日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

10年2月25日号

10年2月25日号  

三重・名張毒ぶどう酒事件の再審開始を目指す集会開く  

 獄中で84歳になった名張毒ぶどう酒事件の無実の死刑囚・奥西勝さんの再審を勝ちとろうと、2月14日、東京・平和と労働センターで「再審開始をめざす学習集会」が開かれ、北海道から九州まで約100人の支援者が参加し、決意を固め合いました。

 名張事件のたたかいは、重要な局面にきています。1月29日に弁護団が10通目となる特別抗告申立補充書を提出。さらに4月と6月に審理をしている第3小法廷の2人の裁判官が定年退官を迎え、いつ決定が出てもおかしくない状況です。
 集会では、検察が10月に提出した答弁書に対して反論した先の補充書の内容について弁護団の伊藤和子弁護士を講師に学習を深めました。
 弁護団は、犯行に使われた毒物(農薬)が「自白」どおりの「ニッカリンT」ならば、当然検出されるはずの成分(トリエチルピロホスフェート)が検出されていないことから、犯行に使われた毒物は別のものであり、奥西さんの「自白」が警察官の誘導によって作られた虚偽のものであると主張。検察官は、新たに、発色しにくい成分だから検出されなかったなどと反論しました。これに対し弁護団は補充書で、根拠となった学者の回答書の矛盾を指摘。非科学的な検察のこじつけを論破したと報告されました。最後に伊藤弁護士は、「勝つためには世論を動かすことが必要で、みなさんの力にかかっている」と参加者を激励しました。
 また、足利事件の菅家利和さん、布川事件の杉山卓男さんが、警察の取調べの経験を話し、巧みな手口でウソの「自白」が作り上げられる実態が明らかになりました。
 全国で運動をすすめている支援者からも積極的な発言がありました。事件現場の名張市に隣接する奈良では、奥西さんは犯人ではないという認識が広がっているという報告がありました。愛知では、毎回の誕生日宣伝をはじめとするとりくみが市民の中で大きな話題を呼んでいると報告があり、行動するほどに参加者が増えていく状況を作っていることが伝えられました。東京では、毎月都内の駅頭で宣伝をしています。ティッシュに入れてある署名ハガキが記名されて送り返されてくるなど、着実に支持が広がっていると報告されました。
〈要請先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁第3小法廷・堀籠幸男裁判長

 名古屋拘置所にいる奥西勝さんから、面会人を通じて集会参加者にメッセージが届きました。

 支援者の皆さん方々には長い間温かいご支援頂いて本当にありがたいです。私には大きな支えとさせて頂いています。
 40年余の長い間の苦しみと残念さは口でいいあらわす事が今もできない。今度の最高裁でこそ、えん罪を晴らしてもらいたい。年齢的にも後がなくなったし、一日も早くえん罪を晴らしてもらいたい。
 この春、山場です。私にとりまして後にも先にもない山場であります。力を貸して下さい。無実の罪を晴らして下さい。皆さんの支援を支えとして元気を出して頑張ります。

栃木・足利事件で検察官が無罪を求刑  

 1990年、栃木県足利市で起きた女児誘拐殺人事件で、菅家利和さんが犯人とされ無実が明らかになった足利事件の第6回再審公判が2月12日、宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)で開かれました。検察官、弁護団双方が菅家さんに無罪判決を出すよう裁判所に求めました。

 「本件については、法廷で取り調べた関係証拠により、無罪の言い渡しがされるべきことは明らかです」――検察官は裁判所に対し、菅家さんに無罪判決を出すよう求めたうえで、「長期間にわたり服役を余儀なくさせて、取り返しのつかない事態を招いたことに検察官として誠に申し訳なく思っています」と謝罪をし、「二度とこのようなことが起こらないよう今後努めていきます」と述べました。
 しかし、菅家さんを犯人にした警察庁科学捜査研究所のDNA型鑑定の誤りやウソの「自白」をさせた取調べなど、みずから作り出した冤罪の原因にはいっさいふれず、1分で論告を終えました。
 菅家さんは公判後の会見で、「無実は当たり前のこと。(拘置された)17年半を思えば、1分少々じゃ物足りない。謝罪はあったが腹の底から謝ったとは思えない」と述べました。
 つづいて弁護団が最終弁論をおこない、有罪の柱になったDNA型鑑定も「自白」も誤っていたことを指摘、不備な証拠によって有罪判決を出した裁判所に謝罪を求め、言い渡す判決の中で冤罪を生んだ原因を究明するよう求めました。

 最後に菅家さんが証言台に立ち、「裁判所にお願いしたいことがあります」と陳述を始めました。「なぜ何もやっていないのに私が犯人にさせられ、17年半も自由を奪われたのか。その原因をきちんと説明してほしい。(再審裁判で証言をした)森川検事と福島科警研所長は、私に謝りませんでした。納得できません。裁判所にはどうしても私に謝ってほしいと思います」「自由を奪われた17年半は、本当につらくて苦しい毎日でした。冤罪で苦しむ人が今後二度と出てほしくはありません。私の17年半を無駄にしないような判決をお願いします」と締めくくりました。
 裁判はこの日で結審し、3月26日に無罪判決が言い渡されます。

沖縄・名護市長選で民間パトロール  

 沖縄・辺野古へのアメリカの基地建設を許すのかどうかを最大の争点としてたたかわれた名護市長選挙は、1月24日に投票がおこなわれ、新市長に誘致反対を掲げた稲嶺ススム氏が当選しました。
 この選挙では、基地容認派の陣営が企業・団体ぐるみの組織的な期日前投票動員をおこなっていることが判明。各企業が従業員に期日前投票を業務命令し、作業服姿の人々が企業の車で投票会場に次々と乗り付ける状況が見られました。
 国民救援会沖縄県本部と中央本部は1月19日と20日、事前投票の会場や繁華街、企業前などで宣伝をおこない、「企業ぐるみ選挙は公職選挙法に違反する犯罪行為であり、従業員の思想・信条の自由を踏みにじるものです」などと宣伝。その後も民間パトロールカーで投票日まで名護市内を宣伝して回りました(写真)。
 この活動は地元から感謝され、また県本部の連絡先であるコザ法律事務所には「うちの会社でも期日前投票が強要されている」などの連絡も寄せられるなど、成果を残しました。

東京・世田谷国公法弾圧事件で弁護団が高裁に申入れ  

 世田谷国公法弾圧事件の弁護団が2月10日、東京高裁(出田孝一裁判長)に、学者証人の意見書を提出し、あわせて証人採用をするよう申し入れました。
 1月の初公判で、事前の協議では証拠調べをする前提で裁判日程を入れていたにもかかわらず、裁判長が証人調べなどの請求をすべて却下したため、弁護団が裁判官の忌避(公正な裁判を期待できないとして審理から排除すること)を申し立てていました。
 申立ては、2月4日に最高裁で棄却されましたが、弁護団は、2月17日の公判で証人尋問する構えで、法廷で再度証人申請をおこないます。

福岡・爪ケア事件で在宅ケアセンターの医師が証言  

 患者の足の爪のケアをした看護師の上田里美さんが傷害罪に問われた福岡・爪ケア事件の公判が1月20日、福岡高裁で開かれ、医師で在宅ケアセンターの所長が証言しました。医師は、「上田さんの処置は標準的な爪切りで、微少な出血があっても医学的に問題ない」と証言しました。

兵庫・西宮郵便バイク事件で最高裁が不当決定  

 昨年11月に最高裁で再審請求を棄却された西宮郵便バイク事件で、本件を理由とした運転免許の取消し撤回を求める行政訴訟で、2月5日、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)が上告不受理の不当決定をしました。

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