日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

09年6月15日号

09年6月15日号  

栃木・足利事件の菅家さん釈放  

 無実を求め再審をたたかっている栃木・足利事件の菅家利和さんが6月4日、釈放を勝ちとりました。一報を聞いて駆けつけた支援者らが千葉刑務所から出てきた菅家さんを迎えました。菅家さんは記者会見で「本当にうれしく思います。私は無罪で犯人ではありません」と語りました。菅家さんは、逮捕されて以来17年半ぶりに社会に戻ってきました。
 事件は、1990年5月、栃木県足利市で女児が殺され、菅家さんが殺人罪などで逮捕・起訴され、無実を訴えましたが、2000年、菅家さんのDNAの型と現場に残された体液のDNAの型が一致するとの鑑定を最大の根拠として、最高裁で無期懲役が確定しました。
 再審請求を審理している東京高裁が、再鑑定を実施し、今年4月、依頼を受けた2人の鑑定医から、DNAの型は一致しないとの鑑定結果が出されました。
 この結果を受け、弁護団は「菅家さんの無実が明らかになった」として、東京高検に対し、刑の執行を停止し、ただちに釈放するよう申し立てていました。
 国民救援会は、一日も早い再審開始・無罪を勝ちとり、菅家さんの冤罪を晴らすためにとりくみを強めます。
〈激励先〉〒326―0842 栃木県足利市今福町185 本沢方 菅家さんを守る会

熊本でポスター貼り弾圧  

 5月28日午後5時20分ころ、熊本市内で、公園のフェンスに日本共産党のポスターを貼っていたとして、女性2人を警ら中の熊本北警察署の署員が軽犯罪法違反を口実に不当逮捕・連行しました。2人は翌日までに釈放を勝ちとりました。
 事件の翌日、国民救援会熊本県本部は、関係団体、支援者ら約30人で警察署に赴き、「不当な捜査はやめろ」とシュプレヒコールを上げ、抗議しました。6月2日も約20人で要請を行い、平山隆美副署長に対し、ただちに捜査を中止するよう申し入れました。
 県本部は、通りがかる市民に対し、「ポスター貼りは、市民の大事な言論活動であり、バザーなど一般的に広く活用されているもの」「本来なら現場で注意をすれば済むことで、それを逮捕・連行するのは不当だ」と訴えました。
 そもそも軽犯罪法は、戦前、反戦・主権在民を唱えた人びとを弾圧するために濫用された警察犯処罰令の流れを汲むものです。そのため、その4条には、「適用にあたっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、…これを濫用することがあってはならない」と書かれています。しかし、これまでもポスター貼りやビラ配りなどの言論活動に対する弾圧に利用されてきました。
 6月2日には、市内で激励・抗議集会が開かれ、50人を超える支援者が駆けつけました。集会では、2人の女性があいさつにたち、「警察は善良な市民を犯罪者にするところだと思いました」「みなさんと一緒にがんばりたい」と語りました。最後に、2人の守る会をつくることを確認しました。

 また5月6日、宇城市内の街路樹の掲示板の日本共産党のポスターを貼り替えていたとして、宇城警察署の署員が男性を屋外広告物条例違反を口実に同署へ不当連行する事件も起きました。
 屋外広告物法の第29条で「…条例の適用に当たっては、国民の政治活動の自由その他国民の基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない」としており、今回の連行はこれに反する不当なものです。
 国民救援会では現在、「不起訴を求める」「送検するな」の署名をお願いしています。
 この弾圧を早期に跳ね返すとともに、総選挙を控え、のびのびと選挙・政治活動、言論活動ができるように、学習会の開催や民間パトロール活動をすすめることが必要です。

〈2つの事件の激励先〉〒862―0954 熊本市神水1―30―7 コモン神水 国民救援会熊本県本部

〈抗議先〉 〒860―0843 熊本市草葉町5―13 熊本北警察署/〒869―0532 宇城市松橋町久具359―2 宇城警察署

5・20全国いっせい宣伝行動  

 冤罪の悲劇を市民に知らせ、犠牲になった人を救おうと、5月20日を中心に、全国いっせい宣伝行動が各地でとりくまれました。27都道府県50カ所で宣伝行動が行われ、約400人が参加、ビラ1万4千枚配布、署名約1千筆を集めました(6月2日中央本部集約分)。各地のとりくみのようすをお伝えします。

 宣伝行動は、国民が裁判員として刑事裁判に参加する裁判員制度の施行とも重なり、多くの都道府県で「ビラの受け取りが良かった」という反応が出ています。
 北海道では、はじめは受け取ろうとしなかった通行人が、マイクで「明日から裁判員制度が始まります」と訴えたところ、手に取ってくれるようになりました。
 福島では、ビラを受け取った人と裁判員制度の問題点や冤罪事件について対話したところ、共感していっしょにビラ配布を手伝ってくれるという一幕もありました。
 徳島では、ハンドマイクの訴えを聞き、「裁判員制度って何?」「参加しなくてもいいんでしょ」といった質問をしてくる人が数人。県本部の松浦さんは、「(全労連・自由法曹団・国民救援会作成の)裁判員のビラも一緒に配れば効果的だった」と振り返りました。

 宣伝行動では、ビラを配るだけでなく、積極的に市民と対話することで、理解と共感を深めています。
 愛知では、ビラを受け取った人が「名張事件の奥西さんはどうなった?」と声をかけてきたり、「署名はまだ間に合うの?」と、署名用紙5枚を持ち帰る人もいました。
 広島では、通行人に「裁判員制度に反対の宣伝ですか」と聞かれ、「いいえ、より良くしようと運動しています」と答えると、「それはいい」と署名に応じてくれました。
 青年たちの関心も高く、茨城では、2人の男子高校生から「頑張ってください」と激励を受け、滋賀では高校生の集団が署名に応じ、50筆の協力がありました。

 大人数での宣伝は、支部の活動を活発にします。
 愛知の津島支部では、ビラ配りをした人が、「久しぶりに声を出してすっきりした」と感想を語りました。
 滋賀の長浜支部では、日野町事件を中心にしたビラを独自に作成。今回の行動をきっかけに、やはり宣伝行動の継続は重要だと話し合い、日野町事件の署名5万筆目標達成に向けて支部でとりくみを強めようと話しあいました。
 岩手では、ビラを受け取った人が真剣に話を聞いてくれました。一関支部の佐藤さんは、「私の方が励まされた。来年はもっと参加者を増やそう」と決意しています。
 京都では、「がんばって〜」と手をふる高校生のグループからも元気をもらいました。
 熊本では、宣伝行動に県労連・地区労連・新婦人から代表が1人ずつ参加。他団体との共同のとりくみを通じて運動を大きく広げています。

 この宣伝行動は、マスコミにも注目されました。
 青森では、市民団体が裁判員制度に対して意見を宣伝しているとNHKが報道。福島、高知、宮崎でも新聞やニュースで「市民団体猾雄瓩覆せ瓩罰稿活動」などと報じられました。
 宮城では、事前にマスコミに案内を出し、宣伝当日は大きな横断幕を広げて目立つように宣伝したところ、読売新聞が一時間にわたって取材し、事務局長やビラを受け取った通行人にインタビューしていました。

東京・世田谷国公法弾圧事件で控訴趣意書を提出  

 厚生労働省職員(当時)の宇治橋眞一さんが休日に日本共産党のビラを集合住宅に配布したことで、国家公務員法違反に問われ、一審で罰金10万円の不当判決を受けた世田谷国公法弾圧事件で、弁護団は5月29日、東京高裁に控訴趣意書を提出しました。同日、宇治橋さんと守る会、国民救援会の代表20人による宣伝行動と裁判所要請も行われ、逆転無罪をめざす控訴審のたたかいがスタートを切りました。
 控訴趣意書は約300ページにも及びます。一審判決が、35年前の最高裁猿払判決(公務員の政治活動を禁じた国公法は憲法に違反しない)をなぞったものであり、具体的な事実に基づかず、抽象的な「弊害」を強調して有罪とした点を批判。また、国公法・人事院規則は「国際人権規約に違反しない」とした一審判決が誤りであることが、国連自由権規約委員会の「総括所見」によって明らかになったなど、宇治橋さんの無罪を主張しています。
 要請で宇治橋さんは、「一審の裁判官は、弁護団の主張にまともに答えていない。『下級審だから(最高裁の判例に従う)』などと言って何も考えていない。高裁ではまともな審理がされると期待している」と述べました。
 この日、無罪判決を求める要請署名(9782筆、946団体)を裁判所に提出しました。

東京・痴漢冤罪西武池袋小林事件で最高裁要請  

 2005年、電車内で痴漢に間違われた小林さんが無実を訴えている痴漢冤罪西武池袋線小林事件は、一、二審の理不尽な有罪判決(懲役1年10月)に対して、昨年1月に最高裁に上告。上告趣意書を提出して1年が経ちます。
 5月20日には、7回目の最高裁への独自要請行動を行い署名1631筆、上申書160通(総計1万2295筆、859通)を提出しました。行動には、小林さんの近所の人、元同僚など友人・知人など13人が参加。難病を患い治療中の小林さんの奥さんも車いすで参加し、「一日も早く無罪にして頂きたい」と訴えました。
 昨年5月、上告趣意書の準備中に小林さんご本人が脳梗塞で倒れ、奥さんも長年の裁判での疲労とストレスがたまり、9月に病に倒れ、現在も自宅で治療をつづけています。
 支援する会は4月初め、小林さんの自宅近所の公園で、ささやかな「お花見」を行い、短時間でしたが小林さんご夫妻と娘さんも参加され交流しました。
 弁護団は、4月に最高裁が痴漢冤罪事件で逆転無罪判決を出したことをうけ、上告趣意補充書の第2弾を6月初めには提出する予定です。無罪判決へ全国のご支援をお願いします。

長野・冤罪ひき逃げ事件 塚田さんに激励面会  

 長野・冤罪ひき逃げ事件で懲役2年が確定し、昨年12月に収監された塚田学さんが服役している長野刑務所に対し5月22日、国民救援会中央本部、長野県本部、塚田さんを守る会、そして塚田さんの父親の6人で、激励面会・要請行動を行いました。
 要請では、支援者が塚田さんに送った手紙が受け取り拒否で戻されたことに対し、本人に届けるように強く要請しました。刑務所は、検討を約束しました。
 その後、塚田さんと面会し、激励しました。学さんは「元気でやっています」と笑顔で面会室に現れました。いまは独房に入り、仕事は洋裁でアイロンかけや袋詰め。土日と、金曜日が月2回休みだそうです。夜や休日の自由時間は歴史小説を読んだり、英語の勉強もしていると話してくれました。食事はちょっと物足りないが「慣れました」とのこと、「みなさんによろしく」と語っていました。
 家族や守る会では、月2回の面会を行っています。全国のみなさんからの手紙などでの激励をお願いします。
〈激励先〉〒382―8633 長野県須坂市馬場町1200 塚田学さん

静岡・えん罪御殿場少年事件 無実の元少年らが収監  

 女子高校生のウソで、10人の少年らが強姦未遂の犯人とされた静岡・えん罪御殿場少年事件で、刑事裁判にかけられていた4人の有罪判決(懲役1年6月)が4月、最高裁で確定しました。
 これに伴い出頭命令が出されていた元少年4人は5月26日、静岡地方検察庁に出頭しました。この日、収監される元少年たちと家族を激励するために、60人を超える支援者が駆けつけました。守る会の諏訪部修事務局長が、「少年たちは無実だ。事実と証拠を無視した判決は許せない」とあいさつし、佐野邦司国民救援会県本部事務局長が「健康に気をつけて服役に立ち向かってほしい」と激励しました。
 元少年たちの家族は「息子はなにもやっていないのに、刑務所に送られる。悔しい」「みなさんのご支援に感謝します。今後も見守ってください」と涙ながらにあいさつしました。4人は「あんなでたらめな裁判で有罪になって、家族やみなさんと引き離されるのは悔しい」「自分たちは無実です。服役にめげずに頑張ってきます」とあいさつしました。
 参加者は、地検に入っていく元少年たちに、「少年たちは無実だ! 頑張れ!」とシュプレヒコールをおくり激励しました。元少年たちのうち2人はすでに結婚し幼子もいて、家族や兄弟、友人たちも涙を流しながら見送りました。
 守る会と国民救援会では、少年たちが送られた静岡拘置所に対し、4人を地元近くの同じ刑務所に服役させること、冤罪であり支援者も多いことから手紙や面会について最大限の配慮をすることを要請しました。
〈激励先〉〒412―0004 御殿場市北久原566―6 勝又様方 無実の少年たちを守る会(元少年たちが収監される刑務所が決まりましたらお知らせします)

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