日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2014年10月5日号

2014年10月5日号  

袴田事件全国集会 一日も早い再審無罪を!  

 1966年、静岡県清水市(現静岡市清水区)の味噌工場で起きた強盗殺人・放火事件の犯人として無実の袴田巖さんが死刑判決を受け、今年3月に再審開始を勝ちとった袴田事件。9月23日、「袴田事件は終わっていない! 9・23再審無罪を勝ち取る全国集会」を都内で開催し、230人が参加しました。主催は、国民救援会、日本プロボクシング協会袴田巖支援委員会など8団体で構成する「袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会」。

 会場には溢(あふ)れんばかりの230人が集まり、大きな拍手に迎えられながら袴田さんの姉・ひで子さんが登壇しました。
 ひで子さんは挨拶で、「巖は8月28日の夜に家で倒れ、救急車で病院に搬送されました。心臓の動脈硬化と胆石が見つかり、2回の手術をおこないました。経過も良く病室の中を歩き回るほど元気になっており、9月中には退院出来そうです。皆さまにはご心配をおかけしました。一日も早く無罪を勝ちとることを願っております。これからもご支援を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」と話すと、賛同と激励の大きな拍手が起こりました。

解決してない
世論広げよう

 集会では、村修弁護士が弁護団報告。まず、再審開始決定を何とかくつがえそうと、検察が総力をあげてDNA鑑定をはじめ、関係者へ補充捜査や、これまでないと言っていたネガフィルムを出してくるなど、検察のなりふりかまわぬ不当な姿勢を批判しました。
 つづいて、映画監督でドキュメンタリー作家の森達也さんが講演をしました。
 森さんは講演の中で、「個人的な見解ですが、このひどい冤罪がずっと放置されていたことを国民が知ってしまった以上は、再審についてはひっくり返ることはないだろう。しかし、気をゆるめてはいけない」と分析しました。
 第2部では、袴田巖さんの近況が撮影されたビデオが上映されました。ビデオでは、袴田さんが散歩や実家を訪れた時の様子、昔ボクシングで対戦した瀬尾肇さんと対面した様子、現在入院中の様子が上映されました。

支援を強めて
再審で無罪を

 支援者によるリレートークでは、袴田巖死刑囚救援議員連盟事務局次長の鈴木貴子衆議院議員が、「未だにたたかいは続いていることを、一人でも多くの人に分かっていただきたい」と話しました。
 日本プロボクシング協会袴田巖支援委員会委員長の新田渉(しょう)世(せい)さんは、「袴田事件と同じ1966年にアメリカで同じく冤罪事件で逮捕され、20年間拘束されたあと、冤罪を晴らし、映画化もされたルービン・ハリケーン・カーターさんは、袴田さんの支援にも協力していただきました。今年3月に袴田さんが釈放されたことを病床のベッドでとても驚き喜んでいたそうです。約1カ月後、カーターさんは亡くなりました。『痛みと闘う辛い闘病生活の中で、袴田さんの再審開始の知らせは、カーターさんにとっても救いとなる瞬間だったのかもしれません』と親しかった人が話しています」と報告しました。
 八重樫東(あきら)・元WBCフェザー級チャンピオンは「体力・精神力が削られて大変なことですが、それでも皆さんの支援を受けながら闘い続けるものだと思います。無罪を勝ちとって本当の平和を取り戻してほしい。袴田さんが後楽園ホールの袴田シートに座って試合を見てくれる時まで闘い続ける」と話しました。
 布川事件の桜井昌司さんは、「もし弁護団が有罪の証拠を隠したら逮捕されるにもかかわらず、警察・検察の証拠隠しは許されている。こんなおかしいことはない」と語気を強めて話しました。
 最後に、静岡地検が直ちに即時抗告を取り下げ、東京高裁が一刻も早く検察の即時抗告を棄却して再審を開始することを求め、無罪が確定するまで支援を継続することを求めるアピールが採択され、閉会しました。
 翌24日、実行委員会は東京高裁と東京高検に要請し、高裁に署名約10万6256人分を提出。昼には、裁判所前で宣伝行動をおこないました。

〈要請先〉〒100―0013 千代田区霞ヶ関1―1―4 東京高裁・大島隆明裁判長

冤罪生まない司法を 冤罪被害者らが要請 法制審  

 冤罪を生まない刑事司法の在り方を求めて、9月18日、冤罪被害当事者と国民救援会、なくせ冤罪!市民評議会などが、法務省を訪れ、7月に「新時代の刑事司法制度特別部会」がとりまとめた答申案を採択しないよう法制審議会宛てに要請しました。なお、要請にもかかわらず、法制審議会はこの日の午後、答申案を採択し、松島みどり法務大臣に答申しました。来年の通常国会で刑事訴訟法などの改正案として提出されるとみられています。
 答申案は、部会の当初の目的であった冤罪を防止するための刑事司法制度の実現という原点からかけ離れて議論がすすみ、検察が保有する証拠の開示や取調べの録音・録画は極めて限定的に押しとどめられた一方、冤罪を生み出す司法取引の導入や盗聴捜査の拡大を許容し、捜査権限を大幅に拡大・強化したものとなっています。
 要請には、足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さん、杉山卓男さんが参加。菅家さんは、取調べで警察官に殴られ自白に追い込まれた実体験を訴え、「全事件の全過程全面可視化が必ず必要だ」と訴えました。杉山さんは、「布川事件は、検察が隠していた証拠が開示されて無罪になった。冤罪を生まないために全ての証拠開示が不可欠だ」と訴えました。
 国民救援会の鈴木猛事務局長は、「冤罪は国家による人権侵害だ。取調べの全面可視化や証拠開示は、国連からも勧告が出されている」と訴えました。
 袴田巖さんの再審を求める会の福田勇人さんは、「3月に袴田事件の再審開始決定が出たにもかかわらず、特別部会ではまったく議論されていない」と議論のあり方に疑問を呈しました。
 要請後に東京地裁前でおこなった宣伝で桜井さんは「警察は犯罪が起きると、監視カメラを活用して犯人を追うのに、自らの取調べにはカメラを持ち込ませないのはおかしい」などと訴えました。

司法総行動プレ企画 参加し訴えよう 法制審要網案の問題点など学習  

 2014年司法総行動(10月8日)を前に、司法総行動実行委員会は9月19日、都内でプレ集会をおこない、55人が参加しました。
 集会では、資生堂アンフィニ事件の弁護団・藤田温久弁護士が、裁判所の事実認定の問題点を中心に講演し、司法取引制度導入と盗聴法の拡大について今村核弁護士が講演しました。講演の中で今村弁護士は、前日に法制審議会が法務大臣に答申した要綱案の、「捜査・公判協力型協議・合意制の導入」(司法取引のこと)は、他人の罪を明らかにすることにより自分の罪を軽くしてもらう約束であるが、そもそも無関係の人が他人の罪を明らかにすることなど不可能であり、異常な制度であると指摘。物的証拠はなく、他人の変遷(せん)する供述により有罪とされた福井女子中学生殺人事件のように、新たな冤罪を生むことになり、導入すべきでないと訴えました。
 まとめの報告で国民救援会の鈴木猛事務局長は、「経済の発展よりも人格権が大事とした大(おお)飯(い)原発運転差止め判決を力に、憲法に保障された私たちの権利を発展させるため、司法総行動に参加し訴えていこう」と結びました。

東京・三鷹事件 風化させず再審を 事件発生65年のつどい開く  

 三鷹事件が1949年7月に起きて今年は65年経ちます。三鷹事件65周年のつどいが9月7日、武蔵野市内で開かれました(「三鷹事件の真相を究明し、語り継ぐ会」が主催し、150人が参加)。
 三鷹事件は1949年、東京・三鷹駅構内で無人列車が暴走し6人が死亡、20数人が重軽傷を負った事件です。犯人として12人が逮捕、起訴され、他の被告全員が無罪となるなか、竹内景助さんのみ死刑判決が確定。遺族が2011年に第2次再審請求をおこなっています。
 集会では再審弁護団長の高見澤昭治弁護士が、「三者協議で検察は有罪関連の証拠のみ開示する厳しい面もあるが、竹内さんに有利な新証拠もある。いっそうのご支援をお願いしたい」と発言。シンポジウムではパネラーの国民救援会顧問の斉藤喜作さんは、「三鷹事件は労働運動や民主運動に大きな影響を与えたが、今までの大衆的裁判闘争の教訓を生かし闘っていく。冤罪をなくすために、今後とも力を貸してほしい」と話しました。集会では国民救援会のメッセージが紹介され、最後に語り継ぐ会の吉村勝雄事務局長が、「事件を風化させないため、今後関西圏でも集会を開くと話し、閉会しました。
(語り継ぐ会・石塚勝)

大阪・東住吉冤罪事件 火災現地付近で宣伝 通行人からも大きな反響  

 9月17日、「東住吉冤罪事件」の無罪の証(あかし)「ガソリン7・3リットルをまき終える前にガソリン蒸気が風呂釜の種火に引火」する写真を掲載したカラー刷りビラ500枚を携えて、駒川中野駅前(火災の起きた現地の最寄駅)で街頭宣伝をしました。信号待ちの人が横断幕を見て、訴えを聞きビラを受け取りました。一人の婦人から「前にも署名したよ。頑張ってね」と声をかけられるなど、現地での宣伝は事件のことを知る人も多くなり、ビラの受け取りも良く、励まされます。
 朴さんのお母さんは「よく話せばわかってもらえるし、署名にも応じてもらえる」と頑張り、1時間で29筆の署名を集めることができました。
 東住吉冤罪事件は、2012年に大阪地裁で再審開始決定が出されましたが、検察の即時抗告により審理は大阪高裁に係属し、すでに2年半が経ちました。弁護団の実験に続き、検察の実験でも「朴自白の放火行為は不可能」と証明されましたが、検察は不当な引き延ばしを続けています。
 検察の抗告を棄却し、再審開始を確定させるため、ひきつづきご支援をお願いします(東住吉冤罪事件支援する会・尾良江)。

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