日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2013年2月25日号

2013年2月25日号  

神奈川・山崎裁判 米兵犯罪を許すな 日本政府は謝罪し責任をとれ  

基地の街で、人権守れ横須賀支部が現地調査

 2月3日、神奈川・横須賀支部(支部長・村上有一さん)は、妻を米兵に殴り殺された山崎正則さんが米兵と日本政府に対して損害賠償請求訴訟をたたかっている山崎裁判の現地調査を行い、30人が参加しました。横須賀支部は、これまで、署名を集めたり、「山崎裁判を支援する横須賀の会」の宣伝行動に参加してきましたが、もっと主体的に山崎裁判を支援しようとおこなったものです。

 「私の妻は、ここで米兵によって殴り殺されたんです」
 山崎さんは、現地調査参加者を事件現場に案内し、殺害現場で、好重さんが米兵からどのような暴行を受けて殺害されたのか、資料も示しながら詳しく説明しました。
 その後、米軍軍属による傷害致死事件現場(06年11月)と脱走米兵によるタクシー運転手強盗殺人事件(08年3月)の現場に行き、横須賀市で、米兵による凶悪犯罪が多発している実態についても説明しました。

犯罪なくすため最高裁で勝利を

 現地調査の後の事件学習会では、山崎さんが7年近い裁判闘争について話しました。
 「事件が起きたとき警察は、私の指紋や写真をとり、3日間も取調べ、マスコミは、まるで私が犯人であるかのような報道をしました。また、防衛省は謝罪することもなく、事務的な対応で、日本国民が殺されたにもかかわらず、被害者側に立って詳しい説明をするということもありませんでした。米軍司令官は、『この事件をきっかけに日米同盟がよりいっそう強化されることを望む』とのコメントを出し、被害者のことをまるで無視するかのような態度でした。日本政府は、国民を守ると信じさせて、全国に米軍基地を置いています。全国で米兵による事件、事故が後を絶たない状況ですが、被害に遭われた方は、泣き寝入りせざるを得ないのが実態です。国民救援会の全国の組織の支援をお願いし、最高裁での勝利をめざし、がんばります」と述べました。
 弁護団の中村晋輔弁護士が裁判の状況について次のように報告しました。
 一審は、勤務時間外の米兵に対して米軍上司には監督責任を認める余地があることを認めましたが、米軍には広範な裁量権があるということを理由にこの事件では違法はないとして国の責任を認めませんでした。結果は残念でしたが、監督責任の余地を認めさせたことは前進でした。二審は、米海軍規則の解釈にあたり、日本国民の生命・身体の安全を守るということよりも、米軍の運用をより重視するという不当なものでした。

支部での支援を大きく広げよう

 現地調査を中心的になって準備した横須賀支部常任委員の新倉泰雄さんは、「横須賀は基地の街です。横須賀市民が基地のもとで苦しんでいる人権問題を救援会がもっともっと取り組んでいくべきだと思います」と語っています。支部の会員が16人参加し大きく成功した現地調査を力に、山崎事件の支援をさらに大きく広げようと決意しています。

〈要請先〉〒102―8651 東京都千代田区隼町4番2号 最高裁判所第2小法廷 小貫芳信裁判長
〈激励先〉〒231―0062 横浜市中区桜木町3―9 平和と労働会館3F 米兵による女性強盗殺人犯罪を糾弾し、山崎さんの裁判闘争を支援する会

三重・名張毒ぶどう酒事件 弁護団が新証拠を提出 速やかに再審開始決定を  

 奥西勝さんが農薬ニッカリンTをぶどう酒に入れて女性5人を殺害したとされる名張毒ぶどう酒事件で、昨年12月25日、弁護団は最高裁判所に、再審開始決定を取り消した昨年5月25日の名古屋高裁決定の科学的な誤りを明らかにする証拠5点及び特別抗告申立補充書3通を提出しました。そのうち、中心となるのは、新証拠3(毒物問題)に関する中立公正な第三者機関による試験報告書です。
 これに対して、検察官は1月18日、最高裁に対して、弁護団に反論するために今年の7月末までに意見書を提出するので待って欲しい旨の上申書を提出しました。弁護団は、2月1日、最高裁に意見書を提出し、検察官の主張はすでに破綻していること、奥西さんはすでに87歳になり、誤嚥性肺炎を患い、八王子医療刑務所に移送されており、このまま審理を長引かせることは人道上も許されないものであることなどを理由として、最高裁に対して速やかに再審開始決定を出すよう求めました。

【解説】名張事件は2005年4月に名古屋高裁刑事1部で、犯行に使われた毒物(農薬)がニッカリンTであるとした確定判決(死刑判決)には合理的な疑いがあるとして、奥西勝さんの再審開始を決定しました。事件検体(事件の飲み残りぶどう酒)からニッカリンTであれば必ず検出されるはずの特定の不純物が検出されず、毒物はニッカリンTではないことが明らかとなり、再審開始決定が出されたのです。
 その後、異議審、特別抗告審、差戻し異議審は、いずれも入れられた毒物がニッカリンTであったか否かを争点に争われてきました。
 再審請求を棄却した名古屋高裁(下山保男裁判長)は、事件当時の三重県衛生研究所の試験で、対照検体(比較対照用に作られたニッカリンTを混ぜたぶどう酒)から検出されたニッカリンT特有の不純物は、対照検体中のニッカリンTの成分が加水分解して生成されたものであるとしました。そして事件検体は、試験にかけられるまでに時間が経っており、ぶどう酒で加水分解して不純物が生成されたが、不純物はエーテル抽出されないので検出されなかっただけである。従って、事件検体から不純物が検出されなかったからといって、ぶどう酒に混入された農薬が、ニッカリンTではないとは言えないとしました。
 しかし、今回の中立公正な第三者機関が行った実験によって、.縫奪リンTに含まれている成分はぶどう酒に混じると速やかに加水分解して不純物に変化し消滅する不純物はエーテル抽出される、ということが明らかになりました。その結果、対照検体から不純物が検出されたということが明確になりました。他方、事件検体にニッカリンTが含まれていたとすると、試験にかけるまでに時間が経っていても不純物が検出されないはずはないから、混入された農薬はニッカリンTではなく、三共テップ等別の農薬であると考える他にないと結論づけています。つまり、ニッカリンTを使ったという奥西勝さんの自白は取調官の誘導によってなされた嘘の自白であり、三共テップ等を持っていなかった奥西さんが犯人ではあり得ないことがはっきりしたわけです。

共謀罪創設の危機 危険性を広く知らせよう 国会集会  

 2月6日、日本弁護士連合会主催で、共謀罪創設反対を求める集会が国会内で行われました。
 集会では、日弁連の共謀罪等立法対策ワーキンググループ副座長の山下幸夫弁護士から基調報告がされ、日弁連が一貫して共謀罪創設に反対してきたこと、総選挙後、いよいよ共謀罪創設の危機が迫ってきていることが報告されました。
 続いて、足立昌勝・関東学院大学法学部教授が講演をし、犯罪処罰は犯罪結果が発生した既遂を処罰するのが原則で、未遂や予備が処罰されるのは例外的な場合であることを窃盗罪や殺人罪を例に挙げて説明し、これが近代刑法の原則であり、共謀罪は、犯罪の共謀をしただけで処罰するというものであり、近代刑法原則を無視していることを指摘しました。また、秘密保全法について、その背景や問題点を説明した後、今一度原点に立ち返り、1980年代に国家機密法案を廃案にしたときのように共謀罪や秘密保全法の危険性を社会的に明らかにしていこうと述べました。
 集会には、社会民主党の福島瑞穂参院議員や日本共産党の井上哲士参院議員などが参加し、連帯の挨拶をしました。

兵庫・養父市議選不当捜査事件 3月23日に抗議大集会 警察の捜査やめさせよう  

 昨年10月の養父市議選後、養父警察は市民宅を次々と訪問し、選挙中に届いたとされる郵便物を提出するよう迫ったり、市民に執拗な呼び出しを続けています。
 捜査に名を借りた警察の行為は、日本国憲法で保障された言論・表現の自由や、信書の秘密に違反するものです。
 警察の聞き込みから既に3カ月以上たっています。この間、「養父警察署の不当捜査をやめさせる市民の会」(準備会)は最大100人規模で抗議、申し入れを続けていますが、警察はいまだに捜査を止めるとは言明していません。
 警察の捜査を中止させるために3月23日に大規模な抗議集会を開きます。市民の会では、全県、さらに近県からも大きな支援をと訴えています。

関口さんが勝利和解 定年後も継続雇用に 群馬・きりのこ保育園事件  

 群馬・きりのこ保育園事件は2月4日、群馬県労働委員会で和解が成立しました。
 事件は、きりのこ保育園に勤務する栄養士の関口好さんが解雇され、2010年に勝利和解し職場復帰したものの、12年に定年退職後、特段の事情がない限り継続雇用することが労働協約の内容となっていたにもかかわらず、継続雇用を理事会が拒否したものです。継続雇用と、組合に対する不当労働行為救済を求め、たたかってきました。
 和解では、関口さんの職場復帰や勤務時間、勤務内容、職員の中で関口さんにだけ書かせていた「業務日誌」は書かせないことなど、ほぼ組合が求めていた内容での労働協約書の締結が合意できました。

埼玉・介護ヘルパー窃盗えん罪事件 一日も早い釈放を訴える  

 埼玉・介護ヘルパー窃盗えん罪事件の安澤篤史さんの1日も早い釈放を求めて、2月4日、「安澤さんと家族を支える東京の会」と国民救援会東京都本部など21人が関東地方更正保護委員会へ要請をおこないました。
 要請では、刑期の3分の1以上が経過し(既に7カ月)、出所後の勤務先も身元保証人も決まっているなど仮釈放の要件は満たしていること、家族が心細い思いで毎日待っていることなどを訴え、一日も早い釈放を強く訴えました。

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