日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

10年5月15日号

10年5月15日号  

東京・葛飾ビラ配布弾圧事件 守る会が解散総会  

 04年、僧侶の荒川庸生さんがマンションのドアポストに日本共産党の「区議団だより」などを配ったことが「住居侵入」にあたるとして、逮捕・起訴され、昨年11月に最高裁で罰金5万円の不当判決を受けた葛飾ビラ配布弾圧事件。4月15日、東京・葛飾区内で、「ビラ配布の自由を守る会」の終結総会がおこなわれました。230人を超える支援者が集まり、国民救援会の葛飾支部を再建し、運動の成果を引き継ごうと決意を固めました。

 「葛飾の守る会総会は必ず会場が満杯になる」
 憲法学者で守る会世話人の小沢隆一さんが述べました。その日も会場は一杯に。05年4月に結成した「ビラ配布の自由を守る会」。5年の活動の熱気と広がりを肌で感じる集会となりました。
 記念講演では、弁護団の田中隆弁護士が葛飾の守る会がたたかった5年間の運動を総括。最高裁に宛てて届けられた5千通を超える手紙の運動に注目し、どれほど多くの人が高裁の不当判決に憤ったか、そしてその運動が改憲をめぐる情勢のもとで憲法を守る運動と結びつき、弾圧反対のたたかいが大きく広がっていることを指摘しました。その上で、「葛飾のたたかいは終わってはいないし、終わらせてはいけない。ビラ配布の自由を守るためにたたかいを世界に広げましょう」と訴えました。
 主任弁護人の後藤寛弁護士より弁護団報告がおこなわれました。裁判は終わっても、弁護団会議をいままで通り開き、個人通報制度の実現に向けてとりくんでいること、最高裁の不当判決を広げないとりくみを始めていること、また、堀越事件の無罪判決と合わせて、ビラが安心して配れるように、わかりやすいパンフレットを作ろうと議論していることなどが報告されました。
 小松香代子守る会事務局長は、全国の救援会の会員から激励の声が届き、情報と交流の場を作っていただいたことは「守る会の宝物」だと述べました。

 会場では、東京都本部の深沢安冶事務局長から、この葛飾のたたかいを引き継ぐために、国民救援会の葛飾支部を再建したいと考え、準備も進んでいることが報告され、「ビラ配布の自由を守るたたかい、何より一緒にたたかって勝利をさせた国公法弾圧堀越事件の最高裁でのたたかいと、宇治橋さんの世田谷国公法弾圧事件のたたかいの勝利に力を合わせたい」と決意を表明しました。
 最後に、シンガーソングライターの橋本のぶよさんと「一枚のビラで」を参加者全員で合唱し、集会は終了しました。

荒川さん「ビラ配布の自由、さらに広げて」  

 この5年間、皆様といっしょにたたかって、本当にありがたく思っています。すべての皆様に感謝申し上げます。
 私がこれから何をするかということについて、3点申し上げます。
 1つは、ビラの配布を再開しました。ビラを配るという行為は当たり前のことで、特殊な行為ではないということを守りたいと思います。
 もう1つは、最高裁の判決の間違いを広く全国に訴えていきたいと思います。
 そして、国連の自由権規約委員会に私の事件を審査してもらいたい。そのために、個人通報制度の批准に努力していきます。

堀越明男さん「葛飾の運動バネに」 宇治橋さん「運動をリードした」  

国公法弾圧堀越事件・堀越明男さん

 '''葛飾の運動は言論弾圧事件の先陣を果たしていただきました。それをバネに、無罪判決を勝ちとりました。私たちもこれから最高裁でのたたかいを構築していきたいという決意です。
'''


世田谷国公法弾圧事件・宇治橋眞一さん

 言論弾圧3事件として、全国的にたたかいが広がったのは、葛飾の皆さんのリードがあったからです。12・4集会など、葛飾の尽力なしには成功しなかったと思います。ご支援お願いします。

三重・名張毒ぶどう酒事件 愛知、東京で緊急集会  

 4月5日、最高裁が名古屋高裁に、再審開始すべきかどうかもう一度審理するよう差戻す決定を出した三重・名張毒ぶどう酒事件。「無実の奥西勝さんの釈放を」と各地で運動が広がっています(写真は東京集会)。

愛知  

 差戻し審がおこなわれる名古屋高裁がある愛知で4月16日、名張事件の緊急支援集会が開かれ、104人が参加しました。
 主催者を代表して、愛知県本部の阪本貞一会長が「名古屋高裁でのたたかいに全力をあげたい」とあいさつ。
 弁護団は、最高裁が再審開始を取り消した決定に対し、毒物問題を科学的知見に基づいて検討したとはいえないとしていることを指摘し、最高裁は差し戻しではなく自ら再審開始決定を出すべきだったと厳しく批判し、奥西さんに残された時間は少ないと訴えました。
 面会人の稲生昌三副会長が「奥西さんは決定を聞いて落ちこんでもいましたが、今は冤罪を晴らしたいと決意を固めています」と報告しました。
 最後に愛知守る会の田中哲夫事務局長から「奥西さんを救出するために、直ちに行動を」と行動提起がおこなわれました。5月21日には名古屋高裁、名古屋高検への要請行動が予定されています。
 なお、差戻し審は、名古屋高裁刑事2部(下山保男裁判長)に決まりました。

東京  

 東京では、4月22日に緊急の報告集会が平和と労働センターで開かれ、44人が参加しました(主催=名張事件東京守る会)。
 弁護団の野嶋弁護士は、弁護団が提出した5点の新証拠のうち、毒物問題だけを採用して他の4点を退けたことについて厳しく批判。差戻し審では、すべての論点で無実を主張していくことを明らかにしました。また、現時点で奥西さんの死刑執行が停止になった状態であり、裁判所の裁量で奥西さんを釈放することは可能だと指摘しました。
 ジャーナリストの江川紹子さんも参加し、「なぜ最高裁自身が再審開始しなかったのか」と批判し、一日も早く奥西さんを救い出そうと訴えました。
 東京守る会の行動提起がおこなわれ、名古屋高裁あての署名に力を尽くすことなどが確認されました。

名張事件、国際的にも注目浴びる  

 名張事件の動向は国際的にも関心を集めています。死刑廃止などを求めている人権団体、アムネスティ・インターナショナルでは、世界でもっとも危機に瀕する人権状況にある人として10のケースを取り上げてキャンペーンをしています。そのうちの一つが名張事件、奥西勝さんです。
 4月5日に名張弁護団の伊藤和子弁護士がスペインの超党派の国会議員の会議に招かれて事件について報告。奥西さんが49年経ったいまも死刑囚のままでいること、長期化して84歳になった死刑囚に、司法が即時の救済をしないでいることなどに、なんて不条理なんだ、と驚きや怒りの声が上がりました。スペイン国営放送の記者は、「文明国である日本でこんな事件があることを知り、驚いた」とコメントしています。
 スペインでは複数の町で、名張事件の署名を集め、大使に届ける運動が展開されています。

愛知・マツヤデンキ過労死訴訟で逆転の勝利判決  

 障害者枠でマツヤデンキに就職した心臓疾患障害者の小池勝則さんが、残業、ノルマに追われ死亡し、遺族が労働災害認定を求めている愛知・マツヤデンキ過労死訴訟で名古屋高裁(高田健一裁判長)は4月16日、過労死を認定する逆転勝利判決を言い渡しました。
 報告集会で弁護団は、判決は障害者として雇った以上、業務が過重かどうかの判断は、その労働者の症状を基準とすべきとしていることに注目。判決で憲法と障害者雇用促進法に違反していることをきちんと認めたことは大きな前進、と評価しました。原告の小池友子さんは「主人の苦しみが認められました」と支援者へ感謝と喜びを語りました。
 国は判決を不服として、不当にも最高裁に上告しました。弁護団は、最高裁で判決を確定させ、過労死労災認定基準の改正につなげたいと決意を表明しました。

東京・沖田国賠訴訟で最高裁に要請行動  

 ふたたび最高裁に上告した沖田国賠訴訟の沖田光男さんと支援者ら11人が4月19日、最高裁への要請をおこないました。
 東京高裁での差戻し審では、痴漢行為が存在しないこと、女性が虚偽の「被害申告」をしたこと以外に結論がないことはいっそう明白になりました。ところが判決は「被害申告」の虚偽について「立証が尽くされていない」として賠償請求を棄却したものです。
 要請では「公正な判断を避けた判決」など高裁判決への批判が相次ぎました。沖田さんは「私も多くの人びとも納得できない。今度こそ、最高裁は信頼にこたえてほしい」とふたたび口頭弁論を開くよう訴えました。

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