日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2013年4月25日号

2013年4月25日号  

社会保険庁職員不当解雇撤回闘争 免職処分取消し  

 社会保険庁の解体にともない、525人の職員が免職処分を受け、全厚生労働組合の39人が処分撤回を求めている問題で、人事院は3月29日付けで、大阪の社会保険庁の元職員の大島琢己さんについて、免職処分を取り消す判定を出しました。一方、秋田県で勤務していた元職員3人については、免職を承認する不当判定でした。
 大島さんは、社会保険庁が解体された2009年に、厚労省への転任を希望しましたが採用されず、分限免職処分を受け解雇されたため、処分の撤回を求めて人事院に不服申し立てをしていました。
 人事院は判定書で、社保庁解体で解雇された職員について、厚労省は他の省庁への受け入れ要請や新規採用の抑制などによって、受け入れを一部増加させる余地があったとして、解雇回避の努力を怠ったことを指摘しました。また、社保庁から厚労省へ転任を決める面接の結果、大島さんよりも評価が低い職員を採用していることから、処分は妥当性を欠くとしました。
 全厚生闘争団を支える会は声明で、処分の違法性が改めて浮き彫りになったと指摘し、「人事院によって処分の不適正さが断罪されたことを踏まえ、判定を待つことなく525人の処分を取消すよう求める」と訴えています。

北海道・自衛隊格闘技訓練死裁判 国の責任認める 札幌地裁  

 北海道の陸上自衛隊真駒内駐屯地での徒手格闘の訓練中に死亡した島袋英吉さんの両親が、国(防衛省)の責任を追及している「命の雫裁判」(国家賠償訴訟)で、3月29日、札幌地裁(石橋俊一裁判長)は原告勝訴の判決を言い渡しました。国は控訴を断念しました。
 判決は、徒手格闘訓練について、生命身体に対する一定の危険が内在するため、指導者は安全配慮義務があるとしたうえで、習熟度の低い島袋さんが、「投げ返し」に対して適切な受身をとることができず、危険性があることを指導者は予見できたとして、国の安全配慮義務違反を認め、約6500万円を支払うよう命じました。
 弁護団は記者会見で、「自衛隊内での訓練における安全管理の杜(ず)撰(さん)さを指摘したことは意義がある。訓練に関与した自衛官らの故意責任を認めなかったことは遺憾だ」と述べました。
 英吉さんの父・島袋勉さんは、「英吉は殺されたんです。多くの自衛隊員がこの訓練でケガをしている。闇に引きずり込まれるような事件でした」「いくら勝訴判決をもらっても英吉は帰ってこない。家族をバラバラにした、このような家族の悲しみはとめなきゃならない」と苦しい胸のうちを絞り出すように明かしました。
(道本部・守屋敬正)

最高裁統一要請行動 「自ら再審決定を」名張事件などが要請  

 最高裁に係属する事件の第204次統一要請行動が、3月22日、9事件63人の参加でおこなわれました。
 要請では、再審を求めている名張毒ぶどう酒事件について、「再び審理の差戻しをするようなことはせず、最高裁はみずから再審開始を決定すべきだ」、「映画『約束』の原作本を裁判官にも読んでもらい、一日も早く奥西さんを救ってほしい」などと訴えました。

「冤罪被害者の声聞け」市民連絡会が取調べ全面可視化を要請  

 国民救援会が呼びかけ団体の「取調べの可視化を求める市民団体連絡会」は4月10日、代表4人で法務省を訪れ、捜査機関の取調べ全面可視化の早期実現を求める要請をおこないました。
 法務省に設置された「新時代の刑事司法制度特別部会」は、1月29日に取調べや検察の証拠開示のあり方などについての「基本構想」をまとめ、現在、新たに設置された作業部会で制度具体化の検討がすすめられています。
 要請で監獄人権センターの海渡雄一代表理事は、「『基本構想』が、可視化の対象を裁判員裁判となる重大事件に限定していることは問題で、(痴漢冤罪などのような)市民が求める冤罪を防止する効果に疑問だ」と訴えました。国民救援会の坂屋光裕事務局次長は、「特別部会では、冤罪被害者の声を代弁する委員の意見に耳を傾けるべきだ」と訴えました。

埼玉・介護ヘルパー窃盗冤罪事件 仮釈放不許可の決定  

 懲役1年の実刑判決を受け、現在長野刑務所に収監されている介護ヘルパー窃盗冤罪事件の安澤篤史さんについて、3月下旬、関東地方更生保護委員会は、安澤さんの仮釈放を「不許可」とする決定を出しました。
 仮釈放の許否を審査する関東地方更生保護委員会は、「改悛の情がない」ことを理由としました。しかし、これまでの要請のなかで更生保護委員会は、「(仮釈放の条件に)罪を認める認めないは関係ない」と回答しているうえ、委員会の本面接がおこなわれれば仮釈放となるケースが通例で、今回の決定は異例とも言えます。
 安澤さんと家族を支える東京の会は、職権発動による再審査を求める要請ハガキ運動を呼びかけています。(東京都本部・中村裕一)
〈要請先〉〒330-9725 さいたま市中央区新都心2-1 さいたま新都心合同庁舎2号館 関東地方更生保護委員会

埼玉・矢田部過労死事件 過労死の因果関係否定  

 矢田部暁則さんが死亡したのは、6カ月前に退職したレンタルビデオ店での過重労働が原因だったとして、矢田部さんの両親が、運営会社クォークの責任を追及していた裁判で、3月28日、さいたま地裁(窪木稔裁判長)は、会社の安全配慮義務違反は認めましたが、過労死と過重労働との因果関係は認めませんでした。
 労災認定を求める行政訴訟では、一審で過労死が認定されましたが、二審で取り消され、現在最高裁に上告しています。

岡山・原爆症認定訴訟 川中さんの請求棄却  

 原爆投下後に爆心地付近に入り、「入市被爆」の障害に苦しむ川中優子さんの原爆症認定を求めている裁判で、3月21日、広島高裁岡山支部(片野悟好裁判長)は、一審につづき、川中さんの訴えを棄却しました。
 弁護団は、「裁判所は、被爆者の問題に向き合う姿勢が見受けられない」と批判。川中さんは、「核兵器、原発廃止の運動を今後も続ける」と話しています。

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