日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

12年11月25日号

12年11月25日号  

国公法弾圧2事件 最高裁 弁論開かず判決日指定  

 国公法弾圧2事件(国公法弾圧堀越事件世田谷国公法弾圧事件)で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)が突如として、12月7日午後3時に判決を宣告すると11月8日付で通知してきました。
 事件は、国家公務員の堀越明男さんと宇治橋眞一さんが、休日に職場から離れた場所で、「しんぶん赤旗」号外などを配布したことが、国家公務員の政治活動を禁止した国家公務員法に違反するとされたもので、堀越事件は一審有罪、二審で逆転無罪判決、世田谷事件は一、二審で罰金10万円の有罪判決を受け、最高裁に係属しています。
 2事件の弁護団は、国家公務員の政治活動を全面的に禁止する国公法・人事院規則の規定を合憲とした74年の猿(さる)払(ふつ)事件最高裁大法廷判決の見直しを求め、2事件を15人の裁判官で合議する大法廷への回付と、国公法が憲法違反であるとする判断をしたうえでの無罪判決を求めてきました。
 国民救援会も参加する国公法共闘会議と弁護団は、通知が届いた11月9日、緊急対策会議を開き、判決期日指定に抗議し、取消しを要求する方針を決定。12日に弁護団が最高裁に要請し、15日に国公法共闘会議も要請と宣伝をおこないました。
 共闘会議では、大法廷回付を求める署名、要請ハガキを裁判所に集中するよう呼びかけています。

判決期日の指定取り消しを 要請ハガキ、電報を集中しよう  

 最高裁第2小法廷が通知した判決期日指定。最高裁は通常、二審判決を見直す際には、弁論を開くことになっており、このまま弁論を開かず判決が出た場合、堀越事件の無罪判決、世田谷事件の罰金10万円の有罪判決が確定することになります。
 2事件はいずれも、休日に私服で、しかも職場とは離れた場所で「しんぶん赤旗」号外などを配ったことで起訴されました。2人の行為は、外観から国家公務員であることは判断できず、猿払大法廷判決が判示した国公法・人事院規則の目的とされる「行政の中立的運営とそれに対する国民の信頼の確保」を損なうものではありません。堀越事件の二審・東京高裁は、こうした行為を処罰することは、言論・表現の自由を認めた憲法21条に反するとして無罪判決を出しています。
 一方、世田谷事件で二審・東京高裁は、猿払判決を全面的に採用したうえで、宇治橋さんがビラを配ったことでどのような危険が発生したかどうかに関係なく、国家公務員がビラを配ること自体に「抽象的危険」が存在するとして、有罪判決を出しました。最高裁第2小法廷が憲法判断を避け、猿払判例を変更するために必要な大法廷への回付をおこなわずに判決を出すということは、表現の自由を否定した猿払判決が維持されることを意味します。
 マスコミでも、「理は無罪判決の方にある」(朝日新聞社説)などと報道され、多くの学者が最高裁に猿払判決の見直しを求めています。大法廷回付を求める署名は17万人分を超えて集まり、この秋には、日本全国の国民救援会の県本部・支部で、学習会や宣伝行動がいっせいにとりくまれ、運動が広がっています。

大法廷回付を―支援者が要請行動  

 国公法共闘会議と国民救援会は11月15日、緊急に最高裁門前での宣伝と要請をおこない、21人が駆けつけました。
 宣伝行動で宇治橋眞一さんは、「この事件で起訴されているのは、国民の言論・表現の自由そのものだ」と話したうえで、「猿払判決が出た40年も前の時代とは、社会が変わっている。今の最高裁は、新しい立場で、猿払判決を見直すべきだ。最高裁は、憲法の番人としてこの問題に正面から立ち向かい、大法廷に回付して、国公法は憲法違反であるという判断をすることを求める」と訴えました。
 国公法共闘会議の岩崎恒男事務局長は、「公務員は、国民からかけ離れた場所で仕事をすることがあってはならない。憲法を暮らしや行政に生かすためにも、公務員の権利が保障されていなければならない。最高裁は憲法判断から逃げないでほしい」と訴えました。

