日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

11年9月5日号

11年9月5日号  

やっぱり大切言論の自由 20万人署名めざし各地で奮闘  

国公法2事件の勝利へ

 国公法弾圧2事件の勝利を勝ちとろうと、20万人署名が全国でとりくまれています。各地の会員や支部のとりくみを紹介します。

自分で動き広く訴え 埼玉 為我井のり子さん  

 僧侶の荒川さんが逮捕された葛飾ビラ配布弾圧事件に関心があって、2年前の言論弾圧3事件の集会に参加しました。言論弾圧事件はどれも根が一緒だということを知り、堀越事件と世田谷事件の守る会にも入って支援の活動をするようになりました。
 署名用紙をコピーして、近所や知り合いの方を回って集めていました。でも、それだけでは足りないので、日比谷公園や明治公園でおこなわれる集会では、署名用紙を留めた画板を持って、会場で声をかけて集めたりしていました。地元の9条の会や、革新懇の集会などあらゆる所で署名のお願いをしています。
 やっぱり自分が動かないと、署名は集まりません。口下手なので、できるだけ署名用紙に書かれた署名の趣旨を読んでもらっていますが、中には私のつたない説明を面倒がらずに聞いてくれて、納得して署名していただける方もいます。
 葛飾事件も、国公法弾圧事件も、ビラを配ったというだけで人を逮捕するということが、そもそもおかしいと思います。人間として生きていくうえで、言いたい事を表明するのは当然です。ポストには毎日いろんなビラが入っているのに、政党のビラだけがダメなんておかしいですよ。正しいことをしている人がおとしめられているのは、本当に悔しい。だから署名を集めています。

記事の感動を署名に 北海道 伊達支部  

 伊達支部は田舎町にありますから、裁判所も簡易裁判所なので、傍聴行動を組織するようなこともありません。私たちにできる活動といえば署名を集め、国民の声を裁判所に届けることです。
 そこで、少し工夫をしています。救援新聞に掲載された事件の記事に合わせて署名用紙を同封して会員に届けています。記事を読んだ感動を、そのまま署名に反映してもらうことができると考えているからです。
 国公法事件の記事が救援新聞に出たときは、必ず署名も一緒に届けています。なかなか全員参加とまではいきませんが、少しずつ広げています。(支部光)

行動する人増やそう 大阪 橋野悦子さん  

 民主商工会の事務局員をやっているので、会議などで顔を合わせたメンバーに声をかけ、署名を書いてもらっています。署名のことは常に心に置いて地道に集めています。
 民商は地域のナショナルセンターです。生活相談などに訪れる方もいらっしゃいます。そういう方にも声をかけて署名の協力を訴えたりしています。日頃は、学習会や支部大会を何とかこなすだけで、思いはあっても救援会の行動に参加することがなかなか出来ていません。そんなジレンマの私を「自分たちに出来ることをまずはコツコツやろう」と先輩役員が励ましてくれました。まずは支部役員がこの署名の意義を腹に落として、目標を決めてとりくむ必要があると思います。署名を集めてくれる人をいかに作るかということに、今後は力を入れたいと思います。
 支部の皆さん! 共に頑張りましょう!

違憲の国公法変えるチャンス 宇治橋さん名古屋でオルグ  

 世田谷国公法弾圧事件の宇治橋眞一さんを招いて、8月9日、名古屋市内のオルグがおこなわれました。行動には、国公法弾圧を許さない愛知の会の森下東治事務局長と二村健二事務局員、竹崎義久救援会県本部事務局長が同行しました。
 終日、名古屋市内の労働組合や友誼団体など30団体を走り回り訴え。「東京高裁では世田谷事件は有罪、堀越事件は無罪となり、どちらも現在は最高裁で審理されています。2つの事件を大法廷に回付させ、憲法判断をおこなわせる事が、猿(さる)払(ふつ)判決を変更させる上でどうしても必要で、違憲の国公法を変えるチャンスです。また元検察官の古田裁判官の回避も求めています」と訴えました。
 「暑い中ご苦労様です」「ビラをまいただけで有罪なんて、絶対におかしい。がんばってください」など激励の声をいただきました。
 オルグ終了後は、三の丸納涼まつりに参加し、参加者らにあいさつしながら、支援と署名への協力を訴えました。署名は60人分を集めました。(県版より)

