日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2013年7月15日号

2013年7月15日号  

兵庫・養父市議選不当捜査事件 全押収品返還させる  

 兵庫・養父市議選の選挙違反を口実に、警察が関係者に聞き込みや呼び出しなどの不当捜査をおこなっている事件で、兵庫県警は6月25日、元教員Aさん宅の家宅捜索で押収した物をすべて返却しました。しかし、県警は捜査終結を明言しておらず、不当捜査をやめさせる市民の会と国民救援会は、ひきつづき県警と養父警察署への抗議行動をおこなっています。
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 事件は昨年10月におこなわれた養父市議会議員選挙の際、八鹿高校の元生徒宅に届いたとされる手紙が選挙違反だとして、元教員3人が養父警察署から呼び出しや尾行を受けていたものです。県警は、市議選から半年が経過した4月24日に、元教員1人の自宅に突然、家宅捜索に入り、名簿類や茶封筒などを押収しました。
 兵庫県警捜査二課は、家宅捜索からちょうど2カ月目にあたる6月24日、捜索で押収した「証拠」物をAさんに「還付(返却)する」と、弁護人に電話してきました。
 翌25日、支援者も同行し、養父警察署へ。押収品目録交付書の控えにもとづいて25項目全品の返却を確認しました。
 通常は、押収品の還付は、不起訴決定後、または捜査終結後におこなわれます。この間、県警や養父署に対して市民の会など支援者が「押収物をかえせ」と要求してきたことが大きな力になっています。

県警「捜査続ける」  

 還付の翌日26日、国民救援会県本部、西区、明石各支部の7人が県警捜査二課に申し入れをおこない、「押収品の還付はしたが、捜査は終結するのか、送検するのか」という質問に対し、応対した警部は、「一切答えられない」と返答。依然、捜査を続ける姿勢を示しています。
 捜査開始から8カ月に及ぶ聞き込み、関係者の心労も限界にきているとして、国民救援会県本部、但馬支部、市民の会などで構成する対策会議では、今後も捜索の拡大、呼び出し、起訴前証人尋問など、あらゆる展開を想定して対応にあたり、「不要な捜査引き伸ばしをやめ、直ちに終結せよ」と、県警・養父署への抗議を続ける方針です。

〈署名の問い合わせ先〉TEL078(351)0677 不当捜査をやめさせる市民の会

大阪市思想調査アンケート国賠 「処分を恐れた」 原告が苦汁の思い陳述 大阪地裁  

 大阪市思想調査アンケート国家賠償請求訴訟の第5回口頭弁論が6月24日、大阪地裁でおこなわれました。
 原告のひとり、前田美佐さん(保育士)が意見陳述し、思想信条の自由を侵す「こんなアンケートは書きたくない」との思いと、業務命令違反として「処分」を受け「解雇」になったらどうしようという恐怖との狭間で悩み苦しんだ心情を話しました。前田さんは、リストラで職を失っている夫と中学生、小学生の4人家族を自分の給与のみで支えており、収入が途絶えれば、家族が路頭に迷うと悩み続けたことを明かし、「市長命令に誰も反対出来ないのが今の大阪市の現状。裁判長、この現状を踏まえ、勇気を振り絞って立ち上がった私たちの思いをわかって下さい」と訴えました。
 また、被告・大阪市がアンケートの正当性を主張する準備書面に対し、原告側が反論の準備書面を提出し、弁護団が陳述しました。
 大阪市が、アンケートの実施主体は「第三者調査チーム」だから大阪市の責任はないとする主張に対し、弁護団は、「第三者調査チーム」は行政の付属機関として設置されているため、設置及び権限には条例の根拠が必要となるが、実態は「要綱」による設置とされており、被告が「第三者調査チーム」を「公務員の地位を有しない」と主張することは、それ自体が脱法的だなどと反論。アンケートの質問内容と、被告の調査目的が符合せず、原告らの人権を侵害してまでアンケートを実施する必要性は見いだせないと主張しました。
 (大阪府本部)

静岡・袴田事件 証拠開示、勧告へ 再審にむけ大きな前進 静岡地裁  

 静岡・袴田事件の事実調べと三者協議が6月28日、静岡地裁(村山浩昭裁判長)でおこなわれました。
 三者協議では地検が今年に入って提示した未開示の捜査報告書や供述書等について、静岡地裁が開示勧告をおこなう方針を明らかにしました。「再審に向けて大きな前進となりうる」と弁護団は語りました。
 事実調べでは、袴田巌さんが使用していたとされるベルトの検証が行われました。確定判決では犯行時の着衣とされた5点の衣類のうちズボンについて、弁護団が「小さすぎてはけなかった」と主張していることから、検察が検証を求めたものです。
 今回の検証では、袴田さんがベルトのどの穴を使用していたか確定できず、漠然とした結果となりました。
 記者会見で弁護団は、そもそも袴田さんは日常的にベルトを使用していなかったこと、このベルトは当時の袴田さんの住居ではなく、実家にあったもので、また、その押収の際、捏(ねつ)造(ぞう)の疑いが強い「はけないズボン」の端(は)切れとともに出てきたことなどから、「この実験に果たして意味があるのか」と地検の審理引き延ばしの姿勢を指摘しました。
 国民救援会静岡県本部と袴田事件の支援者らは同日、地裁と地検に要請行動をおこない、すべての未提出証拠の開示と再審開始、刑の執行停止を求めました。袴田さんの面会人で保佐人である姉・秀子さんが、2年にわたって袴田さんとの面会ができず、安否の確認すらとれていないことを問題にし、袴田さんの健康状態を調査し、報告するよう再度強く求めました。

神奈川・山崎裁判 国免罪の不当決定 山崎さん「国民無視に激しい怒り」 最高裁  

 最高裁判所第2小法廷(小貫芳信裁判長)は6月26日付けで、神奈川・山崎裁判の上告を棄却、上告不受理としました。
 事件は2006年、横須賀市内で会社員の佐藤好重さん(当時56歳)が強盗目的の米兵に10分以上の凄惨な暴行を受け殺害されたものです。夫の山崎正則さんが米兵と日本政府の責任を追及し、損害賠償請求訴訟を提訴。1審横浜地裁は、米兵に賠償金を命令(確定)。公務外の米兵犯罪にも米軍の監督権限が及ぶとすることを認めながら、具体的な義務違反ではないと国の責任を否定。2審東京高裁は、米軍の米兵を管理監督する義務に日本国民を守ることは含まれないとする不当なものでした。最高裁はこの不当な高裁判決を追認しました。

ご支援に感謝  

山崎正則さん
 米軍や国の責任が裁判所によって明らかにされない限り、米兵犯罪はなくならない。日本国民を無視した最高裁の決定に激しい怒りを覚えます。
 国民救援会のみなさまのあたたかい手紙や署名に大変励まされ、6年半闘うことができました。今後も米兵犯罪根絶のために闘い続けます。
 ご支援本当にありがとうございました。
〈抗議先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁判所第2小法廷 小貫芳信裁判長

茨城・布川事件国賠訴訟 証拠開示は必要ない 証拠隠しに反省ない国 東京地裁  

 再審無罪判決を勝ちとった桜井昌司さんが、警察と検察の違法捜査や証拠隠しにより誤った有罪判決を受けたとして、警察(茨城県)と検察(国)の責任を追及している茨城・布川事件国賠訴訟で、6月26日、第2回口頭弁論が東京地裁で開かれました。
 弁護団が未開示の捜査資料の開示を求めている件について、意見を求められた国側は、「調べる必要はない」と返答しました。この日の口頭弁論は、訴訟手続きの確認などで10分程で終了しました。
 裁判終了後の報告集会で原告の桜井さんは「国側が、証拠開示の必要性はないというが、証拠が必要かどうか判断するのは立証する私たち。証拠を握り締めているのはおかしい」と憤りました。弁護団は、国側から準備書面が提出されていることを報告。書面で国側は、当時の捜査としては違法性はなく、刑事裁判のときに証拠開示をしなかったのは、裁判所が認めなかったから、あるいは原告が求めなかったからだと責任転嫁する主張などをしていることが伝えられました。次回口頭弁論は9月18日午後2時。

埼玉・介護ヘルパー窃盗冤罪事件 安澤さんが満期で出所 「ご支援に感謝します」  

 埼玉・介護ヘルパー窃盗冤罪事件の安澤篤史さんが6月25日、長野刑務所より1年の刑期を終え出所しました。安澤さんのコメントを紹介します。
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 事件で失ったものが大きかった反面、多くの人と出会い、得たものもたくさんありました。否認し続けたことで、「現状において改悛の情無し」と判断され仮釈放はありませんでした。こうした「否認=満期」という前例が発生してしまい、今現在冤罪で収監されている方が刑務所においても否認をする事で、仮釈放が無くなる様な事にならないか心配してしまいます。
 関わって下さった方々にはとても感謝しています。本当にありがとうございました。

鹿児島・大崎事件 毎週、街頭で市民に訴える  

 国民救援会宮崎県本部は大崎事件再審をめざす会とともに、毎週定例で宮崎市内の繁華街と裁判所前で宣伝活動を展開しています。
 7月2日は宣伝行動終了後、裁判所と検察に要請をおこないました。福岡高裁宮崎支部に再審開始を求める署名1489人分(累計3511人)、国連の拷問禁止委員会から日本政府に出された勧告文書と支援者の上申書を提出しました。福岡高検宮崎支部でも国連の勧告文書を渡し、証拠開示を要請しました。
 6月15日、鹿児島・天文館での宣伝行動に参加した原口アヤ子さん。この日は原口さんの86歳の誕生日なので、参加者全員でお祝いしました。
 宮崎県本部は7月11日におこなわれる原口さん本人の意見陳述(非公開)の日は、100人の参加で原口さんと弁護団を激励し成功させようと、会員や支援者に呼びかけを強めています。

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