日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

11年6月25日号

11年6月25日号  

国公法弾圧堀越事件で弁護団が答弁書を提出  

 国公法弾圧2事件の弁護団は6月10日、堀越事件について検察の上告趣意書に対する答弁書を最高裁に提出しました。世田谷国公法弾圧事件と合わせて、弁護団、検察双方の主張が出揃い、2事件の具体的な審理が始まります。最高裁前には60人を超える支援者が集まり、当事者・弁護団らを激励しました。

 堀越事件は、2010年3月、東京高裁で無罪判決が言い渡されましたが、検察が「無罪判決は猿(さる)払(ふつ)最高裁判例に違反する」と上告していました。これに対する反論として弁護団が提出したのが今回の答弁書です。これによって国公法弾圧2事件(堀越事件、世田谷事件)それぞれの上告趣意書と答弁書が最高裁に提出され、いよいよ具体的な審理がはじまります。

 衆議院第2議員会館で開かれた報告集会では、主任弁護人の石崎和彦弁護士が、この間の運動を振り返りながら、「今日提出した答弁書は、国公法の政治活動禁止を『合憲』とする猿払事件判決の誤った憲法判断を正面から見直し、違憲無罪判決を求めるものです。この2事件を大法廷に回付させ憲法判断を迫るたたかいは、まさにこれからが本番」と述べました。他の弁護人からは、担当書記官との面談では要請ハガキの枚数が話題になるなど、最高裁が私たちの運動に関心を示していることが紹介されました。
 主催団体である国公法共闘会議の岩崎恒男事務局長が署名の集約状況を報告。個人署名が11万1629人分、団体署名2915が最高裁に提出されており、要請ハガキは7千枚普及されていると報告しました。今後、大法廷回付と違憲無罪判決を求める署名の目標20万人分の達成、要請ハガキの推進、事件学習会の開催(東京では7月8日)、地域組織づくりをすすめようと提起しました。

 討論では、国公法弾圧を許さない愛知の会が、裁判の進行に合わせて報告会や学習会を開催して労働組合・民主団体の支援を広げ、国民救援会の支部のとりくみと合わせて全県で8千人を超える署名を集めていること、国民救援会葛飾支部から、「ビラ配布の権利を守ることの大切さ」を訴えて区内の様々な団体に協力を広げ、独自の現地調査も行い3千人近い署名を集めていること、言論の自由を守る山梨センターからは、署名を広げるために、連合系労組にまで申入れをした経験が報告されました。

 最高裁でのたたかいにむけて堀越明男さんは、「弁護団が作った答弁書と皆さんの世論と署名・ハガキで最高裁に迫り、古田裁判官を除くすべての最高裁判事を大法廷に引きずり出して、違憲・無罪判決を書かせる」と力強く話しました。世田谷国公法弾圧事件の宇治橋眞一さんは、「多くの国民の声を届けなければ最高裁では勝てません。これまでに倍する支援をお願いします」と訴えました。

答弁書で検察の主張を批判  

 東京高裁の違憲無罪判決は、「憲法21条が保障する表現の自由は、国民の基本的人権のうちでも特に重要なものであって法律によってみだりに制限することは許されない」と、堀越さんのビラ配布行為は犯罪ではないとしました。
 検察官の主張は、1974年に出された猿払最高裁判決の誤った憲法判断を前提にして、東京高裁の違憲無罪判決を批判しているだけです。
 弁護団の答弁書は、,修發修皹酳Щ件最高裁判決は、出された当時でもマスコミや学会から厳しい批判を受けた誤った憲法判断であること、判決から40年近くが経過し、国際社会の動き、国民の法意識や時代も変化しており、判決の見直しが求められていること、「行政の中立性」を侵さないために、公務員のビラ配布までも禁止することが本当に必要なのかどうか、具体的・厳密に検討して憲法判断をすることを最高裁に求めています。

