日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2014年11月5日号

2014年11月5日号  

許すな治安立法 秘密保護法  

 集団的自衛権の行使容認など「戦争する国」づくりや原発再稼働、消費税増税などの悪政に対して、反対の声を上げようとする国民を監視し運動を押さえつける治安立法の強化が進行しています。権力がどんな手を使い、国民の運動を抑えつけようとしているのか。シリーズで解説します。第1回は秘密保護法です。

 昨年12月の強行採決から1年。安倍首相は秘密保護法の運用基準を閣議決定し、12月10日に施行することを決めました。
 法律成立後も廃止を求める国民の運動は続き、法律に批判的なパブリックコメントも多数出されました。少なくとも130の地方議会が廃止を求める意見書を提出しています(毎日)。しかし、安倍首相はそうした批判に聞く耳を持たず施行を強行しようとしています。あらためて秘密保護法の問題点を探ります。

国に不都合な
情報隠される

 秘密保護法が対象とする情報の範囲は防衛・外交・テロ防止・スパイ防止の4分野で55項目にも及びます。国民の命に関わる原発事故の情報なども、テロ防止に関わる分野だとされれば秘密にすることができます。つまり、政府や行政機関に都合のいいように秘密指定をすることができるのです。しかも秘密とされる期間は最長60年となっていますが、政府の判断でさらに延長することが可能なので、無期限に情報を秘密にされるおそれがあります。
 また、秘密指定や運用が適正かどうかをチェックする機関が設けられることになっていますが、務めるのは官僚です。第三者機関ではなく官僚が官僚をチェックするのでは独立性を担保できる保障はありません。しかも、秘密指定をした大臣らが、「安全保障に著しい支障を及ぼす」ことを理由に、情報開示を拒むことも可能です。
 国民の命や暮らしに関わる重要な情報が「特定秘密」として隠される一方、政府や行政機関等にとって都合の悪い情報を隠蔽(ぺい)することができる危険な法律です。

情報を得れば
処罰の対象に

 秘密指定された情報は、国民に秘密にされるだけでなく、国会議員にも開示されなくなります。国民主権が侵されるだけでなく、国会は機能しなくなり議会制民主主義も否定することになります。また、秘密漏(ろう)洩(えい)に対しては最高刑で懲役10年という重い処罰規定があり、ジャーナリストや市民団体が特定秘密に関する情報を得ようと取材したりする行為は処罰の対象とされます。報道機関の表現の自由だけでなく、国民の知る権利をも侵害するものです。
 さらに、秘密とされた情報を取り扱う者は、「適性評価」の名の下に、犯罪歴や経済状況、精神疾患などでの病院への通院歴や飲酒癖などが調査され、家族も調査の対象となります。しかも、行政の業務は大幅に民間委託されている現在、公務員だけでなく民間の会社で働く一般の従業員も秘密情報を扱うことになり、「適性調査」の対象となります。調査は秘密指定をした行政機関がおこなうとされていますが、調査対象者の思想傾向や宗教まで調査をするおそれもあり、内心の自由が侵され、公安警察に活動の場を与えることにもなります。
 こうした秘密保護法の危険性を広く市民に知らせ、一刻も早く廃止においこみましょう。

大阪・中津学園刑事弾圧事件 判決来年1月19日に  

 不当解雇撤回を求めて裁判をしていた安東育子さんが横領の罪を着せられ起訴された、中津学園刑事弾圧事件の第4回公判が10月9日に大阪地裁でおこなわれ、安東さんが現金を引き出したとされる通帳の持ち主であるグループホーム中津の利用者Kさんの証人尋問がおこなわれました。
 しかし、病状が思わしくなく尋問に耐えられる状態ではなかったため、早々に打ち切られることになりました。弁護人は当初から証言能力の是非も含め証人採用には反対しており、打ち切ることを主張しましたが、裁判所は尋問の場所を中津学園に変更のうえ、あらためて31日に続行を決定しました。
 そのため11月25日に安東さんの被告人質問、判決が予定されていた12月22日に論告・弁論することになり、判決は来年1月19日となりました。
 9月16日の第2回公判では中津学園の園長、副園長、事件があったとされる時期に非常勤職員として働いていた女性が証人として証言しました。いずれも検察側証人として、安東さんがグループホーム中津の入所者の預金通帳などを占有していたこと、被害者であるKさんの預金150万円を横領したことについて証言するために出廷したにもかかわらず、その点はあいまいなまま、弁護側の反対尋問によって法人である中津学園の会計処理などの杜(ず)撰(さん)さが浮き彫りになるという結果となりました。
 第3回公判では信用金庫の営業社員、窓口で支払いをしたという職員が証人として出廷。営業社員はその日午前中に、中津学園に赴(おもむ)き安東さんから150万円の請求払戻請求書を受け取り出金の手続きをおこなったこと、窓口の職員には安東さんに窓口で渡すよう指示をしたと証言。窓口の職員は指示に従い、現金を準備していたこと、「受取証」には安東さんの名前の記載があるので、安東さんが来所の上、現金を持ち帰ったと思うなどと証言しました。しかし2人の証言も、弁護側の反対尋問であいまいさが残るものとなりました。
 安東さんを守る会では、改めて署名の集約に力を注ぎたいと意思統一しています。
〈要請先〉〒530―8522 大阪市北区西天満2―1―10 大阪地裁 坪井祐子裁判長

静岡・袴田事件 弁護団が記者会見 検察の意見書に反論  

 10月23日、袴田事件の即時抗告審について東京高裁で裁判所、弁護団と検察の三者協議がおこなわれました。
 弁護団は、三者協議後に記者会見を開き、「証拠の捏(ねつ)造はない」とする検察の主張に対し、「検察の主張には理由がなく、捏造の疑いがますます強まった」とする反論書を提出しました。同時に、検察側が即時抗告審で新たに発見した衣類発見時の撮影ネガを弁護側も鑑定に利用できるよう東京高裁に申し入れたことを明らかにしました。また、次回の三者協議(12月25日)までに、DNA鑑定と五点の衣類に関する色に問題ついて、検察側の意見書に対する反論書を提出する考えを示しました。
 この日、袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会は、東京高裁に検察の即時抗告の棄却と、東京高検に直ちに即時抗告を取り下げ、全ての証拠を開示するように要請をおこないました。

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