日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

11年3月15日号

11年3月15日号  

いっせい地方選挙にあたり各地で民パト・学習会  

 地方自治体の首長や議員を選ぶ選挙が、4月に全国各地でいっせいにおこなわれます。地方選挙は、住民の暮らしや福祉に直接結びつく重要な選挙です。のびのびと選挙活動をすすめ、住民本位の地方自治を実現させましょう。自由な選挙を守るために、各支部、都道府県本部で民間パトロールをおこない、弾圧の心得を学び広げましょう。

 国民救援会がとりくむ民間パトロールは、言論弾圧を未然に防ぐための国民救援会独自の活動です。選挙のときこそ、各地で民パトを出動させて、警察による弾圧・干渉をさせないよう呼びかけましょう。
 知事選が3月24日に告示される東京では、2月18日に民間パトロールの出発式がおこなわれました(写真)。式では東京都本部の小澤克至事務局長が講演。09年に葛飾ビラ配布弾圧事件の有罪判決が確定しましたが、ビラ配りそのものが制限されているわけではないことを強調。マンションの集合ポストへも、堂々と恐れずビラを届けようと訴えました。昨年再建した練馬支部は、再建後初めての民パトと警察申入れ行動にとりくむと発言。江戸川支部からは、弾圧を封じ込める民パトを全都に広げようと訴えがあり、自由な選挙の実現を誓い合いました。
 選挙本番に向けて、各地の支部・県本部でも民パトの予定が組まれています。

 万一、警察から弾圧を受けたときにどう対処するか――自由に選挙をすすめるための学習会が各地で開かれています。
 豊後高田市議の大石忠明さんの公選法弾圧事件をたたかった大分県本部では、2月19日に、「のびのびやろう選挙活動」と題して25人で学習会を開催。県本部会長で弁護士の河野善一郎さんが講演し、ビラ配布中に職務質問を受けた場合の対応や、複数で行動するなどの心得を学びました。
 大分市内では、過去に警察官の職務質問や干渉などが起きており、参加者からは、実践的な質問が出され、好評でした。
 昨年、神戸で起きたポスター貼り弾圧事件で不起訴を勝ちとった兵庫では、全14支部で学習会を開きました。当事者の加藤寛治さんや、たたかいの先頭に立った支部の役員などの話を聞き、弾圧とたたかった教訓を共有しています。
 長野県本部では、弾圧の心得や万一のときの対応方法をコンパクトにまとめた携帯用のリーフを全会員に配布。東京都本部は、マンションへのビラ配布などを萎縮せずにおこない、選挙運動をすすめるために、冊子「ココロエ9」を制作。妨害行為にいち早く反撃するための告訴状の書式なども収録しています。
 各地で攻勢的な学習のとりくみがすすんでいます。弾圧を阻止し自由な選挙を広げる救援会の役割を発揮しましょう。

<学習資料>言論・表現活動の権利といっせい地方選挙2011年版活動の手引き(お問い合わせは、各都道府県本部または中央本部まで)

国公法弾圧2事件が最高裁へ要請行動  

 2月24日、国公法共闘会議は国公法弾圧2事件の最高裁要請行動をおこないました。
 要請に先立ち、早朝に20人を超える参加で宣伝行動をおこない、全労連や自治労連、国公労連、全教など共闘会議に参加している団体の代表者がマイクを持ち、2事件を大法廷に回付し違憲無罪を出すべきことを憲法や国際人権、公務員の立場など様々な角度から訴えました。
 要請行動には17人が参加。かつて公選法弾圧事件の被告として16年たたかった広島の祝(ほうり)一行さんは、「私の事件のとき、最高裁は公選法が自由権規約に違反してないと認定したが、違反しないことについての説明がなかった。今回の2事件の判決では、判決の理由のなかで自由権規約の解釈を示して欲しい」と要請。自治労連の代表は、「公務員は労働基本権すら奪われている。権利を保障されてこそ、住民のための仕事ができる。権利を回復する判決を出して下さい」などと要請しました。
 この日、団体署名131団体分と個人署名1万605人分(累計各2594団体分、9万3744人分)を提出しました。

三重・名張毒ぶどう酒事件で名古屋高裁・高検に要請行動  

 名古屋高裁で再審開始を求めている三重・名張毒ぶどう酒事件の要請行動が、2月24日におこなわれ、4都府県9人が参加しました。
 名古屋高裁への要請では、「審理が暗礁に乗り上げているのは裁判長の責任。そんな状態をいつまで続けるのか」、「奥西さんは85歳。一刻も早く再審開始決定を出せ」などと、参加者が口々に訴えました。
 名古屋高検への要請行動では、「証拠の捏造問題をきちんと解決しない検察に異議申し立ての資格はない」、「隠されている証拠をただちに開示せよ」などと申し入れました。
 再審と釈放を求める署名1608人分を新たに提出。累計4万8821人分となり、要請ハガキは2306通が届けられました。
(愛知県本部版名張事件ニュースより)

兵庫・姫路強制わいせつ事件の民事裁判が判決  

 「わいせつ行為をされた」とする女性の虚偽の訴えで、無実のO・Kさんが懲役2年の実刑判決を受けた姫路強制わいせつ事件で、自称「被害者」の女性が起こした損害賠償裁判の判決が、2月23日、大阪高裁(前坂光雄裁判長)でおこなわれました。判決は、O・Kさんに470万円の支払いを命じる不当判決でした。
 裁判官は、「本件控訴を棄却する」と告げると即座に退廷。「私はやってない! 10秒もかからない判決で人生を破壊するな」と叫ぶO・Kさんの声が法廷に響きました。
 O・Kさんは上告してたたかう意志を表明しています。(兵庫県本部より)

〈抗議先〉〒530―0047 大阪市北区天満2―1―10 大阪高裁・前坂光雄裁判長

宮城・仙台筋弛緩剤冤罪事件の支援集会が東京で開催  

 宮城・仙台筋弛緩剤冤罪事件(北陵クリニック事件)の支援集会「再審をめざして!!」が2月27日、東京・港区で開かれ、全国から80人を越える支援者が集いました。
 集会では、守さんの元同僚だった看護助手の篠原幸子さんが、警察の取調べを受けた経験などをリアルに報告。7〜8時間も拘束され、できあがった調書は、言ったことと違っており、書き直しを求めても、「書き直すことはできない」と言われ、早く帰りたいという思いなどから認めざるをえなかったと悔しさを激しくにじませながら語りました。
 弁護団の秋元理匡弁護士が、再審請求に向けて、有罪判決の証拠構造の分析や新証拠の検討などをすすめていることを報告。守さんのご両親も、再審に向けて支援を訴えました。

連載・布川事件の判決控え弁護団に聞く 下  

 検察・警察が隠していた証拠を開示させたことは、布川事件の再審を実現するうえで大きな力となりました。編集された桜井さんの取調べ録音テープ、被害者宅前にいたのは杉山さんとは異なった特徴の人だとする目撃者の供述調書など、いくつもの無実の証拠が隠されていました。

 再審であっても検察官はなかなか証拠を開示しようとしません。それを突破するには、裁判所が事件の問題点を理解し、提出されない証拠の重要性を認識し、検察官に強く働きかける状況を作る必要があります。弁護団は、まず主要な論点のすべてについて科学的な新証拠を提出して、争点を明らかにするよう努めました。さらに証人尋問により、「自白」が現場の客観的状況と矛盾することを明らかにしていきました。それまでに開示された死体検案書や毛髪鑑定書はこの点をいっそう明らかにするものでした。また、「自白」の録音テープの開示は取調官の偽証を明らかにし、「自白」の任意性を根本から動揺させることになりました。
 こうして裁判所の問題意識が深まる中、「自白」と並ぶ有罪判決のもう1つの柱、目撃証言の開示が進みました。現場近くの駅や橋で2人を見たとする目撃証言については、裁判所の依頼により初期の供述調書の開示が実現し、その結果、別の日の出来事が8月28日(犯行日)のことであるかのように歪められていったプロセスが明らかになりました。そして、被害者宅前にいたのは杉山さんではないとする近所の女性の調書が開示された結果、同じ頃に被害者宅前で杉山さん、桜井さんを見たとしていた最重要証人の証言が崩れてしまいました。こうした証拠開示を進展させるうえで、担当の弁護人の活躍は目を見張るものがありました。
 結局、開示の結果出てきた証拠に、桜井さんと杉山さんに有利なものはあっても、不利な証拠は何もないという状況は裁判所の心証に大きな影響を与えたと思います。
 ところが検察は、再審開始決定の重要な根拠とされたこの女性の供述調書を、再審公判では不同意とし、証拠とすることを妨害しようとしたのです。これなどは、再審公判におけるあらたな「証拠隠し」であり、いまだに反省していません。

 再審裁判の判決が出されます。この事件は、刑事事件全体に警鐘を鳴らすもので、再審請求審の裁判所の決定からも多くの教訓を得ることができます。供述依存の裁判の危険性、代用監獄の危険性、一部可視化の危険性(全面可視化の必要性)、そして証拠開示の重要性などです。今回の判決では、冤罪を生んだ原因をさらに厳しく指摘してくれることを期待しています。そして、冤罪をなくすことを願う多くの人の声を集めて無罪判決を確定させ、冤罪・布川事件の教訓を広く伝えていきたいと思います。

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