日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

10年8月25日号

10年8月25日号  

兵庫・ポスター公選法弾圧事件で不起訴勝ちとる  

黙秘貫いた加藤さん、不起訴報告集会で満場の拍手  

 「西区に国民救援会があってよかった」――参議院選挙の選挙運動でポスターを信号柱などに仮止めした加藤寛治さんが公職選挙法違反として逮捕され、7月29日に不起訴が決定した兵庫・ポスター公選法弾圧事件。連日の警察署抗議行動と全国から届いた要請署名が、勝利の大きな力になりました。

 「よかった、おめでとう」。神戸西署から出てきた加藤さんに駆け寄る支援者。押収されていた旗竿などを抱え、手を振り握手してそれに応える加藤さん。逮捕以来一貫して黙秘を貫き、21日ぶりに釈放されました。
 その日の夜に神戸市内で緊急報告集会が開かれ、300人の市民が駆けつけました。加藤さんは「これからも臆することなくがんばっていきたい。毎日毎日、暑いなか激励に来てくれた皆さん、全国の皆さん、本当にありがとうございました」と目にいっぱい涙を浮かべて語り、満場の拍手を受けました。妻の則子さんは、「雨の日もお日様の照る日も、毎日毎日、皆さんが倒れないかと心配でした」と感謝の挨拶を述べました。

地元の支部がたたかいで力を発揮  

 不起訴を勝ちとる力になったのが国民救援会神戸西区支部をはじめとした地元の労働組合、市民団体の運動と全国からの署名、抗議の声でした。
 逮捕の報せを受けた神戸西区支部は、事件当日から警察署抗議行動を開始し、その後も兵庫県本部とともに、たたかいの先頭に立ってきました。1日も欠かさず、毎回30人以上が警察署へ抗議し、加藤さんを激励しました。18日の神戸地検への要請も含めた1日行動には180人が、26日に神戸地裁で開かれた勾留理由開示公判には200人を超える市民が参加しました。同時に、県本部は連日連夜ニュースを配信し、運動の様子を全国に伝えました。
 神戸西区支部は昨年10月に41人で結成したばかりの新しい支部で、毎月の会議、手配りの新聞配達などを続け、国民救援会の役割を地域に根付かせてきました。その結果、地域の人たちが「自分たちのことだから」と次々と警察署抗議に参加し、連日30人を超す運動が湧き起こりました。
 全国からは1263団体の署名が地検に届けられました。日本共産党の区委員長で西区支部の役員でもある川村進さんは、「当日の動きがすぐ全国に発信され、抗議の声が全国から寄せられる。そして西区にそれを受けることができる支部がある。救援会の長年の運動の蓄積を含めて非常にお世話になった」と振り返ります。
 このたたかいのなかで支部は拡大目標を達成し、会員は80人を越えました。みずからも20名拡大を達成した森本利昭事務局次長は、「たたかいの中で救援会の存在、救援会の存在の意義、活動の魅力を伝えることができた。今後このたたかいを活かしてさらに飛躍したい」と語りました。

北海道・女性自衛官人権裁判で性暴力の事実等認める勝利判決  

 北海道の自衛隊基地内で女性自衛官が性的暴力を受け、さらに適切な対応をとらず退職を強要されたなどとして国に慰謝料の支払いを求めて提訴していた女性自衛官人権裁判で7月29日、札幌地裁(橋詰均裁判長)は国に損害賠償を命じる原告全面勝訴の判決を言い渡しました。
 判決は、弁護団が主張し、国が否認していた事実も全て認め、自衛隊の対応の法的責任も認めたものでした。原告の女性は「すばらしい判決でとてもうれしい。支えてくれた多くの人たちがいたからこそ今日の判決を迎えることができた。自衛隊においても人権が保障される方向に変わってほしい」とコメントしました。(道版より)

群馬・きりのこ保育園職員不当解雇事件で職場復帰の勝利和解  

 保育園で労働組合を結成した栄養士の関口好さんが、園長らから「給食の味が薄い」と言われるなど嫌がらせを受け、疲弊・困惑した関口さんが園長らの給食に塩をひとさじ振りかけたことが危険行為だとして解雇された、きりのこ保育園職員不当解雇事件で7月29日、前橋地裁で和解が成立しました。
 内容は、解雇撤回と賃金支払いが盛り込まれたもので、原告の全面勝利となりました。関口さんは、全国大会で「国民救援会に出会い、苦しんでいるのは自分ひとりじゃないことを知った。これからも救援運動を続ける」と発言し、全国の支援に感謝を述べました。

北海道・NTT奥村過労死裁判で一審に続き勝利判決  

 NTT東日本の元社員奥村喜勝さんが亡くなったのはリストラに伴う過労死だとして、労災を認めなかった国に処分の取り消しを求めたNTT奥村過労死裁判で8月10日、札幌高裁(井上哲男裁判長)は一審に続き原告の訴えを認める勝利判決を言い渡しました。
 判決では、NTTのリストラ計画などによる精神的ストレスが心臓疾患を増悪させたとして因果関係を認めました。弁護団は、「長時間、不規則労働でなくても、ストレスが過度であれば救済されることを認めた判決」と評価しています。

静岡・えん罪御殿場少年事件で元少年が釈放  

 8月7日、川越少年刑務所からえん罪御殿場少年事件の勝亦信仁さんが釈放されました。刑務所前で友人と家族、守る会が出迎えました。
 この事件では同じく不当に服役していた元少年3人が6月28日に釈放されており、未決勾留期間(逮捕から判決確定まで勾留された日数)が短かった勝亦さんが少し遅れて釈放されたものです。

佐賀・安永健太さん死亡事件で付審判公判始まる  

 07年9月、知的障害のある安永健太さんが佐賀市内で5人の警察官に取り押さえられた際に急死した事件で、特別公務員暴行陵虐致傷罪に問われた佐賀県警の松雪大地巡査部長に対する付審判初公判が7月29日、佐賀地裁でおこなわれました。この事件は、警官が安永さんに暴行を加えていたという目撃証言や、遺体の傷などから、遺族が警察官の暴力行為が原因だとして付審判請求(裁判所に対して審判するよう求める手続)をおこない、その一部が認められて始まった裁判です。
 法廷で巡査部長は「殴ったことも傷を負わせたこともない」とこれまでの警察の主張をそのまま述べました。公判後、父親の孝行さんは、警察官を法廷に立たせた意義を踏まえ、「どうして健太が死んだのか、本当の事が知りたい」と述べています。

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