日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

09年3月15日号

09年3月15日号  

裁判員制度 集中審理で見直しを 衆参の国会議員に改善求め要請  

 5月21日からの裁判員制度実施を目前に控え、誤判・冤罪を生み出さないための立法上の改善と、制度の適正な運用を求めて、全労連、自由法曹団、国民救援会の3団体が2月26日、国会の衆参両院の法務委員に対し要請を行いました。

 裁判員制度の実施にむけて、これまでに3団体は取調べの可視化や、検察証拠の全面的開示など5項目にわたる緊急改善要求をかかげてきました。実施を目前にしたいま、誤判を生み出さないための立法上、運用上の改善を行うことが急務だとして、国民が裁判に参加する本来の意義や制度に内在する問題点について、国会で集中して審理し、見直しをすすめさせようと、昨年12月に続き2回目の国会要請を行いました。
 要請に先立ち、議員会館で集会が行われ、15人が参加しました。冒頭に民主党・松野信夫参議院議員、共産党・仁比聡平参議院議員が連帯の挨拶を行い、つづいて参加者が意見表明を行いました。「死刑判決を多数決で決めていいのか」「量刑判断については裁判員の任務からはずすべきではないか」などの意見が出されました。
 その後、衆参両院の法務委員の控え室を手分けして訪れ、6点の事項(別項)を要請しました。対話したある議員の秘書からは、「おかしいと思った事件でも、私のような『無知』の者が、職業裁判官の『権威』のなかで自分の主張を押し通すことは困難だ」という意見が出され、自らの良心に従って、市民の常識を発揮して立ち向かう裁判員を運動の力でつくる必要があるなどと意見交換しました。
 3団体では今後、抜本的改革要求を整理し、ひきつづき改革要求運動をすすめていくことを確認しました。

要請事項

  • 1 誤判防止、被告人の弁護権の侵害を許さないために、以下の法律の変更を行うこと。
    • 公判前整理手続終了後の弁護人の立証制限規定の廃止
    • 検察開示証拠の目的外使用禁止規定の廃止
    • 「裁判員であった者」に対する守秘義務規定の削除
  • 2 従来から指摘されてきた構造的問題点に関して、以下の条件整備を行うこと。
    • 被疑者・被告人の取調過程の全面的可視化
    • 検察官手持ち証拠の全面的開示、少なくとも検察官手持ち証拠のリストの開示
  • 3 裁判員に指名されることにともなう休暇や労災事故保障など労働者の労働条件に関わる懸案事項について必要な措置をとること。

三重・名張毒ぶどう酒事件 東海・北陸地域が最高裁要請  

処遇の改善を求め法務省要請も

 三重・名張毒ぶどう酒事件の再審開始をめざし、東海・北陸地域による最高裁要請行動が2月26日に行われました。いつ決定が出されてもおかしくない緊迫した情勢のもとで、1月から地域別の要請行動にとりくみ始め、今回は1月の首都圏・甲信越地域につづき行われたものです。当日は、三重、愛知、岐阜、静岡、福井、富山、東京の代表と弁護団あわせて28人が参加しました。
 参加者は、昼休みに最高裁前で宣伝を行い、各県本部の代表らが次々とマイクで訴えました。愛知からは全盲の方も2人参加し、「訴えても訴えても思いが届かぬ奥西勝さんの境遇に、他人事とは思えず、何としても再審開始をしてほしい」と切々と訴えました。
 その後、法務省矯正局に赴き、無実の死刑囚・奥西勝さんの処遇改善を要請しました。要請では、奥西さんとの面会人枠の拡大、弁護士の面会時に看守の立会いをやめさせることなどを求めました。
 再び最高裁に戻り、「奥西さんを生きて返せ」「科学的証拠をきちんと精査せよ」などと再審を求め要請しました。なお今回、要請署名2543筆、「上申書」10通、点字で書かれた要請書を最高裁に提出しました。
 3月は、関西地域の代表による要請が23日に予定されています。

東京・世田谷国公法弾圧事件 「許さない会」が総会  

 東京・世田谷区内の警察官舎の集合ポストに、「しんぶん赤旗」号外を配った厚生労働省職員(当時)の宇治橋眞一さんが、住居侵入罪を口実に逮捕され、その後国家公務員法違反で起訴された世田谷国公法弾圧事件。昨年9月、東京地裁で罰金10万円の不当判決が出され、現在東京高裁でたたかっています。
 高裁での逆転無罪をめざし2月26日、世田谷国公法弾圧を許さない会の第4回総会が都内で開かれ、67人が参加しました。総会では、言論弾圧3事件をまとめたビデオが上映され、弁護団の坂本雅弥弁護士が一審判決を批判しました。つづいて、「許さない会」の藤巻一世事務局長が一審での運動の広がりを報告し、控訴趣意書提出期限の5月29日までに1万筆を越える署名を集めることを呼びかけました。また、国公法弾圧堀越事件の堀越明男さん、葛飾ビラ配布弾圧事件の荒川庸生さんの妻・英子さんらが連帯の挨拶を行いました。
 最後に、宇治橋さんが決意表明にたち、「どんな裁判官であっても言論の自由を主張し続けます。裁判官に聞く耳をもたせるよういっそうの支援をお願いします」と訴えました。

静岡・袴田事件 法務省要請と集会  

 無実の死刑囚・袴田巌さんの死刑執行停止を求め2月27日、東日本ボクシング協会・袴田巌再審支援委員会の呼びかけで、法務省要請が行われました。国民救援会からは鈴木亜英会長らが参加しました。
 要請では、袴田さんは拘禁性精神障害を患い、心神喪失の状態にあり、死刑執行の停止と適切な治療を求め、署名5208筆を提出しました。法務省は、一般論として「必要な配慮は行う」などと回答しました。
 要請後、国会内で報告会(写真)が開かれ、国会議員も参加し、再審開始を求める署名のとりくみを強めることなどを確認しました。

安心安全まちづくり条例 都が改悪案を提出 都本部が反対声明  

 東京都は、秋葉原での無差別殺傷事件などを理由に、「来訪者は、…繁華街等の安全・安心を確保するために必要な措置を講ずるよう努める」とする安全・安心まちづくり条例の改悪案を2月10日に発表し、18日に都議会に提出しました。
 改悪案に関わって都が発表した「有識者会議報告書」によれば、街頭や歩行者天国で「多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為を慎む」とされています。しかし対象となる場所や行為が限定されておらず、警察の介入も無制限に行われる恐れがあります。労働組合や反貧困の街頭宣伝、争議団の社前行動など、街頭での言論・表現活動が規制される恐れがあります。
 これに対し、国民救援会東京都本部常任委員会は都知事などへ反対声明を送付しました。3月3日には、自由法曹団東京支部の呼びかけで、改悪案の廃案を求める学習決起集会が都議会議事堂で開かれ、都と各会派に対する要請が行われました。
 もともと「安全・安心まちづくり条例」は、自治体・都民・事業者に対し、安全・安心の責務と防犯の自主的活動を促進する「住民の警察化」を狙い、全国で広がった「生活安全条例」の一つとして03年にできたものです。今回の改悪案は、「防犯」と「秩序」を名目に、街頭での言論・表現活動のいっそうの規制を狙うものです。

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