日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2013年9月15日号

2013年9月15日号  

警察官大挙し宣伝妨害 群馬県警 市民を包囲し恫喝  

 市民による街頭での宣伝行動に対する群馬県警の規制が強まっている問題で、国民救援会群馬県本部も加盟している「街頭宣伝の自由を守る群馬の会」が、8月22日に抗議の宣伝行動をおこなったところ、再び警察が大人数で宣伝行動を妨害しました。群馬の会では、28日に群馬県公安委員会と県警本部に13団体23人で抗議の申し入れをおこないました。群馬県本部の報告を紹介します。

 この問題は、夏の参議院選挙投票日直前の7月19日に、群馬県労会議が「すべての労働者の賃上げを」などと書かれたビラを配ってハンドマイクで宣伝していたところ、4人の警察官が「許可をとってない宣伝だ」として中止を要求したことに端を発します。
 この事態を重くみて、県内の労働組合や弁護士で組織する「街頭宣伝の自由を守る群馬の会」は、7月22日に群馬県警と県公安委員会あてに違法な妨害をやめるよう請願書を提出しました。

宣伝に対して執拗に妨害し
 さらに8月22日には、群馬県庁前で、午前7時30分からハンドマイクによる宣伝行動を19人でおこない、「街頭宣伝の自由を守ろう」と書かれたビラを配りました。すると8時ごろ、群馬県警の警察官12人が現れ、「なぜ、無許可でやっているのか」、「群馬県道路交通法施行細則に書いてあるのだから、許可を取れ」と言って中止を求め、宣伝行動を妨害しました。
 群馬の会のメンバーが、有楽町ビラまき事件での無罪判決や東金国賠裁判の裁判例を示し、「許可制の対象となるのは一般交通に著しい影響を及ぼすような形態の宣伝活動に限定されるというのが正確・正当な法律解釈だ」とした上で、今回の宣伝活動に道路使用許可は不要で、憲法で保障された表現の自由に基づく適法な表現行為だと答えました。
 これに対し警察側は、「有楽町事件などの裁判例は個別の事例なので、根拠にはできない」などと述べ、「行政指導に従わないということか」と脅しました。群馬の会側が、「違法な行政指導には従えない」と回答すると、「警告する」と述べ、資料採取と称して2台のビデオカメラと5台のカメラで現場の写真撮影を開始。その後、宣伝行動終了まで中止を要求し妨害を続けました。
 やりとりの中で、群馬の会のメンバーが県警交通規制課の警察官に対して、「見てください、道路交通には支障なんて全く生じていませんよね」とただすと、同人は「今日はそうだね」などと回答。道路交通に支障が生じていないことを認めました。

違法な取締り直ちに中止を
 群馬の会は8月28日、13団体23人で県警に対し申し入れをおこない、「憲法が保障した表現の自由を侵害する行為だ」と抗議して、違憲違法な取り締まりを中止するよう求めました。県公安委員会に対しては、意見表明活動やビラ配布を広く規制対象とする細則によって、警察が違法な規制をおこなっているとして、直ちに細則を廃止、改正するための処置をとるよう求めました。
 群馬の会では、9月中にふたたび抗議の宣伝行動をおこなう予定で、警察の不当な干渉に対抗する構えを強めています。

兵庫・養父市議選不当捜査事件 不当な捜査終結を 県警に抗議、宣伝、集会  

 養(や)父(ぶ)市議選不当捜査事件は、投票日から10カ月以上経過した今も兵庫県警の捜査が続いています。8月21日、「市民の会」と国民救援会兵庫県本部は、神戸市内において県警抗議、宣伝行動と決起集会を行いました。
 午後1時、代表6人は県警捜査二課に対して、長期におよぶ人権侵害に抗議し、不当捜査の即時終結を強く申し入れましたが、捜査二課は、「捜査中であり、答えられない」をくり返しました。
 夕方、支援者40人は県警前に集まりビラを配布。最後に全員でシュプレヒコール。
 60人が参加した決起集会でこの間の経過、警察の不当性が報告され、違法捜査と真正面からたたかう元八鹿高校教諭は、「呼び出し、家宅捜索によって家族は地獄を見た。毎日不安」と述べるとともに「みなさんの支援がうれしい、励まされています。頑張ります」と決意を表明しました。
 国民救援会県本部の濱嶋隆昌事務局次長が「あなたの人権が侵されている、国際人権からみた公選法」と題して講演。いまこそ国際人権法を活用して闘いぬこうと呼びかけました。(兵庫県本部)