緊急行動予定  

  • 11月28日(水)国民救援会の最高裁統一要請行動 午前8時15分最高裁西門で宣伝、11時東門より要請(10分前集合)
  • 12月5日(水) 共闘会議の要請行動 午前8時15分最高裁西門で宣伝、10時東門より要請(10分前集合)
  • 12月7日(金)※万一判決の場合
     午前8時15分最高裁西門で宣伝
     午後2時ころ 最高裁門前行動(弁護団、堀越さん、宇治橋さんのあいさつ等)
     午後3時 判決
     午後6時30分 報告集会(全教会館)
要請ハガキ抗議電報を
〒102―8651 東京都千代田区隼(はやぶさ)町4―2 最高裁第2小法廷・千葉勝美裁判長 ※FAXの場合は、最高裁事務総局秘書課 03(3221)8975
〈例文〉国公法弾圧2事件の判決期日指定を取り消し、大法廷回付を

東電OL殺人事件 再審裁判 ゴビンダさん無罪確定  

 6月に再審開始決定が出され、再審裁判が開かれていた東京・東電OL殺人事件で、東京高裁(小川正持裁判長)は11月7日、検察側の控訴を棄却し、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさん(46)を無罪とする判決を言い渡しました。検察が最高裁への上告をおこなわず、同日、無罪判決が確定しました。
 再審裁判は、2000年に東京地裁で出された一審の無罪判決に対して、検察側が控訴した裁判のやり直しにあたります。判決は、「ゴビンダさんを犯人とするには合理的な疑いがある」、「第三者が犯人である疑いが強い」と判断。一審の無罪判決に事実の誤認はないとして、検察側の控訴を棄却しました。しかし、警察・検察の捜査の問題についての言及はなく、誤判が明らかとなった二審の有罪判決についても一切触れることはなく、裁判所からの反省や謝罪もありませんでした。
 ゴビンダさんは、ネパールのカトマンズ市内の自宅で、支える会のメンバーから電話で無罪判決の報告を受けました。自宅前に集まった報道陣に笑顔で手を振って「とてもうれしい」と話すゴビンダさんの姿が報道されました。
 一方、「どうして私が15年間も苦しまなければならなかったのか。日本の警察、検察、裁判所はよく考えて悪いところを直して」とするコメントを発表し、誤判原因の究明と再発防止を訴えました。
 ゴビンダさんは97年に逮捕・起訴され、無期懲役刑が確定。今年6月に再審開始と刑の執行停止決定が出て、ネパールに帰国するまでのおよそ15年間、身体を拘束され続けました。

誤判の問題に触れず  

 約1時間に及ぶ判決の朗読。閉廷後も謝罪の言葉はありませんでした。
 判決で、東京高裁の小川正持裁判長は、再審請求審で実施されたDNA型鑑定について検討。被害者の膣内や乳房から検出されたDNA型が、現場に落ちていた陰毛のDNA型と一致したことと、被害者の衣服の血痕や、右手の爪に残された付着物からも同じ人物に由来するDNA型が検出されたことから、第三者の男が現場で被害者と性交した後、殴って出血させ、首を絞めて殺害した疑いが強いと指摘。これらの鑑定結果から照らしてみれば、一審の東京地裁判決が、「第三者の体毛が現場に落ちていたことなど、被告人以外の者が犯行時に現場にいた可能性を払(ふっ)拭(しょく)できないことや、ゴビンダさんの土地勘のないところに被害者の定期券が落ちていたことなど、ゴビンダさんを犯人とするには合理的に説明できない事実も多数存在し、無罪方向に働く事実も存在している」として、無罪判決をしたことに誤りはないと結論付けました。
 小川裁判長は淡々とした口調で判決理由を述べ終わると、着席したまま閉廷を宣言。傍聴席から「言うことはそれだけですか」「反省はないのか」と声があがりました。

裁判官は反省を 弁護団 第三者検証を強調  

 判決後に開かれた弁護団の記者会見で、石田省三郎弁護士は、「一審の段階で、被害者の乳房などから血液型O型の唾液が検出された(ゴビンダさんはB型)とする鑑定書が開示されていれば、ゴビンダさんの無罪を導く証拠となったはずだ」と指摘し、再審請求審になるまで、自らの不利になる証拠を開示せずに隠し続けていた検察の姿勢を批判しました。
 主任弁護人の神山啓史弁護士は、「一番反省すべきは裁判所だ。一審・東京高裁が無罪判決で指摘した疑問点を何ら解消することなく、東京高裁が逆転有罪とし、最高裁も容認した。『疑わしきは被告人の利益に』という鉄則があるなかで、なぜこういう間違いが生じるのか。裁判官こそ、第三者機関の検証を受けるべき」と語気を強めました。
 報道によれば、無罪判決に対する上訴権を放棄した東京高検は、青沼隆之次席検事が「結果を厳粛に受け止め、改めてゴビンダさんにおわびしたい」とする談話を発表。しかし高検は、内部調査の結果、「捜査・公判活動に特段の問題はなかった」としており、外部による検証も実施しないと表明しています。東京高裁は「コメントは差し控える」としました。

誤判の責任取れ 支援者 裁判官の姿勢批判  

 「誤判に対する反省がない」――判決を傍聴した「無実のゴビンダさんを支える会」の今井恭平さんは、裁判所の門前で判決を批判しました。「判決は、新証拠によって第三者の男が犯人である疑いが強まったから、一審の無罪判決は正しいという。じゃあ、ゴビンダさんは無罪判決を受けた後、なぜ12年間も獄中にいたのか。二審の有罪判決が無かったことにされている」
 判決後に開かれた報告集会では、布川事件の桜井昌司さんと杉山卓男さん、足利事件の菅家利和さんも参加し、祝福のことばを述べました。桜井さんは、「人間として『ごめんなさい』と謝る心がないから、間違いを繰り返す。やはりたたかって変えていくしかないと思った」と話し、国民救援会中央本部の瑞慶覧淳副会長は、「判決は、『第三者が犯人』とまで言っている。では、なぜ間違ったのか。裁判所は誤判の責任を認め、原因の究明をすべきだった」と話しました。
 支える会事務局長の客野美喜子さんは、「いまも絶望的なたたかいの中で、血のにじむ努力をしている冤罪の当事者に、今日の無罪判決が勇気を与えることができた」と話し、「再審はアンカーのいない駅伝のようなもの。長いたたかいだ」と言った弁護士の言葉を紹介し、次のように結びました。
 「誤判原因の究明はされず、裁判所の決意も感じとれない。それならば、私たちが誤判の究明をしよう。支える会は今日、役割を果たしゴールした。でも、ゴビンダさんが失った15年を無駄にしない、第2のゴビンダさんを生み出さないために、別のゼッケンをつけてまた走り続けよう」

原因究明と再発防止を 支える会・国民救援会 最高裁、最高検に要請  

のびのび選挙をすすめよう 12月16日投票 総選挙  

 野田首相は11月16日、国民の批判によって、衆議院を解散しました。12月4日公示、12月16日投開票日で総選挙がおこなわれます。総選挙は、日本の針路を決める大事な選挙です。国民救援会は、主権者である国民がのびのびと選挙・政治活動をおこない、国民の意思が自由に形成され、十分に選挙結果に反映するよう、言論活動の自由を守るためのとりくみをすすめます。各都道府県本部や支部は、のびのび選挙学習会や民間パトロール活動にとりくみましょう。

旺盛に宣伝をビラ配り、街宣  

 東電OL殺人事件・無実のゴビンダさんを支える会と国民救援会中央本部は、最高裁と最高検に対して11月12日、誤判の原因究明と再発防止に向けた改革をするよう要請しました。
 最高裁で国民救援会の瑞慶覧淳副会長は、再審という救済の制度がありながら、多くの冤罪事件が救済されていないことを指摘し、「『疑わしきは被告人の利益にとする裁判の鉄則を、再審にも適用すべき』とした白鳥決定を最高裁自らが生かし、誤判の救済をすべきだ」と訴えました。支える会の今井恭平さんは、「ゴビンダさんが獄中で最初に覚えた漢字は『無実』。このとき彼がどういう思いでいたか。権力の行使によって、人の人生を奪ってしまうことの畏怖があるのか。人の心がない法律の専門家であってはならない」と話しました。
 最高検では、検察の証拠隠しこそ、冤罪を生んだ元凶だと強調。結果として間違っていたが、捜査や公判に間違いはなかった、だから検証の必要はないとする、法務省や検察庁の屁理屈は、健全な社会通念からかけ離れていると指摘しました。

 この国の主権者は、私たち国民です。国民は、「正当に選挙された……代表者を通じて」(憲法前文)、国や地方自治体などの政治を決めます。
 選挙では、政党や候補者はみずからの政策や実績を国民に訴え、国民は政治や政策について大いに語り合い、支持する政党や候補者の支持を広げます。それだけに選挙では、言論・表現活動が保障され、選択のための充分な情報が知らされることが不可欠です。

