日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

09年5月15日号

09年5月15日号  

東京・葛飾ビラ配布弾圧事件を追う  

 ビラを配る権利、受け取る権利を守り広げようとたたかっている東京・葛飾ビラ配布弾圧事件。一審無罪、しかし東京高裁で逆転有罪判決(罰金10万円)を出され、最高裁に上告してから1年5カ月がたちました。逆転勝利をめざして奮闘する荒川庸生さんとビラ配布の自由を守る会の姿を追いました。

 たたかいの舞台が最高裁に移ってから、荒川さんが力を入れている活動のひとつが「全国行脚」です。各地を回って支援を訴え、守る会の行動とあわせて24都道府県200団体以上をめぐり、ビラの大切さを説いて歩きました。
 4月13〜14日は荒川さんが長野県を訪問。学習会には長野市で70人、上田市で30人が集まりました。事前に署名にとりくんでいた団体から「まだ一部ですが」と、分厚い署名の束のおみやげが。オルグを受け入れた上小支部では、「月に1度は学習会を開いて弾圧事件も学ばなくては」と、支部活動への変化も生まれています。
 5月20日には山口県に飛ぶ荒川さん。守る会は、「呼ばれれば、全国どこへでも」と、オルグの受け入れを呼びかけています。

 最高裁に出した署名は、すでに一、二審の数を上回っています。個人署名6万4000筆、団体署名2500団体を超え、裁判官宛の手紙はすべての都道府県から4021通が届けられました。
 毎月行っている要請行動も16回を数えます。4月23日の要請では、遠く中国・四国・九州からも国民救援会の代表が参加しました。町議を7期つとめた佐賀の田崎さんは、「ビラは私の人生であり命。それをやめろというのは生きることをやめろということだ」と訴えました。言論の自由の大切さを知ってほしいと、遠距離をいとわず毎回多くの人が駆けつけ、それぞれの言葉で要請します。
 「救援会なしに、全国に支援を広げることはできなかった」と話す守る会事務局長の小松香代子さん。「救援会の会員が一人いると、そこから支援の輪が広がっていくんです」
 小松さんは、事件のことが掲載された新聞や雑誌も漏らさず最高裁に届けています。もちろん救援新聞も。
 「この事件のことが、世の中でどんな風に取り上げられているのか、裁判所に知らせたいんです」

 ビラを使った宣伝活動も活発です。守る会が作成したリーフレットは、すでに35万枚を普及しました。ビラを読んだ人の怒りの声が、手紙となって最高裁に届きます。「ドアポストは社会とつながる窓口。市民感覚から離れた判決に驚き」(京都)、「(荒川さんが配ったビラは)良識的なもの。こんなことが行われたら政治的関心を失ってしまう」(千葉)
 運動の盛り上がりに「勝てない裁判じゃない」と確信を語る荒川さん。「ビラを配らせたくないと思っている側とのギリギリの力関係での綱引き。こちらの綱を引っ張ってくれる人が増えれば、最高裁を変えていける。ビラ配布への弾圧を批判する勧告が国連から出され、情勢は変わっています。展望が見えてきました」
 市民の声で最高裁を動かすために、守る会では新リーフレットを5万部作成。最高裁前と5月1日のメーデーで配りました。
 衆議院選挙が行われる今年、守る会は「ビラ配布の自由を実践する機会」と位置づけています。大いにビラを配り、言論活動を広げ、最高裁での勝利をめざしましょう。
〈要請先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁第2小法廷・今井功裁判長
〈激励先〉〒124―0011 葛飾区四つ木5―2―12―202平和センター ビラ配布の自由を守る会

葛飾ビラ配布弾圧事件 最高裁要請
6月11日(木)宣伝:正午から(最高裁西門)
       要請:13時から(最高裁東門)

第80回メーデー 各地で市民にアピール  

 5月1日、全国各地で第80回メーデー集会が開かれ、国民救援会の各都道府県本部・支部も参加しました。会場に集まる参加者に対し、中央本部作成のビラや各事件のビラなどを配布し、事件の署名、国民救援会への入会を訴えました。
 裁判員制度のスタートを直前に控えた今年は、「取調べの全面可視化を」「検察証拠の全面開示を」などと書かれた色とりどりのプラカードや横断幕を掲げてデモ行進を行い、裁判員制度の改善と適正な運用を求めて、市民にアピールしました。
 中央本部が作成したビラは、裁判員になるかもしれない市民に対して、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則を知らせ、冤罪を生まない制度の改善と適正な運用が必要であることを訴えています。さらに、講師を派遣するので、職場で気軽に学習会を開こうと呼びかけています。
 ビラを受け取った多くの人と対話でき、裁判員制度の問題点と、国民救援会の立場をアピールできました。