東京・痴漢えん罪西武池袋線小林事件 東京地裁 再審請求を棄却  

 05年に、電車内でやってもいない痴漢の犯人として男性に私人逮捕され、裁判で懲役1年10月の実刑判決が確定した小林卓之さん(71)の再審請求審で、東京地裁(細田啓介裁判長)は8月28日、小林さんの請求を棄却する不当決定をしました。弁護側は即時抗告しました。
 再審請求審で弁護側は、事件当時の小林さんは、手指が硬化し、動かすと激しい痛みを伴う難病の膠(こう)原(げん)病全身性強皮症に罹患しており、痴漢行為をするのは困難だとする医師の鑑定書などを新証拠として提出。医師の証人尋問もおこなわれました。また、満員電車で小林さんを逮捕した男性が、「2メートル先の犯人を目で追い続けた」とする行為が不可能であることを証明する車内の混雑状況の再現DVDも新証拠として出しました。
 しかし、決定で細田裁判長は、ほとんどの新証拠に新規性は認められないなどとして再審申し立ての内容に触れず棄却しました。
 記者会見で弁護団は、「裁判所は専門医の証言をひとつも採用しなかった。強皮症を患っていたかどうかも判断を避けた。ここに踏み込めば、再審決定せざるを得ないため、『新規性を認めるのが困難』などと形式的に逃げた」と批判。小林さんの長男は、「父は、強皮症でチョークが持てなくなり教師を辞めた。指が動かないと医師も証明したのに、なぜ裁判所は再審を認めないのか。いくら証明しても却下される魔女裁判のようだ」と訴えました。
〈抗議先〉〒100―0013 千代田区霞ケ関1―1―4 東京地裁・細田啓介裁判長

獄中からの便り 検察の暴挙許さない 大阪・東住吉冤罪事件 朴龍晧さん  

 獄中で無実を訴えている冤罪事件の当事者からのおたよりを紹介します。

 再審開始決定が出てから1年6カ月になります。刑の執行停止取消しにより、今も無実の受刑者として服役させられています。精神的に負担の大きい境遇にもかかわらず元気で生活できているのは、皆さんが支援してくださっているからです。本当に感謝しています。
  *    *
 大阪高裁での即時抗告審はすでに終盤に入っていますが、高検の抵抗が激しくて全く気を抜くことができません。高検の抵抗は権力濫用そのもので、常軌から外れています。
 高検は、再審開始決定の決め手となった弁護団の新実験に対抗して、条件の違う実験を3回おこないましたが、いずれも弁護団の実験と同じく「放火不可能」という結果になりました。この時点で検察のガソリン放火説は完全に崩壊したのです。
 まさに再審開始決定が正しかったことが、高検の本実験により裏付けられたのです。これ以上は無意味な反論などしないだろうと思っていました。
  *    *
 ところが高検は、さらに別の新しい実験をしたいと言い出したのです。
 人を愚(ぐ)弄(ろう)するのも程があります。このような暴挙を許していい筈(はず)がありません。今こそ検察の野望を完全に打ち砕いて引導を渡さないといけません。
 けれども、大阪高裁の裁判官は、去年、執行停止を取り消してしまいました。今度は道を踏み外さないように決断を促して、正しい訴訟指揮をしてもらわないといけません。
 それには、まだまだ皆さんのご支援が必要です。激しい闘いをしながら無実の受刑者として服役させられている境遇に、一日も早く終止符を打ちたいのです。
 どうか皆さん、お力添えをお願いします。
7月30日記 朴龍晧

〈激励先〉〒870―8588 大分市大字畑中303 朴龍晧様

 *大阪・東住吉冤罪事件 1995年、娘が火災で死亡した事故で、青木惠子さんと内縁の夫・朴龍晧さんによる保険金目当ての放火殺人事件とされ無期懲役が確定。12年3月再審開始決定。検察の抗告により大阪高裁で抗告審が進行中。刑の執行停止が言い渡されたが、大阪高裁が取り消し、最高裁で確定。

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional