日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2013年3月5日号

2013年3月5日号  

福井女子中学生殺人事件 再審の可否判断へ 3月6日決定  

 86年に福井市内で女子中学生を殺害したとして、前川彰司さん(47)が殺人罪に問われ、懲役7年の刑が確定した事件の再審請求審の異議審で、名古屋高裁(志田洋裁判長)は、3月6日午前11時に、再審の可否の判断を出すことを決め、弁護団に通知しました。
 前川さんは、一審無罪、二審逆転有罪判決となり最高裁で確定。刑務所を満期出所後、04年に再審請求しました。11年、名古屋高裁金沢支部(伊藤新一郎裁判長)が裁判のやり直しを認める再審開始を決定。検察が異議を申し立て、名古屋高裁で審理されていました。
 前川さんが犯人であることを示す物的証拠や自白は一切なく、「服に血がついた前川を見た」などとする、暴力団関係者らの「目撃」証言が有罪の根拠とされました。再審請求審では、凶器とされた2本の包丁以外の刃物による傷があるとする弁護団の鑑定を新証拠と認め、「確定判決に合理的な疑いが生じる」として再審開始を決定していました。
 国民救援会福井県本部では、検察の異議申し立てを棄却し、再審開始を確定させようと決定日に向けてとりくみを強めています。

〈要請先〉〒460―8503 名古屋市中区三の丸1―4―1 名古屋高裁・志田洋裁判長

一方的に決定日通知 鹿児島大崎事件  

 鹿児島県大崎町で、1979年に男性が変死体で見つかった事件で、殺人と死体遺棄罪に問われ、懲役10年の判決が確定した原口アヤ子さん(85)の第2次再審請求で、鹿児島地裁(中牟田博章裁判長)が3月6日に再審開始の可否の決定をすると関係者に一方的に通知しました。
 事件は、原口さんのほか亡くなった男性の兄弟など3人が逮捕され、原口さん以外の3人の「自白」により、4人全員の有罪が確定したものです。原口さんは満期で服役後、再審を請求しました。
 02年、男性の死は事故死である可能性があり、「共犯者」3人の「自白」は信用できないとして鹿児島地裁が再審開始を決定。しかし、04年に福岡高裁宮崎支部が事実調べもしないまま請求を棄却しました。
 10年に申し立てた2度目の再審請求審で鹿児島地裁は、弁護側が求める法医学者などの鑑定人尋問を認めず、検察の未開示証拠の提出を促さないなど、消極的な訴訟指揮をしていました。
 国民救援会鹿児島県本部は、決定の期日を取り消し、審理を再開し、徹底した事実調べをおこなうよう求めています。

〈要請先〉〒892―8501 鹿児島市山下町13―47 鹿児島地裁・中牟田博章裁判長

奥西さんの命救おう 映画 [約束]全国上映スタート  

 1961年の事件発生以来、半世紀近く獄中で無実を叫び続ける死刑囚・奥西勝さんの半生を描いたドキュメンタリー映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」が、東京・渋谷のユーロスペースで封切りされました。順次、全国で上映が始まります。
 公開初日には、出演した仲代達矢さん(奥西さん役)と樹木希林さん(奥西さんの母役)が劇場で舞台挨拶をおこない、映画に込めた思いを語りました。

無実信じ出演

 ステージに立った仲代さんと樹木さんに、満席の会場から大きな拍手が送られました。司会者から、出演を決めた理由を聞かれた仲代さんは、「色々な資料を読み、冤罪だと信じて出演した」と話し、「再審が決まらなければ、司法は殺人者になる」と語気を強めました。
 樹木さんは、「私も仲代さんも、『これで仕事はなくなるな』と、覚悟を決めて出演しました」と明かしたうえで、「映画を観て、『こんな思いをして、村から排除され、司法から横を向かれる人生を送ってる人がいるんだなあ』と感じてもらうことで役に立てればいい」と話しました。

反響おおきく

 名張事件の東京守る会は、これまで首都圏の民主団体や労組を訪問して映画の鑑賞券を普及してきました。上映期間中は、劇場のロビーで交代しながら署名行動をおこなっています。映画を見終えた方たちが、「何か私にできることはないか」と、列を作って署名に名を連ねる姿が見られ、署名用紙を持ち帰る人もいました。
 映画を見終わった人からは、「理不尽な裁判に驚いた。知人に知らせて、1人でも多くの人に真実を知らせたい」「映画の中で、国民救援会の姿がありありと描かれていて、役割の大切さを感じた」などの感想が寄せられました。

宮城・自衛隊国民監視差止訴訟 「監視の実態解明を」 証人尋問は次回に予定 仙台高裁  

 自衛隊国民監視差止訴訟の控訴審第3回口頭弁論が2月22日、仙台高裁(佐藤陽一裁判長)で開かれ、証人採用について裁判所がどう判断するのか注目されました。
 佐藤裁判長は、原告、被告双方が申請している当時の陸上自衛隊情報保全隊長・鈴木健氏の証人尋問について、次回5月13日に予定したいとし、鈴木氏は当時、公務員であったため防衛省への照会手続きをとって正式決定すると述べました。さらに、原告側が証人申請している現自衛隊情報保全隊司令の立花尊(たか)顕(あき)氏と元自衛隊情報保全隊東北情報保全隊長の吉永春雄氏についても、防衛省に照会するとしました。
 裁判では、秋田市の原告・風間幸蔵さんが意見陳述をおこないました。風間さんは2004年1月12日におこなった成人式会場前での宣伝行動が監視され、内部文書に個人名が記録されています。昨年9月に明るみに出た新内部文書にも記録されており、風間さんは監視が現在も続いていることを厳しく告発しながら、「80年前にプロレタリア作家・小林多喜二が特高警察に逮捕、虐殺された。あの悲惨な歴史を繰り返さないためにも、自衛隊による市民監視の実態を明らかにさせ、監視をやめさせてほしい」と訴えました。
 弁護団は、立花、吉永両氏の証人尋問の必要性を強調。さらに証人尋問の実施は訴訟の一方の当事者である防衛省に問い合わせるまでもなく、司法権の独立という憲法規定に基づき、裁判所が決定すべきと主張しました。
 報告集会では内藤功弁護士はイラク裁判闘争などの教訓にふれながら、「今の憲法下でも情報保全隊はこれだけの違憲行為を重ねている。国防軍になったらどれほど露骨な国民監視になるか。この裁判を改憲阻止の砦(とりで)を築く壮大な運動の一環ととらえ、主権者として共にたたかおう」と激励しました。(堤智子)

埼玉・三郷生活保護裁判 「申請権の侵害」認定 原告が全面勝訴判決 さいたま地裁  

 埼玉・三郷生活保護裁判に、さいたま地裁(中西茂裁判長)は2月20日、三郷市が生活保護を申請する権利を侵害したとして、約540万円を支払うよう市に命じました。
 裁判は、2005年に夫が病気で倒れ、生活に困窮した家族が生活保護を申請しましたが、市は約1年半拒絶。支給決定後は転居を迫り、転居後は転居先への通知義務を怠り、保護申請を禁止する違法行為をおこなったため、国賠訴訟を提訴したものです。
 生活保護申請権の侵害を全国で初めて認めた画期的な判決です。

東京・三鷹バス痴漢冤罪事件「犯行の動作ない」車内映像の鑑定人が証言 東京地裁立川支部  

 東京・三鷹バス痴漢冤罪事件の第5回公判が2月22日、東京地裁立川支部(倉沢千巌裁判長)で開かれ、バス車内の防犯カメラに録画された映像を解析した橋本正次東京歯科大学教授の鑑定人尋問がおこなわれました。
 事件は2011年12月、中学校教諭の津山正義さんがバスの車内で「スカートの上からお尻をなでた」として逮捕、起訴されたものです。逮捕後の微物鑑定では津山さんの手から女性のスカートの繊維は検出されず、証拠は女性の供述だけとなっていました。
 橋本教授はバス車内の映像を映しながら、津山さんと女性の動きについて解説。津山さんが持っているつり革がかなり横に引っ張られていることから、女性と後ろに立つ津山さんとの間には、人ひとり分くらいの空間が空いていることがわかること、津山さんは右手で携帯電話を持ち、左手はつり革につかまっていることが見えること、途中大きく車内がゆれ、2人がぶつかったあと、女性が振り返ったことが見えること、仮に津山さんが女性のお尻を触ろうとすれば、かがまなくてはならないが、そのような動きは見えないことなどを証言しました。
 当日は支援する会や国民救援会の会員など91人が傍聴に駆けつけ、裁判所前で宣伝行動をおこないました。提出した署名は累計で2万8千人を超えています。報告集会で津山さんは、「冤罪を晴らして早く学校に戻りたい。無罪を勝ちとるまでご支援をお願いします」と訴えました。

国会集会 STOP!秘密保全法 法案提出許すな  

 秘密保全法の創設を阻止しようと、「STOP!秘密保全法共同行動」院内集会が2月13日、衆議院第一議員会館で開かれ60人が参加しました。
 日本共産党の井上哲士参院議員によると、2月8日に内閣官房から今国会に提出する予定法案の一覧が示され、「検討中」の欄に、秘密保全法が書き込まれており、法案提出直前の重大な局面であることが伝えられました。
 講演した自由法曹団の三澤麻衣子弁護士は、国公法弾圧堀越事件で、公安警察が堀越さんの私生活を尾行し隠しカメラで盗撮した映像を上映し、「公安の違法な行動確認に、法的根拠を与えてしまう」と法案の危険性を強調しました。

三重・名張事件 再審開始早く 最高裁に要請  

 名張毒ぶどう酒事件の最高裁独自要請を2月19日におこないました。参加者は、東京、長野、兵庫、愛知、救援会中央から総勢11人。
 要請では、弁護団が昨年提出した申立補充書と実験結果に対し「7月末までに専門家の意見等を踏まえた意見書を提出する」と回答した検察官に批判が集中しました。こうした引きのばしを許さず、最高裁自らが「白鳥・財田川決定」に従って一刻も早く再審を開始すべきだ、やせ細り、病にあえぎながらも無実を訴え続けている奥西さんと会い、意見をきちんときいて決定すべきだなど、強く要請がなされました。
 東京の参加者から2月16日から東京で封切られた映画「約束」の初日の反響や映画を観た人たちが列をなして署名してくれた様子などが紹介されました。
 東京は折からの雪で大変寒い一日でしたが、人数が少なかった分、それぞれ自分の思いをしっかりと訴えることができ、その熱い思いが寒さを吹き飛ばす要請行動になりました。この日提出した要請署名は、5268人分。累計で3万8340人となりました。(愛知守る会・田中哲夫)

福井・女子中学生殺人事件 正義の実現を 前川さん訴え  

 福井・女子中学生殺人事件で国民救援会北陸3県をはじめ愛知県本部、愛知守る会、中央本部から20人が参加して2月15日、名古屋高裁に第6回の要請行動をおこないました。(写真)
 要請では再審請求人の前川彰司さんが「検察の異議申立てにより、裁判が無意味に引き延ばされていることに怒りがいっぱい。どうか裁判所は一日も早く正義を実現してほしい」と訴えました。
 参加者は、「検察側の証人調べの要請は、再審開始決定で明確に否定されたことを蒸し返そうとしているに過ぎず、正義と人道に反する」と強く却下を求め、再審開始へと進むよう、要請しました。
 署名は累計で約2万人、要請はがきは約900通を提出しました。

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