日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

10年2月15日号

10年2月15日号  

三重・名張毒ぶどう酒事件で弁護団が意見書を提出  

 無実の死刑囚・奥西勝さんが無実を訴え、最高裁で裁判のやり直し(再審)を求めている三重・名張毒ぶどう酒事件。弁護団は1月29日、最高検察庁の答弁書に対する反論意見書を最高裁に提出し、事実上両者の主張が出そろいました。これにより最高裁の審理は緊迫した重要な局面を迎えました。最高裁へ「再審開け」の声を全国から集中させましょう。

 今回の意見書は、最高検が昨年10月に提出した答弁書に対する反論です。
 検察の答弁書は、ぶどう酒に入っていた毒物(農薬)についておこなった弁護団鑑定への反論に力点が置かれており、意見書もこれに対する反論が中心となっています。この毒物鑑定は、有罪判決で認定された毒物であれば検出されるべき成分が、現場のぶどう酒からは検出されなかったとするもので、毒物が違うことを証明しています。05年の再審開始決定で「確定審の判決に合理的な疑いを持たせる証拠」だと認められ、奥西さんの自白が強要されたウソの「自白」であることを示す決定的な証拠となりました。
 検察はあくまで「自白」に依拠し、毒物は奥西さんが持っていた農薬だと主張し、根拠として学者からの回答を添えています。また、弁護団の鑑定が不正確だという従来の主張に加えて、農薬の成分は検出されにくいものだという、これまでにない新たな主張をしてきました。
 この検察の主張に対し弁護団は、鑑定をおこなった2人の学者からの回答をもらい、弁護団の実験結果と矛盾するだけでなく、過去の数多くの実験・論文とも矛盾すると指摘。その上、検察は何の実験結果も示しておらず、理論として破綻していると厳しく批判しました。

 弁護団は、奥西さんがすでに84歳の高齢であること、検察がこれまで全く主張していなかったことを突然主張していることを指摘し、「これ以上審理が引き延ばされることがあってはならない」と訴え、意見書の最後では「彼は何のため生まれ、何のため生きてきたのか。請求人(奥西勝さん)に残された唯一の生きる望みは冤罪を晴らすことである。われわれ弁護人は、彼が冤罪を晴らすことなく獄中で死を迎えるようなことは断じて容認できない」と強調し、最高裁が再審を開始するよう強く求めています。
 足利事件布川事件につづき、なんとしてもこの名張毒ぶどう酒事件で再審開始を勝ちとり、84歳になった奥西さんを生きて取り戻すために、全国からの支援をお願いします。
〈要請先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁第3小法廷・堀籠幸男裁判長

名張事件第28回全国現地調査

日 時 3月27日(土)午後1時30分〜28日(日)正午
会 場 名張市勤労者福祉会館
参加費 通し参加1万4000円(学習会1500円、夕食交流会3000円、現地調査2500円)
申込み 名張事件全国ネットワーク FAX 059(223)0957

東京・国公法弾圧2事件 公正な裁判を求めて要請  

 東京高裁でたたかう国公法弾圧堀越事件世田谷国公法弾圧事件の当事者2人と守る会、国民救援会は2月4日、東京高裁への要請行動を2事件合同でおこないました。
 3月29日に判決を迎える堀越事件は、弁護団が申請した証人をほぼ採用させ、盗撮ビデオを開示させるなど、控訴審の審理で大きな成果をあげています。
 世田谷事件は、裁判所が事前の進行協議を無視し、控訴審の初公判で証人申請をすべて却下する異常な裁判の進め方をしています。弁護団は2月17日予定の公判で証人採用を求める方針で、引き続き徹底審理を求めて緊迫した状況が続きます。
 要請では、実害のないビラ配りを合理的な理由もなく処罰することは近代刑法の理念に反する、猿払判決に縛られず常識に照らして判断をしろ、と要請しました。
 公正裁判を求め、裁判所へ署名やハガキを集中しましょう。
〈堀越事件要請先〉
〒100―8933 千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・中山隆夫裁判長
〈世田谷事件要請先〉
同高裁・出田孝一裁判長

国民救援会が新たに支援決定した冤罪事件 枚方冤罪事件  

 08年、大阪・枚方市で、叔父の介護をしていた倉美由紀さん(当時45歳)が、介護疲れで叔父の殺害を図ったとして、殺人未遂罪に問われている事件です。

 倉さんは、一人暮らしで病気の叔父(当時75歳)を見かね、自宅に引き取り10年に渡り介護していました。ところが、08年3月頃から家族内の不和問題に悩み、介護を怠るようになりました。
 4月8日、目の焦点が合わず、反応も弱い叔父を部屋で発見し、倉さんは119番通報しました。
 病院への搬送時、全身に褥瘡(重度の床ずれ)があることに不信を抱いた医師が、全身状態を写真撮影し、警察へ通報。首もとのキズから、倉さんが首を絞めたとして殺人未遂の疑いで逮捕・起訴されました。

 倉さんは、一貫して無実を主張しましたが、一審の大阪地裁は、叔父を疎ましく思った倉さんが、衝動的にその場にあったベルトで首を絞めて殺害を図ったと断定。首の前後に残る2本の線状のキズが首を絞めた痕跡だとして、懲役3年・執行猶予5年の判決を言い渡しました。
 しかし、弁護団の鑑定によれば、一審判決には重大な問題があります。
 判決が認定したようにキズが残るほど強くベルトで首を絞めたならば、顔面に生じるはずのうっ血や、まぶたの裏の毛細血管が破れてできるはずの溢血点がありません。
 また、首の前と後ろのキズは全く違うものであり、同時期にベルトで首を絞めてできたものではなく、褥瘡だと考えられます。病院搬送直後に撮影された写真には、すでに「かさぶた」のようなものが生じていました。
 さらに、病床にある叔父自身も、首を絞められたことは無いと話しており、その証言テープが控訴審で証拠採用されています。

 控訴審は2月17日に最終弁論がおこなわれ結審し、3月19日に判決が出されます。
〈要請先〉〒530―8521 大阪市北区西天満2―1―10 大阪高裁・湯川哲嗣裁判長

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional