日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

2013年2月15日号

2013年2月15日号  

静岡・袴田事件第2次再審請求審 検察側鑑定人、証言を撤回 弁護側鑑定の信用性認める 静岡地裁  

 静岡・袴田事件の第2次再審請求審で1月28日、静岡地裁(村山浩昭裁判長)において証人尋問がおこなわれ、袴田巌さん(76)が犯行時に着用していたとされる衣類のDNA鑑定をおこなった検察側鑑定人に対して、弁護側の反対尋問がおこなわれました。鑑定人は、前回の尋問で「弁護側鑑定は信用できない」とした証言を実質的に撤回しました。

 1966年に静岡県で発生した強盗殺人・放火事件で、袴田さんは4人を殺害したとして死刑判決を受けています。有罪の根拠となっている唯一の物的証拠は、袴田さんが犯行時に着ていたとされる、血が付着したシャツやズボンなど「5点の衣類」ですが、弁護団は、衣類は捏(ねつ)造(ぞう)された疑いが強いと主張しています。静岡地裁は、検察と弁護側双方それぞれが推薦する専門家にDNA鑑定を依頼。その結果、いずれの鑑定からも袴田さんのDNA型と一致するものは検出されず、弁護側の鑑定では、被害者のDNA型とも一致しないことが分かり、袴田さんが着ていた衣類ではないことが明らかになりました。
 鑑定結果をめぐって昨年秋から鑑定人への尋問がおこなわれており、検察側鑑定人は前回の尋問で、弁護側の鑑定結果について、「(同一の結果が複数回得られる)再現性がなく信用できない」と証言し、自身の鑑定についても、「鑑定結果は出したが、それが何の型を検出したのか判明せず、信用できない」と証言していました。
 今回の尋問で検察側鑑定人は、「弁護側鑑定が日本DNA多型学会の指針に反していると証言したのは、言いすぎだった」と発言を撤回。弁護側鑑定人の立場も科学的に正当なものであることを認めました。また、自身の鑑定についても、袴田さんのDNA型と一致しない点については認めました。
 記者会見した弁護団の笹森学弁護士は、証人尋問について「検察官の尋問の時よりも正確な証言をした」と評価。「不利な状況を押し戻せた。裁判所も(再審決定を)判断できる」と話しました。
 証人尋問はこの日で終了し、裁判所は弁護側と検察側双方に、DNA鑑定に関する意見をまとめて3月29日までに提出するよう求めました。

袴田さんのアリバイ証拠 裁判所が開示促す

 尋問終了後の三者協議で裁判所は、弁護団が求めている袴田さんの供述の裏づけとなる調書などの証拠について、開示するよう検察に促しました。
 この証拠は事件当時、袴田さんが任意の取り調べで犯行を否認した際、袴田さんの供述に出てきた人物などに聞き取りをした調書や捜査報告書で、袴田さんのアリバイや供述の信用性を証明する可能性があるものです。裁判所は、3月1日の次回協議までに証拠の存否を明らかにしたうえで回答するよう検察側に求め、開示できない場合は、その理由を示すよう指示しました。
 また、「5点の衣類」の矛盾点を立証するために、弁護側が求めている証人尋問などについて、裁判所は、今後の審理計画を出すよう弁護側に求めました。
〈再審開始要請先〉〒420―8633 静岡市葵区追手町10―80 静岡地裁・村山浩昭裁判長

鹿児島・大崎事件 緊急集会に115人 事実調べと証拠開示 

 鹿児島・大崎事件における鹿児島地裁の不当な訴訟指揮に抗議し、徹底した事実調べと証拠の開示を求める緊急集会が1月26日、鹿児島市内で開かれ、九州各県をはじめ兵庫、東京など全国から115人が参加しました。
 弁護団の森雅美弁護団長は、鹿児島地裁の中牟田博章裁判長が、昨年10月の三者協議で、「検察に証拠開示を命令するつもりはない。鑑定人の証拠調べをする必要もない」と述べ、その後も弁護団の再三にわたる申し入れにも回答していないことを報告。「提出した新証拠の事実調べをいっさい行わず決定を出すことは、裁判所の責務を自ら放棄することだ」と強く批判しました。
 各地の代表者からは、「検察の証拠隠しに裁判所が手を貸すのは許せない」などの発言が相次ぎました。
 原口アヤ子さんも車いすで登壇。「私は人殺しはやっていない。どうしても汚名を晴らしたい」と訴えました。
 集会では緊急要請ハガキの集中と5万人署名(現在2万8千人分)を早期に達成し、裁判所要請を強化するとともに街頭宣伝を強めることなどが提起されました。

〈要請先〉〒892−8501 鹿児島県鹿児島市山下町13−47 鹿児島地裁・中牟田博章裁判長

「録画範囲は取調官の裁量で」 法制審 特別部会案に批判集中  

 1月24日に行われた、国民救援会も参加している取調べの可視化を求める市民団体連絡会主催の集会「取調べの可視化を求める院内集会〜新しい国会で、取調べの可視化の実現を!」では、法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会が出した基本構想(案)に対して批判が集中しました。

 集会では、法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会委員の青木和子弁護士(写真)が「取調べの可視化の必要性と制度化をめぐる情勢」と題して基調報告を行い、大要次のように述べました。
 パソコン遠隔操作による脅迫メール事件に関する神奈川県警の検証結果によれば、逮捕され、動機まで含めて「自白」した少年が、否認していると「(少年)院」に入ることになる、無罪を証明してみろなどと言われたと述べているのに対して、警察は、そのようなことは言っていないとし、ただ、自分の犯行でないことを具体的に説明するよう求めたことには問題があったなどとしているのが実態であり、取調べの可視化が是非とも必要だ。
 特別部会設置の大きな目的は、これまでの取調べの是正であったはずだが、18日に出された特別部会の「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想(部会長試案)」は、大変がっかりさせられるものだ。両論併記の一方は、取調べの録音・録画を取調官の一定の裁量に委ねるというおよそ制度とは言えないものである。もう1つは、一定の例外を定めつつ、取調べ全過程の録音・録画をするというものだが、対象事件を身体拘束された被疑者の裁判員制度対象事件としている。これではパソコン遠隔操作による脅迫メール事件などは録音・録画の対象とならないし、足利事件などのように任意捜査の段階で「自白」させられることがあるが、任意捜査も対象とならないなど多々問題があり、18日は異論が続出した。
 18日の議論を踏まえて、29日に開かれる特別部会までに修正案が出され、そこでさらに議論して基本構想を確定していくことになる。取調べの可視化を実現するよう頑張りたいが、みなさんにもお力添えをいただきたい。

可視化は、不可欠

 集会では、出席した国会議員らがそれぞれ発言し、布川事件の桜井昌司さんと無実のゴビンダさんを支える会事務局長の客野美喜子さんが冤罪事件の当事者や支援者として発言し、可視化は人権問題であり、何としても実現しなければならない問題だなどと述べました。

運動強め、実現

 集会後の29日に行われた特別部会が、取調べの可視化について、“鏥深圓亮萃瓦戮料寛當の録音・録画をおこなう範囲を、裁判員裁判対象事件を念頭に、さらに検討する、∀寝茲糧楼呂麓萃幹韻虜枸未飽僂佑襦△箸垢覦討鯆鷦┐靴燭海箸紡个掘国民救援会は、2月3、4日に行われた第59回中央委員会で、取り調べの全面可視化を実現するために、ひきつづき、特別部会への働きかけを強めるとともに、署名運動や自治体での決議運動もすすめることを決めました。

名張事件映画「約束」公開直前 守る会がチケット普及 東京・愛知  

 奥西勝さんを守る東京の会は、2月16日からの渋谷・ユーロスペースでの上映を前に、国民救援会東京都本部や中央本部の専従者とともに、上映成功に向け、オルグ活動を行っています。1月17日に豊島区の労組・民主団体を回ったのを皮切りに、23日は千代田区、29日は文京区、2月1日は新宿、渋谷周辺とつぎつぎとチケット普及のために団体回りを行っています。
 2月1日、東京の会の森真平さんと都本部の中村裕一さんが訪問した新宿民主商工会では、ポスターの掲示を約束し、チケットの委託も引き受けてくれました。対応してくれた事務局の方は、「3月の確定申告に向けて、事務所は会員さんの出入りが多くなります。声をかけてお誘いしてみます」と話してくれました。
 愛知でも、1月29日に、名古屋市内のオルグ活動が行われ、労組などにチケットの普及に協力していただけるようお願いして回りました。1日で37団体を訪問し、チケット300枚を預かっていただき、チラシ2210枚、ポスター46枚の協力をお願いすることができました。

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