被災地の復興へ 力合わせて  

会員がボランティア
震災復興支援 被災者と心通わせ

 全国の救援会員が、東日本大震災の被災地で復興ボランティアとして活動しています。被災地へ行った3人のレポートを紹介します。

画面で伝わらぬ現実 北海道・南空知支部 黒田清一さん  

 6月22日から、宮城県気仙沼市へ3人で行ってきました。聞きしに勝るとは、この現実か! 目に映るものは瓦(が)礫(れき)の山とハエの集団、鼻には悪臭が。テレビで見て知っているつもりでも、ため息しか出てきません。臭いやハエはテレビの画面では伝わりません。
 初日は、一般家庭の下水U字溝の泥上げです。びっしり詰まった下水の中から色々なものが出てきます。鍵や名刺入れ、茶碗に傘、ブロックの破片、雑多な物が泥にまみれて出てくるのです。当然悪臭も一緒です。
 2日目のボランティアは、社会福祉協議会に行きました。多くの個人や団体が来ていました。私たちは、瓦礫の仕分けと撤去作業をしました。臭いやハエの多いことに変わりありませんが、当然のことですがウジ虫がたくさんいました。
 作業終了後、20キロ離れた陸前高田市へ。港が一望できる高台から市内を見渡しても、建物は見当たらず瓦礫の山ばかりです。
 3日目は、全国から送られてきた支援物資を車に積み込み、仮設住宅へ行き、トイレットペーパー、紙おむつ等の生活必需品に食料、衣料品、文房具、本などを、さしずめ青空無料市場のように並べました。そこで被災者の60歳前後の男性から、自分と娘は逃げることはできたが、妻と息子、孫と父母を亡くしたことを話してくれました。悲しみを胸の奥にたたんでの話は、いっそう悲しみが伝わってきました。
 時が経つにつれ、私の被災地の方がたへの意識も薄れがちになりますが、被災地の困難、大変さは解決していないことを肝に銘じて、地元・岩見沢にいても可能なことで救援活動にとりくみます。
 3日間の行動でしたが、国民救援会が国民に信頼され、大きな組織となる行動の一助になればと全力で行動してきました。

再起をかけるイチゴ 愛知・東三河支部 鈴木みさ子さん  

 7月4日から9日まで、宮城県仙南地区へ7人で行きました。
 下水道や電気などライフラインの復旧の目処が立っていない地域も、まだたくさんありました。船や壊れた車がそのまま残っていたり、雑草に覆われた広大な農地が手つかずで放置されていました。
 最初の3日間は、亘理町のイチゴハウスの草取りと、1万5千株のイチゴ苗に肥料を1鉢ずつ入れていく作業でした。真新しいハウスは、地域の中で再建された最初のもので、再起にかける思いの詰まったハウスです。震災の日、イチゴの収穫の最中に津波に襲われ、20棟あったハウスすべてを潰されてしまったそうです。しかし、愛着のあるこの地で何とか頑張りたいと、へこたれずに前向きに歩んでいる農家の方の姿に、私たちが励まされました。
 最初の日は、イチゴ畑のヘドロの除去作業でした。ヘドロの固まりは、ブロックのようになり重くてかなりの力仕事です。ちょうどこの日は、ここのご主人の自宅の取り壊しの日でした。床上までヘドロにつかり、土台がボロボロになってしまい、壊すしかなかったそうです。重機で家が壊されていくのを見つめるご夫婦の姿に胸が詰まりました。
 作業の合間には、亘理町の荒浜や、名取市の閖(ゆり)上(あげ)地域など、沿岸部をボランティアセンターの方の案内で回ることができました。瓦礫が山となり、空襲にあった後のように何もない広大な土地が広がっていました。
 時間の経過とともに、ボランティアの仕事の内容も、必要な物資も変わってきています。きめ細かく、息の長い支援が必要です。被災者の方の思いを直接聞いて、その現状、立場に立った復興の在り方が何よりも求められていることを痛感しました。

被災者の生活支援急げ  富山県本部 瘧師浩元  

 8月18日から岩手県遠野市で、復興ボランティアの宿泊の手配や受け入れの仕事をしながら、無料青空市で救援物資を渡したり、仮設住宅に入られた方がたの懇談会に出てお世話をしています。
 被災者は漁業で生計を立てている方が多く、各世帯に義援金が配られたものの、今後の生活の目処が立たないそうです。瓦礫撤去のアルバイトはありますが、それも9月いっぱいで終わってしまいます。これからの生活をどうしていったらいいのか不安で、死ぬことばかりを考えているという方がいました。その方に、無料青空市で支援物資をお渡しすると大変喜ばれました。
 被災者の今後の生活を、国や自治体がどのように支援していくのか、どう働きかけていくかが一番の課題だと感じました。

国公法弾圧事件「権利守る裁判所に」 国公法共闘会議 最高裁へ要請  

 国公法弾圧2事件(堀越事件、世田谷事件)の最高裁要請行動が、国公法共闘会議の主催で8月23日、10人の参加(宣伝は13人)でおこなわれ、審理を大法廷へ回付し、違憲無罪判決を出すよう要請しました。
 早朝の宣伝行動では世田谷事件の宇治橋眞一さんがマイクを握り、「諸外国では、国家公務員も一人の国民であり、政治的市民的権利は保障されている。日本の国家公務員法と人事院規則は、これを一律に禁止し犯罪としている異常な法令。許すわけにはいかない」と訴えました。
 要請では支援者が、最近の原子力安全・保安院が「やらせ質問」などで世論誘導していた問題が批判されていることをうけて、「堀越事件の捜査指揮をした元最高検次長検事の古田佑紀裁判官が審理をすることは、同様の批判を受けて当然。行事が八百長相撲をするようなものだ」と指摘し、古田裁判官の回避の必要性を訴えました。別の支援者は、最高裁初代長官の三淵忠彦裁判官が述べた「裁判所は国民の権利を擁護し、防衛するところであって、圧制政府の手先になって国民を弾圧し、迫害するところではない」という言葉を紹介。最高裁は国民の立場で判断をするべきだと訴えました。

「息子を助けて」 守大助さんの母涙の訴え  

 仙台筋弛緩剤冤罪事件の全国支援者交流集会が9月17日から18日の日程でおこなわれるのを控え、宮城県の守大助さんを守る会と国民救援会宮城県本部は8月20日、仙台市内で支援と集会参加を呼びかける宣伝行動をおこない、10人でビラ650枚を配布しました。
 大助さんの母・祐子さんがビラを手に、信号待ちをする歩行者一人ひとりに声をかけて回ります。
 「息子が冤罪で苦しんでいます。助けてください」
 祐子さんの目からは涙が溢れ、その姿を見た歩行者も目を潤ませてビラを受け取りました。ある女性は、大助さんの写真を指差し、「この子は絶対やってない。何の得にもならないもの。辛いけどお母さん頑張って」と泣きながら話しました。
 集会では、全国の運動の到達点に確信を持ち、交流と今後の運動の方向性について協議されます。全国にある約25の守る会・支援組織のほとんどが集会へ参加する予定です。

人権守る司法の担保 司法修習 給費制守れ  

 司法修習生の修習期間中に給与を支給する給費制の維持をめぐる問題が大きな山場にさしかかっています。給費制のあり方について議論をしていた法務省の「法曹の養成に関するフォーラム」は、今年10月末まで延長された給費制を廃止し、新たにお金を貸し付ける貸与制への移行を前提に議論をするという取りまとめがなされました。
 修習生や若手法律家で構成する「ビギナーズネット」は、8月から衆参の法務委員と弁護士出身の議員への要請行動を実施。土日を除くほぼ毎日、国会前で宣伝行動をおこなっています。行動の際に着用する青いTシャツと顔を覚えられ、通りかかる議員秘書からも「頑張ってね」と声がかかります。ビラを配っていた代表の萱野唯さんは、「フォーラムの議論では、司法修習は個人の法曹資格を取得するためのものであり、必要な経費は修習生が負担するべきという『受益者負担』論が前提になっていますが、司法の役割は国民の暮らしや人権を守ることですから、本当の受益者は国民なんです。民主的な憲法のもとで生まれた修習制度の理念が変質させられている」と危惧します。
 日弁連や給費制維持を求める市民連絡会(国民救援会も参加)、ビギナーズネットは、ひきつづき緊急の院内集会や宣伝行動を繰り返しおこなって世論や国会議員への働きかけを強めています。

震災復興と比例定数削減◆(杆郢痢‥鎮罅[  

財界が狙う「創造的復興」

 地震や津波は自然現象で、回避はできません。そして、大震災は住まいや生(なり)業(わい)などの生活基盤のすべてを一瞬にして奪い取り、町そのものを破壊します。被災者には、なんの責任もありません。そうである以上、被災者の生活基盤(住まい・生業)を再建し、被災者が人間として暮らせるまちを回復することが、国家・政府の責任です。被災者には生活基盤の再建やまちの復旧を求める権利があること、その再建や復旧なしにこの国の将来はないということをはっきりと据えるべきです。

■被災者不在の復興

 被災者の救援や生活再建が大きく立ち遅れたことは明らかで、依然として救援と生活再建こそが焦眉の課題です。ところが、政治の焦点は復興の方に移りつつあります。
 阪神・淡路大震災でも、多くの被災者を山間部の仮設住宅に追いやる一方で、「希望の星の神戸空港」だの、「長田新都心」だののプロジェクトが進められました。「コンクリートの町」は復興したが被災者は戻れず、孤独死や自殺が続きました。
 同じことがまたやられようとしています。20兆円とも30兆円とも言われる復興事業費がどう動くかは大企業の利益と直結します。さらに、構造改革を進めようとする財界側は、リーマンショックや格差社会への批判で動きが鈍った新自由主義改革を、再生しようとします。阪神・淡路大震災のときの「棄民政策」が再現されかねません。
 6月20日に成立した復興基本法には、被災者の人権も生活再建もありません。掲げられているのは「創造的復興」、要するに、震災を機に新しい地域や社会をつくろうというものです。そのために、特区の導入が打ち出され、TPPや原発を維持するための布石も打たれています。
 震災直後の4月1日、民主党が「基本法案(素案)」を発表しました。不十分ではあったが、生活再建の保障や住民参加を打ち出し、住宅や生業の復旧に力を入れようという、それなりに阪神淡路の経験を踏まえたものでした。発表されるや内外の批判を受けて、あっという間に消えました。あのころ、民主党議員には被災の現実から出発しようという思いがあったと思います。だが、それを許さない勢力が権力を握っていて議員の善意などは、吹き消される。これがいまの永田町の実態です。

■復興機に構造改革

 6〜7月と被災自治体からの復興計画の発表が続いています。村井県知事が主導する宮城県の計画は、財界の復興ビジョンそのままで、住民不在のものになっています。
 街は高台へ移転させ、職住を分離。漁港を3分の1に集約し、漁業に民間企業の参入を認める。そのために特区を求める。農業は集約化、大規模化をすすめる。自動車関連産業や物流の強化は言われているが、中小企業や商店の復興に触れられていない。
 掲げられているのは「富県宮城」。そのために、復興特区による規制緩和や優遇措置を要求し、復興広域機構を求めている。宮城県の計画は、震災復興を機に構造改革を再生させようとする政府の基本方針とみごとに対応しています。
 いま、復興のあり方をめぐって、真っ向からの対抗が起こっていると考えるべきです。救助・救援のように「遅れているからしっかりやれ。手を抜くな」ではすみません。住民本位の人間復興か、財界主導の「創造的復興」かが、正面から対立します。私たちは、討議と合意にもとづく被災者が主人公になった復興のために、新自由主義的構造改革の再生強化をねらう財界や政府とたたかわなければなりません。(つづく)

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