  • 街頭宣伝
     街頭でのビラ配布や宣伝は、憲法で保障された言論活動です。
     最近、街頭でのビラ配布の際に、警察が「道路使用許可を取っているか」と干渉してくる事例が起きています。干渉してきた場合は、「許可は必要ない。有楽町ビラまき事件(別項)や東金国賠事件の判決でも確定している」と、毅(き)然(ぜん)と抗議します。
  • 全戸配布
     1軒1軒にビラを届け、政策を知らせることは大切な活動です。
     東京都選挙管理委員会も「選挙・政治活動にわたるビラの配布は基本的に自由でなければならない」と、ビラ配布の大切さを認めています。
     確信を持ってビラ配布をするとともに、もしマンションの管理人などに注意された場合は、いったん引き上げ、その後関係団体と相談し、申入れをおこなうなど、住民の理解を得る努力をします。
  • 労組等の宣伝
     選挙は、労働組合、団体の要求を訴える絶好の機会です。
     労働組合や民主団体は、公職選挙法で活動が規制される「政治活動を行う団体」にはあたらないので、「原発を即時ゼロにしよう」「TPP反対」「労働法制改悪反対」「消費税増税はやめろ」など、要求を掲げた宣伝活動は、選挙期間中も自由にできます。宣伝カーやハンドマイクの使用も可能です。
     ただし、その際、特定の候補者の支持を訴えることはできません。

干渉許さない 心得学び、毅然と  

 日本の警察は、たたかう労働組合や革新勢力を敵視しており、選挙の際に干渉・妨害をしてくる場合があります。必要な警戒心を持ちつつ、のびのびと活動します。

  • 職務質問
     最近、警察は職務質問を重視しています。職務質問は、「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」や「既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者」に対してだけおこなえるもので、自由勝手にできるものではありません(警察官職務執行法)。
     職務質問を受けた場合は、「この職務質問の目的はなんですか」、「どんな犯罪が起きたのですか」と警察官に問いただし、「私は関係ありません」「何も知りません」と答え、立ち去ります。もし、「交番まで来い」と同行(任意同行)を求められた場合は「行く必要はありません」と、きっぱりと断ります。
  • 尾行・張込み
     ビラ配りなどの正当な活動に対する尾行や張込みは、軽犯罪法(つきまとい罪)、選挙活動中ならば公職選挙法(職権乱用による選挙の自由妨害罪)違反の違法行為です。
     尾行や張込みを発見した場合は、その場で抗議し、直ちに関係組織と国民救援会へ連絡をとり、組織的に対応しましょう。
  • 聞き込み
     警察官の聞き込みに応じる義務はありません。断っても警察官が帰らない場合は、不退去罪となります。
     聞き込みを受けた場合は、直ちに関係組織と国民救援会へ連絡をとり、組織的に対応しましょう。
    ●万一の時
     万一、逮捕された場合の3つの心得。
    ▽氏名・住所を含めて黙秘します。黙秘は、自分と仲間、組織を守るものです。同時に、警察に対する最大の抗議の意思表示です。
    ▽「国民救援会の指定する弁護士を呼べ」と要求します。
    ▽すべての書類への署名、押印は拒否します。
     これらは、憲法や法律で保障された国民の基本的権利です。

公正な選挙を「ぐるみ選挙」ノー  

 選挙は本来、自由な言論活動を通じて、公正に競い合うものです。ですから、「ぐるみ選挙」を許してはいけません。
 企業や団体などがその組織を利用し、構成員に特定の政党や候補者の選挙活動や投票を強要する「企業ぐるみ、団体ぐるみ選挙」は、憲法で保障された思想・信条の自由、投票の自由を侵す行為です。
 「ぐるみ選挙」の情報を知った場合は、関係団体と国民救援会に連絡をとって組織的に対応します。

冤罪つくらない司法を 2012年司法総行動 法務省などに要請  

 裁判所や司法行政機関が、日本国憲法と国際人権法に基づき、国民の常識にそい、国民にわかりやすい司法、真に社会的弱者の人権救済という本来の役割を果たすよう求め、2012年司法総行動が11月1日におこなわれました。
 意思統一集会には84人が参加し、昼休みに東京地裁・高裁前で包囲行動。その後、裁判所、関係省庁、労働委員会へ要請をおこないました。
 司法総行動は、全労連、自由法曹団、国民救援会など9団体が事務局団体となり構成されています。

最高裁  

 最高裁では、誤判原因について第三者機関を設置して検証すること、裁判官に対して国際人権規約についての教育を徹底すること、施行後3年を経過した裁判員制度の見直しなどを要請しました。
 また、名張事件の要請行動の際、最高裁職員が「来ている要請はがきの枚数を数えて報告することは控えたい」と発言があったことについて、国民の請願権を拒否するような対応はやめるように要請しました。
 これに対し、秘書課の丸山審査官は、「関係部局に要請内容を示し回答を求めたが、回答しません」と答えました。例年と変わらぬ不誠実な対応に強く抗議し、重ねて改善を求めました。

