日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2014年1月15日号

2014年1月15日号  

静岡・袴田事件の審理が終結 静岡地裁 再審可否、春に判断  

 1966年に、勤め先の専務一家4人を殺害したとして、死刑判決が確定した袴田巖さんが再審を求めている静岡・袴田事件で、12月16日、静岡地裁で袴田さんの姉・ひで子さんと弁護団の最終意見陳述がおこなわれ、審理が終結しました。春までに決定が出されます。47年間、獄中から無実を訴える袴田さんとひで子さんの思いにこたえ、運動をさらに広げましょう。

私はシロです
手紙で訴える

 最終意見陳述は非公開でおこなわれました。ひで子さんは、拘置所で徐々に精神を病んでいく袴田さんの様子と、面会に通い続けた自身の歩みを述べたうえで、次のように締めくくりました。
 「47年間、盆も正月も祭りもなく、ひたすら巖の無実を晴らすため頑張ってきました。巖を生きて私の手元に迎えることだけを考え、ひたすらに生きてきました。巖は固く心を閉ざしながらも、必死で生きるための闘いをしています。一日も早く、再審開始を」
 弁護団は、(1)「5点の衣類」が袴田さんのものではないこと、(2)「5点の衣類」が犯行着衣だということへの重大な疑問、(3)DNA鑑定や味噌漬け実験、新証拠をはじめ、証拠開示により確定判決のストーリーが破綻したことが明らかになったと意見を述べました。

検察側の証拠
不採用を決定

 弁論終了後におこなわれた三者協議では、検察が追加で提出しようとした証拠について、裁判所は、この証拠がすでに双方が鑑定人を出して審理を終えたDNA鑑定についてのものであることや、12月2日に双方の最終意見書の提出がおこなわれていることを挙げて、この証拠を「著しく信義則に反する」として採用しないことを決定しました。
 また、裁判官ら3人と書記官が12月2日、袴田さんから事情を聴取するために、東京拘置所を訪れたことが裁判所から報告されました。結果的には巖さんが面会を拒否しているとの拘置所職員の報告により、面会することはできませんでした。

最後まで署名を
静岡県本部常任委員会

 袴田事件の第2次再審請求審は、5点の衣類のDNA型鑑定や、袴田さんの同僚の初期供述などにより、袴田さんが無実であることをまざまざと示しました。
 この間、姉・ひで子さんは、全国を駆け回り、オルグ活動をしてきました。また、これまで別個に支援活動をしていた支援8団体は、第2次再審請求審からは、裁判所や検察庁への要請行動を統一でおこない、1月13日の集会も共同でおこなうなど、とりくみを広げてきました。
 再審を求める署名は、全国から集まり、1月7日現在で3万9468人分に達しています。
 決定日が間近に迫ったいま、袴田さんの再審開始を勝ちとるために最後の力を振り絞ることが求められています。静岡県本部は、全力で世論を作り、裁判官の良心に働きかけるため、最後まで署名にとりくみます。
 全国のみなさん。裁判官の良心を目覚めさせ、袴田さんを救うためには、どうしても全国からの声が必要です。
 あと数か月、最後まで、袴田さんの再審を求める署名を全国で広げていただきますよう心からお願いいたします。
〈署名問合せ先〉静岡県本部 電話054(255)0134

東京・埼京線痴漢えん罪事件 石田さんに不当判決(罰金30万) 女性の矛盾した供述は無視 東京地裁  

 電車内で、当時17歳の女性に痴漢行為をしたとして、石田崇(たかし)さんが起訴されている東京・埼京線痴漢えん罪事件で、12月20日、東京地裁(齊藤啓昭(ひろあき)裁判官)で判決公判が開かれ、罰金30万円の不当判決が出されました。石田さんと弁護団は控訴しました。
 判決は、女性の供述は信用できるとする一方、石田さんの供述は、自宅と反対方向の電車に乗っていたことなど、事件の核心部分以外のことを理由に信用できないとしました。また、女性が犯人を特定する際、手、ひじ、肩、顔と段階的に確認し石田さんを特定したと供述したことから、「注意深く特定し間違いない」と認定。さらに、石田さんの手にスカートの繊維等の付着物がなかったことは、「直ちに痴漢行為を否定するものではない」と決め付け、痴漢行為が不可能であることを示す弁護団の再現実験も、「スカートに触れず中に手を入れることが不可能であることをことさら強調したもの」と切り捨てました。
 しかし、車内に設置された防犯カメラに映っている石田さんの姿からは痴漢行為をしている様子は見られず、女性が段階的に犯人を確認する動作も映っていないなど、女性の供述と客観的な映像証拠に大きな食い違いがあることは明らかです。また、弁護団の再現実験は女性の供述に基づくものであり、矛盾が浮きぼりになっているにも関わらずそれらに対する説明は一切ありません。有罪の結論ありきで書かれた判決でした。
 報告集会で石田さんは、「無罪判決が出てもおかしくないところまで、法廷では弁護団が、世論では支援者が追い詰めてくれた。悔しいが、今回の中身を踏まえて高裁でたたかう」と決意を述べ、ひきつづく支援を求めました。

