日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

10年9月25日号

10年9月25日号  

国公法弾圧2事件で年内5万名署名を  

 最高裁でたたかっている国公法弾圧2事件の統一署名用紙と新リーフが出来上がりました。署名は大法廷回付と違憲無罪判決を求めるもので、堀越明男さんと宇治橋眞一さんは、さっそく新署名を携え、各地で支援を訴えています。2事件の守る会と全労連などをはじめとする支援団体は、来年1月末の世田谷事件の上告趣意書提出までに一気に世論を高めようと、20万名の目標を掲げています。国民救援会は、年内にほぼ会員現勢分の5万名をやりきろうと、とりくみをすすめています。

 2事件の守る会と国民救援会は、8月25日から毎週共同で都内の労組や民主団体を回り、署名の依頼や9月30日の学習決起集会への参加を呼びかけています。
 宇治橋さんも各団体を訴え歩き、9月8日は堀越事件守る会の黒澤事務局長、東京都本部の酒井事務局次長とともに東京都庁内の労働組合10カ所を訪れました。
 宇治橋さんは、持参した署名用紙を差し出し、「憲法では言論・表現の自由が保障されているのに、国家公務員の政治活動を禁じた国公法と人事院規則が憲法に違反しないのはおかしい。最高裁で違憲判決をとりたい」と訴えて回りました。
 多くの労組で前向きな反応があり、要請を受けた東京水道労働組合の安部陽二書記長は、「10月に開かれる組合の定期大会議案でとりあげたい」と表明。「公務員も思想信条の自由は保障されるのだから、政治活動も自由におこなわれるべきだ」と、要請を積極的に受け止めました。

 日本年金機構(旧社会保険庁)で働く堀越さん。休日は、各地の集会や国民救援会の県本部大会に参加して、支援を訴えています。
 9月11日におこなわれた千葉県本部大会に宇治橋さんとともに参加した堀越さんは、「猿(さる)払(ふつ)判決を乗り越え、大法廷で見直す判決をさせたい」と訴え、「正義のたたかいをすすめるには、生半可な気持ちでは勝てない。支援の声を集中していただき勝利したい」と述べて、最高裁での勝利に向けて全力をあげる決意を語りました。今後、さらに各地で支援の訴えをする予定です。

 新しい署名用紙は、8月末に中央本部から各県本部に送付されています。千葉県本部では県内22支部と加盟している43団体に署名と要請書を送ったほか、9月11日におこなわれた県本部大会でリーフを配布して、一気に運動をすすめる構えです。奈良県本部では、奈労連をはじめとする県内11の労組・民主団体などに共同の運動をしようと呼びかけています。
 長崎の島原半島支部では、全国大会に参加した事務局次長の近藤一宇さんが、「救援会はすばらしいところだ」と感激したことを支部に報告。持ち帰ってきた国公法事件の署名用紙を持って集会などに参加して署名を集めて回っています。
 年内の5万名署名達成に向けて、全国の会員の奮闘をお願いします。

茨城・布川事件再審第3回公判で目撃女性が証言  

 再審裁判がおこなわれている茨城・布川事件の第3回公判が、9月10日、水戸地裁土浦支部でおこなわれ、43年前に事件発生直前の被害者宅を目撃した女性が証言しました。女性は、「目撃したのは杉山さんではない」とはっきり証言し、2人の無実があらためて浮き彫りになりました。

