日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

09年12月5日号

09年12月5日号  

名張・布川両事件の支援集会に160人  

 再審開始を求めて、最高裁で大詰めを迎えている三重・名張毒ぶどう酒事件と茨城・布川事件足利事件に続いて両事件の再審開始を勝ちとろうと11月20日、東京都内で「再審の扉をあけよう! 名張・布川事件支援集会」が再審・えん罪事件全国連絡会と奥西勝さんを守る東京の会の共催で開かれ、160人が参加しました。ジャーナリストの江川紹子さんが講演したほか、足利事件の菅家利和さん、漫画家のやくみつるさんも駆けつけました。

 満席になった会場。講演した江川紹子さんは、名張事件と出会ったエピソードを語りました。

 江川さんが名張事件のことを知ったのは91年ごろ。フリーライターになり、評論誌の連載を担当したことがきっかけでした。資料を調べるうち名張事件に行き当たり、奥西勝さんを有罪とする判決文を見ました。
 「事実と論理を、裁判官の想像と願望でひねくっている」と江川さん。
 裁判のなかで犯人であることを否定する事実を提示されても、判決では、「それをもって犯人ではないとはいえない」といったような二重否定が多用され、分かりにくく読みづらいと指摘しました。
 「裁判官は、すんなり有罪判決が書けないため、理屈をこねて有罪に持ち込もうとするから(判決文が)おかしくなる」と批判しました。
 また、裁判員裁判が始まったことに触れ、「足利事件は、はじめに冤罪だと気づいたのは裁判に素人の一市民だった。再審こそ、裁判員裁判のような国民の視点が入らなければいけないと思う。先輩裁判官の判断を否定するのが難しいならば、(再審の可否は)一般国民に判断させるべきだ」と話しました。
 最後に江川さんは、「奥西さんにいまかけたい言葉は?」との質問に、「無実を信じてみんなが待っているよ、と声をかけたい」と述べました。

 奥西さんと面会を続けている愛知県本部副会長の稲生昌三さんが、奥西さんの近況を報告。「弁護団のたたかいとみなさんの励ましの声が、奥西さんを支えてきた。布川と名張の再審をどうしても切り開き、多くの冤罪を解決したい」と話しました。
 布川事件の杉山卓男さんは、「布川事件で勝利すれば、他の冤罪事件に与える影響は大きい。ご支援をお願いします」と訴え、桜井昌司さんは、「負けられないたたかいです。勝利して、裁判所をもっと追及していきます。冤罪仲間の先頭に立って頑張りたい」と決意を語りました。

 集会には、6月に再審開始決定を勝ちとった足利事件の菅家利和さんも参加。「再審決定は本当に弁護団と支援者のおかげです。名張事件と布川事件は年内にも再審開始を勝ちとって欲しい」とエールを送り、冤罪をなくすため取調べの可視化の必要性を訴えました。
 また、ワイドショーなどでコメンテーターを務めている漫画家のやくみつるさんもテレビの収録後、会場に駆けつけ、「いまここでたたかわれている事件を中心に、冤罪が次から次へ明らかにされていくようなムーブメントをつくりたい。少しでも力になれれば」と激励しました。
 集会は最後に、最高裁に宛てた、名張事件と布川事件の再審開始を求める決議を採択しました。

国公法弾圧堀越事件で裁判所が盗撮ビデオの取調べを拒否  

 社会保険庁職員の堀越明男さんが休日に日本共産党のビラを配布したことを国家公務員法違反で弾圧された堀越事件の控訴審第13回公判が11月18日、東京高裁で開かれました。
 堀越さんが証言台に立ち、社会保険事務所の職場では社会保険庁に組織変更されるまで、自治労に所属する都職労社会保険支部の労働組合があり、選挙では、労働組合の方針として民主党や社民党の候補者を支持・推薦し、候補者の氏名や写真が載った組合機関紙が机上配布されていたが、職場内で対立や混乱が生じたことはなく、利用者からの苦情や疑問もなかったことを証言しました。
 続いて弁護団が、前回保留となっていた公安警察が堀越さんを盗撮したビデオ22本の証拠採用を求めて意見陳述。日本共産党千代田地区委員会や、まりこ勝彦区議事務所に堀越さんが入る場面では「入ります」「撮りますか」といった捜査員の声が録音されており、事務所への出入りの撮影を目的とした違法な盗撮であること、職務と無関係のビラ配布までも禁止して刑罰の対象としている国家公務員法・人事院規則の危険性と違憲性を検討するためにも重要な証拠であると述べ、証拠採用するよう強く求めました。
 これに対し中山隆夫裁判長は証拠採用請求を却下。弁護団は理由を述べるよう重ねて求めましたが、裁判長はこれも拒否。不当な対応に傍聴席からも抗議の声があがりました。
 弁護団は、この証拠を取り調べないのは裁判官が捜査機関に対するゆがんだ見方をしているからであり、この裁判を公正に判断する資格がないとして、裁判官を担当から外す(忌避)よう申し立てました。これに対し中山裁判長は忌避の申立てを簡易却下し、次回12月21日の公判で最終弁論をおこなうとしました。弁護団はただちに異議を申し立てました。
 国公法弾圧を許さない会と国民救援会は、高裁の却下に強く抗議し、盗撮ビデオを証拠採用し、取り調べるように要求する緊急要請を呼びかけています。
〈抗議先〉〒100―8933 千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・中山隆夫裁判長 TEL03(3581)5411

滋賀・日野町事件 地元で家族を励ます集い  

 阪原弘さんが再審開始を求めて頑張っている滋賀・日野町事件の家族を励まそうと11月8日〜9日、滋賀県土山町で家族を励ます集いがおこなわれ、家族、弁護士、関西を中心に8府県の「守る会」と国民救援会の代表、布川事件の桜井昌司さんなど44人が参加しました。
 「集い」では、体重が34・6キロにまで減少し、何度も高熱に冒されて、一般監房から病舎に移って治療を受けている阪原さんの健康状態や刑務所の対応などが報告され、寒冷期を迎えるにあたって、阪原さんへの励ましと広島刑務所への要請を一層強めることを確認しました。
 家族からは、「父と一緒に食事をしたり、語り合ったりする、あたり前の生活を取り戻すことが私たちの願いです。時にはくじけそうになることもあるけれど、みなさんの励ましや支援の活動に支えられて頑張っています。これからもご支援ください」と、涙ながらの訴えがされました。
 来年3月末に弁護団が大阪高裁へ補充意見書を提出すれば、再審請求審の本格的な審理が進められるという重要な段階を迎えており、参加者は、阪原さんと家族のたたかいを支え、即時抗告審では何としても再審を勝ちとろうと誓い合いました。(佐藤佳久)

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