茨城・布川事件で桜井昌司さんと杉山卓男さんの無罪が確定  

 1967年に起きた布川事件(強盗殺人)の再審裁判で、6月7日、水戸地裁土浦支部が出した無罪判決に対して検察が控訴しないと表明し、8日の午前0時、事件から44年を経て、桜井昌司さんと杉山卓男さんの無罪が確定しました。
 検察が控訴断念を発表した直後の記者会見に、2人は安堵の表情を浮かべて臨み、支援者や弁護団への感謝を口にしました。
 「無罪が確定してホッとした。これで普通の人間に戻れる」と杉山さん。一方、桜井さんは、「素直に喜ぶ気持ちと(検察を擁護した)判決への激しい怒りがない混ぜ」と話しました。
 無実の罪を晴らすため44年を共にした2人。桜井さんは、「自分の無実を知っている人間が隣にいることは安心でした。(再審の壁を)突破したのは2人の力だった」と振り返りました。杉山さんは、「2人で頑張ってこれたのはすごいと思う。お互い言葉にしなくてもわかっていることなので、皆さんの前でありがとうとか言えないよね」と話しました。
 これからの人生について杉山さんは、「ここで一区切りして休みたい。後のことはまた明日考える。親子3人、頑張って残された人生を生きたい」と話しました。桜井さんは、国賠への決意を語り、「冤罪を作った人たちに素直に反省を顧みてほしい。謝罪はいらないが、布川事件で犯した間違いを二度と繰り返しませんというものを示してほしい」と話しました。
 弁護団で事務局長を8年間つとめた山本裕夫弁護士は、弁護士がそれぞれの担当分野で実績を出したことと、本人と守る会の人も参加した弁護団会議のなかで争点を見出したことなどを話し、「全体の力の結集の結果として今日がある。今後の作業も刑事司法をどうするかという課題も、二人三脚、三人四脚でやっていきたい」と話しました。

福井女子中学生殺人事件の全国現地調査が開催  

 えん罪・福井女子中学生殺人事件の第3回全国現地調査が6月11日、全国10都府県から90人の参加でおこなわれました。
 現地調査では、確定判決が有罪の根拠にした暴力団関係者の供述の信用性を中心に検証しましたが、いずれの供述も現場の客観的な状況と矛盾し、何一つ供述の信用性を裏付ける証拠はありませんでした。参加者からは、関係者供述に合うように、「血の付いた衣服を着たままで福井市内の中心部を何度も移動することは極めて不自然であり、供述が信用しがたいものであると実感した」と感想が寄せられました。
 入院中の前川彰司さんからは、「私はやっておりません。必ず冤罪を晴らしたいといつも思っております。救援会の皆様方のお力添えが必要不可欠です。どうか力をお貸し下さい」とのメッセージが紹介されました。
 まとめの集会では、早ければ夏休み前にも決定が予想されるなか、早急に3万人署名の達成と再審請求7周年目にあたる7月14日に名古屋高裁金沢支部への要請行動をおこなうことを確認し、再審開始決定を求める裁判所への要請決議を全員で採択しました。

三重・名張毒ぶどう酒事件で要請行動  

 名張毒ぶどう酒事件愛知守る会と名張ネットワーク、国民救援会は5月31日、名古屋高裁と名古屋高検に対し要請し、東京、長野、三重、大阪、兵庫、愛知の6都府県から15人が参加しました。
 要請団は、名古屋高検に対し、検察の証拠隠し、証拠改ざんで冤罪が作られた布川事件にふれ、名張事件でも同じ構図と指摘し、全面的な証拠開示をするよう求めました。また、名古屋高裁に対しては、検察に証拠開示命令を出すよう要請しました。

弁護団が新証拠を提出  

 要請に先立つ5月24日、弁護団は、当時の事件現場の様子を撮影したテレビ映像を新証拠として提出しました。
 奥西勝さんが歯で開けたとされるぶどう酒ビンの王冠について、検察は現場で採取された9個のうちのひとつと主張していましたが、映像の分析から、捜査員が王冠を18個以上採取していることが判明しました。鈴木弁護団長は会見で、「重要な証拠がどこで発見されたのか明らかでない状況で、死刑を維持することは絶対許せない」と話しました。

愛知・豊川幼児殺人事件大阪・東住吉冤罪事件を支援する集会を大分県本部が開催  

 大分県本部は6月4日、大分刑務所に収監されている大阪・東住吉冤罪事件の朴龍晧さんと愛知・豊川幼児殺害事件の田辺正樹さんを支援する集会を開き、約70人が参加しました。
 集会では、2つの事件が冤罪であることを紹介するビデオを上映。自白の任意性、信用性に大きな疑問を示すもので、参加者から「これは本当におかしい」と声があがりました。
 獄中の2人からのメッセージが紹介され、朴さんは、「当初は孤独で精神的にも落ち込んでいたが、たたかいつづけられたのは温かい支援があったから」と話し、田辺さんは、「再審が一日も早く認められるよう願っている。8月末の現地調査に参加していただき、冤罪を確信していただきたい」と話しました。

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