 法廷に現れた証人の女性は77歳。ゆっくりと廷内を歩き、桜井さんと杉山さんの目の前の証人席にそっと腰かけました。茨城出身の谷萩弁護士が茨城弁で語りかけると、女性は記憶を絞りだすように証言しました。
 女性は、1967年8月28日午後7時ごろ、行商で売る野菜を農家の家に仕入れに行くために自転車で自宅を出ました。そのとき、通りがかった被害者宅の前で、被害者と立って話をしている男性と、軒下に立っている男性の顔を見たと証言。その人物は杉山さんかという質問に対して、「杉山さんではない。杉山さんだったらわかる」と、はっきりと述べました。この証言によって、犯行現場に杉山さんがいなかったことが明らかになりました。
 検察官は、目撃したのは杉山さんであったかのような証言を引き出そうと、目撃した男性の特徴や身長について食い下がって尋問を続けました。
 「背の高さはどれくらいか」という質問に、女性が「頭から柱の上までこのくらい余っていた」と両手を頭の上にあげて示すと、検察官は定規をあて、「25センチ」などと言いながら計測。傍聴席から「そんなことをやって何になる」と声が漏れました。
   *   *
 43年経ってからの証言。記憶から欠落している部分も多く、女性は、「忘れちゃったなぁ」と何度も繰り返しました。女性が目撃したのは知人の男性でしたが、当時の捜査員には「布川の者ではない」と話していました。検察官に追及されると、「近所の人だから」「そんときは話せなかったんだなぁ」と、小声で目を伏せました。1時間半に及ぶ証言が終わると、女性は疲れた顔で法廷を後にしました。
 現場で杉山さんとは特徴の違う人物を見たという女性の供述調書は、検察がこれまで隠し続けていましたが、再審をめぐる審理のなかで水戸地裁土浦支部でようやく開示され、再審決定の重要な証拠となりました。ところが、再審裁判でこの調書の証拠採用を検察が拒否したため、やむなく弁護団は証人尋問を請求しました。
 記者会見で杉山さんは、「一生懸命、当時を思い出そうとしている姿を見てかわいそうになった。検察官が証拠採用に同意すれば、証言は必要なかった。検察に怒りがわく」と話しました。桜井さんは、「42年前(一審のとき)に彼女が証言すれば明らかになったことはたくさんあったはず」と、検察が調書を隠し続けたことに怒りをあらわにしました。
 次回10月15日の公判
で、桜井さんと杉山さんの被告人質問がおこなわれます。11月12日に論告求刑の予定で、判決は来年言い渡される見込みです。

第20回現地調査に141人が参加  

 再審公判が開かれるなか、布川事件の第20回全国現地調査が9月10日、11日におこなわれ、12都道県から141人が参加しました。
 参加者は事件現場などを訪れ、桜井さんと杉山さん、弁護団から説明を受けました。2人を目撃したとされる複数の住民たちの証言の矛盾点が明らかになり、警察の誘導によって目撃証言が作られていった経緯を学び、2人が無実であることの確信を深めました。

三重・名張毒ぶどう酒事件で450人の人間の鎖  

 名古屋高裁でたたかう三重・名張毒ぶどう酒事件で、一審無罪の奥西勝さんに逆転死刑判決が出されてちょうど41年目にあたる9月10日、名古屋高裁を「人間の鎖」で取り囲む集中行動が国民救援会愛知県本部、名張事件愛知守る会を中心にとりくまれ、16都道府県から450人が参加しました。参加者は「名古屋高裁はただちに再審を開始せよ」と裁判所に市民の声を力強く届けました。

 9月10日正午、名古屋高裁前。愛知県内外の救援会各支部の横断幕、地元の労働組合や市民団体ののぼり旗、そして全国の守る会の看板などがひしめき合い、歩道からあふれんばかりの支援者が集まりました。名古屋高裁の周囲をかこんで参加者が手をつなぎ、12時30分、裁判所をぐるりと一周する400メートルの大きな人間の鎖が作り上げられました。
 「奥西さんを釈放せよ」
 「名古屋高裁はただちに再審開始を」
 大きな歓声が沸く中、力強くシュプレヒコールをあげ、名古屋高裁、市民らに支援の声を届けました。

 その後要請行動がとりくまれ、高裁に36人、高検には21人が参加しました。
 高裁では、「84歳になった奥西さんの一日も早い釈放を」、「41年前の死刑判決と同じ過ちを繰り返さぬよう一刻も早い再審開始を」と訴え、高検では、「審理引き延ばしを目的とした毒物などの再製造、再実験をやめろ」「異議申立てを取り下げ、奥西さんを釈放しろ」と迫りました。
 高裁の要請行動中に栄三越前など、市内各地で宣伝行動をおこない、100人を超える支援者が参加しました。
 「奥西さんを救うためには、高裁がある名古屋市内の人たち一人ひとりの署名が必要です」という訴えにじっと聞き入り、自ら署名用紙を求める人や、「いつもご苦労様」と声をかけて署名する人など、支援の広がりを実感する行動となりました。
 名張事件では審理の進め方を話し合う3者協議(裁判所・弁護団・検察)が続けられており、検察側が毒物の再鑑定を求めて9月13日に意見書を高裁に提出しました。今後弁護団が反論する予定です。

獄中の奥西さんからのメッセージ  

 今日9月10日、41年前、一審無罪の私を死刑判決にした日です。以来、冤罪に苦しみ、84歳となりました。長い長い苦しみと悔しさの年月でした。一日も早い再審の確定のため、全国から多くの方が冤罪を晴らすための行動をしてくださって、本当にありがとうございます。みなさんの支援の声に励まされ、私も命の限りがんばります。冤罪をこの世から無くしてください。
 功なるまでご支援を心よりお願いいたします。

司法修習生の給費制存続を求め、各地で宣伝  

 人権感覚のある法律家を養ううえで重要な役割を果たしている司法修習生への給与支給(給費)制度の存続を求めて、全国各地で市民団体や弁護士会などが宣伝行動にとりくんでいます。運動が広がりを見せるなか、超党派で制度存続を求める議員立法の動きもでています。存続の実現めざし、さらに運動を強化する必要があります。

 司法試験合格者は、1年間の司法修習を受けることになっており、その間約20万円の給与が国から支給され、修習に専念する義務を負います。
 2004年の裁判所法改正により、今年11月から給与の支給が廃止され、新たにお金を貸し付ける貸与制に変わることになっていました。このため、豊かな人権感覚を持っている人でも、経済的に豊かでなければ法律家になれないとして、各地の市民団体や弁護士会、若手弁護士や司法修習生のグループなどが、制度の存続を求めて宣伝や集会、パレードを各地で次々とおこない、世論づくりをしてきました。
 こうしたなか民主党の法務部門会議で9月13日、給費制の存続に向けた協議がおこなわれるなど、運動によって一定の成果が見え始めました。
 給費制の存続を勝ちとるために、いっそう運動を広げ、強めましょう。

 国民救援会も加盟する「司法修習生に対する給与の支給継続を求める市民連絡会」は、9月13日、東京・有楽町で街頭宣伝をおこないました(写真)。
 多くの通行人が足を止め署名に協力するなか、マイクを握った日弁連会長の宇都宮健児さんが、「司法修習制度は戦後、新しい民主主義国家を作るための司法を担う人材を国費で育てようという理想のもとに始まった」と解説。薬害訴訟の原告団や冤罪犠牲者から、「手弁当で支援してくれる弁護士のおかげで名誉回復ができた」と言われたことを紹介し、人権を守る弁護士を育てるためにも、給費制維持が必要だと訴えました。

宮城・自衛隊国民監視差止訴訟で防衛省に尋問認めるよう要請  

 陸上自衛隊情報保全隊による国民の監視と情報収集の中止を求めて仙台地裁(畑一郎裁判長)に提訴している裁判で、9月3日、安保破棄・諸要求貫徹宮城県実行委員会の代表が防衛省を訪れ、原告が証人申請している情報保全隊の現・元幹部への証人尋問を認めるよう要請書を提出しました。国民救援会からは、望月憲郎副会長が参加しました。
 07年に日本共産党が公表した自衛隊の内部文書などで、陸上自衛隊情報保全隊が民主運動などの監視を組織的におこなっていることが明らかとなりました。裁判は監視対象とされた宮城県内の住民107人が、情報保全隊による住民監視の差し止めを求め、国を相手にたたかっているものです。

