日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

12年5月15日号

12年5月15日号  

取調べの全面可視化の実現を 小川法務大臣に面談、要請  

 冤罪を生まないために取調べの全過程の録音・録画(全面可視化)と検察の手持ち証拠の事前全面開示の実現を求めて、全労連、自由法曹団、国民救援会3団体の代表が4月24日、小川敏夫法務大臣に面談し、要請しました。

世論の声にこたえよ

 3団体はこれまでも、江田五月、平岡秀夫両法相(当時)に面談し、要請してきました。要請には、国民救援会から鈴木亜(つぐ)英(ひで)会長、安井純夫副会長、鈴木猛事務局長、自由法曹団から泉澤章事務局長、全労連から斎藤寛生常任幹事が参加し、日本共産党・井上哲士参議院議員が同席しました。
 3団体を代表して、鈴木会長が小川大臣に要請書を手渡しました。鈴木会長は、国民救援会が足利事件布川事件などの冤罪事件も支援してきたことを紹介し、「無実の人を何十年も閉じこめているのは、ひどい人権侵害だ」と指摘。足利、布川両事件の再審無罪判決に対する社説を示して、「冤罪をなくすために全面可視化・証拠開示の実現をマスコミも強く求めており、世論でもある」と訴えました。つづいて、泉澤事務局長、斎藤常任幹事も強く実現を求めました。
 小川大臣は、「(取調べの)可視化や証拠開示は必要だと考えている」と述べたうえで、「足利事件や氷見事件で、無実の人が自白したことは国民から見れば衝撃的なことだと思う。菅家さんのように、犯人でない人がなぜ自白したのかといえば、そうさせる取調べがあったからだと思う。菅家さんは『一部可視化では、だめだ』と話していた。一部では都合のいいところだけになる」と、全面可視化が必要との考えを述べました。
 しかし、「設備など技術的なこともあり、どう導入するかむずかしい」と述べました。

政治主導で実現を

 検察の持つ証拠の全面開示について小川大臣は、「(証拠を開示すると)事後的に捜査の中味がわかってしまう」と消極的な意見を述べました。
 これに対し、鈴木会長が「国際的には証拠開示をして支障が出たとの話は聞いていない」と指摘し、「(全面可視化・全面証拠開示を)実施すれば国民からも評価される。政治主導でぜひやっていただきたい」と強く実現を求めました。

法相の死刑執行抗議声明手渡す
 要請後、鈴木会長が小川大臣に対し、3月29日の死刑執行に対する国民救援会の「抗議声明」を手渡しました。

すべての裁判で勝利を 第22回裁判交流集会に44事件123人  

 冤罪や言論弾圧、労働者をめぐる裁判で勝利しようと、4月22日、23日に第22回裁判勝利をめざす全国交流集会(主催=全労連、自由法曹団、国民救援会)が静岡県熱海市でおこなわれ、23都府県から44事件・123人が参加。裁判勝利への決意を固め合いました。
 自由法曹団事務局長の泉澤章弁護士の主催者あいさつにつづき、JAL不当解雇事件など3件の特別報告がおこなわれました。
 自由法曹団団長の篠原義仁弁護士から「3・11後の司法の現状と大衆的裁判闘争の課題」と題して記念講演がおこなわれました。篠原弁護士は、自らたたかった公害裁判の経験を紹介しながら、「裁判所の心を揺るがした時、勝利判決を得ることができる。勝ちたいと思う弁護団と原告は何でもやるべき。また、署名活動や要請行動などでアクセントをつけるなど、勝つために色々な工夫が必要」と語りました。
 記念講演の後、参加者は、言論弾圧事件、再審・冤罪事件、労働事件の各分科会に分かれて経験を交流し、教訓を学びあいました。
 2日目の全体会では、各分科会の報告につづき、名張事件全国ネットの田中哲夫さんから、「10万人署名を達成し、再審開始決定を勝ちとりますので、一層のご支援をお願いします」と、社会保険庁分限免職取消裁判の永田公保さんは、「免職取消、職場復帰を勝ちとるまで、くじけずたたかっていきたい」と決意表明をおこないました。
 国民救援会の本藤修副会長がまとめの報告で、「裁判に対する国民の関心と注目が高まり広がっている。2日間の交流の成果を、それぞれの事件の勝利のために活かしてほしい」と話しました。
 最後に参加者全員で団結がんばろうで集会を終えました。

