日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

11年5月15日号

11年5月15日号  

東日本大震災 支援を力に一歩ずつ  

 大きな被害をもたらした東日本大震災。地震発生から2カ月が経過しましたが、いまだ被災者はきびしい生活を強いられています。被災地から届いた現地の報告を紹介します。

全国の善意を被災者に届け 宮城県本部  

 4月25日、全国の国民救援会から寄せられたあたたかい見舞金と支援物資を届けるために、もっとも被害の激しかった石巻支部(南三陸町、女川町、石巻市、東松島市など)を訪問しました。
 原発をかかえる女川町では、中心的避難所となっている体育館へ向かい、自らも家を流され、着のみ着のままで避難した救援会員の高野博町議のご夫妻を訪ねました。この体育館は震災直後、2千人の被災者が避難し、足の踏み場もない状況でした。現在は800人ほどとなりましたが、高野さんご夫妻のスペースはわずか2畳。今でも避難所の食事は1日2食で野菜類が圧倒的に不足しています。
 高野さんに、全国からのお見舞いと、仙台の朝市で朝一番に買ってきた新鮮な野菜、国民救援会横浜西部支部から送られた甘夏みかんなどをお渡しすると大喜びしていただき、早速車に積んで被災者の家へ届けに行きました。
 被災地は全国のみなさまのあたたかい善意や物心両面の支援、自治体職員らの昼夜を分かたぬ懸命の努力、そして何よりも被災者自身が励まし合って、明日をめざしてひたむきに生きようとする力によって、少しずつ好転している面もあります。しかし、震災から1カ月半経った今でもおよそ人間らしい生活を営むには余りにも遠い道のりが待っています。全国の皆さんの善意を一刻も早く、最も困難な地域の被災者のもとに届けるために全力を尽くします。

食料品足りない被災地を回って 福島県本部  

 福島県本部は4月12日、治安維持法国賠同盟県本部とともに、浜通り北部の被災地を訪問。救援会は県本部事務局の目黒幸子さんが、中央本部からの支援物資の米や飲料水、カップ麺などを持っていきました。
 新地町では、北相支部の横山恵子副支部長とともに避難所の新地小学校を訪れ、前回訪問した時に「生鮮食料品が足りない」との話があったことから、県本部が用意したきゅうり3ケースを届けました。救援物資は損壊した自宅などにいる被災者にも届けてもらうことを横山さんにお願いしました。
 南相馬市の市役所は、罹災証明の発行や転出の受付などを求める市民でいっぱいでした。

「心休まる時間を」 福島  

 4月24日、福島県本部の目黒幸子常任委員は近所の体育館に避難している方たちに「ひと時でも心休まる時間を」と17人分のお花を用意し、地域の新日本婦人の会の友人にもお手伝いしてもらいながら、フラワーアレンジメントのボランティアをおこないました(写真)。
 小学生からお年寄りまで12人が参加しました。みんな初めてのことで緊張していましたが、出来上がった作品を前に笑顔があふれていました。

街頭で募金呼びかけ 山口  

 山口支部は4月21日、山口市内で「東日本大震災救援募金」にとりくみ、8人が参加しました(写真)。
 この募金活動には、救援会に新しく入会した女性会員や、レッド・パージによる不当解雇とたたかっている夫妻も参加されて、マイクを握って一生懸命訴えました。
 生鮮食料品の市場の開店日で人出が多く、同じ募金をしている他の団体の姿もありました。1万61円の募金が寄せられ、早速県本部に届けました。

救援物資について
 国民救援会が参加している全国災対連は4月16日、集まった救援物資を被災地に届けるため、一時物資の取扱いを中止しました。
 国民救援会も一時物資の取扱いを中止しますが、被災地の人びとの要望も聞き、改めて皆さんに協力をお願いする予定です。

福井女子中学生殺人事件で再審めざす一日行動  

 福井女子中学生殺人事件の15回目の裁判所要請行動と「前川彰司さんの再審開始を勝ちとる集会」が4月27日、石川県金沢市でおこなわれました。この日は、午前中に街頭宣伝、午後から名古屋高裁金沢支部への要請と集会の一日行動がとりくまれ、のべ130人が参加しました。
 近江町市場前で、福井・富山・石川など各県の支援者が支援を訴えてビラを配布。用意した500枚のビラはすぐになくなり、市民が関心を寄せていることがわかりました。
 要請では、全国から寄せられた署名を提出。累計2万3千人分、990団体に達しました。

 集会で吉村悟弁護士は、今年1月におこなわれた法医学者の押田茂實氏の証人尋問によって、確定判決で認定された2本の凶器以外にも凶器があったことなど、前川さんの無実が科学的に明らかにされたと強調。しかも、検察側証人からも確定判決の認定を否定する証言を引き出したことが報告されました。また、再審弁護団の追及で検察が隠していた証拠が開示され、前川さんの無実がいっそう明らかになったとして、検察批判を強めることの重要性が指摘されました。
 審理は事実調べも終わり、いつ決定が出てもおかしくない状況にあります。
 前川さんの父・禮三さんは、「事件の日、彰司は家族と楽しく夕食していたので、死んだ妻は『彰司は絶対やっていない』というのが遺言でした。あと少し力をお貸し下さい」と訴えました。
 国民救援会中央本部の瑞慶覧副会長は、6月11日に予定されている現地調査の成功と、早急に3万人分の署名を達成するため、全国から支援を集中しようと訴えました。

国公法弾圧2事件で共闘会議が要請行動  

 国公法弾圧2事件の裁判勝利を目指している国公法共闘会議は4月28日、国公法弾圧堀越事件世田谷国公法弾圧事件の最高裁要請行動をおこない、13人が参加しました。
 要請前の最高裁判所前での宣伝には18人が参加し、全労連や国公労連、全教など共闘会議に参加する団体の代表者がマイクを持ち訴えました。
 国公労連からは、「東日本大震災で被災した宮城・茨城・千葉で働く仲間から約400人分の署名を持ってきました。2事件の当事者と同じ国家公務員として働く仲間の声を聞いてほしい」と訴え。2事件を大法廷に回付し違憲無罪を出すべきだと憲法や国際人権規約の観点、公務員の立場などから訴えました。
 また、堀越事件の堀越明男さんは、「どうしてもこの事件に勝ち、国家公務員法の改正を求めていきたい。全力でたたかいぬきたい。ご支援をお願いします」と訴えました。
 要請行動では、世田谷事件の宇治橋眞一さんが、「元次長検事の古田佑紀裁判官が世田谷事件の審理から回避しないことは、仲間が立件した事件を判断することになり、絶対に許すことができない」と力強く訴えました。
 この日、団体署名120と個人署名5398人分(累計各2884団体、10万7716人分)を最高裁に提出しました。

三重・名張毒ぶどう酒事件で守る会と国民救援会がデモに参加し市民に宣伝  

 三重・名張毒ぶどう酒事件で4月20日、名古屋高裁・高検・拘置所に対し、要請行動をおこないました。
 名古屋高裁では、「ただちに再審開始と、奥西勝さんの釈放をおこなえ」と要請。
 昼には、求心デモがおこなわれ、奥西勝さんの再審開始を呼びかけました(写真)。
 名古屋高検では、「この間、検察が不当に裁判を長引かせている」、「証拠隠しをやめ全面開示せよ」、「証拠改ざんの跡がある。そんな検察に異議申し立ての資格はない」などと口々に訴えました。
 名古屋拘置所に対しては、「暖房の時間が朝だけとは短すぎるのではないか」、「体調が不良の際はどうしているのか」、「弁護士との接見の際の立会いはやめるように」などと訴えました。

 4月18日には、裁判所・検察・弁護団による4回目の三者協議がおこなわれました。
 名古屋高裁は、犯行で使われたとするニッカリンTを再製造し、成分分析の鑑定を依頼する意向を示し、弁護団と検察官双方の意見を求めました。

茨城・布川事件で守る会が無罪判決求める要請行動  

 震災の影響で延期になっていた布川事件の再審裁判の判決公判が、5月24日に水戸地裁土浦支部でおこなわれます。
 布川事件守る会と茨城守る会では、最後まで無罪判決を追及しようと、4月26日、水戸地裁土浦支部に1786人分の個人・団体署名を提出しました。
 この日要請に参加したのは、国民救援会茨城県本部横倉事務局長、桜井さんの妻・恵子さんなど6人。横倉事務局長は裁判所庶務課長に、「5月24日は無罪を確信しているが、判決文に検察・警察による証拠隠しと改ざん、自白強要を断罪し、冤罪を生ませないための提言を期待する」と述べ、恵子さんは「昌司さんが獄中にいる間に亡くなった両親の遺影を判決日に持って入らせていただきたい。息子の冤罪が晴らされる瞬間を見せてあげたいのです」と訴えました。庶務課長は「神田裁判長に申し入れの趣旨は必ず伝え、判決日前に結果をお伝えします」と応じました。

 両守る会は2001年の第2次再審請求申立て以来、毎月途切れることなく裁判所に署名を提出し、一日も早い再審開始・無罪判決を求めて要請を繰り返してきました。
 この日の要請は108回目となり、第2次再審請求で提出した個人署名の累計は地裁、高裁、最高裁を合わせると20万人分を超え、昨年7月から始まった再審裁判だけでも、累計2万3403人分を数えるなど、全国での再審無罪を求める世論が大きな力になりました。

鹿児島・大崎事件で原口さんが次回意見陳述  

 殺人事件の犯人とされた無実の原口アヤ子さんが裁判のやり直しを求めてたたかっている鹿児島・大崎事件で5月11日、鹿児島地裁で原口さんが意見陳述をおこないます。
 弁護団によると、この陳述は非公開でおこなわれ、裁判官・検察官・弁護人が参加します。
 大崎事件は、昨年8月に原口さんと弁護団が、鹿児島地裁に第2次再審請求を申立て。原口さんは、「高齢な私にとって無実を明らかにする最後の機会になるかもしれない」と話し、早期の再審開始を求めています。

大崎事件1979年、鹿児島県大崎町で原口さんの義弟が死亡。殺人死体遺棄事件として原口さんら4人が起訴され、原口さんは懲役10年が確定。02年鹿児島地裁で再審開始決定、04年福岡高裁宮崎支部が決定取消し(最高裁で確定)。

埼玉・矢田部過労死事件の行政裁判で東京地裁が労災認める判決  

 レンタルビデオ店のクオークで働いていた矢田部暁則さんが、過労状態となり退職した後、脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血で死亡した埼玉・矢田部過労死事件で東京地裁(青野洋士裁判長)は4月18日、労災であると認め、労働基準監督署による不支給決定を取り消す判決を言い渡しました。
 矢田部さんは、退職するまでの1年8カ月、長時間労働や不規則な勤務、1カ月に100時間を超える残業などで体調を崩し、退職。3カ月後に再就職しましたが、再就職から2カ月後に亡くなりました。
 家族は労災を申請しましたが、労基署は労災と認められないとしたため、行政訴訟を提起していました。
 判決では、厚労省の「認定基準」である6カ月より前の業務についても、明確で評価できる資料がある場合には、付加的な評価の対象とすることができるとして、労災と認定しました。これは、「認定基準」を実質的に超えるもので、画期的な判決と弁護団は評価しています。
 4月29日、支援する会総会で矢田部さんの父・敏夫さんは、「皆さんのご支援のおかげで、心待ちにしたうれしい判決となりました。息子の無念を晴らすだけではなく、若い労働者が使い捨てにされている社会を変えていきたいです」と話しました。

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional