日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

10年8月15日号

10年8月15日号  

第55回国民救援会全国大会を開催  

 国民救援会への期待の広がりを受けて、さらに強く大きな組織をめざし、すべての事件で勝利しようと、7月31日から3日間、国民救援会は群馬県安中市で第55回全国大会を開催しました。47都道府県からの400人を超える参加者(要員含む)で、熱のこもった討論がおこなわれました。

 1日目は、瑞慶覧事務局長が議案に対する報告をおこない、言論弾圧事件や冤罪事件での大きな前進などにふれ、国民救援会が歴史的な転換点に踏み出していると強調。つづけて、再審無罪を勝ちとった足利事件の菅家利和さんが特別報告をおこない、「救援会のみなさんのご支援があったから解決できた」と語り、大きな拍手に包まれました。
 事件関係者が壇上にズラリと並び、一人ずつ自己紹介し、激励の拍手をうけました。国公法弾圧事件の堀越明男さんが代表して決意表明し、「すべての事件勝利のために、支援をお願いします」と語りました。
 2日目から始まった討論では、兵庫・ポスター貼り弾圧で不起訴を勝ちとった神戸西区支部のとりくみをはじめ、各地の事件のたたかいの様子や、組織拡大に積極的にとりくむ支部の姿などが活き活きと語られ感動を与えました。全体では108件の発言が通告され、そのうち60件の発言がされました。

 最終日は、瑞慶覧事務局長が討論のまとめをおこない、大会議案を全会一致で採択しました。さらに、特別決議・要請決議と「会員へのアピール」を採択。新たな役員が選出され、新体制のもとで大会決定を実践していきます。
 最後に、すべての事件に勝利し、情勢に応えられる強く大きな組織の建設をめざし、いまこそ大きく打って出ようと、参加者全員で狠跳襯ンバロー瓩鬚こない、閉会しました。

会員へのアピール  

 日本国民救援会は7月31日から3日間、群馬県安中市で第55回全国大会を開催し、47都道府県と加盟団体、諸事件から448名が参加し、熱い討論を経て今後の活動方針を採択しました。

 私たちは前大会以降、国公法弾圧堀越事件での逆転無罪判決、足利事件の再審無罪確定、布川事件の再審裁判開始、名張毒ぶどう酒事件の差戻し決定や、枚方冤罪事件の逆転無罪確定など、いくつもの勝利判決をかちとってきました。そして大会開催直前、神戸市西区ポスター公選法事件が釈放・不起訴をかちとったという嬉しいニュースが飛び込んできました。
 いま、国民救援会が支援する事件や裁判は、国民から熱い注目を受けています。冤罪への理解が、言論弾圧への怒りが、国民の声として確実に広がっています。
 一方で、不当判決を受けて悲しむ当事者や、拘束された家族を思う人たちの、切実な訴えがありました。こうした当事者や家族に寄り添い励ます救援運動の大切さがあらためて浮かび上がっています。
 葛飾事件の荒川さんは、不当判決に負けず、その後もビラを配りつづけていると語りました。
 国公法弾圧堀越事件の堀越さん、世田谷事件の宇治橋さんは、公務員の政治活動を規制することは憲法違反であることを正面から主張し、最高裁で無罪判決をかちとる決意を語りました。
 過労死事件、労働事件、市民事件でも、粘り強く事件の真相を広く市民に訴えることが貴重な勝利につながっていることが報告され、どんなに困難に見えても真実と正義はいつか必ず勝つことを教えてくれています。

 「これからも冤罪に苦しむ人々を支援していきたい」と語る足利事件の菅家さん。
 「上告が棄却されたが、堂々とたたかってきたことを誇りとして、しっかり顔を上げ、前を向いて歩いていきたい」と述べた痴漢冤罪被害者。
 「親として息子が生きた証を立てたい」と声を振り絞る過労死裁判の遺族。
 「真っ暗な道を歩いているような気がしていたが、国民救援会に出会い、苦しんでいるのは自分ひとりじゃないことを知った」という労働裁判の当事者。
 「刑務所にいる父にちゃんとした治療を受けさせてやりたい」と涙ぐむ家族。
 そして全国の支部から、懸命に事件支援にとりくむ様が発言されました。
 弾圧、冤罪、労働、市民事件の当事者、弁護団、支援者が励ましあった3日間でした。

 またこの救援運動の大切さを広げようと会員拡大、組織建設、財政活動に活き活きととりくむ会員の姿も報告されました。この大会で得たものを、事件の勝利に結びつけましょう。事件関係者や国民の期待に応えるために、いま以上に旺盛な支援活動を進める組織づくりが求められています。ひとりでも多くの人にこのとりくみに参加してもらいましょう。国民救援会をもっともっと大きくしましょう。
 人権と民主主義を発展させるために、力を合わせてがんばりましょう。

2010年8月2日 日本国民救援会 第55回全国大会

鈴木猛新事務局長の挨拶  

 事務局長に選ばれた鈴木です。重責に身が引き締まる思いです。
 私は2006年の全国大会で専従20年の表彰を受けたとき、「この仕事をして本当によかった」と発言をしました。今日、みなさんの発言を聞いて、あらためてこの仕事をやっていてよかったと思いました。
 この3日間の豊かな討論の結果採択された大会決議を実践し、すべての事件の勝利と、それを保障するための国民救援会を強く大きくするために、先頭に立って頑張りたいと思います。
 全国大会に参加されたみなさん、全国の会員のみなさん、そして役員のみなさんと力を合わせて頑張りますので、よろしくお願いします。

兵庫・ポスター貼り弾圧事件で不起訴勝ちとる  

 参議院選挙最中の7月9日、宣伝のために日本共産党のポスターを信号柱などに仮止めした加藤寛治さんが公選法違反で逮捕された兵庫・ポスター貼り弾圧事件で、7月29日、加藤さんの釈放と不起訴決定を勝ちとりました。
 釈放直後に神戸市内でおこなわれた「不起訴勝利」緊急報告集会には300人が駆けつけ、加藤さん夫妻が登場すると会場割れんばかりの拍手に包まれました。加藤さんは、「これからも臆することなくがんばっていきたい。毎日毎日激励に来てくれた皆さん、全国の皆さん、本当にありがとうございました」と涙を浮かべて語りました。
 この事件では全国から1500団体以上の不起訴要請署名が神戸地検に届けられ、また、激励の手紙、電話などが多数寄せられました。国民救援会神戸西区支部が中心となって、21日間欠かすことなく続けた神戸西警察署前抗議行動などには、連日30人以上が参加し、26日におこなわれた勾留理由開示公判では200人を超える支援者が神戸地裁に駆けつけ、釈放・不起訴を求めてきました。(詳報次号)

茨城・布川事件再審第2回公判で裁判所が検察の証拠請求を却下  

 1967年に茨城県利根町布(ふ)川(かわ)で起きた強盗殺人事件で、桜井昌司さんと杉山卓男さんが犯人とされた布川事件の再審裁判の第2回公判が7月30日、水戸地裁土浦支部でおこなわれました。
 公判ではまず、改ざんの痕(あと)などが見つかった桜井さんの「自白」テープが再生されました。桜井さんが警察の意図と異なることを言うたびに中断し、内容が変更されるこのテープは、「自白」が取調官の誘導によって作られたものであることを強く印象づけ、取調べの一部だけを可視化することの危険性を改めて感じさせることにもなりました。
 続いて、ウソの「自白」にもとづいて犯行をおこなった場合の再現ビデオ(弁護団作成)などが流され、いずれも「自白」が実際にはいかに現実離れしたものであるかを明らかにするもので、確定判決が根拠にした「自白」のおかしさを指摘するものでした。
 最後に、検察官が請求した、現場の遺留品などに2人の痕跡があるかを調べるDNA型鑑定についての判断がおこなわれました。裁判所は、「鑑定を実施する前提の条件が欠けている」として、DNA型鑑定の証拠調べ請求を却下しました。検察官は異議を申し立てましたが、これも直ちに退けられました。
 記者会見を兼ねた報告会では、DNA型鑑定がおこなわれないことで早期の無罪が確定的になり、喜びの声が上がりました。桜井さんは、「DNA型鑑定は却下されると思っていた。よかった」と語り、杉山さんは、「だいぶ無罪に近づいたと思う」と安心した表情を見せました。
 次回の公判では、犯行当時、現場近くで桜井さん、杉山さんとは違う男性を見たとする目撃証人Oさんの尋問がおこなわれます。また、弁護団が請求したOさんの犯行当時の調書の証拠採用とその捜査をおこなった元警察官の証人請求などが判断される予定です。
 守る会は、元警察官の証人尋問を強く裁判所に求め、8月18日、水戸地裁土浦支部への要請をおこないます。(布川事件守る会)

三重・名張事件で検察が新たな主張 弁護団は「引き延ばし」と批判  

 名古屋高裁で審理されている三重・名張毒ぶどう酒事件で名古屋高検が7月16日、高裁に意見書を提出しました。検察は、弁護団が実験に使った農薬は変質しているなど、最高裁までの主張(弁護団の鑑定方法の誤り、農薬に含まれる成分の特徴)とは全く違う主張をおこない、意見書には有機化学の専門ではない学者の鑑定書も添付し、農薬を再製造しての再現実験を求めました。
 検察が主張する「再現実験」とは、名古屋高裁での三者協議において検察が、最高裁までの主張を留保し、新たな立証のために実験をしたい、などと突然言い出したもので、弁護団は「引き延ばしにしかならない場当たり的な主張は許されない」として、厳しく批判していました。
 国民救援会愛知県本部と各地の守る会は28日、宣伝行動(23人)と合わせて高裁と高検へ要請行動(17人)をおこない、差戻し決定を出した最高裁での審理のときの主張をも投げ捨てた検察を厳しく批判し、「自分たちの主張が崩されたら次の主張をおこなうという卑劣なやり方」「時間かせぎは絶対に許されない」と早期の再審開始を強く求めました。
 今後、毎月全国ブロック別要請行動をおこなうと同時に、当面は9月10日におこなう名古屋高裁を「人間の鎖」で囲む行動の成功をめざしています。署名のとりくみや、学習会、オルグの受け入れなどを呼びかけています。

最高裁が相次いで不当決定  

岡山・山陽本線痴漢冤罪事件  

 山本真也さんが被害者との身長差から犯行をおこなうことは不可能と無実を訴えてたたかっている岡山・山陽本線痴漢冤罪事件で最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は7月20日、懲役6月・執行猶予3年とした一、二審の判決を支持し、上告を棄却しました。
 山本さんは、「引き続き真実を明らかにするため、いかなるたたかいができるのか模索し、家族・支援者とともにたたかう」と表明しました。

東京・痴漢冤罪西武池袋線小林事件  

 最高裁第一小法廷(宮川光治裁判長)は7月26日、膠(こう)原(げん)病で手指が動かせない小林卓之さんが無実を訴えてたたかっている痴漢冤罪西武池袋線小林事件においても、懲役1年10月とした一、二審判決を支持し、上告を棄却しました。
 守る会と国民救援会東京都本部は最高裁へ抗議の電報を集中するよう呼びかけ、小林さんが脳梗塞の再発が懸念されていることから、刑の執行停止に向けて引き続き支援を訴えています。
〈抗議先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁(各裁判長)

千葉法相の死刑執行に国民救援会が抗議声明  

 千葉景子法務大臣は7月28日、2人の死刑を執行したと発表しました。民主党政権下ではじめての死刑執行となります。
 千葉法相は、就任前まで「死刑廃止を推進する議員連盟」などに所属しており、今年の法務委員会では「将来、死刑が本当になくていいという状況になれば大変好ましい。この問題については方向性を示したい」と答弁していました。
 国民救援会は翌29日、抗議声明を出しました。声明では、世界の半数近い国で死刑が実質的に廃止されていること、国内でも裁判員裁判が始まり死刑について議論されていること、07年に国連の拷問禁止委員会から死刑執行の停止などが勧告されたことなどを指摘。「死刑執行にむけて議論が必要というならば死刑執行停止を行い、死刑廃止にむけて国民的議論をリードすることが求められていたはず」、「国際人権章典の精神や死刑廃止の国際的な流れから起こっている内外の厳しい批判に逆行する」と抗議しています。
(【声明】:千葉景子法相による死刑執行に抗議する

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