日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2013年6月15日号

2013年6月15日号  

名張毒ぶどう酒事件 映画「約束」全国で感動呼ぶ  

 名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんの半生を描いた映画「約束―死刑囚の生涯」の上映が各地ですすんでいます。映画に心を動かされた人が、署名にとりくんだり、国民救援会へ入会するなど反響を呼んでいます。各地で自主上映会を開き、奥西さんを救う力をさらに広げましょう。

 「何度も犹犒梱瓩鮃陲欧蕕譟家族を失ってゆく奥西さんの気持ちは、想像も出来ない」(宮城)、「諦(あきら)めずに、これからも支援しなければ」(岡山)
 理不尽な裁判に苦しむ奥西さんの様子を映画で知り、「何か自分にできることは」と行動を起こす人が増えています。

署名する人も憤りあらわに  

 兵庫では、4月に60席ほどの小劇場で約2週間上映しました。約600人が鑑賞し、上映期間中におこなった署名行動では、約300人が署名に協力。「あんな裁判官は人間じゃない」などと憤りをあらわにする人もいました。秋田では5月に3カ所で上映し、750人が鑑賞。358人分の署名を集めています。
 劇場の経営者が、上映や署名運動に協力するところも見られました。
 石川では、4月に金沢市で2週間上映。「裁判のやり直しを求める署名を集めています」と館内アナウンスが流され、映画館のオーナーが署名の協力を呼びかけ、147人分の署名を集めています。また、映画を見た人から、「出身校の後輩たちに見せたいから、チケット400枚ほしい」と申し出があったことも伝えてくれました。
 埼玉では、5月に上映した際、映画館の館長が「国民救援会の訴えを聞いてほしい」と紹介し、この時間帯の観客40人全員が、ロビーで署名に協力しました。福島では、映画館の協力を得て、仮設住宅の人たちの特別割引を許可してもらい、仮設住宅の掲示板に大型のポスターを張り出しました。
 事件の地元である三重・名張高校出身の方も鑑賞。中央本部に激励の電話があり、「ちょうど高校の同級生と会う機会があったので、映画の話をして署名用紙を渡した。奥西さんを助けたいので頑張ってほしい」とのこと。
 静かに、しかし着実に支援が広がっています。

協力したいと救援会に入会  

 映画では、奥西さんに心を寄せ、必死に救援活動をする国民救援会の姿がありありと描かれています。そんな国民救援会に魅力を感じ、入会する人も相次いでいます。
 5月に劇場公開した大分では、友人3人を誘って鑑賞した小野邦子さんが、「映画に出てきた人権団体というのは、国民救援会のことで、私も会員なの」と明かし、「国民救援会に入るだけで、冤罪に苦しむ人たちを支援できて、真実を明らかにできるの」と話すと、「それぐらいなら協力できる」と、3人がその場で入会しました。
 4月から劇場で公開した大阪では、映画を鑑賞した人が、「なにか支えになることをしたい」と、府本部に訪問したり、電話をかけてくる人が相次ぎました。姫野事務局長が、署名やハガキの協力とあわせて救援会への入会をすすめたところ、「命がけで奥西さんが頑張っておられる」、「いますぐ救出せなあかん」と3人が入会に応じました。枚方交野支部でも、上映運動にとりくみ2人を拡大しています。
*   *
 劇場でのロードショー公開では、2万人が映画を鑑賞。多くの劇場で国民救援会が協力し、観客を動員しました。多くの人がスクリーンで奥西さんの生き様を見て涙しています。5月からは、すでに劇場公開した地域でも自主上映が解禁になります。奥西さんを救出するために、全国での自主上映を広げましょう。
〈自主上映の問合せ〉合同会社東風筍娃魁複毅坑隠后烹隠毅苅欧泙

静岡・袴田事件 証拠捏ねつ造ぞうの疑い強まる 静岡地裁  

 静岡・袴田事件で静岡地裁(村山浩昭裁判長)は5月24日、「5点の衣類」のみそ漬実験に関して、地元支援組織「袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会」の山崎俊樹事務局長の証人尋問をおこないました。
 袴田事件は、事件発生から1年2カ月後に事件現場のみそ工場のみそタンクから血痕が付着した「5点の衣類」が見つかり、袴田さんの犯行着衣と認定されました。弁護団は、第1次再審請求審でも「5点の衣類」の発見経過などから捏造の疑いを指摘していました。これに対して東京高裁は、「(5点の)衣類がみそタンクに1年余りも漬かっていたような状態は一朝一夕にはできるとは思われない」と、弁護団の主張を退けていました。
 今回の証人尋問で山崎さんは、『5点の衣類』と同種の衣類をみそに漬け、衣類や付着した血痕の変色具合を実験したが、結果は「証拠とされている『5点の衣類』と同じものは短時間でつくり出せる」と証言しました。
 弁護団は、尋問後の会見で「犯行着衣に重大な疑問があることを明らかにできた」と、あらためて捜査機関による証拠の捏造の可能性を強調しました。
 次回6月28日には、検察が申請していた捜査段階で押収された袴田さんのベルトの証拠調べを行い、7月26日には弁護側が「5点の衣類」に関する新証拠として提出している「鑑定意見書」について、澤渡千枝静岡大学教授(繊維などの研究)の証人尋問をおこなうことが決定されました。
 この日、静岡地裁、静岡地検に対して地元の支援団体と国民救援会、再審・えん罪事件全国連絡会が共同して要請行動をおこない、署名3252人分を提出しました。(累計3万人)引き続き裁判所、検察への要請と署名を集中することが求められています。

滋賀・JR山科京都駅間痴漢冤罪事件 柿木さんの控訴を棄却 大阪高裁  

 JR山科京都駅間痴漢冤罪事件で大阪高裁(米山正明裁判長)は5月24日、柿木浩和さんの控訴を棄却する不当判決を言い渡しました。
 事件はJR東海道本線の車内で、柿木さんが痴漢行為をおこなったとして、迷惑防止条例違反の罪に問われているものです。一審京都地裁は罰金40万円の有罪判決でした。
 大阪高裁は、控訴審で弁護団が提出した(京都地裁が約2・8m四方の空間に45人程度と認定した)電車内の混雑状況を再現したDVD映像について、再現性に欠けると切り捨て、1審同様、柿木さんが痴漢したのを現認したという警察官の証言を、変遷しているにもかかわらず全面的に信用できるとしました。警察官の証言が後になって詳しくなることについて、「記憶喚起することはおこりえる」、「不合理ではない」とする一方、一貫して犯行を否認している柿木さんの証言は信用できないと退けました。
 判決言い渡し後、柿木さんは裁判長に向かって「私はやっていません」ときっぱりと述べ、傍聴席からは「不当判決だ」と怒りの声があがりました。3人の裁判官は逃げるように法廷を後にしました。
 裁判所には支援者約60人がかけつけました。報告集会で柿木さんは、「無罪を信じて今日までたたかってきました。上告してたたかいます」と訴えました。
〈抗議先〉〒530―8521 大阪市北区西天満2-1-10 大阪高裁 米山正明裁判長

高知・高知白バイ事件 警察の捏造明らか 再審めざし支援集会  

 高知市で5月24日、高知白バイ事件片岡晴彦さんの再審開始決定を勝ちとる支援集会が開催され、県内外から120人が支援にかけつけました。
 集会では坂本宏一弁護士、交通事故研究所・所長の石川和夫さん、支援する会の大野耕さんによるパネルディスカッションがおこなわれました。
 今年2月、再審請求人側から提出した警察庁科学警察研究所顧問を務めた三宅洋一・千葉大学名誉教授による鑑定書をもとにして、事故現場写真のネガフィルムの合成や、バスのスリップ痕の捏造などについて各パネラーが詳しく解説し、あらためて事件の疑惑を解明しました。
 事故当時バスの後ろにいた元仁淀中学校品原校長が「バスが止まっていた事を疑う余地はない。白バイ事件は警察のデッチ上げ事件です」と、発言。片岡さんは、「バスに同乗していた当時の中学生の証言が、完全に無視をされ正義感が傷つけられている。なんとしても再審開始決定を勝ちとらなければならない」と力強く決意表明しました。(樫原正彦)

自由な選挙実現を 警察庁へ要請、のびのび選挙学習会 選挙運動の権利を守る共同センター  

 国民救援会も参加している選挙運動の権利を守る共同センターは、7月の参議院議員選挙が公正で自由な選挙となるように6月4日、警察庁に申し入れをおこないました。全労連、自由法曹団、国民救援会の各代表が参加しました。
 自由法曹団の瀬川貴宏事務局次長が要請書の趣旨説明をおこない、昨年最高裁で出された国公法弾圧堀越事件無罪判決を真摯に受け止め、警察活動を見直すよう述べました。
 対応した職員は、警察庁は、不偏不党、厳正公正に法令に基づき活動しており、買収など悪質なものを重点的に取り締まり、形式犯についてはまず警告するという対応をしています、と紋切り型に述べました。
 国民救援会の坂屋光裕事務局次長からは、兵庫県警が昨年10月の養父市議選中に出されたとされる手紙についておこなっている捜査は、まさに自由権規約委員会が懸念を表明している選挙中の文書規制に関する不当な捜査であり、この問題
を規約に則(のっと)り解決するよう
県警に対する監督責任を果たすべきだと述べました。
実践的質問が
 選挙運動の権利を守る共同センターが5月31日、のびのび選挙学習会をおこない、労組・民主団体から36人が参加しました。
 自由法曹団の田中隆弁護士が講師となり、「ネット選挙解禁と選挙運動の自由」と題して、ネット選挙解禁の道程と解禁の意味、解禁される選挙運動と活用の方法などについて講演しました。
 公職選挙法に関する判例や衆議院での法改正論議なども引き、実践的な内容で、講演後の質疑でも、現場の活動に裏付けられた実践的な質問が多く出されました。

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional