日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

11年4月15日号

11年4月15日号  

いっせい地方選挙 民パトで選挙の大切さ訴える  

 いま、いっせい地方選挙が全国の自治体でおこなわれています。地方選挙は、住民が地方政治の進路を選ぶ大切な機会です。東日本大震災を考慮して選挙運動を自粛する動きもありますが、いまこそ地域の防災や暮らしについて大いに語り合い、政治を考える機会にするよう、民間パトロール活動を通じて呼びかけ、不当な弾圧・干渉を許さない活動をすすめましょう。

 いっせい地方選を間近に控えた3月11日、東北地方で大地震が発生。国民救援会は3月22日、被災地域の支援活動にとりくめるよう、全国すべての選挙の延期を総務省に申し入れました。しかし、被災が大きい自治体に限り延期する法案が国会で成立し、全国的には予定通り選挙がおこなわれることになりました。

 今回の選挙では、震災に配慮して選挙運動も自粛すべきという意見もあり、実際に宣伝カーの使用を控えるなど、選挙運動を一部自粛する動きが各地で見受けられます。
 しかし、選挙は有権者が政治の進路を選ぶ大切な機会です。雇用や暮らし、福祉や医療のことはもちろん、大震災の被災者をどう救済するのか、私たちの街の防災はどうするのかなど、住民の命にもかかわる問題への態度が問われています。
 選挙で重要なことは政策論争です。選挙運動を単なるパフオーマンスとするなら自粛もいいかもしれませんが、どの候補がどんな政策を持っているのか、私たちがしっかり見きわめるためにも、ビラや演説などは大切な情報源です。震災だからと政策論争まで自粛するのは、本末転倒です。今こそ政治を大いに語り合いましょう。
 中央本部では、選挙の大切さを伝えるビラを作り、各県に版下を送付しました。ご活用ください。

 青森では、4月2日から民パトを走らせ、警察の妨害を許さず自由な選挙を実現しようと訴えています。立ち寄った選挙事務所などで、青森支部が作成した弾圧の心得をまとめたリーフを配布してまわっています。
 千葉では、3月24日の市川支部を皮切りに、各支部で民パトを出動。千葉市の選挙事務所では、責任者の人が「みんな、ちょっと作業の手を止めて」と言って民パト隊を歓待。「民パトに回ってもらって心強いわ」と激励されています。

各地の救援会の活動で妨害・干渉を撃退  

 選挙期間に入り、各地で妨害行為などが起きています。
 長野では、3月30日、安曇野市議が駅頭での定例宣伝をしていたところ、張り込みをしている不審な男を発見。一緒に宣伝していた救援会あづみ野筑北支部の丸山茂支部長が、「あなた警察ですね」と言って抗議。不審者は足早にその場を立ち去りました。男は手に録音機を所持しており、支部では今後の宣伝行動に注意するよう警戒を強めています。
 兵庫では、3月8日、民家に掲示してある政党ポスターが放火され、消防車が駆けつけるなど騒然としました。地元・垂水支部は、このようなことが二度とおこらないよう、警察にとりくみを強化するよう要請。県の共同センターも要請をおこないました。
 山口では、4月2日、体の不自由なMさんが、選挙管理者の許可を得て介助者による期日前の代理投票をしたところ、警察官が「投票依頼をしただろう」とMさんと介助者など3人を連行。一報を受けた弁護士と県本部の中村事務局長と山口支部の宮田副支部長などが警察署に抗議し、即時釈放を求め、3人は4時間ほどで釈放されました。
 こうした干渉・妨害を許さないためにも、民間パトロール活動のとりくみを広げましょう。

東日本大震災 被災者救援に全力あげて  

 3月11日に発生した東日本大震災は、時間の経過とともに甚大な被害状況が明らかになってきています。被災した県本部は困難な状況のなか、被災者の救援活動と会員の安否確認を続けています。前号につづいて被災地からのレポートをご紹介します。

全国の想いが被災地に届く  

 3月25日、全国から寄せられた救援物資を積んで中央本部の宣伝カーが宮城と福島へ。到着した宮城県本部で吉田広夫事務局長や事務局の皆さんと再会し、握手をして喜びを分かち合いました。

400km走り、物資手渡す 岩手県本部 小杉正夫会長  

 盛岡市内は震度5強を観測しました。
 震災後、市内は停電となり、外に出てきた近所の方がたと、「助け合いましょう」と協力し合いました。ラジオを3台ほど探し出して、近所の方と分け合って、地震に関する情報を集めました。
 2日ほど続いた停電で夜は真っ暗となり、懐中電灯とロウソクですごしました。余震が続き、今までは2階に寝ていましたが、1階に移動しすぐに避難できる服装で寝る日が続きました。
 中央本部から届けられた救援物資、県本部と盛岡支部の皆さんが集めた救援物資を車に積み、3月28日の朝、私と吉田事務局長、渡辺常任委員の3人で盛岡を出発しました。

 宮古支部、釜石支部の三浦勝男事務局長が避難している体育館、仮の事務所を構えた釜石支部、大船渡市の気仙支部へ支援物資を届けに行きました。往復で400キロを移動しました。
 家が津波によって流された釜石支部の三浦勝男事務局長は、避難所の責任者の一人として、ボランティアの方がた、避難されている方がたと協力して、避難所の切り盛りをしていました。
 電気が復旧してテレビが見られるようになり、地震と津波による被害を知り、大変な状況だということが分かりました。壊滅状態という言葉で伝えられていますが、まさにその言葉通りでした。

 海岸から高台までは膨大な広さで、そこに建っていた家が全部大津波に飲み込まれてしまい流され、瓦礫(がれき)の山となっていました。
 私たちが行ったときは臭いはあまりしませんでしたが、震災直後は火災が発生し、焼け焦げた、ヘドロの混じった臭いが強かったそうです。
 瓦礫の上を被災者が物を探して歩く姿を見ると、大変な状況だということを感じさせられ、まさに言葉になりませんでした。

 救援活動で県内を移動したくても、ガソリンの調達ができず、活動が困難でした。物資を届けるのが遅くなりましたが、ご支援をいただいた全国の皆様に心から感謝します。

被害甚大な石巻へ 宮城県本部  

 中央本部から届いた救援物資を石巻救援センターに届けるために、3月26日、救援会宮城県本部役員3人で県本部を出発しました。
 石巻に行く途中の国道で車が重なり合い、船が岸壁に乗り上げている惨状を見て唖(あ)然としました。石巻蛇田にある日本共産党の東部地区委員会も、もう住めないほどの被害を受け、近くに設置した臨時の事務所をセンターにして、市議や近隣の町議などを中心に救援活動が展開されています。
 届けた物資は、私たちがいる間に次々と車で被災地に運ばれました。皆さんに喜ばれ、疲れも飛びました。
 帰る途中「この惨状をすみやかに国会議員、政府要人、県の幹部にみてほしい」と話し合いました。
(宮城県本部・三浦一次事務局次長)

復興に向けて 福島県本部  

 福島県本部は臨時三役事務局会議を3月22日におこない、全会員の安否確認をすすめ、可能な救援活動を展開することを確認しました。
 3月24日には、県内の労組、民主団体による救援と復興をすすめる「県復興共同センター」を立ち上げ、県本部も参加しました。
 被災地の要望を早急にとりまとめ、支援物資の発送や、受け入れたボランティアの配置などを一元的にすすめ、県内各地域に「地域救援センター」を確立すること、「原発問題学習会」をおこなうことなどを申し合わせました。
 3月31日には、北相支部の活動地域である新地町と相馬市を訪れ、救援物資を届けました。

できるところから活動を 宮城県本部  

 4月1日の県本部常任委員会で、会員の被害状況の把握と、どのような救援活動ができるのかを話し合いました。
 救援活動が難しい状況もありますが、被災地の要望を踏まえて、できるところから救援活動をおこなっていくことが確認されました。

国公法弾圧2事件の無罪求める署名10万人分が届く  

 最高裁で大法廷回付と違憲無罪判決を求めてたたかっている国公法弾圧2事件の署名が、3月25日の要請で提出したものも含めて、10万2625人分、2764団体に到達しました。国民救援会の集約では、26県本部・146支部が会員数を突破しました。
 国公法共闘会議の岩崎恒男事務局長は署名10万突破に寄せて、「あらためて多くの皆さんに支えられているこのたたかいに、必ず勝利しなければとの思いを強くしています」と語り、「なんとしても目標の20万達成で最高裁に国民の意思を強くアピールすることが裁判勝利、ひいては日本の民主主義、平和を守るために重要」として、ひきつづき20万人分の署名に向けたとりくみへの協力を呼びかけています。

 国公法弾圧堀越事件で4月28日に予定されていた弁護団の答弁書の提出が延期となりました。震災の影響を受けて、弁護団が最高裁に申し入れたもので、提出は6月中になるとしています。

三重・名張毒ぶどう酒事件で事件から50年目の全国現地調査  

 1961年に三重県名張市で、ぶどう酒に毒を入れ5人を殺害したとして、死刑判決を受けた奥西勝さんが再審(裁判のやり直し)を求めて名古屋高裁でたたかっている名張毒ぶどう酒事件で、3月26〜27日、第29回の全国現地調査(主催=名張事件全国ネットワーク・国民救援会中央本部)がおこなわれ、16都道府県から94人が参加しました。

 「3月28日は事件のあった日から50年となります。長い長い歳月でした。この50年は、死の恐怖と身を削る苦しみの日々でした」
 1日目におこなわれた学習会では、奥西さんの獄中からの痛切な思いが紹介されました。無罪から一転死刑へ、再審開始決定から取消しと奥西さんの人生を翻弄させた50年の月日への憤りと、奥西さんを有罪とした判決の不当性、主張を二転三転させて再審請求審を引き延ばす検察の不正義に会場からは怒りの声が上がりました。
 2日目はぶどう酒が届けられた経路を調査しながら事件のあった集落へ。あらためて奥西さんの無実を確信するとともに、奥西さんを犯人とするために、数々の証言が警察・検察によって作り上げられていったことが浮き彫りになりました。参加者から「現場を歩いて、奥西さんに犯行の機会がなかったことがわかった」という感想もありました。
 現地調査を終え、まとめの集会では、各地の守る会や国民救援会の支援者が活動を報告。奥西さんの特別面会人のひとり、奥谷和夫さんからは「奥西さんは東日本大震災の被災地のみなさんをとても心配していた」と話がありました。最後に「一刻も早く奥西勝さんを取り戻すために、できることはすべてやりきろう」と確認。裁判所に対しては検察の不当な主張を退け、再審開始と釈放を、検察に対しては真摯に事件に向き合い、奥西さんをただちに釈放するよう求めていくことを誓い合いました。
 翌28日には名古屋高裁・名古屋高検に対して要請行動がとりくまれ、宣伝を含め21人が参加しました。

茨城・布川事件の再審裁判の判決日が5月24日に決定  

 東日本大震災の影響で判決期日が延期となっていた茨城・布川事件の再審裁判で、水戸地裁土浦支部は判決期日を5月24日午後1時30分と決定しました。守る会では当日の行動について、3月16日に予定していた行動と同じ行動を計画しており、全国からの参加を呼びかけています。なお、午後6時30分から予定されている報告集会には参加申し込みが必要となります。

滋賀・日野町事件の再審の審理が終結  

 3月18日に再審請求の申立人・阪原弘さんが亡くなられた日野町事件で、3月30日、大阪高裁は申立人の死亡にもとづいて再審請求の審理を終結することを決定しました。
 これを受けて日野町事件対策委員会と国民救援会中央本部、滋賀県本部が「日野町事件・阪原弘さん逝去にあたっての声明」を発表。声明では、これまでの支援への感謝とお礼を述べると同時に、これまでの総括と、今後の検討をひきつづきご遺族・弁護団とともに続けていくとしています。
 大阪高裁宛におこなっていた要請署名は5万2164人分が提出され、昨年12月に阪原さんが刑の執行を停止されてからの家族への支援カンパは125万9375円に到達しました。

「一票の格差」最高裁判決を悪用した比例定数削減の動きを許すな  

 比例定数削減を狙う民主党は3月23日の最高裁判決も利用しようとしています。
 この判決は、1票の格差が最大2・30倍だった09年8月の衆院選は違憲として選挙無効を求めた9件の裁判の上告審で、最高裁大法廷(竹崎博充裁判長)が、各都道府県に1議席を割り振る「1人別枠方式」について「投票価値の平等に反する」として、選挙は違憲状態だったと判断したものです。
 最高裁が衆院選を違憲状態と判断するのは、94年に施行された小選挙区比例代表並立制では初めてのことになります。15人の大法廷の裁判官のうち、12人の裁判官が違憲状態と判断。2人(田原睦夫裁判官、宮川光治裁判官)が違憲、古田祐紀裁判官1人が合憲と判断しました。
 判決では、09年の選挙時には憲法が求める投票価値の平等に反する状態に至っていたとする一方で、合理的な期間内に是正されなかったということもできないと認定。その上で「1人別枠方式」については「できるだけ速やかに廃止する必要がある」として投票価値の平等に沿う法整備などを求めました。
 民主党は、この最高裁判決を利用し、「1人別枠方式」の廃止とともに、衆議院の比例定数を80議席削減する方針を打ち出しました。「1票の格差」と比例代表選挙にはなんら関係がありません。民意の反映されにくい小選挙区制こそ見直し・廃止が必要です。

第192次最高裁統一要請行動に国公法2事件も参加し訴え  

 国民救援会が隔月でおこなっている第192次の最高裁統一要請行動が3月25日、9事件・30人の参加でおこなわれました。
 国公法弾圧2事件の支援者も参加。個人署名8574人分、団体署名170を提出しました。
 要請では、「古田裁判官が世田谷事件から回避しないのは、検察の利益を守ろうとしているとしか思えない」、「市民の声は『公務員はどうしてこんなに(政治活動が)自由でないのか』。この声に耳を傾けてほしい」など強く求めました。

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