科京都駅間痴漢冤罪事件 柿木さんの上告棄却 最高裁  

警官の証言のみで有罪に

 2011年にJR琵琶湖線の車内で、中学校教員の柿木浩和さんが痴漢行為をしたとして起訴された事件で、最高裁第1小法廷(大谷剛彦裁判長)が1月14日付けで上告棄却決定を出し、罰金40万円の有罪が確定しました。
 一、二審での有罪の根拠は、混雑した車内で、柿木さんの痴漢行為を警官が人混みを分け覗き込むようにして「現認した」という警官の証言のみでした。しかし、警官の背後にいた第三者の目撃者は、警官は覗き込むような姿勢はしていないと明確に証言。また、柿木さんの手から被害者とされる女性の衣服の繊維片は検出されず、女性の被害供述の調書も採用されていません。被害状況が明確でなく、無実を示す証拠は多数あるのに犯人とされていました。
 柿木さんは取材に次のように話しました。
 「被害供述がなくても、刑事の偽証だけで有罪になる。誰のため、何のための裁判だったのか。たたかいのなかで、何度も心が折れそうになり、夫婦で、家族で泣いたことも沢山ありました。そのたび生徒や保護者、支援してくれる方々が励ましてくれました。また、全国の国民救援会の方々からたくさん支援を頂きました。本当に感謝で一杯です」。
 妻の伸子さんは、「最高裁は、いつ結論が出るのか見えず、たたかう意欲が萎えていく、自分の気持ちとたたかうのがとてもしんどかった。通知が届いた日、夫が『頑張ってよかったな』と言ってくれました。もう必死で頑張らんでもいいんやと、夫と抱き合って泣きました。でも涙を流したのはその日だけ。腐らず素直に生きていこうと思えるのは、最後までたたかったからです。真実を積み重ねた3年間に誇りを持ち、明るく元気にありのままの自分らで生きていきます。私らが受けたこの恩、苦しむ人たちに返していきたい」と話しました。

鹿児島県・大崎事件 3月末に最終意見書 検察、写真500枚提出へ 福岡高裁宮崎支部  

 1979年、鹿児島県大崎町で起きた殺人死体遺棄事件で原口アヤ子さんら4人が犯人とされた大崎事件で、抗告審の三者協議が、1月22日に福岡高裁宮崎支部でおこなわれ、証拠の一部が開示されることになりました。
 三者協議では、検察側が1月6日に裁判所に提出した証拠のリストについて、裁判所がその内容を検討して次回三者協議(2月20日)までに、弁護団に公開するかどうか決める、弁護団が要求していた県警にあるはずの証拠について、地検から県警に問い合わせたところ、県警は一切存在しないと回答、検察は証拠の写真ネガから現像可能な約500枚を次回協議までに提出すること、検察は死因は確定判決が言うような絞殺ではないとする鑑定に対する意見書を2月上旬までに提出すること、3月末までに弁護側、検察側双方が最終意見書を提出すること、それ以降も何かあれば提出することを双方が了解しました。
 当日は鹿児島、熊本、宮崎から38人の支援者が参加し、裁判所前での支援集会で弁護団を激励。その後、裁判所のまわりを歌声とともに1周しました。
 高裁のある国民救援会宮崎県本部は、抗告審の重要な段階に向けて、支援運動の大きなうねりをつくるため、「約束」の上映と支援大集会を3月15日に開催することを決めています。
〈要請先〉〒880―0803 宮崎市旭2―3―13 福岡高裁宮崎支部 原田保孝裁判長

静岡・袴田事件 再審開始と即時釈放求め要請 事件は検察の証拠捏造  

 1月13日に静岡市内で開かれた「袴田巖さんは無実だ!即時再審開始を求める全国集会」参加者らが翌14日、静岡地裁と静岡地検へ要請行動をおこないました。
 静岡地裁に再審開始と袴田さんの即時釈放を求める署名約7万4000人分を提出。また、アムネスティ・インターナショナル日本支部などが中心に呼びかけた、再審開始決定の場合は即時抗告しないよう求める国際署名(約4万1000人分)と、実行委員会で集約した同趣旨の署名(173団体分)を静岡地検に提出しました。
 この日の行動には60人が参加して、前日の集会アピールを提出し、実行委員会8団体の代表が要請しました。

世界王者も無罪を要請
 この日の要請行動には、プロボクサーだった袴田死刑囚を支援する日本プロボクシング協会から新田渉(しょう)世(せい)事務局長や、WBCフライ級チャンピオンの八重樫東(あきら)選手らも参加し、283のボクシングジムで集めた署名を提出しました。
 要請には、布川事件の桜井昌司さん、死刑囚として初めて再審無罪になった免田栄さんも参加。静岡地検では布川事件の桜井さんが、「この事件は検察の証拠の捏造が布川事件以上に明らかになっている事件。むしろ検察官が再審請求すべき事案だ」と訴えました。
 八重樫選手は、チャンピオンベルトを持参して、「ボクサーの先輩として救出し、僕ら後輩のボクシングをぜひ見てもらいたい」と述べました。

兵庫・養父市議選不当捜査事件 警察がまた呼出し 抗議行動、新団体署名に協力を  

 兵庫・養父警察署が一昨年の養父市議選に関して、元八鹿高校教諭Aさんに対して、1月17日、任意出頭を求めてきました。
 事件は2012年10月の市議選にかかわり、兵庫県警と養父警察署が公選法の文書違反を口実に、「違法な手紙が届いていないか」と聞き込みをおこない、手紙の提出を強要し、市民3人を執拗に呼び出すなど不当な捜査をおこなっているものです。
 市民3人はこの間、弁護士を通じて任意出頭を拒否しているにもかかわらず、警察は50回以上の呼び出し、張り込み、家宅捜索、卒業生宅へ多数の聞き込みをおこなっています。捜査に名を借りたこれらの行為は、日本国憲法21条(言論表現の自由・通信の秘密)、国際人権規約第19条(言論表現の自由)、第25条(参政権等の保障)に違反します。
 3年におよぶ重大な人権侵害に、Aさんらと家族の心労は限界に達しています。関係者の家族には難病患者もおり、理不尽な捜査への対応で家族と過ごす大切な時間を奪われています。
 養父警察の不当捜査をやめさせる市民の会の代表が、捜査をやめるように真剣に訴えても、県警、養父署は「一般論だが時効(3年)までは捜査するかもしれない」と、不誠実な回答しかしません。近隣住民や商店からも、批判の声があがっています。
 「市民の会」と国民救援会兵庫県本部、但馬支部は警察への抗議行動と、地裁への個人署名に加えて県公安委員会への「新団体署名」をはじめました。全国からのご支援をお願いします。
 署名問合せ先‥国民救援会兵庫県本部 TEL078(351)0677

東京・三鷹バス痴漢冤罪事件 東京高裁 有罪の誤り明らか 画像の鑑定人が証言  

 東京・三鷹バス痴漢冤罪事件の控訴審第2回公判が1月17日、東京高裁(河合健司裁判長)でおこなわれました。
 事件は2011年12月、中学校教諭の津山正義さんがバスの中で女子高校生の「スカートの上からお尻をなでた」として逮捕、起訴されたものです。
 公判では、バスの車載カメラの映像を解析した東京歯科大学の橋本正次教授の証人尋問がおこなわれました。1審の東京地裁立川支部では、津山さんは左手は吊り革につかまり、右手は携帯電話を操作しているため、犯行は不可能であると、橋本教授が鑑定し、公判でも証言しました。しかし、判決は、バスの揺れによって吊り革が映っていない十数秒間に、右手で携帯を操作しながら、左手で痴漢行為をおこなうことは「不可能とか困難とまではいえない」として、有罪としました。
 今回の証人尋問では、裁判官、弁護団、検察それぞれがモニターで、防犯カメラの画像をコマ送りで確認。橋本証人は有罪判決で、犯行があったとされた時間についても、津山さんの左手は吊り革をつかみ、右手は携帯電話を操作し続けていることがはっきりとわかると証言し、有罪判決の誤りが明白になりました。
 報告集会では、津山さんは「僕はどうしても職場に戻りたい。高裁で必ず勝利するため、引き続きご支援をお願いします」と訴えました。支援する会からは、控訴審では2万2213人分の署名が寄せられていることが報告され、引き続き駅頭宣伝に参加し、署名を広げてほしいと訴えがありました。次回2月19日の第3回公判では、検察側の反対尋問がおこなわれます。

熊本・ 松橋事件 事件の地元で学習会 「自白」のみが証拠で有罪に  

 第8回中央常任委員会で支援決定した熊本・松橋事件の学習会が1月18日、熊本・宇(う)城(き)市内で開かれ、12人が参加しました。
 学習会では吉井秀広弁護士が事件のあらまし、冤罪を明らかにしている証拠について説明。再審請求審では、すでに三者協議が5回おこなわれ、弁護団は宮田さんの無実を示す証拠が隠されているとし、全ての証拠の開示を求め、裁判所から検察に証拠開示勧告が出されていることが報告されました。
 松橋事件は1985年、熊本県松橋町(現・宇城市)で、1人暮らしの男性が自宅で刃物のようなもので殺害され、被害者の知人で近所に住む宮田浩喜さん(当時51歳)が犯人として逮捕・起訴され、最高裁まで争いましたが、懲役13年の刑が確定し、服役後の2012年、再審請求を申し立てたものです。
 宮田さんと事件を結びつける物証はなく、「自白」だけで、目撃者などの第3者の供述もありません。宮田さんは9日間で63時間という長時間の厳しい「任意」取り調べを受けて「自白」。しかし、自白の内容は次々と変遷し、客観的な犯行態様や現場の状況とも矛盾しており、信用性がありません。
 今回、事件の地元・松橋地区での学習会とあって、皆さん熱心に報告を聞いておられました。
 今後の運動について、「再審をすすめる会」など地元での運動の進め方についても説明をおこないました。県本部では、署名なども準備しています。全国のみなさんのご支援をお願いします。
(熊本県本部)

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional