日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

12年3月15日号

12年3月15日号  

東住吉冤罪事件 再審開始決定 事件から17年、真実への扉開く  

 自宅に放火し娘を殺害したとして、無期懲役の刑を受けている青木恵子さん(48)と朴(ぼく)龍晧(たつひろ)さん(46)が再審を求めていた大阪・東住吉冤罪事件で、3月7日、大阪地裁(水島和男裁判長)は、裁判をやり直す再審開始決定を出しました。事件から17年、真実の力が再審の扉を開きました。(詳報次号)

 午前10時4分、裁判所から「開始決定」の垂れ幕を掲げて弁護団が出てくると、決定を待っていた大勢の支援者から、「やったぞ!」「よっしゃあ!」と歓声が上がり拍手に包まれました。
 第一報を聞いた朴龍晧さんのお母さんは、感極まった様子で飛び跳ね、「みんなの力です。感謝感謝!」と叫びました。

「火災実験」の
証拠価値認め

 1995年7月、大阪市東住吉区の青木惠子さんの自宅が火災で全焼し、入浴中だった小学6年の長女が死亡しました。青木さんと内縁の夫の朴龍晧さんは、保険金目当てに自宅を放火し、長女を殺害したとして起訴され、2人は裁判で無実を訴えていました。2人の犯行を直接裏付ける証拠はなく、朴さんがガソリンを駐車場に撒き、ターボライターで火をつけたとする「自白」が重要な証拠とされ、有罪が確定しました。
 その後、弁護団が実施した火災実験により、「火災は、車庫の車のガソリンが漏れて気化し、風呂釜の種火に引火した可能性が高い」として、再審請求をしていました。
 水島裁判長は決定で、弁護団の火災実験の証拠価値を認め、「自白は信用できない」と判断。「新旧証拠を総合的に評価すれば、確定判決の有罪認定に合理的な疑いが生じる」とし、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠をあらたに発見したときに該当する」として再審開始を決定しました。

生存権裁判 口頭弁論開く 最低限度の生活保障を  

 生活保護受給者への老齢加算の廃止の取り消しを求めて全国でたたかわれている生存権裁判のうち、福岡原告団の上告審の口頭弁論が最高裁第2小法廷で2月24日におこなわれました。
 弁護団は、老齢加算は生活保護費の上積みではなく、加算があってはじめて最低限度の生活ができること、また生活保護の基準が厚生労働大臣の裁量にまかされており、人権擁護の最後の砦である最高裁が慎重な判断をするため審理を大法廷に回付し、十分な審理をおこなってほしいと主張しました。判決は4月2日。
 同日、福岡原告団の「口頭弁論報告・生存権裁判勝利決起集会」が生存権裁判を支援する全国連絡会の主催で東京都内で開かれ、全国の原告をはじめ300人を超える参加者が勝利への決意をあらたにしました。
 発言した原告は、「買い物の際は、値段と量を必ず見て、少しでも節約できるようにしている」「食費を切り詰めるため、一坪菜園でつくった野菜をおかずにしている。老齢加算があれば、食事や付き合いもでき、もっと人間らしく生きていける」と話しました。
 生存権裁判をめぐっては、京都、広島が高裁で、秋田、新潟、青森、兵庫が地裁で、東京、福岡が最高裁で争われており、2月28日には東京原告団の上告審で、原告の上告を棄却する不当決定がありました。

愛知・豊川市職員公務災害認定訴訟 公務災害を認定  

 愛知・豊川市職員であった堀しずゑさんの夫が自殺したのは公務災害であるとして争われていた豊川市職員公務災害認定訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷は2月22日、基金側の上告を棄却し、公務災害が認定されることになりました。
 23日の記者会見で原告の堀さんは、「夫は自殺するときに『無念』という言葉を遺書に残して亡くなりました。職場のことを一切口にしなかった夫にどんなことが起こったのか、証明することはとても困難を極めました。今回の判決はとてもうれしいことです。これからはこのようなことが起こらない、そんな職場を作ってほしいと思います」と述べました。(県版より)

兵庫・神戸質店事件 再審への第一歩、支援する会結成  

 無実の緒方秀彦さん(53)を救おうと、2月11日、「神戸質店事件支援する会」が発足しました。この日集まったのは61人。緒方さんの両親、義父、同窓生、亡くなったお兄さんの親友や支援者が、初めて一堂に会し、再審への第一歩を踏み出しました。
 布川事件の桜井昌司さん、東住吉冤罪事件の朴龍晧さんのお母さん、大阪・枚方冤罪事件の倉美由紀さんなど事件関係者も多数参加。桜井さんは、「刑務所に送られても、無実を訴え胸を張って生きた時間は無駄にならない。絶対勝とう」と激励しました。(濱嶋隆昌)

〈激励先〉〒590―0014 大阪府堺市堺区田出井町6―1 緒方秀彦様

獄中からの便り 愛知・豊川幼児殺人事件 田邉雅樹さん  

 獄中で無実を訴え続ける愛知・豊川幼児殺人事件の田邉雅樹さんの手紙(一部)を紹介します。手紙は、愛知県本部の竹崎義久さん宛に書かれたものです。

 暦の上では大寒となり毎日厳しい寒さが続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。私もお陰さまで風邪もひかずに元気で受刑生活を送っております。
 今年も大勢の支援者(面識のない全国の方々)から60通年賀状が届きました。私の事件について冤罪事件であることに関心を持ってくれており、一生懸命に応援をしてくれている内容の年賀状を受けとり、本当に心から感謝をしております。大勢の支援者が味方になってくれておりますので、最後まで無罪を確信してたたかい続けていきます。無実の罪を着せられて冤罪の人間として服役中であり本当に残念で悔しくてたまりませんが、私には最後の手段として再審の道がありますので、今後の再審に向けてたたかい続けていきます。
   *  *
 今現在、私にとって毎日が再審とのたたかいであり、とにかく再審が認められて無罪となって出所するまでの期間は真面目に作業に専念して、刑務所での厳守事項を守って規則正しい生活をして模範囚となるぐらいの気持ちを持って、気を引き締めて受刑生活を送っていきます。
 現在刑務所での日課についてですが、毎月第2、第4金曜日は工場で普段実施している刑務作業を免業し、教育活動を実施する日(矯正指導日)であり、居室でビデオ番組を視聴して感想文をノートに記載しており、第4金曜日には翌月の自分の努力目標を設定して自己評価をしております。やはり矯正指導日は、貴重なよりよい人生を歩んでいくためのきっかけとなるよう有効に活用する日でありますので真面目にとりくんでおります。
 私は大分刑務所で工場に配役されてから3年が経過して、お陰さまで3年間無事故で過ごすことができましたので、先日の1月28日に大分刑務所の体育館において上級ビデオを見ました。何よりも無事故、無違反で過ごすことによって大きなスクリーンで映画を見れるのが一つの特典でもありますので、今後とも真面目に受刑生活を送って一生懸命に頑張っていきます。
 厳寒が続いておりますので、お身体にはくれぐれも気をつけて下さい。

2012年2月1日
田邉雅樹

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