 これまでの裁判で被告の国側は、陸上自衛隊情報保全隊が作成した内部資料について、個々の監視行為について、いっさいの認否を拒否するという態度で臨んできました。
 原告は、監視し内部資料を作成した04年当時の陸上自衛隊情報保全隊長と現在の情報保全隊司令など3人の証人尋問を申請。仙台地裁の畑一郎裁判長は7月23日、北澤俊美防衛大臣に証言を承認するか否かを照会する文書を送付しました。
 仙台地裁の照会は、民事訴訟法191条が公務員に対して守秘義務に関わる尋問をする場合に所属庁の許可が必要なためで、また同条2項で「著しい支障」がある場合を除き「拒むことができない」と定めています。
 要請で、安保破棄・諸要求貫徹宮城県実行委員会の小山功事務局長は、「証人を認めて、裁判の中で事実を明らかにしてもらいたい。自衛隊も憲法を守る組織になってほしい」と訴えました。同実行委員会の中嶋廉事務局次長も、「自衛隊は、情報保全隊を含め、すべての部隊が法令を守って活動し、国民への監視をやめるべきだ。防衛相は仙台地裁から照会があった証人尋問を認めてほしい」と要求しました。
 応対した防衛省防衛政策局調査課の担当者は「上層部に報告し、13日までにきちんと裁判所に報告する」と述べました。

第189次最高裁要請行動おこなう  

 最高裁事件連絡会と国民救援会は9月14日、第189次最高裁要請行動をおこないました。10事件60人が参加し、宣伝を要請行動がおこなわれました。
 世田谷国公法弾圧事件の宇治橋眞一さんがマイクを握り、「最高裁は、猿払判決を葬り、国公法と人事院規則の改正を迫る判決を」と訴えました。
 また、山陽本線痴漢冤罪事件で、7月に上告棄却判決を受けた山本真也さんも抗議のために参加。自身の判決の不当性を述べたうえで、「冤罪を今後二度と生まないために、慎重で公正な審理を」と要請しました。

87周年亀戸事件追悼会が開催  

 1927年9月に発生した関東大震災の混乱に乗じて、警察や軍隊によって先進的な労働運動家や青年活動家の川合義虎、平澤計七など10人が虐殺された亀戸事件の追悼会が9月5日、東京・江東区亀戸でおこなわれました。
 追悼会は、10人の犠牲者の追悼碑がある浄心寺でおこなわれ、住職の読経につづき、日本共産党都議団、民青同盟、治安維持法同盟の代表などから追悼の言葉が送られました。「再び権力犯罪を許してはならない」と祈りを込め、参加者全員で献花しました。

滋賀・日野町事件で再審開始求め大阪高裁に要請行動  

 日野町事件の再審開始を求める要請署名5千筆と、第55回国民救援会全国大会で決議された大会決議を、9月9日、阪原弘さんの家族らが大阪高裁第1刑事部に提出しました。
 この日、裁判所前で昼休み宣伝を15人でおこなった後、家族と対策委員らが書記官室に行き署名を提出しました。応対した書記官に、阪原さんの次女則子さんは、「9月2日、広島刑務所で父と面会をしてきました。父は食事を戻したりして体調を崩し、今は病舎にいます。無実の父を一日でも早く救い出すため、再審開始決定を出していただくよう裁判官に伝えて欲しい」と強く訴えました。
 この日、提出された5千筆の署名を含め、即時抗告審になってから大阪高裁へ提出された署名総数は4万5千筆となりました。引き続き署名運動を強め、年内には5万筆の署名を達成しようととりくんでいます。
 なお、日野町事件対策委員会では、11月13日、14日に全国現地調査をおこないます。

兵庫・神戸市西区「ポスター公選法弾圧」事件当事者にインタビュー  

 7月29日に不起訴を勝ちとった兵庫・神戸市西区「ポスター公選法弾圧」事件。21日間黙秘でたたかった当事者の加藤寛治さんと、妻・則子さんに話を聞きました。(加藤さんご夫妻のインタビュー記事

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional