日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

12年4月5日号

12年4月5日号  

第65回 解放運動無名戦士合葬追悼会開く 新たに1116人を合葬  

 平和と民主主義、国民の暮らしと権利を守り、社会進歩のために活動された方がたに感謝と敬意をこめて追悼する解放運動無名戦士合葬追悼会が3月18日、東京・日本青年館で厳粛にとりおこなわれました。式典にはご遺族をはじめ約1250人が全国から参列され、故人を偲ぶとともに、その遺志を継いですすむことを誓い合いました。65回目を迎えた今回、新たに1116人が合葬され、合葬者総数は3万9588人となりました。(関連記事4、5面)

 時折雨の降るこの日、式典会場となった日本青年館には、全国からご遺族や故人の知人の方がたが参列されました。
 式典が始まり、中央合唱団による「弔いの歌」が歌われたのち、参列者全員で合葬者へ黙とうを捧げました。
 舞台中央には新合葬者のお名前と略歴が刻まれた32枚の銅製のプレートが花輪とともに置かれ、合葬者の遺影がそれを囲むように整然と並んでいます。家族の遺影を探すご遺族の姿が見られました。
*   *
 主催者を代表して日本国民救援会の鈴木亜英会長があいさつをおこない、続いて新たに合葬される1116人のお名前が一人ずつ読みあげられました。
 追悼歌「いのちのかぎり」の合唱につづき、日本共産党・緒方靖夫副委員長、全国労働組合総連合・小田川義和事務局長、新日本婦人の会・笠井貴美代会長が追悼の辞を述べ、故人の遺志を継ぎ、たたかいすすむ決意を述べました。
 新遺族を代表して、広島県の故白江和平さんのご遺族・白江純美さん、宮城県の故盒蕎〇劼気鵑里完簑押盒鏡脅,気鵑、故人の生前の活動や思い出を語り、遺志を継いで歩む思いを述べました。
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 式典後、解放運動無名戦士墓がある青山霊園まで約2キロの道のりを、遺影を胸にご遺族が葬送行進をおこないました。
 墓前祭では、銅製のプレートをお墓に収め、ご遺族一人ひとりが菊の花を献花しました。お墓に花を手向け、遺影に語りかけるご遺族の姿も見られました。
 それぞれのご遺族が故人の思い出を胸に帰途につきました。

お礼
 第65回解放運動無名戦士合葬追悼会は、おかげさまをもちまして無事終了することができました。
 式典をとりおこなうにあたり、ご協力をいただきました各団体、有志のみなさま、ならびにご遺族をはじめご参列いただいたみなさまに心から感謝を申し上げます。

2012年3月 日本国民救援会

東日本大震災 発生から1年被災地のいま  

 昨年3月11日に発生した東日本大震災から1年が経過しました。被災地の方たちが復興に向けて懸命な努力を続けるなか、救援会の会員もそれぞれの力を発揮してとりくみをしています。

避難先でも署名を 福島・小高支部長佐々木正教さん  

 昨年の地震、津波、原発事故により全支部員が余儀なく避難している福島・小高支部です。
 これまでの支部活動は会費の納入と各種の署名集めくらいの活動で、特段の活動もしていませんでした。
 この度の避難生活の中で、中央本部からのお見舞金などの支援をいただきました。「支援する側」から「支援される立場」となり、あらためて国民救援会のありがたさに励まされました。
 支部の会員は全国に避難し、組織だった活動はできませんでしたが、「署名活動ならどこででもできる」ことに着目。支部員に電話や手紙などで連絡し合いながらの活動でした。
 福島原発事故の報告集会などは特に関心があり、多くの署名が集まりました。福島からの避難者への同情と原発を無くそうとの共感からの署名と各種署名も同様でした。
 「合葬追悼会」へのとりくみも、これまで先輩活動家の申請をして最近では4人の方が祀られています。
 今回の津波により一名の活動家を失い、転々とした避難生活から病に倒れた支部活動家の申請をして、2人の戦士が3月18日に祀られました。
 これまでの合葬追悼会への募金活動もおこなっていましたが、今回の追悼会には2名の活動家が該当しているので募金活動をしなければ、とのことから募金活動をおこないました。
 お互いに避難生活をしている中での募金活動は至難の業でした。手紙による募金帳の回し送り、電話でのやり取りなどで目標額を達成し、遺族へ追悼会参加費用を贈ることができました。
 今回の避難生活のなかで「困っているところに救援会あり」を実感しました。これからの活動は、いつ原発事故が収束し故郷へ帰れるかわからない状況では困難な活動になるでしょう。原発を無くすことです。