日弁連 冤罪の究明求め集会「第三者機関設置を」  

 冤罪を防ぐために、政府から独立した冤罪の原因を究明するための第三者機関の設置を求める集会(主催・日弁連)が4月24日、東京・弁護士会館で開催されました(写真)。
 集会では、福島原発事故を受け、国会に「事故調査委員会」が設置された経過などについて、塩崎恭久・衆議院議員が特別挨拶しました。
 映画『それでもボクはやってない』の監督で、現在刑事司法改革について議論をしている法制審議会・特別部会の委員でもある周(す)防(お)正行さんがインタビューに答えました。周防監督は、映画作成の意図について、日本の刑事裁判に「影響を与えたかった」と述べました。また特別部会の議論の様子を語り、「警察の代表は『取調べが可視化されるといままでのような取調べができなくなる』というが、それを変えろといっているのがわからないのと言いたくなる」と警察の姿勢を批判しました。そして、第三者機関の設置について、「大賛成。当事者(警察や検察、裁判所)の検証ではダメ」と設置の必要性を述べました。
 このほか、福井女子中学生殺人事件・吉村悟弁護人や布川事件・青木和子元弁護人が登壇し、それぞれの事件の問題点を指摘しながら、冤罪究明機関の必要性を述べました。

秘密保全法反対愛知の会が結成  

 「秘密保全法に反対する愛知の会」結成総会が4月2日おこなわれ、130人が参加しました。
 呼びかけ人の一人である中谷雄二弁護士があいさつ。本秀紀名古屋大学教授の「私たちはなぜ秘密保全法に反対するのか」と題する記念講演では、「政府が国民に実態を充分知らせすぎると、自分で判断してしまうようになって都合が悪い」などと述べました。
 連帯アピールで国民救援会愛知県本部の阪本貞一会長は、「国家が情報を管理し始めると、国に都合の悪い情報は出てこなくなる。絶対に許すことはできない」と訴えました。(県版より)

「国際人権」ってなあに?   

人権に犢餾櫚瓩付くのはなぜ?

 第2次世界大戦前、人権問題は、原則として国際法の規律としない「国内問題」=内政問題と考えられていました。
 しかし、第2次世界大戦以後、人権の尊重が国際関係の一般的な基礎をなすものとして条約上規定されるようになったのです。それは、1930年代の全体主義国家の登場により、人権問題が国際社会の大きな関心事項としてクローズアップされたからです。

平和を守るために欠かせない人権尊重
 1930年代、イタリア・ドイツ・日本では全体主義・軍国主義の国家体制が出現し、政治的経済的困難を対外的侵略によって打開する政策(帝国主義政策)を推進するとともに、国内においては、ドイツのユダヤ人集団殺害のようにきわめて悲惨な人権抑圧がおこなわれました。これらの国では、強い国家や強い民族を強調して、個人の自由や基本的人権を国家や集団の力を弱めるものとみなしたのです。アジア・太平洋戦争では、2000万人のアジアの人民が、300万人の日本人民が犠牲となったと言われています。これらの国が、国際社会で平和を乱し、国内において人権を抑圧する行動をおこなったことから、国際平和を守るためには各国国内での人権尊重が欠かせないという認識が広まったのです。

人権問題を抱えた戦勝5大国
 このようなことから国際連合の設立根拠となる条約である国連憲章にも人権規定が盛り込まれました。しかし、当然のように盛り込まれたのではありませんでした。最初の国連憲章草案には、人権規定はほとんどなかったのです。それは、戦勝国であった5大国は、それぞれの人権問題を抱えており、人権の尊重を主張することが出来ないという事情があったからです。アメリカは、黒人に対する人種差別問題を抱えていましたし、イギリスやフランスは膨大な植民地を支配しており、とても人権の尊重が言える状況ではありませんでした。ソ連はといえば、自国および東欧諸国の反社会主義体制運動に対する弾圧と粛正という問題を抱えており、中国はといえば、内戦が勃発していたのです。

世界のNGOの粘り強い主張で
 そのような状況のなかで、どのようにして国連憲章に人権規定が盛り込まれたのか。それは、ラテン・アメリカ諸国など中小国が強くその必要性を主張したこと、アメリカの国内各分野の42の非政府組織(NGO)が最後まで粘り強く主張し、求めたからでした。ラテン・アメリカ諸国やアメリカのNGOなどの奮闘があり、国連憲章には、第2次世界大戦前の諸条約の人権規定と異なり、人権の尊重がすべての加盟国一般に関するものとして規定され、また、人権の尊重が国際平和の基礎として規定されました。
 しかし、国連憲章の人権規定は、人権の助長・奨励をどのようにしておこなっていくのか、その具体的な内容を持っていませんでした。そこで、1948年の第3回国連総会で、「世界人権宣言」が採択されました。

三重・名張毒ぶどう酒事件 10万署名の声よ、とどけ!  

 名張毒ぶどう酒事件の名古屋高裁に対する要請署名が、5月3日に10万人分を達成し、連休明けの5月7日には名古屋高裁への提出行動がおこなわれました。
 行動には愛知、三重などから18人が参加しました。提出時には「多くのみなさんの思いのこもった署名です。必ず裁判長に届けてください」「奥西勝さんを助けたいと思っても、実際には行動できない人もたくさんいる。この署名の後ろには、冤罪を無くしてほしいという、市民の気持ちがこもっています」などと訴えました。
 参加者らは今回、署名が10万人分を突破したことについて、「全国からの支援と協力で達成できてうれしい。そこに込められた奥西さんを何としても救い出したいとの思いが強く感じられる」「これまで10万署名を達成できなかった。その意味でも今回の提出の意義は大きい」「大須観音での宣伝など粘り強い活動の成果です」などと語りました。
 今回の提出で署名提出数は、累計で10万1391人分となりました。

静岡・袴田事件 再審開始求め県本部が要請  

 国民救援会静岡県本部は4月19日、袴田事件で、袴田巌さん(76)の再審開始を求める要請書を静岡地裁に提出しました。
 要請は、犯行着衣とされたシャツの右肩についた血痕と袴田さんのDNA型が一致しないと検察側推薦の鑑定人が4月16日に結果を出したことを受けおこなったものです。
 佐野県本部事務局長は、弁護側と検察側双方の推薦鑑定人によるDNA鑑定で、血痕が袴田さんのものでないことが明らかになり、有罪の決め手とされた証拠品が完全に否定されたと指摘。「裁判所は鑑定結果を真(しん)摯(し)に受けとめ、一日も早く再審開始の決定をして裁判を進めるべきだ」と求め、巌さんの姉の秀子さんも再審開始を強く要望しました。
 県本部は、地裁要請に先立ち地検に対しても袴田さんの即時釈放を求める要請書を提出しました。(内田伸治)

堀越事件国公法弾圧 守る会が第7回総会  

 国公法弾圧堀越事件を支援する「国公法弾圧を許さず、言論表現の自由を守る会」の第7回総会が4月18日、東京都内で開催され、75人が参加しました。
 この間、「守る会」では、世田谷国公法弾圧事件、国公法共闘会議とともに、毎月の最高裁要請やリーフレットの普及、署名にとりくみ、署名は全体で15万を突破しました。総会では、署名の早期20万達成、6月30日に東京・星陵会館で開催するシンポジウムの成功、5月発行予定の弁護団作成のパンフレットの普及などの方針を確認しました。
 連帯のあいさつに立った世田谷国公法弾圧事件の宇治橋眞一さんが、「『いまやらなければいつやる』との思いで頑張る」と決意を語りました。つづいて弁護団報告に立った主任弁護人の石崎和彦弁護士は、「違憲判決を出すためには、審理を大法廷に回付させることが大事な一歩。勝利のためには、国民世論が決定的な意味をもっている。『公務員の政治活動は悪いこと』との思い込みを覆(くつがえ)す運動が大事。国民の意識を変えよう」と呼びかけました。
 最後に、堀越明男さんが決意表明に立ち、「(事件から)8年間、ご協力をいただき、今日までたたかってこられました。ありがとうございました。高裁の無罪判決から2年間が過ぎましたが、これからが本格的なたたかいです。全力をあげてたたかいます。よろしくお願いします」とあいさつし、大きな拍手が起きました。なお、総会では、コメディアンの松元ヒロさんが登場し、権力を笑い飛ばす話に会場は大いに盛り上がりました。

東電OL殺人事件 支援集会開く 再審と釈放を  

 無実のゴビンダさん支援集会が4月8日、都内で開催され、約70人が参加しました。
 弁護団から、昨年7月のDNA鑑定結果が、有罪判決の根幹部分を崩し、その後次々に明らかになった無罪方向の新証拠について経緯を紹介しました。
 袴田事件弁護団事務局長の小川秀世弁護士の講演では、たたかいの歴史を紹介し、弁護団と支援団体との関係など講演しました。
 国民救援会中央本部の瑞慶覧副会長からは、ゴビンダさんの再審へのとりくみの展望が報告されました。
 ゴビンダさんの家族、獄中のゴビンダさんからのメッセージが報告され、最後に、即座の再審開始決定と釈放を求める集会決議を採択しました。(支える会ニュースより)

比例定数削減許さぬ大運動を 院内集会に115人  

 比例定数削減に反対し、国民の声が国会へ届く選挙制度を求める院内集会が4月19日に衆議院第1議員会館でおこなわれ、115人が参加しました。
 集会には、日本共産党の穀田恵二衆議院議員が駆けつけ、慎重な審議が求められる法案が、短時間の審議で委員会を通過してしまう国会情勢を報告。比例定数削減を許さない国民的な大運動が必要であることを強調しました。
 参加者代表からは、国民の声が届かなくなる比例定数削減を許さない決意が語られました。最後に、自由法曹団幹事長の小部正治弁護士は、「国会の情勢を訴え、地域で学習会や集会をおこなうなど、比例定数削減の本当の狙いを大いに広めてほしい」と行動提起。参加者は国会議員への要請をおこないました。

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