日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

09年8月5日号

09年8月5日号  

東京・葛飾ビラ配布弾圧事件 学者・文化人227人の声と署名を提出  

 最高裁で逆転無罪をめざしてたたかっている葛飾ビラ配布弾圧事件を支援する「ビラ配布の自由を守る会」は、6月に提出した4千通の「裁判長への手紙」につづき、7月22日、学者・文化人による「公正裁判と表現活動の自由を求めるアピール」と、法学者による「無罪判決を求める法学者声明」への賛同署名227人分を最高裁第2小法廷に提出しました。多くの署名にコメントが添付され、ビラ配りを犯罪とすることへの危機感や言論・表現の自由を求める声があがっています。

 守る会事務局長の小松香代子さんによると、賛同のお願いをした先から、「この方たちにもぜひ賛同の呼びかけを」と紹介が相次ぎ、これまでに約80人の紹介があり、呼びかけをするたびに新たな支援の輪が広がっているそうです。
 賛同署名は現在も集約を行っており、8月も最高裁に提出を予定しています。

総選挙はじまる――「自由な選挙」めざし、奮闘を  

 衆議院が7月21日に解散し、8月18日公示、8月30日投票で総選挙が行われます。今回の総選挙は、自公政権による悪政への厳しい審判を下す大切な選挙です。
 国民救援会は、主権者である国民がのびのびと選挙・政治活動に参加し、国民の意思が選挙結果に十分反映するよう、言論活動の自由を守るためにとりくみをすすめます。
 7月24日には、国民救援会、全労連、自由法曹団で構成する「選挙運動の権利を守る共同センター」が、干渉・妨害を許さず、「自由な選挙」の実現をめざし、中央選挙管理会、警察庁、外務省に対し要請を行いました(関連記事2面)。
 各都道府県本部・支部は、「のびのび選挙」学習会の開催や民間パトロール活動に旺盛にとりくみましょう。

「選挙運動の権利を守る共同センター」、各省庁に要請  

 総選挙の日程が決まったことを受けて、「選挙運動の権利を守る共同センター」(全労連、自由法曹団、国民救援会で構成)は、公正で自由な選挙の実現を求め、7月24日、中央選挙管理会、警察庁、外務省に対し要請を行いました。要請には、全労連・今井文夫常任幹事、自由法曹団・三澤麻衣子事務局次長、国民救援会・望月憲郎副会長が参加しました。
 要請では、選挙にあたっては、憲法や国際人権規約で保障されている言論・表現の自由が最大限尊重されることが必要であること、しかし公職選挙法によるさまざまな言論活動への規制にくわえて、警察によるビラ配布活動などへの不当な弾圧・干渉が行われている実態を指摘し、公正な選挙の実現のために適切に対処・指導するよう求めました。
 とくに、外務省に対しては、昨年10月、国際自由権規約委員会から日本政府に対し、厳しい総括所見(別項)が出されたことを受け、今回初めて要請しました。要請では、総括所見で、「警察や検察、裁判所による言論活動への過度な制約」をしないよう勧告をしていることを真摯に受け止め、責任をもって対処するよう求めました。また、国家公務員への弾圧事件など自由権に関わる問題について、外務省が改善のためにイニシアチブを発揮するよう求めました。
 対応した外務事務官は、「前回勧告された点が履行されていないとの国連からの指摘については受け止めている。勧告の内容は、警察庁、最高裁など関係する機関には伝えている」と述べたうえで、「今日の要請の内容については省内をはじめ、総務省、警察庁にも伝える」と回答しました。
最高裁裁判官国民審査適正な措置を
 共同センターは、公正な選挙を求める要請とあわせ、中央選管に対し、最高裁裁判官の国民審査が適正に行われるように要請しました。
 要請では、国民審査の意義を広く知らせることや投票方法がわかるように投票所に掲示するなど、投票の適正を確保するための措置を求めました。また、今回の国民審査が裁判員制度施行後初めての審査であることから、国民に対して審査に必要な情報を十分提供するよういっそうの改善を求めました。

衆議院解散に伴い、共謀罪が廃案に  

 衆議院の解散に伴い、共謀罪新設法案の廃案を勝ちとりました。大きな成果です。同法案は、2003年に国会に提出され、国民の強い反対運動でこれまでに2度廃案となり、今回で3度目の廃案となります。
 共謀罪は、「犯罪」について話し合い、合意しただけで処罰されるもので、心の中まで権力が監視し、「内心の自由」を侵す憲法違反の内容です。また、共謀罪の対象となる組織には限定がなく、労働組合や民主団体、さらにはサークルまでが監視対象とされかねません。「話し合い」を捜査するために、電話・室内盗聴や「スパイ」捜査など違法な捜査が合法化されることになります。
 国民救援会はこれまで、市民団体と共同して、署名運動や国会要請などにとりくんできました。05年に3度目の提案が行われ、衆議院で審議されてきましたが、07年からは国民の反対によって審議が行われてきませんでした。今回の廃案によって、共謀罪新設法案を再び国会に提出させずに葬り去る展望が開けてきました。ひきつづき監視、運動をすすめていきます。

 一方、取調べの全過程の録音・録画を義務付ける「可視化」法案も廃案となりました。同法案は、参議院で可決されましたが、衆議院では自民・公明与党の抵抗によって審議されませんでした。国民救援会は、ひきつづき全面可視化の実現を求めていきます。

福井女子中学生殺人事件で「7・16北陸3県合同支援集会」  

 福井女子中学生殺人事件の再審請求書を提出してから5年目を迎える7月16日、国民救援会の福井、石川、富山3県本部の主催による「7・16北陸3県合同支援集会」が金沢市内で開催され、約90人が参加しました。
 集会では、最初に主催者を代表して福井県本部の金子光伸会長が、参加者に謝意を表し、「無実の新たな証拠が出てきました。全力を挙げ再審・無罪を勝ちとりましょう」とあいさつしました。
 次に、再審請求人の前川彰司さんが「私は事件に何の関係もありません。無実の私が濡れ衣を着せられては正義に反し、生涯我慢できません。裁判のやり直しで無罪になるまで頑張ります。支援して下さい」と訴えました。続いて父親の禮三さんが「息子の無実を晴らすまで死にきれません。最後まで支援して下さい」とあいさつし、参加者全員から大きな拍手を受けました。
 弁護団の島田広弁護士が事件の概要を報告。特に、5月に新証拠として提出した、犯行態様や凶器についての内藤道興鑑定書と押田茂実鑑定書を詳しく報告し、有罪判決の矛盾と判断の誤りを科学的、医学的に分析・批判しました。また、裁判所、検察官と協議を進めているが、さらに、検察が持っているすべての供述調書を提出させ、警察・検察のデッチあげを明らかにし、再審開始・無罪を勝ちとるために奮闘していると述べました。
 続いて中央本部の瑞慶覧淳事務局長が「最近の冤罪事件の特徴と今後の展望」と題して記念講演を行い、最後に、富山・堀内砺波支部長、石川・藤牧県本部会長、福井・木原福井支部長などが決意を表明しました。
 なお、集会に先立ち、金沢駅前と繁華街でビラを配布し、支援を訴えました。また、再審請求審を審理している名古屋高裁金沢支部に対し、10回目となる要請行動を行い、署名1183人分と3団体分を提出しました。

兵庫・姫路「強制わいせつ」事件で最高裁が不当決定  

 兵庫・姫路「強制わいせつ」事件について、最高裁第1小法廷(櫻井龍子裁判長)は7月10日付で、無実を訴えている男性Oさんの上告を不当にも棄却しました。
 事件は、Oさんが職場の部下であるA子の自宅で、2度にわたり、からだをさわるなどのわいせつ行為を行ったとされたもので、Oさんは一貫して無実を主張しています。
 A子の証言にもとづく2度の「犯行」は、いずれも携帯電話のメールの発受信時刻やそのやりとりの内容、Oさんの職場の出退社時のタイムカードの記録でアリバイが成立し、できません。しかし裁判所は、A子の証言にもとづくと2度目の「犯行」時間では、出勤時間のタイムカードの記録からアリバイが成立するため、犯行時刻を30分前倒しするなど勝手に時間を変更し、懲役2年の不当判決を言い渡しました。
 二審では、一審の「30分前倒し」の事実認定を崩す証拠となる「電話の通話時刻」の調査(照会)を弁護側が求めたところ、大阪高裁はこれを却下しました。さらに、A子が「30分間」とした「犯行時間」のアリバイを成立させないために「10分間」に短縮して有罪としました。「10分間」という事実はA子も検察官も主張しておらず、判決言い渡しの時にはじめて聞かされる「不意打ち判決」と言うべきものでした。
〈抗議先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁判所第1小法廷・櫻井龍子裁判長
〈激励先〉〒650―0022 神戸市中央区元町通6―6―12 山本ビル3F 国民救援会兵庫県本部/FAX078(371)7376

栃木・東武スポーツ争議が最高裁でも勝利  

 栃木県の「宮の森カントリー倶楽部」で働くキャデイら25人が、有期契約社員にされたのは不当だとして、同倶楽部を経営する東武スポーツ(東武鉄道の子会社)を相手に正社員への復帰を求めた裁判で、最高裁第1小法廷(櫻井龍子裁判長)は7月2日付で、会社側の訴えを退け、上告を棄却しました。
 02年、キャディと保育士の女性社員だけが有期契約社員に契約を変更。これに対し、キャディらが労働組合を結成し、一方的な雇用、労働条件の変更は無効だとして裁判所に訴えました。会社は、ボーナスの支給止めや遠隔地への配置転換などのいやがらせを行い、「自宅待機」、賃金カットなどの攻撃も行ってきました。
 裁判では、一、二審とも、労働条件の不利益変更は無効だとして訴えが認められました。今回の最高裁決定で、正社員としての地位確認と総額約1億3千万円の差額賃金の支払いを同社に命じた二審・東京高裁の判決が確定しました。
 また、親会社である東武鉄道との間で、争議について和解することで大筋合意しました。

国公法弾圧堀越事件、「盗撮ビデオ開示を」の声を届けよう  

 国公法弾圧堀越事件では、公安警察が堀越明男さんを長期間にわたり盗撮していたことが一審で明らかになりました。盗撮したビデオ33本のうち9本は公判で開示され、公安警察官の違法な捜査の実態が明らかになりました。しかし裁判所は、捜査は「適法」と判決しました(但し、堀越さんが日本共産党千代田地区委員会の出入りを撮影した点のみ違法と判断)。
 堀越さんと弁護団は控訴審で、残り24本の開示を求めましたが、検察官は、開示ビデオがテレビや救援新聞などで報道されたことが「証拠の目的外使用」に当たるとして開示を拒否しました。しかし、「目的外使用」の禁止は、「プライバシーの侵害や証人威迫、内部告発者に対する報復」等の防止のためのもので、公安警察の違法捜査を明らかにすることは「目的外使用」にはあたりません。
 違法捜査を明らかにするために、ビデオの開示はどうしても必要です。裁判も年内結審の予定で、開示の実現はこの夏が山場です。「盗撮ビデオの全面開示を」との声をハガキなどで裁判所に届けましょう。
〈要請先〉〒100―8933 千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・中山隆夫裁判長

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