生活再建と合わせ 岩手・気仙支部長野里征彦さん  

 昨年、気仙支部の総会を3月12日に開く予定をしておりました。その前日に震災が発生したため、救援会の運動は、震災以後2年間の間、開店休業の状態にならざるを得ませんでした。
 支部では、3人の会員が津波で亡くなり14人の会員が自宅を失い、仮設住宅で生活しながら、生活再建をすすめています。会員の市職員は、復興にむけた業務に精を出しており、漁業をやっていた方は、仲間と一緒にワカメの養殖を始めました。豆腐店だった方は、店を再開すると話していました。
 震災の影響は、想像していたよりも大きいようです。被災した人たちは、これまで目先のことで動き回っていたけれども、生活が落ち着くにつれ、恐怖の感覚が目覚めてくるのでしょうか、元気をなくしたり、亡くなったりする方が1年たっていま、増えているように思います。
 今年1月31日になってようやく支部総会を開くことができました、役員体制を決め、当面の活動の方針も決めました。事件の学習会などを開いて、会員の意識を高めていきたいと思います。震災のなかでの救援会の活動は大変ですが、わが国最大の人権を守る組織ですから、守っていかなければいけないと思っています。

救援会の価値光る 宮城・県本部事務局長吉田広夫さん  

 震災発生当初は、ひたすら会員の安否確認に専念しました。訃報に涙することもありましたが、会員が被災者の救援活動の先頭に立っているとの情報も次々に入ってきました。その後、全国から届いた支援物資や激励金を被災地・被災者に届け、今も災害対策連絡会の一員として支援を続けています。
 災害救援活動は、綱領にも記載された救援会本来の任務として全力でとりくみました。その姿によって、国民救援会の役割と存在意義をあらためて多くの人に理解してもらえたと思います。震災後に入会した人の数は多くはないですが、強い信頼関係を築く土台になっています。
 こうしたなかで、守大助さんの再審請求申立てや、自衛隊の国民監視差止訴訟での勝訴など、大きな前進を果たすことができました。救援会の歴史と伝統をかけて全力でとりくむ国公法2事件も、先日、国公共闘と共催で学習会を開き、今後の運動の道筋を作ることができました。
 救援会に対する強い信頼を、今後のたたかいの力にして奮闘しています。

話すだけでも支援の力に 長野あづみ野・筑北支部が被災地訪問  

 東日本大震災で被災した地域を支援しようと、復興支援のツアーが開催され、救援国民救援会あづみ野・筑北支部からも3人が参加し、計31人で岩手県釜石市や大槌町などを訪れました。
 この企画は、肉体作業するばかりでなく、被災者の話を聞いたり、カキを食べることも支援になるというものだったため、高齢の方々も積極的に参加しました。
 花巻温泉で一泊し、遠野から釜石へ出ると、1年前の震災で壊れた家が目に飛び込みました。すさまじい爪跡。テレビや話には聞いているが、百聞は一見にしかず。私が東京で受けた大空襲の情景と重なって見え、息が詰まりました。1階や2階が水浸しになっているところに、赤で×や○の印が。聞くと、被災にあった方が亡くなったところだと聞かされました。
 大槌の町役場前には、花と水が置かれていました。周囲は家の土台だけ残っていて、建っているものは、「解体撤去してください」と赤ペンキで書かれていました。
 集会所に集まったいた住民の方たちの話しでは、孤立した集落で40人の方々が亡くなったとか。もとの場所に戻って住みたいという方はわずか5人だという。それでも地元の方たちは元気で、「負けてられないっぺし!」の一言。今後も何かしらの支援活動をしていきたいと決意しました。(藤井 都)

大阪・東住吉冤罪事件 竹下正行弁護士インタビュー  

 「無罪を言い渡すべき明らかな証拠をあらたに発見した」として3月7日に大阪地裁で再審開始決定を勝ちとった東住吉冤罪事件。再審のカギとなったのが、弁護団の火災実験(新再現実験)でした。朴(ぼく)龍(たつ)晧(ひろ)さんの「自白」どおりに放火しようとすれば、床にまいたガソリンが風呂釜の種火に引火し、たちまち炎に包まれ、「自白」が、警察の誘導で作られた虚偽のものであることを証明しました。火災実験を担当した竹下政行弁護士に話しを聞きました。(文責・編集部)

 裁判所は、再審請求の審理を公平かつ透明に進行する審理指揮を一貫してとっておりました。
 新再現実験の実施に向けての証拠開示の整理や実験条件の整備などについては三者協議の中で議論していきました。三者協議は合計13回に及びました。三者協議の終盤は再現実験にむけての準備状況や、条件設定についての議論をしてきました。三者協議までに、再現実験の準備を間に合わせなければならず、1回遅れると、審理の関係で再現実験が数カ月先となってしまいます。三者協議の準備などは弁護側にとっても大変でした。
 争点と立証課題や進行について充実した審理が実現でき、大変よかったと思います。

証拠の開示が
再審の道開く
 証拠開示については、当初弁護側の求めていたものは広範囲でしたが、新再現実験の実施に向けてという具体的必要性を満たす範囲に絞り込み、果断に実行されました。
 また、検察官の実験への立会機会の付与も公平性や透明性を確保するための審理指揮の一端であったと受け止めております。
 新再現実験は、弁護側が考えているとおりの結果となるかはやってみなければわからないというものであり、その経過や結果は検察側に可視化されることになりました。弁護側には非常に厳しいリスクがあったことは理解いただけると思います。弁護側がこのリスクを承知したのも、実験の条件や結果について、後から検察側がああでもないこうでもないと言い出すことを防止することになると理解したからです。
 全般的な状況として再審請求審での証拠開示はとりわけ裁判所の審理指揮により進んでいると思います。その成果により確定判決の証拠構造が動揺するに至らしめている訴訟活動に敬意を表明します。しかし、それでもなお検察官の証拠開示は不十分であると思っております。この分野でより一層の開示が実現されるよう切望します。

支援者の行動
裁判所動かす
 DNA型鑑定を新証拠としない事件での再審開始決定では福井女子中学生殺人事件に続くものでありました。東住吉冤罪事件での再審開始決定は非常に意義深い内容を有していると思います。ぜひとも、ほかの再審請求事件に役立つように心から祈っております。
 国民救援会や支援されてきた皆さんは、弁護団会議に参加されたり、時々に集会や事件情報宣伝活動、ホームページを通じて全国に事件の不当性を訴え、裁判所への要請行動を精力的にしていただきました。そればかりか、重要な情報をたくさん弁護団にお届けいただき、ともに分析検討討議をおこないました。また、このような活動を裁判所が真摯(し)に受け止めていたことも間違いがありません。
 単に「支援」という言葉では言い尽くせません。国民救援会や支援者の皆さんとともに歩んできたと感じております。ありがとうございました。
 検察官の即時抗告は正に言語道断です。今後も厳しいたたかいが継続します。今後ともどうかよろしくお願いいたします。

支援の力、実を結ぶ 支援する会事務局長 尾良江さん  

 この事件の認知度を上げ、支援者との結びつきを強化するために、私たちは国民救援会大阪府本部とともに面会者の確立、オルグ活動と署名、街頭宣伝、裁判傍聴、裁判所要請、ニュースの発行、ホームページの運営、裁判資料集の発行、毎月の世話人会議、弁護団会議への参加等をおこなってきました。当初より、弁護団とともに歩んでおり、最高裁で青木弁護団、朴弁護団が合同で会議を開かれるようになってからは、毎回、合同弁護団会議に出席し、弁護活動と齟(そ)齬(ご)がないように支援活動を進めてきました。
 私たちは事件を全国バージョンにするために、裁判資料集とともに署名用紙を救援会各都道府県本部へ送付し支援要請をおこない、近畿圏を中心に救援会各府県本部大会・支部大会へ積極的に参加して、支援を要請してきました。昨年11月に、初めての「現地調査」も12都府県、100人余の参加で成功しました。
 再審開始決定は優れた弁護活動(新再現実験の実施、新証拠の発見等々)の賜(たま)物(もの)です。科学的な実験を裁判所が理解してくれたこと、全国に広がった支援運動が実を結んだことを、何よりも嬉しく思います。検察の異議申立ては恥の上塗りでしかありません。弁護団の主張を全面的に認めてくれた再審決定を武器に、これからも運動を広げていきたいと思います。

宮城・筋弛緩剤冤罪事件 全国連絡会が結成  

 仙台地裁に再審請求している宮城・筋弛緩剤冤罪事件で、「仙台北陵クリニック・筋弛緩剤冤罪事件全国連絡会」(略称・北陵クリニック事件全国連絡会)が3月20日、結成されました。
 昨年9月、全国26の支援組織の180人が参加して、仙台筋弛緩剤えん罪事件・守大助さんを守る会(支援する会)全国交流集会が仙台市で聞かれ、大助さんの再審を勝ちとるための運動強化と、そのための全国組織の必要性が議論されました。以後2回の準備会を開き、この日の結成となりました。

広がる守る会
 結成準備会を代表して経過報告と提案に立った日本国民救援会宮城県本部の吉田広夫事務局長は、2008年に最高裁で上告棄却されて以降、両親、弁護団そして支援組織が全国を回り、27都道府県、211カ所で支援を訴えていることを報告。支援組織は全国で26となり、宮崎や愛媛などでも会の結成の準備が進んでいると述べました。全国連絡会について吉田事務局長は、「各地の支援組織が、各地域・分野において活動しながら、再審・無罪をめざして、全国の会の力を結集していくことに全国連絡会の意義がある」と強調しました。
 弁護団長の阿部泰雄弁護士は、「仙台地裁は一日も早く再審を開始し、科学的な判断によって、無罪を宣告すべき。みなさんの大きな支援をお願いしたい」と訴えました。
 総会では、今後の活動をめぐって活発に討論し、仙台地裁に対する署名活動の展開をはじめとする当面の活動内容を確認しました。

各地から訴え
 結成総会に先立って、仙台市一番町で宣伝行動をおこないました。全国各地の支援組織の代表らが次々とマイクを握って訴えました。35人以上の支援者が参加し、1000枚のビラを配布。大助さんの母・祐子さんも、「息子は誰もあやめていません。息子を帰して」と涙ながらに訴えました。ビラの受け取りも良く、学生のグループなどがビラを受け取り、お母さんの話を真剣な顔で聞く姿が多く見られました。

大助さんの母・祐子さんの話
 再審請求書を提出した後、初めての面会をしてきました。息子は非常に喜んでいました。周りの人(受刑者)から「よかったな、頑張れよ」と言われたそうです。「何かいやなことを言われるのではないか」と心配だったので、非常に嬉しかった、と言っていました。

東京・東電OL殺人事件 裁判所に要請行動  

 ゴビンダ・プラサド・マイナリさんが再審を求めている東京・東電OL殺人事件で、3月19日、東京高裁に対する要請行動がおこなわれ、一刻も早い再審開始決定を出すよう裁判所に要請しました。
 要請には、無実のゴビンダさんを支える会と国民救援会の17人が参加。「有罪の柱となっている『事件現場にいたのはゴビンダさんだけ』という認定は崩れた。再審開始になんら支障はないはずだ」と要請しました。
 同日おこなわれた、裁判所と弁護団、検察による三者協議では、検察側が独自におこなっている27点の鑑定について、検察側が鑑定書を出すことを求め、裁判所がこれを認めました。記者会見で弁護団は、「昨夏以来ずっと、即時再審開始を求めてきた。高検が42点の証拠を後出ししたことには怒りを覚えている。しかし、ここまで来たら、もうやるべきことは全てやった上で、最良の決定をもらいたい」と話しました。次回協議は4月26日におこなわれます。
 昨年夏におこなわれた鑑定では、被害者の体内から採取した体液と犯行現場から見つかった体毛のDNA型が一致し、ゴビンダさんではない第三者のものが検出されました。その後検察が隠し持っていた42点の衣類などを開示。15点について追加鑑定をおこないましたが、いずれもゴビンダさんのDNA型とは一致しませんでした。検察は残り27点について、なおも独自鑑定をおこなっています。

兵庫・井筒公選法裁判 控訴棄却の不当判決  

 無所属の市会議員だった井筒高雄さんが、2009年、政権交代が問われる衆議院選挙において、自らが支持する政党や候補者について、なぜ支持するのかの理由を表明したことが、公職選挙法違反に問われた事件で、大阪高裁は、3月9日、罰金50万円、公民権停止3年の不当判決を出しました。
 井筒さんを救援する会と国民救援会兵庫県本部は、同日声明を発表。「(井筒さんは)選挙への参加を呼びかけ、自分の意見、立場を明らかにし、投票の際、後援会員や支援者に検討する資料を提供したものにすぎない。自由な選挙活動を規制する公職選挙法によって、有罪判決を出した裁判所に満身の怒りを持って抗議する」としています。

福井女子中学生殺人事件 愛知に前川さん守る会  

 昨年、再審開始決定が出された福井女子中学生殺人事件。検察が異議申立てをしたため、現在名古屋高裁で異議審がおこなわれています。3月3日、前川彰司さんを支える愛知の会が結成され、名古屋市内で再審開始決定報告集会と結成総会がおこなわれました。
 支える会の会長に、岡崎幸田支部長の荒川和美弁護士を選出。荒川会長は、「名古屋高裁で何としても力を合わせて勝利しよう」と
決意表明をおこないました。
 支援の訴えに駆けつけた、福井県本部の岩尾勉会長は、「前川君は冤罪の影響で精神を病み、現在富山の病院に入院している。名古屋高裁で勝利するために、みなさんの力をお貸しください」と訴えました。
 結成総会には42人が参加し、その場で22人が支援する会の会員となりました。3月30日には、支援する会として初めての名古屋高裁への要請行動がおこなわれます。
(愛知県版より)

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