警察庁  

 警察庁に対しては、警察不祥事が極めて増大していることに、マスコミからも強い批判があり、抜本的改善のためには警察組織から独立した第三者機関の設置が必要なこと、取り調べの全面過程の可視化が必要であり、警察官に対して憲法や人権条約について基本的な教育が不可欠であること、代用監獄の廃止などを要請しました。広報室の幡野課長補佐らが対応。

法務省  

 法務省側からの「誤判原因究明については、司法の独立の点から憲法上問題がないか、関係者のプライバシーなど、現行の運営状況をふまえて慎重に考えている」という回答に、「誤判の反省がない。冤罪をつくった責任が感じられない」と、強い批判の声があがりました。
 司法修習生給費制についても、貸与制になった昨年、司法試験に合格しても3割が辞退を考えた(うち9割が経済的理由)という修習生アンケートを紹介し、完全復活を強く要請しました。大臣官房秘書課付の初又氏らが応対しました。

取調べの全面可視化を 日弁連と市民団体が集会  

 「取調べの可視化を求める市民集会2012」が11月7日、東京・弁護士会館で弁護士や市民など250人が参加して開かれました。主催は、日本弁護士連合会と、国民救援会も加盟する「取調べの可視化を求める市民団体連絡会」。
 集会では、パソコンの遠隔操作による脅迫メール送信事件で逮捕された冤罪被害者の弁護人に中継でインタビューし、警察の取調べで実際にはやっていないことを自分がやったかのような錯覚に陥ったという冤罪被害者の心境が報告されました。
 続いて、法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」の幹事・小坂井久さんから議論状況の報告がおこなわれ、東海テレビ報道部ディレクターの齊藤潤一さん、LJCC(裁判員経験者のためのコミュニティ)コーディネーターの田口真義さんとのパネルディスカッションがおこなわれました。
 田口さんは、裁判員を経験し、法廷で実際に、被告人のウソの自白を見抜くことはとても難しいと経験を語りました。数々のドキュメンタリー番組を手がけてきた齊藤さんは、ありのままの姿を伝える手段として、ビデオ録画の有効性を話しました。
 集会の模様は、次のURLでご覧になれます。
http://www.ustream.tv/channel/kashika-sympo20121107

不当な捜査やめよ 兵庫・養父 警察が住民に違法捜査  

 兵庫県養(や)父(ぶ)市議選(10月21日投票)に関連し、養父警察署が公職選挙法の文書違反を口実に、聞き込みや呼び出しなど不当捜査をおこなっています。
 情報を受け、国民救援会兵庫県本部は地元但馬支部や関係団体と協力し、「不当な捜査を直ちに中止せよ」と警察への抗議行動や民間パトロールカーを市内に走らせ、住民に宣伝をおこなっています。住民からは「八(よう)鹿(か)高校事件(部落解放同盟が教職員を監禁・暴行した事件)の時、警察は傍観していただけだった。なぜこんなことで捜査するのか」など、警察への批判が広がっています。
 11月10日には、地元養父市で「真相報告会」(国民救援会但馬支部などが主催)が開かれ、住民や国民救援会の支部代表など40人が参加。中央本部の鈴木猛事務局長も参加し、「選挙の時こそ表現の自由が保障されるべき」と訴え、力を合わせて不当捜査を止めさせようと呼びかけました。

違法な捜査をやめよと養父警察署へ抗議 再審連続シンポジウム  

 「再審連続シンポジウム 冤罪はこうしてつくられるpart1〜捜査・公判の実態」(日弁連主催)が11月9日、都内で開かれました。集会では、冤罪被害者の訴えがおこなわれ、足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さん、杉山卓男さんに続いて、福井・女子中学生殺人事件の前川彰司さんの父・禮三さんが「息子は他人の供述で犯人とされ、証拠はいまだに隠されたまま。悔しさは晴れません。命をかけて冤罪を晴らしたい」と訴えました。
 パネルディスカッションでは、ジャーナリストの青木理さんが「可視化はもちろんのこと、逮捕され23日間勾留される今の制度を変えないと、冤罪はなくならない」と話し、布川事件弁護団の山本裕夫さんは「一部可視化では危険」と改革を訴えました。

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