日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2013年5月25日号

2013年5月25日号  

自衛隊国民監視差止訴訟 一般の市民活動も監視 元情報保全隊長が証言 仙台高裁  

 自衛隊国民監視差止訴訟の控訴審第4回口頭弁論が5月13日、仙台高裁でおこなわれ、自衛隊の「闇の部隊」といわれる情報保全隊の爛肇奪廰瓩任△觚蟻眥垢悗両攷与厂笋砲茲辰董国民監視の驚くべき実態が明らかになりました。(中央本部・鈴木)

 自衛隊の内部文書で、2003年から04年、自衛隊情報保全隊がイラク戦争に反対する国民運動を監視していたことが明らかになり、監視されていた東北の市民らが、監視の差止めと賠償を求め裁判をおこしています。
 今回の口頭弁論では、03年から04年当時、陸上自衛隊情報保全隊長をしていた鈴木健氏が証言に立ちました。
 鈴木証人は、国側代理人の質問に、自衛隊の業務遂行のため、「外部からの働きかけ等」から部隊を守るためにデモ行進や公開の場所での集会などの情報収集をしている、イラク戦争のときは、隊員・家族のなかに不安もあり、それへの「働きかけ等」は情報収集の対象になりうるものであった、などと、よどみなく証言しました。

際限ない監視
実態明らかに

 つづいて原告代理人の尋問になるや、鈴木証人は「守秘義務があり、証言できない」を連発しましたが、若手弁護士の冷静で練り上げた尋問に対し、一般論、「場合によっては」などと断りながらも、国民監視の犲詑岫瓩鮠攜世靴泙靴拭

 原告代理人「市街でのイラク戦争反対の署名活動は『外部からの働きかけ等』に当たるか」
 鈴木「当たり得る」
 ―核兵器廃絶の署名活動は?
 鈴木「場合によっては当たる」
 ―春闘の街宣活動は?
 鈴木「場合によっては当たる」
 ―駐屯地へ騒音の苦情を電話した場合は?
 鈴木「場合によっては当たる」
 ―イラク派遣反対の屋内集会は?
 鈴木「場合によっては当たる」
 これらの証言から、自衛隊の任務遂行になんら関係のない市民活動まで際限なく情報収集の対象としている実態が浮き彫りになりました。また、集めた情報の取扱いについて鈴木証人は「団体、個人に関する文書はあった」と情報を集積していることを認めました。
 鈴木証人への尋問は、次回7月1日もひきつづきおこなわれます。
 当日は70人を越える支援者が傍聴にかけつけました。支援する会は現在、団体740、個人1万184人分の署名を裁判所に提出しています。

東京・三鷹バス痴漢冤罪事件 客観証拠ねじまげ有罪 東京地裁立川支部  

 2011年12月、中学校教員の津山正義さんがバスの車内で女子高校生の「スカートの上からお尻をなでた」として逮捕、起訴された東京・三鷹バス痴漢冤罪事件で、東京地裁立川支部(倉澤千巖裁判長)は5月8日、津山さんに対し、罰金40万円の有罪判決を言い渡しました。

 判決では、女子高校生はウソをつく理由はないとして、供述を全面的に信用する一方、客観的証拠は無理やりつじつまを合わせ、痴漢行為を認定しました。

塞がる両手で
「痴漢」を認定

 逮捕後の微物鑑定で、津山さんの手から女子高校生のスカートの繊維が検出されなかったことについて、触っていても検出されないことは「ありえる」と勝手な推論を展開しました。
 また、バス車内の防犯カメラ映像から、津山さんが右手に携帯電話を持ち、左手でつり革につかまっていることが見えることから犯行は不可能であるとの点については、バスの揺れによりつり革がカメラに映っていない間に、右手で電話を操作をしながら、左手で痴漢行為をおこなうことは「容易とはいえないけれども…」、「不可能とか著しく困難とまではいえない」と強弁しています。
 津山さんが体の前にかけていたリュックが当たったことが痴漢と誤解されたという点については、でん部の皮膚感覚が鈍いとしても何度も当たったのなら間違えるはずがないと退ける一方で、女子高校生の供述のあいまいな点については、でん部の皮膚感覚は鈍いから不自然ではないなどとしました。

無罪判決まで
闘うと決意し

 判決公判と報告集会には津山さんの家族や元同級生、友人、支援者ら約100人が駆けつけ、はじめに有罪ありきで客観的証拠をねじまげた判決に怒りの声をあげました。
 報告集会では参加者から不当な判決への怒りと、「無罪になるまで一緒にたたかいます」との発言が相次ぎました。
 最後に家族とともにあいさつに立った津山さんは、「裁判長は最初から有罪にしようとしていたのか。判決を受け、今、苦しいし、不安です。でも、次のたたかいに向け、胸を張ってたたかっていきます。ご支援をよろしくお願いします」と訴えました。

〈抗議先〉〒190―8571 立川市緑町10―4 東京地裁立川支部 倉澤千巖裁判長

砂川事件で最高裁長官(当時)が違法行為 国民救援会が最高裁へ要請  

 1959年の砂川事件の上告審において、田中耕太郎最高裁長官(当時)が司法権の独立を侵した問題で、国民救援会は4月26日、最高裁に対し、事実を明らかにし、検証するよう要請しました。
 砂川事件は、1957年に米軍立川基地に立ち入ったデモ隊を逮捕・起訴したもので、東京地裁(伊達秋雄裁判長)は1959年3月30日、「米軍の駐留は憲法第9条(戦力の不保持)違反」として無罪判決を言い渡しました。これに対し国は、アメリカの強い要請を受け、最高裁に跳躍上告をおこないました。最高裁は同年12月16日、大法廷(田中耕太郎裁判長)で、外国の軍隊は戦力にあたらない、日米安保条約のように高度な政治性をもつ条約については、一見極めて明白に違憲無効と認められない限り、司法審査の対象とならないとし、全員一致で一審判決を破棄し、審理を地裁に差し戻しました。
 報道によれば、アメリカの公文書で、砂川事件の上告審の審理にあたって、田中長官が、米駐日公使と会い、「評議は全員一致になるよう、少数意見を回避する」などと評議の内容や公判期日、判決期日の見通しなど裁判の状況を伝えていたというものです。
 田中長官は、松川事件で国民的な裁判批判を「雑音」とし、「耳を貸すな」と暴言を吐いていたその裏で、アメリカの声に耳を傾けていたのです。
 今回の要請では、この問題が司法権の独立や、公正な裁判を受ける権利など憲法に保障された大事な権利を侵し、アメリカに司法権を売り渡した憲法違反の行為であることを明らかにし、最高裁が記録などを調査し、事実を明らかにして検証し、その結果を国民に公表するよう強く求めました。

兵庫・レッド・パージ国賠裁判 名誉回復の訴え棄却 最高裁  

 最高裁第1小法廷(横田尤(とも)孝(ゆき)裁判長)は4月25日付で、兵庫・レッド・パージ国家賠償請求裁判の原告・大橋豊さん、川崎義啓さん、安原清次郎さんの訴えを退ける決定をしました。
 裁判は、アメリカ占領軍の示唆を受けた日本政府と財界により、日本共産党員や支持者ら4万人が公職と企業から思想信条を理由に解雇されたレッドパージをめぐって、3人が国に名誉回復、国家賠償を求めて2009年に提訴したものです。一、二審ともに請求棄却。
 GHQの資料によれば、最高裁田中耕太郎長官(当時)が米民政局長にレパ遂行のためにGHQに指令を出すようもとめたものの、米側は拒否し、日本政府が主導的役割を果たしたことが明らかとなっていました。裁判では、GHQの指示は超憲法的であり、解雇は有効とする1960年最高裁大法廷決定を見直すか否かなどが争点となっていました。
 原告、弁護団は声明で、短期間で上告棄却の結論を出したことはレパ被害者を「司法による救済」の枠外に置いた最高裁への批判を早期に封じるためであったと考えざるを得ない。原告の願いを無視した非道な決定に、満身の怒りをもって抗議する、と述べています。