取調べ可視化法案が参議院で可決  

 冤罪を生む大きな原因となっているウソの「自白」と検察官の証拠隠し。この問題にメスを入れようと、民主党・社民党が提案していた取調べ可視化法案が4月24日、参議院本会議で、民主、共産、社民各党の賛成多数で可決され、衆議院に送られました。この法案は、ー萃瓦戮虜檗△修里垢戮討鯱寝察ο寝茵焚鳥覯宗砲靴覆韻譴个覆蕕覆ぁ↓∀寝菘のない自白は証拠とすることができない、8〇ヾ韻了っている証拠のリストを、公判前整理手続において被告人・弁護人に開示しなければならない、との内容です。
 同趣旨の法案は昨年6月に参議院で可決されましたが、衆議院で廃案となり、4月3日に再提出されたものです。
 裁判員制度の実施にあたり、冤罪を生まないためにも同法案の成立は重要です。国民救援会では衆議院法務委員会に対し、法案を徹底審議し可決するよう求めていきます。
〈要請先〉〒100―0014 千代田区永田町1―7―1 衆議院法務委員会・山本幸三委員長

日弁連に証拠の目的外使用「自主規制」改善を要請  

 国民救援会中央本部は4月24日、「裁判員・刑事司法における制度改善・適正運用要求」について、日本弁護士連合会に協力を要請しました。当日は、本藤修、望月憲郎両副会長と瑞慶覧淳事務局長が赴き、日弁連は山岸憲司副会長をはじめ司法改革担当役員が応対しました。
 国民救援会からは、裁判員制度については問題点も多く、3年後の見直しを待たずに日弁連としても人権擁護の立場から制度改善に積極的にとりくむよう求めるとともに、当面5月の施行にあたっては憲法・刑事裁判の原則にもとづいた適正な運用が行われるように協力を要請しました。
 また、検察官が開示した証拠を、被告人や弁護人が審理の目的以外で使用することを禁じる法律の規定について取り上げ、これが国民の裁判批判を封じるものであると指摘。くわえて、この規定によって、弁護士のなかで「自主規制」が起きており、そのため判決や公判記録さえ見ることができず、冤罪事件の救援運動に弊害が出ている実態を伝え、会員(弁護士)に対し、適切な指導等を行うように強く要望しました。
 山岸副会長は、「国民救援会のみなさんの要求は、日弁連の要求とも重なる部分があるので、ぜひ冤罪を生まない司法の実現にむけてさらに努力したい。目的外使用禁止規定については、日弁連内部でも意見が出されています。法律の趣旨を超えて自主規制がすすんでいるということであれば是正すべき問題です。ひきつづき具体的事例を提示ください」と述べました。

裁判員制度実施控え裁判所に適正な運用求める請願  

 裁判員制度の実施を前に、国民救援会は全国の裁判所に対して、憲法と国際人権規約にもとづく適正な運用を求める請願をすすめています(5月6日現在、23都道府県27裁判所〔別掲〕に対して請願を実施)。ひきつづき全国で請願を行う予定です。
 国民救援会北海道本部、札幌支部、札幌手稲支部、自由法曹団道支部、道労連の代表7人は4月24日、札幌地裁に対し、裁判員裁判の適正運用を求め、請願しました。
 請願では、「無罪推定」「疑わしきは被告人の利益に」の原則を裁判のなかで市民に明確に伝えること、守秘義務の厳格適用は避けることなどを申し入れました。
 対応した総務課長は、請願の内容は地裁所長、各裁判官に届けることを明言し、市民からもいろいろな意見をいただきたいと述べました。
【これまで請願を行った裁判所】札幌地裁、秋田地裁、山形地裁、水戸地裁、甲府地裁、千葉地裁、最高裁、東京地裁、富山地裁、富山地裁高岡支部、福井地裁、静岡地裁、名古屋地裁岡崎支部、大津地裁、京都地裁、奈良地裁、和歌山地裁、神戸地裁、神戸地裁姫路支部、鳥取地裁、岡山地裁、山口地裁、徳島地裁、高知地裁、松山地裁、福岡地裁、福岡地裁小倉支部、佐賀地裁、長崎地裁

名張毒ぶどう酒事件 中国・四国・九州の15県が最高裁要請  

 三重・名張毒ぶどう酒事件の無実の死刑囚・奥西勝さんを救おうと、1月から毎月地域別の最高裁要請を行っています。1月関東・甲信越、2月東海・北陸、3月関西、そして4月は中国・四国・九州地域による要請が行われました。
 4月22日に行われた要請には、15県(鳥取、岡山、広島、山口、香川、徳島、高知、愛媛、福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島)の代表が、署名を携え遠方から駆けつけました。
 昼休みに、東京の参加者も含め20人で、最高裁前で宣伝を行い、次々にマイクを握り訴えました。その後の要請では、参加者から「現地調査に2度参加し、奥西さんの無実を確信した。2度も『無罪』(無罪判決と再審開始決定)がされている。人のいのちをもてあそぶようなことはしないで、再審開始を」、「『司法の権威』と言われるが、間違ったことを正すことこそ権威を保つことになる」、「再審を取り消した決定には、推測や類推ということばがあるが、それでは国民は納得できない」など、一日も早い再審開始を求める訴えが相次ぎました。
 なお、この日、署名5871筆、11団体と要請書58通を提出しました。
 次回要請は、5月21日に北海道・東北地域が行います。
〈再審開始要請先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁第3小法廷・堀籠幸男裁判長

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