日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

12年8月15日号

12年8月15日号  

明るい展望示す大会に 国民救援会 第56回全国大会開く  

 日本国民救援会は第56回全国大会を7月28日から3日間、兵庫県神戸市内で開催し、全国47都道府県本部から代議員191人、特別代議員240人、中央役員・顧問30人、大会事務局104人、あわせて565人の参加で大きく成功しました。
 討論では、いまのたたかいを反映して、明るく元気のある発言が相次ぎました。そして、あらためて国民救援会の役割を確認し、いっそうの事件支援、組織の拡大・強化を打ち出した大会議案を全会一致で採択し、21世紀を人権と民主主義が花開く時代にする展望を示す大会となりました。
 大会1日目は、世田谷国公法弾圧を許さない会の藤巻一世事務局長と福島・浪江町の馬場績(いさお)日本共産党町議から特別報告をいただきました。つづいて、再審無罪を勝ちとった布川事件の桜井昌司さんから勝利報告と支援へのお礼がありました。
 事件紹介では、当事者・家族、支援者が会場正面にずらりと並び、代表して国公法弾圧事件の堀越明男さんが決意表明し、会場から激励とともにたたかう決意を込めた大きな拍手が起きました。
 2日目、3日目の討論では、104通の発言通告が出され、そのうち68組が発言しました。国民の運動が広がるもとで強まる街頭宣伝への干渉とのたたかい、名張事件や東電OL殺人事件などの冤罪事件や労働事件のたたかい、また「自立した支部活動」や会員拡大の経験が活き活きと語られました。

東京・東電OL殺人事件 ゴビンダさんの再審確定  

 97年に女性が殺害され、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさん(45)が犯人とされた東電OL殺人事件で、東京高裁(八木正一裁判長)は7月31日、再審開始決定に対する検察の異議申立てを棄却し、再び再審開始を認めました。

 決定で東京高裁の八木裁判長は、「新たなDNA鑑定の結果、別の人物が犯人だという可能性を否定できない。鑑定は、『無罪を言い渡すべき新たな証拠に当たる』として再審を認めた判断が不合理とは認められない」として、検察の異議を退けました。
 検察が、最高裁への特別抗告を断念したことにより再審開始決定が確定し、ゴビンダさんを有罪とした誤った裁判のやり直し(再審裁判)がおこなわれることになります。

「無実明らか」弁護団が会見

 決定が出た午前10時すぎ、東京高裁前に集まった支援者のもとに、弁護団が「異議申立棄却」の垂れ幕を持って現れ、勝利の一報が伝えられました。
 ネパールにいるゴビンダさんには、弁護団から電話で決定内容が伝えられました。電話で会話した支える会の客野美喜子事務局長によると、ゴビンダさんは、「ありがとうございます。嬉しいです」と、上機嫌な様子で語り、「こんなに早くいい結果が出て嬉しい。無実の訴えが、神様に通じた」と話したそうです。
 弁護団は会見で、「適正、公正な判断で、無罪であることを一層明らかにするもの。検察の主張がいかに実態のないものかを明確に示した」と評価。神山啓史弁護士は、「一刻も早く無罪を勝ちとり、ゴビンダさんを安心させたい」と話しました。

ゴビンダさん祖国で平穏に

 6月7日の再審開始と刑の執行停止決定により、15日にネパールに帰国したゴビンダさん。支える会の蓮見順子さんによると、帰国した直後は、車が走っている道をぼんやり横断しようとしたり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状が見られ、家族も事件の話は避けるようにしていたそうです。また、ネパール料理がなじまず、カレーでお腹を壊すなどしていました。しかし10日ほどすると声も明るくなり、健康診断の結果も異常はなく、日本では高額のため避けていた歯の治療を、あらためて受けることができました。さらに、ヒマラヤ山脈を臨める避暑地に行って家族全員で滞在するなど、穏やかに祖国での日々を過ごしていることが伝えられました。

滋賀・JR山科京都駅間痴漢冤罪事件 求刑「罰金50万円」判決は10月29日  

 滋賀・JR山科京都駅間痴漢冤罪事件で検察の論告求刑と弁護団の最終弁論が7月18日、京都地裁(市川太志裁判長)でおこなわれました。
 論告求刑で検察は、柿木浩和さん(50)の痴漢行為を目撃したという警察官の証言は信用できる、柿木さんは反省をしておらず、再犯の恐れがあるとして、罰金50万円を求刑しました。
 最終弁論で弁護団は、警察官の証言は、その変遷(せん)や車内で警察官の不審な行動を目撃した市民の証言から、柿木さんの一貫した供述とも大きく食い違い、到底信用できない、柿木さんの無実は明白と主張し、無罪判決が出されるべきだと訴えました。
 最後に柿木さんは、多くの人の支援で冤罪を晴らそうとたたかい、駅で目撃者探しのビラまきもおこない、奇跡的に乗り合わせた人が名乗り出て証言をしてくれた事実を示して、「もし私が痴漢の犯人ならビラをまいてくれと頼めるでしょうか」と、声を詰まらせながら裁判官に迫りました。
 裁判長は、証拠調べを9月5日におこなうとし、判決期日を10月29日午前11時と指定しました。
 柿木さんは、国民救援会第56回全国大会で、「署名は3万人分が寄せられており、10万人分の署名を目指し頑張っていますので、ご協力をよろしくお願いします」と訴えました。
〈要請先〉〒604―8550 京都市中京区菊屋町 京都地裁第3刑事部・市川太志裁判長

第200次最高裁統一要請行動 権利守る司法に  

 最高裁でたたかう事件関係者が、2カ月に一度、共同で最高裁に要請をおこなう第200次最高裁統一要請行動が7月13日、10事件約40人の参加でおこなわれました。
 要請で、世田谷国公法弾圧事件の宇治橋眞一さん(64)と支援者は、6月のシンポジウムに多くの市民が参加したことを伝え、最高裁は国民の言論表現の自由を守るよう訴えました。
 東住吉冤罪事件の朴(ぼく)龍(たつ)晧(ひろ)さん(46)のお母さんは、刑の執行停止が取り消されたことを批判、一日も早い釈放と、再審裁判を要請しました。名張事件の5つの守る会は、人道的立場から体調の悪い奥西勝さん(86)の刑の執行停止と再審開始決定を求めました。
 また、薬害イレッサ訴訟を支援する会や弁護団、不当な派遣切りや過労死の裁判をたたかう原告や支援者も参加し、要請しました。

愛知・豊川幼児殺人事件 守る会第2回総会開く  

 豊川幼児殺人事件で犯人とされた田邉雅樹さん(大分刑務所収監)を守ろうと、昨年「えん罪豊川幼児殺人事件田邉さんを守る会」が結成され、その第2回総会が7月22日に開催されました。
 この事件は、愛知県豊川市のゲームセンター駐車場で、深夜に1歳の子どもが何者かに連れ去られ、翌朝、三河湾で溺(でき)死体として発見された事件です。
 総会では特別報告として、この事件の発生当初から取材をしてきた元テレビ局記者から、事件当時の警察の動きや犯行の不自然さなどが語られました。
 また、福井県から駆けつけた父親の田邉政夫さんは、「自白があれば何でもできるのか。一審の無罪判決の重みをどう考えているのか。冤罪は極悪非道の犯罪だ」と、息子の無実を訴えました。
 「田邉さんを守る会」は、名古屋高裁に再審請求をしていくことを確認しました。(守る会事務局長・木村泰治)

豊川幼児殺人事件 第2回全国現地調査
【日 時】9月1日(土)午後1時30分〜2日(日)正午
1日目:弁護団からの事前学習(豊川市・桜ヶ丘ミュージアム) 2日目:マイクロバスで現地調査、まとめの集会(御津文化会館)
【参加費】1万3000円、宿泊無し2500円
【問合せ】国民救援会愛知県本部 052(251)2625

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