愛知・津島民商納税猶予訴訟 原告1人が勝訴 納税の猶予を認める  

名古屋地裁

 愛知・津島民商納税猶予訴訟で、名古屋地裁(福井章代裁判長)は4月26日、津島税務署の納税の猶予不許可処分を堀田幸善さんについて取り消す判決を言い渡しました。
 裁判は、業者の消費税納税義務が2005年から売り上げ年3千万円から1千万円に引き下げられたことにより、一度に納められなくなった堀田さんら3人は、苦しい営業実態の中で、生業を続け、納税するために、国税通則法第46条が定める納税の猶予制度を申請しました。しかし、津島税務署長は納税の猶予を不許可としたため、提訴したものです。
 判決では、国税庁『納税の猶予等の取扱要領』では「納税者からの聞き取りによる資料を判断の基準とすることが前提とされている」のだから、判断資料が「処分時までに納税者から提出される資料に限定される」ことはないとして、堀田さんへの不許可処分を取り消しました。

鹿児島・大崎事件 「再審開始を」200人の集会 宮崎  

 4月27日、「大崎事件・原口アヤ子さんの再審を求める再スタート大集会」が宮崎市内で開催され、地元宮崎の国民救援会各支部をはじめ九州各県本部から203人の参加者で成功しました。
 集会では、この間の報道を通して事件の経過や問題点を学び、増田博弁護士が弁護団報告。増田弁護士は、「警察は、知的障害のある関係者に虚偽の供述を強要し、原口さんを首謀者に作り上げた。しかも、共犯者とされた関係者の供述は重要な部分で変遷し、客観的事実と矛盾している」と、確定有罪判決の証拠構造が脆弱であると強調し、福岡高裁宮崎支部で必ず再審を勝ちとりたいと述べました。その後、志布志事件の関係者から、警察のひどい自白強要の取調べの実態が紹介され連帯のあいさつがありました。
 原口さんは「やってもいないことをやったとは言えません。34年間も苦しんできました。このまま死ぬわけにはいきませんので、どうか再審を勝ちとるまでご支援をお願いします」と話しました。集会には、原口さんの娘さんからもお礼のメッセージが寄せられました。
 国民救援会宮崎県本部と大崎事件の再審をめざす宮崎の会は、集会決議をもって5月7日に福岡高裁宮崎支部へ要請行動を行いました。
 原口さんは、6月には87歳となります。国民救援会、大崎事件原口さんの再審をめざす会、宮崎の会は、原口さんが元気なうちに、再審開始を勝ちとるために全国の支援を呼びかけています。

名張事件 奥西さん一時危篤に「再審を」の声急いで集中を  

 三重・名張事件の奥西勝さんは87歳となり、長期の拘束などにより、健康は日々悪化し、現在八王子医療刑務所に収監されています。奥西さんは誤(ご)嚥(えん)性肺炎のため顎(がく)静脈から管を入れて栄養を送る措置をしていましたが、5月の連休中に病状が急変し、一時危篤状態となりました。9日に、気管切開手術をおこない小康状態を取り戻したとはいえ、現在も予断を許さない状態にあります。
 奥西さんはなんとしても生きているうちに冤罪を晴らしたいとの強い信念のもと、文字通り命を削りながら、最高裁の再審開始決定を一日千秋の思いで待っています。
 奥西さんへの激励と、最高裁に対して「直ちに再審を開け」の要請を、集中してください。再審開始を求める署名は、5万を超えましたが、引き続き10万の早期達成にご協力ください。
〈要請先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁第1小法廷 桜井龍子裁判長
〈激励先〉〒192―0904 八王子市子安町3―26―1 八王子医療刑務所 奥西勝さん

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