日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2014年2月15日号

2014年2月15日号  

宮城・自衛隊国民監視差止訴訟 元隊長、法廷でウソ 収集情報、破棄されず 仙台高裁  

 自衛隊情報保全隊が市民運動を監視し、情報収集していた問題で、国の責任追及と監視の差し止めを求めている裁判の控訴審第7回口頭弁論が、2月3日、仙台高裁(佐藤陽一裁判長)で開かれ、元情報保全隊長の鈴木健氏の4回目となる証人尋問がおこなわれました。鈴木氏は、前回の証言と矛盾する答弁をおこないました。

 今回の口頭弁論では、警察からの情報提供問題(後述)を除き、前回までで鈴木氏に対する原告(市民)、被告(国)の双方からの尋問が終わっていたので、裁判所からの補充尋問がおこなわれました。裁判所は、大きく3つの点について尋問しました。
 一つは、証拠として裁判所に提出されている市民を監視し記録した内部文書が本当に情報保全隊が作成したものか否かを見極めるための尋問をおこない、鈴木氏は、情報保全隊が作成したものとしても違和感がない旨述べ、事実上情報保全隊の文書と認めました。
前回証言と

異なる証言 □□□

 二つ目に、鈴木氏はこれまで収集した情報は文書にして保存し、その保存期間は1年未満であると言っていましたが、それでは、継続的に団体や個人を監視することが無意味になり、情報保全隊の「存在意義」も失われます。そこで、本当に1年で情報を整理した文書を破棄するのかと尋問したところ、新たに作る文書に移記・転載等して収集した情報は破棄されないことが明らかになりました。
 三つ目は、前回、どういう情報を収集すべきかについての指示は、陸上幕僚監部の運用支援・情報部から出されていたと証言したため、弁護団が情報部情報課情報保全室長の証人尋問申請をしているので、尋問の必要性を知るために、情報保全隊が情報収集する際に、活動の企画・立案を誰が行うのかを尋問しました。
 鈴木氏は、前回の答えと矛盾する「情報保全隊の独自の判断でおこなっていた」旨述べました。しかし、情報保全隊が独自の判断で市民の情報を違法に収集することはありえず、鈴木氏は偽証してまで情報保全室長の証人尋問を阻止しようとしたものと思われます。
防衛大臣が

証言を妨害 □□□

 前回、情報保全隊が情報収集活動をおこなう際、他の行政機関から情報提供を受けていたかとの質問に鈴木氏は、「すべての行政機関」から情報提供を受けていたとして、警察から情報提供を受けていたことを認めながらも、開催が予定されているデモや集会の予定についても警察から情報提供を受けたことがあるかとの質問には、「守秘義務に関わる部分」だとして証言を拒否したため、防衛大臣の承認を受ける手続きをとることになりました。これについて、昨年12月26日付で、「情報源となる全ての行政機関との間の信頼関係が損なわれ」「情報収集活動に支障が生じる」ので「承認しない」と小野寺五典防衛大臣が裁判長に回答していました。公正な裁判の実現のために必要な尋問であるからこそ、裁判所が法に基づいて承認を求めたにもかかわらず、事実上、防衛大臣が公正な裁判の実現を妨害した形になりました。
 同時に、本来、三権分立のもと、独自の判断で証人尋問を行うことができた裁判所がいとも簡単に防衛大臣の不承認に従った決定をしたことは重大です。原告側は、特別抗告などで争うことを表明しました。
 口頭弁論後、報告集会が行われ、北海道、青森、秋田、福島、茨城、東京、愛知からの参加者も含め80人が参加しました。参加者からは、秘密保護法の先取りともいえる自衛隊の市民監視に対してたたかっている重要な裁判であることが強調されました。
 要請署名(個人)の到達は、1万2352人分。〈問合せ・署名送付先〉国民救援会宮城県本部 〒980―0022仙台市青葉区五橋1―5―13 県労連会館 TEL022(222)6458

大阪・中津学園刑事弾圧事件 「横領の事実ない」第1回公判で検察を批判 大阪地裁  

 大阪市北区にある社会福祉法人「光徳寺善隣館中津学園」から不当解雇された安東育子さん(地域労組はらから、福祉保育労組組合員)は、昨年9月19日、身に覚えのない業務上横領事件の犯人として突如大淀警察署に逮捕されました。解雇無効を訴える民事訴訟において双方の主張がほぼ出そろい、まさに終盤という時期に中津学園は、この時期を選び、併設されたグループホームで「使途不明金」が出たこと、安東さんの「管理義務違反」を言い立て解雇理由の追加を申し立てたのです。そして大淀警察へ告発。その結果の逮捕でした。地域労組や、福祉保育労組、国民救援会大阪府本部などによって、連日警察へ抗議と直ちに釈放せよとの街宣行動が取り組まれました。
 送検後は全国から寄せられた不起訴要請の団体署名を携えて、大阪地検への要請も繰り返されましたが安東さんは起訴され、昨年12月19日、第1回公判が開かれました。

無罪望みます
安東さん主張

 先立つ勾留理由開示公判では、安東さんは「私、安東育子はお金を一切取ってはおりません。裁判所には無罪の判断を望みます」と正々堂々と自らの潔白を主張しました。
 第一回公判当日には、開始前に裁判所周辺で安東さんの無実を訴える街頭宣伝が多数の参加者でおこなわれました。

横領の事実を
検察は示せず

 公判では、冒頭手続き後、検察官は起訴状朗読をおこない、安東さんが施設入居者のお金を管理していて、そこから150万円を横領したと主張しました。しかし、安東さんが入居者のお金(預金通帳や印鑑等)を管理していた事実は無く、検察の横領という主張は、その前提が成り立たないものです。しかも検察の主張には、入居者のお金を安東さんが管理していたことの具体的主張がありませんでした。そこで弁護団は、直ちに求釈明を行い「150万円の業務上横領といいながら、具体的事実が何ら明らかにされてない。被告人の防御権が侵害される」と迫りましたが裁判長の裁定で、審理の中で明らかにすることになりました。
 公判後、法廷内で非公開の進行協議、1月21日には安東さんも参加し期日間整理手続きがおこなわれました。その中で、弁護団は、安東さんが入居者のお金を管理していた事実は無く、そのつど学園長の指示で出金等の業務をおこなっていたにすぎないことを明らかにしました。そのため、「業務上横領」はお金をどのように占有していたのかの解明がなければ維持が困難なので、裁判所は訴因の変更を促した模様です。
 労働刑事弾圧事件の発生にたいし、解雇無効のたたかいを支援してきた争議団、労働組合を中心とする支援する会は、「安東さんを守る会」に組織再編し、弁護団の強化とともに無罪判決実現をめざし、署名の集約を強化しています。(府本部)

大阪・大阪市「思想調査」アンケート裁判 「調査に正当性なし」 弁護団 大阪市の姿勢を批判 大阪地裁  

 大阪市の橋下徹市長が市職員におこなった「思想調査」アンケートは、参政権、団結権、思想・信条の自由など憲法に保障された権利を侵害するとして、国家賠償請求を提訴した裁判の第8回口頭弁論が1月27日、大阪地裁でおこなわれました。
 弁護団の河村学弁護士が、原告主張の要点を、(1)思想調査は誰がおこなったのか、(2)被告の大阪市は思想調査について故意がある、(3)思想調査には一片の正当性もない、の3点に整理して述べました。大阪市が原告らに与えた損害について、市は「調査が適法なら原告らが精神的苦痛を負っても何ら問題はない」とした点についても、「市の根拠のない主張は、さらに原告らを傷つけている。職員が受けた苦痛を理解しない被告の態度は、職員の自由・権利を軽んじる今の被告の姿勢を反映している」と強く指摘しました。(府本部)

三重・名張毒ぶどう酒事件 高裁へ再審開始求め 高裁署名1万6千人分に  

 昨年、名古屋高裁に第8次再審請求を申し立てた名張毒ぶどう酒事件で、国民救援会と名張事件全国ネットワークは1月28日、名古屋高裁と名古屋高検に対して要請行動をおこない、8都県から33人が参加しました。
 名古屋高裁には8736人分の署名を提出(累計1万6261人分)。愛知県本部の竹崎義久事務局長は「これだけの国民が名古屋高裁、ひいては司法の判断を信用していないことの証左。裁かれているのは司法だ」と指摘し、他の参加者も「司法は襟を正し、疑わしきは被告人の利益にという原則を守るべきだ」と訴えました。また、いまだに三者協議の日程も決めないことに対しても批判が出されました。
 名古屋高検への要請では、一刻も早く奥西さんを死刑の恐怖から救い出すべきだと訴えました。

鹿児島・大崎事件 最高検へ要請行動 「高検に証拠開示の指導を」  

 国民救援会宮崎県本部、東京都本部、中央本部と再審を勝ちとる首都圏の会、再審・えん罪事件全国連絡会の代表7人は1月31日、最高検察庁に対し要請をおこないました。
 現在福岡高裁宮崎支部で、原口アヤ子さんらの再審請求の抗告審がおこなわれ、3月末までに弁護側、検察側が最終意見書を提出する重要な段階にあります。86歳という原口さんの年齢や体力などを考えると、一日も早い再審開始が求められています。参加者は、福岡高検が、証拠を「裁判所にだけ出す」などという態度を改め、弁護側にも開示するよう指導するように求めました。(宮崎県本部)

第209次最高裁要請 公正な判決を 5事件が要請  

 1月23日、第209次最高裁事件統一要請行動がおこなわれ、5事件18人が参加しました。
 要請では、福井女子中学生殺人事件について、福井県本部の木原事務局長は「最高裁は一日も早く再審開始をして前川さんの汚名をはらしてほしい」と訴えました。

京都・タイムスイッチ事件 無実の車本(くるまもと)さん出所 支援者が激励集会  

 2009年、ホームセンターで埋め込み式24時間タイムスイッチを万引きしたとの罪を着せられ、懲役1年6月の不当判決を受け、京都刑務所に収監されていた車本都(くに)一(かず)さんが1月30日、刑期満了で出所しました。
 朝7時過ぎ、冷たい雨の降る刑務所前に、妻の寿美子さんと京都府本部、山科支部の6人が集まり待機。薄暗いゲートに3人の人影があらわれ、大きな段ボール箱を抱えた男性に寿美子さんが走り寄り、急いで傘をさしかけました。
 その後の激励集会には20人が参加。府本部や支部、関西冤罪事件連絡会「たんぽぽの会」などの集まりで寄せられた色紙と花束が山科支部の代表より手渡され、激励の言葉がかけられました。
 車本さんは無理やり犯人に仕立てられたくやしさをにじませながら、冤罪の主張を取り下げることなく刑期を終えたことは、よかったと思うと話し、支援へのお礼を述べ、寿美子さんは、両親の介護をしながらたたかってきたことにふれ、声を詰まらせながら感謝のことばを述べました。(府本部)

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