日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

12年9月25日号

12年9月25日号  

国公法弾圧2事件 20万署名へ10月〜11月は「推進期間」  

 国家公務員の堀越明男さん、宇治橋眞一さんが、支持する日本共産党のビラなどを休日に配ったことを、政治活動を全面的に禁止する国家公務員法・人事院規則に違反したとして裁判にかけられた国公法弾圧2事件。二審で堀越事件は無罪、世田谷事件は有罪の判決が出され、現在、最高裁で違憲無罪判決を求めてたたかっています。国民救援会は、この秋、最高裁に世論で迫る全国的な運動を国公法共闘会議とともにすすめます。

高まる無罪判決勝ちとる意義  

●言論の自由守るため

 原発の「安全神話」が、東電福島原発事故を生み出しました。原発の危険性を指摘する意見を抑え、排除したことがその背景にあります。また、悪政を推進するために、国民の声を国会から排除する比例定数削減が狙われています。このような状況のもとで、言論の自由を守ることが重要になっています。

●強権政治許さぬため

 大阪・橋下市長や「維新の会」にみられる、公務員を統制し、もの言えぬ公務員づくりをすすめ、強権的な政治を強行しようとする危険な動きが広がっています。国会でも、自民党などが地方公務員の政治活動を罰則で禁止する法案を提出しました。2事件で、国家公務員の政治活動の自由を勝ちとることは、強権的な政治を食い止め、押し返す大きな力になります。

●国民監視許さぬため

 国民の運動が広がるもとで、自衛隊による国民監視が再び明らかになり、脱原発を求める市民運動への監視も各地でおこなわれています。悪政をすすめるために国の情報を隠そうと上程が狙われている秘密保全法では、情報を扱う人の「適性」を口実に、プライバシーまで調査し、監視しようとしています。
 国公法弾圧事件では、堀越明男さんが公安警察によって尾行・盗撮されました。国民監視を許さないためにも勝利することが大事です。

進めよう署名、学習、宣伝を  

●最高裁の動き

 4月、2事件を審理する第2小法廷の古田佑紀裁判官が退官しました。古田元裁判官は、堀越事件の弾圧を指揮した最高検の幹部です。弁護団では、この退官を受け、裁判長と事件を担当する調査官(裁判官)の間でのやりとりが始まっている可能性があると見ており、審理の動きが早まることも考えられます。

●「推進期間」成功を''''

 この秋、世論を一気に広げ、11月中に20万署名(現在、約16万7千)を達成しよう――国民救援会は10月、11月を「国公法弾圧2事件の勝利をめざし、20万署名達成、学習・宣伝推進期間」として、全国各地で署名、学習、宣伝活動をすすめ、世論で最高裁に無罪判決を迫っていきます。

〈当面の行動予定〉
▼弁護団上告趣意補充書提出行動
9月28日(金)上告趣意補充書提出激励・宣伝・要請=最高裁/報告集会=衆議院第2議員会館
▼大法廷回付を要求する決起集会
(国公法共闘会議第3回総会兼ねて)
10月25日(木)夜=東京・平和と労働センター

茨城・布川事件 国賠裁判で国を追及 桜井さん「全証拠を開示させる」  

 茨城・布川事件は昨年5月24日、水戸地裁土浦支部で再審無罪判決が出され、確定しました。10月に国賠裁判を提訴する桜井昌司さんに、裁判にかける思いを聞きました。

 事件が起きたのは1967年、国民救援会の皆さんには本当に長い間、杉山卓男と私の2人を温かく見守っていただきました。逮捕される前、私たちはいわゆる不良少年でした。獄中で出会った救援会をはじめ、真面目に社会で生活している人と出会えたおかげで、真人間になれたと思っています。冤罪で捕まるのではなく、窃盗などで逮捕された人生だったら、こんなに真剣に心から反省することはなかったと思います。冤罪を知ることで、社会のことを勉強できたし、自分自身も矯(きょう)正(せい)できたという意味で、自分は捕まってよかったと思います。
 現在は、小さいですが家を持つことができ、こんなにのんびりしていいのかなと思うくらいとても気楽な毎日を過ごしています。

冤罪被害者が声あげないと

 しかし、私たちの無罪判決に対して検察は、「足利事件の菅家さんは無実だが、布川事件の2人は、たまたま有罪が立証できなかっただけで犯人だ」と、公然と主張して、何も反省をしていません。なぜ2人が犯人にされたのかは未解決のままです。
 だから私は、10月に国家賠償請求訴訟を提訴します。今も隠されている証拠の中には、必ず真犯人につながる証拠があるはずだし、「自白」テープの改ざん以外にも、私たちを犯人に仕立て上げるための捜査官の不法行為を示す証拠があるはず。その全てを国賠裁判で提出させ、警察の証拠でっち上げと検察の証拠隠しを明らかにしたいと思っています。
 警察・検察を変えるためには冤罪被害者自身が声をあげなければいけないと思います。

冤罪生みだす制度変えたい

 検察が「あいつらは犯人だ」と言い続けているのは、いったん犯人と決めたら、ウソの「自白」をさせて犯人に仕立てる今の警察の捜査システムそのものを問われるからです。冤罪を作りだすシステムを変えないと、冤罪はなくなりません。
 そもそも国・検察の過(あやま)ちを追及するのが国賠裁判なのに、追及される側が証拠を握り、提出するもしないも勝手に決められるというのは、おかしいでしょう。なぜ、訴えられる側が証拠を独占して許されるのか。冤罪を作ったら、検察がペナルティーを受けるシステムにしないと変わらないと思います。
 足利事件福井女子中学生殺人事件東住吉冤罪事件東電OL殺人事件と勝って、冤罪が世間の注目を浴びています。裁判員裁判が始まって、国民は自分は裁判に関係がないとは思わないはずです。全ての証拠が裁判で開示されるシステムを作りたいです。

支援あるから希望を持てた

 布川事件は運動の力で勝たせてもらったと思っています。
 捕まっても仕方ないような2人なのに、支援運動が続いて壮大な運動ができたことは不思議です。刑務所にいた時も、支援があったから希望を持って生きてこられたと思います。支援者がいるといないとでは、刑務所側の対応も違います。
 獄中では手紙のやりとりは守る会の代表者数人に限られていましたが、その手紙の中にいろんな人の近況がいつも書かれていたので、社会に出てきて実際に会ってみると前から知り合いのような感じがして、一からのスタートだけど、一からじゃないような感じがしました。

冤罪をなくす運動広げたい

 私は冤罪をなくす運動を広げたいと思っています。国民救援会こそ、思想信条に関係なく、誰にでも集まってもらえる一番大事な組織だと思っています。
 救援会は人ですよ。組織であっても、やっぱり根本的には、組織を支えているのは人です。こんなにやりがいのある活動って、他にはなかなかないんじゃないですか。社会の中で一人ひとりの正義が生かせるのが救援会ですよ。一人の力は大きいんです。一人がいれば必ず変わります。もっと声を大きくするとか、もっと働きかけを変えるとか、その人自身の思いを自由に語るとか、救援会イコール私だ、くらいの気持ちで活動すると、楽しいですよね。
 国賠裁判を通して、いま冤罪で苦しんでいる仲間の力になりたい。布川事件は終わりましたが、さらに明るく楽しい国賠裁判へのご支援を、よろしくお願いします。

無実の人々を救おう! 名張、袴田事件で年内5万署名を 11月、全国いっせい宣伝行動  

 この秋、国民救援会は、無実の人びとを救うために、各事件の支援組織と力をあわせ、運動を前進させます。
 この間、全国のみなさんの粘り強い支援活動を力に、足利、布川事件の再審無罪確定をはじめ、福井女子中学生殺人事件東住吉冤罪事件東電OL殺人事件と相次いで再審開始を勝ちとるなど大きな前進をしました。
 一方、名張事件で名古屋高裁は、裁判官の勝手な推論で再審開始決定を取り消す不当決定を出しました。この不当決定は、死刑再審事件に対する裁判所の壁の厚さをあらためて示しました。
 国民救援会は第1回中央常任委員会で、再審・冤罪事件の一層の前進を作りだすために名張、袴田両死刑再審事件の再審開始をめざす活動の強化と、取調べの全面可視化、証拠の全面開示の実現に向けて、この秋に全国いっせい宣伝行動(11月)をおこなう方針を決定しました。
 昨年の秋の行動では、全都道府県本部で宣伝行動が展開され、福井女子中学生殺人事件の再審開始決定を勝ちとりました。今年は、さらにこの行動を支部まで広げて、冤罪事件の実態と冤罪の根絶をめざす国民救援会の活動を広く社会にアピールしましょう。
 あわせて、健康状態が心配される名張事件の奥西勝さん(86)、袴田事件の袴田巌さん(76)を一日も早く生きて取り戻すために、全都道府県本部が両事件の再審開始をめざし、会員数の署名を集め、年内5万人署名達成にむけて、この秋、無実の人びとを救う運動を前進させましょう。

愛知・梅尾点字裁判 地裁が不当判決  

 全盲の障がい者である梅尾朱美さんが、名古屋市による障がい認定区分が4から1に引き下げられたことを不服として、弁護士を立てず、点字訴訟で2年半前に起こした愛知・梅尾点字裁判で9月7日、名古屋地裁(福井章代裁判長)は、請求を棄却する不当判決を言い渡しました。
 梅尾さんは、「空虚な判決で、怒りの持っていき場がなく地団駄踏む思い」と発言しました。(県版より)

兵庫 レッドパージ国賠裁判 10月24日判決へ支援を(大阪高裁)  

 レッドパージ(レパ)犠牲者3人による兵庫・レッドパージ国賠裁判は10月24日、大阪高裁で判決を迎えます。原告3人は95歳、91歳、82歳と高齢で、「生きている間に謝罪と名誉回復を」と懸命にたたかっています。
 これまでの審理で弁護団は、ポツダム宣言など国際法に違反したレッドパージは違法で無効と主張。結審では、「政府は、戦争犯罪者の公職追放者は戦後すぐに救済はしたにもかかわらず、レパ犠牲者への救済は何も検討せず、放置していたことは明白。行政の不作為であり違法」と述べ、「裁判所は高い憲法感覚と熱い人権意識、法の良心にもとづいて正しい判決を」と訴えました。
 原告の意見陳述で安原清次郎さん(91)は「川鉄をレッドパージされたあと小さな会社で働いていたが、親会社から安原がいると言われてまたも解雇。その後、河原で石を拾って売りながらの生活だった」、大橋豊さん(82)は「私に期待していた母は、レッドパージされたことを知り悲観、みんなを殺して出て行けと叫び、その後、出家しました」と、それぞれから苦難の人生を語りました。
 これまで大阪高裁に累計1万3千人分の署名を提出。勝利判決をめざして2万人分をめざしています。
 また、京都在住のレッドパージ犠牲者7人の申立てを受けた京都弁護士会は、8月20日付で名誉回復や救済補償を国に求める勧告書を出しました。

冤罪被害者との面会記 東住吉冤罪事件 朴龍晧さん  

 東住吉冤罪事件で大分刑務所に収監されている朴(ぼく)龍(たつ)晧(ひろ)さん(46)に、大分県本部児玉繁敏副会長、河野武男事務局長が8月28日に面会しました。河野さんの報告を紹介します。

 児玉さんが「大変暑かったですけれどお元気ですか」と聞くと、「元気です」といつもの笑顔が返ってきました。
 朴さんから「どうなっているんでしょうかねぇ。あれから(刑の執行停止を取り消した大阪高裁の決定)もう6カ月になろうとしているのに。何か知りませんか?」と切り出され、私(河野)が「大阪の皆さんも働きかけを強めていると思います。大分も微力ながら高裁に対して、また最高裁に対して団体署名などとりくんでいるところです」と会話が始まりました。
 朴さんは、「(東電OL殺人事件の)ゴビンダさんの件もあり、裁判所内にいろんな意見があるんでしょう」「マスコミは刑の執行停止がされると思っているようですが…」「再審開始決定が、即、刑の執行停止につながるようになれば良いな。個別の事件だけに終わらせないことが大事。特殊なことにしてはならん」と話していました。
 私たちも「国民の常識が裁判所の常識として、裁判官の裁量によらずに流れとしてそうなればいいですね」と応じました。
 朴さんは「最近検察が小さな実験をしたが、自分たち(検察側)にとって思わしくなかったようだ。(弁護団に)立ち会うなら立ち会ってくれという通知で、一方的なやり方はよくない」と批判していました。
 児玉さんが作業着の肩についている黄色の布(ワッペン)について、「それは何ですか」と聞くと、「5年間の無事故表彰をこの7月に受けたもの。8月22日から班長をすることになった。一班24〜25人ぐらい。班長はみんなにお願いをする立場で、一般社会の班長とは違う。指示命令的だと反発を受ける。中に入っている者は、自分に対する自信を失っている者が多いので、班長風を吹かせると嫌われる」とも言っていました。また、「配食係」をやることになったとも話しました。
 児玉さんが「支援者などに望むことはありませんか」と聞くと、「僕には充分やってくれている」と話しました。

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