三重・名張毒ぶどう酒事件 速やかに再審開始を 6都府県19人が高裁、高検に要請  

 国民救援会と名張毒ぶどう酒事件全国ネットワークは12月10日、第8次再審請求審が係属している名古屋高裁及び名古屋高検に対して奥西勝さんの刑の執行停止、一日も早い再審開始と証拠開示を求めて要請行動をおこない、6都府県から19人が参加しました。
 名古屋高裁には2268人分の署名を提出(累計7525人分)。対応した職員からは134通の要請ハガキが届いていることが報告されました。参加者は映画「約束」を観て奥西さんに心を寄せる市民の声が紹介され、「奥西さんに無罪を、これは国民の世論だ。この声に応えて裁判所は真(しん)摯(し)に審理にとりくむべきだ」として、「速やかな審理のためにも、検察に証拠開示を命令すべきだ」などと訴えました。
 名古屋高検の要請行動では、奥西勝さんの特別面会人・稲生昌三さんが、第7次再審請求審で検察が最高裁に提出した鑑定について指摘し、「本来中立であるはずの鑑定人が不正鑑定をおこない、検察の証人となる。こんな不正義はない」と批判。また、再審制度の目的は「無辜(むこ)の救済」にあるとして、検察が奥西さんの獄死を待っているのでないのならば、真実の究明のために速やかに証拠開示をおこない、人道上、刑の執行停止もおこなうべきだと訴えました。
 国民救援会と全国ネットでは、奥西さんを必ず生きて救い出すために、4月6日には名古屋市で全国支援集会を予定しており、3月末までに2万人分の署名を集めようと呼びかけています。

大阪・大阪市「思想調査」アンケート裁判 市に責任ないと市側 「調査は顧問が実施」 大阪地裁  

 大阪・大阪市「思想調査」アンケート裁判の第7回口頭弁論が12月9日、大阪地裁でおこなわれました。
 報告集会で西晃弁護団事務局長は、被告・大阪市から「アンケート調査は野村修也特別顧問が実施したことで市側に責任はない」とする準備書面が提出されていることを報告。原告の「大阪市に責任がある」という主張に対して、市側が1月17日までに反論書を提出することになりました。今後、年度末までに双方の主張を終え、5月以降に証人尋問に入っていく予定です。

沖縄・ヘリパッド訴訟 「公正な判断を」 伊佐さんが最高裁に要請  

 米軍ヘリパッド建設に反対し抗議行動を行った伊佐真次さんを「通行妨害」として国が訴えている沖縄ヘリパッド訴訟で12月20日、安保破棄中央実行委員会の主催による最高裁要請がおこなわれ、多くの労組・民主団体・個人が参加しました。
 伊佐さんは、「ヘリパッド建設が住民の生活に悪影響を及ぼすため、2007年から行政に対して様々な要請行動をおこなってきましたが、聞き入れられず、生活を守る最後の手段としての抗議行動だった。公正な判断をしてほしい」と述べました。
 国民救援会から参加した坂屋光裕事務局次長は、「悪政に反対する抗議行動で住民が国に訴えられ負けるようなことがあれば、民主主義社会は成り立たない」と訴えました。

弁護人との秘密面会保障しないのは違法 最高裁  

 再審準備のために弁護人が拘置所に収容されている死刑確定者と職員の立会いのない面会(秘密面会)をすることを許可しなかった拘置所長の措置は違法であると死刑確定者と弁護人が訴えていた裁判で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は昨年12月10日、再審請求準備中の秘密面会を保障しないのは、特段の事情がない限り、違法だとする判決を言い渡しました。
 国民救援会と再審えん罪事件全国連絡会は昨年4月に提出した国連の拷問禁止委員会へのレポートで、死刑確定者と弁護人の打ち合わせの秘密性は認められておらず、再審請求人が十分な弁護を受ける権利が侵害されていることを指摘し、改善を求めてきました。これを受け、同委員会は「あらゆる打合せにおける弁護士との厳格な秘密面会を保障せよ」と勧告していました。

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