日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

09年10月5日号

09年10月5日号  

東京・国公法弾圧堀越事件で東京高裁が盗撮ビデオの開示求める  

 東京・国公法弾圧堀越事件で、東京高裁(中山隆夫裁判長)は9月16日の公判後の進行協議において、公安警察による盗撮ビデオの未開示分22本とこれに関連する報告書等の証拠について、一定の条件を付した上で弁護側に開示するよう検察官に勧告し、検察官もこれに応じビデオを開示することになりました。公安警察による盗撮ビデオがこのように大量に開示されるのは初めてで、重要な成果です。

 社会保険庁職員の堀越明男さんが休日に、自宅付近で「しんぶん赤旗」号外などを配布したとして、国家公務員法(政治活動禁止)違反で04年3月、逮捕・起訴された事件で、公安警察官が長期にわたり尾行し、ビデオで盗み撮りをするなど違法な捜査をおこないました。裁判では、国公法が憲法(表現の自由)に違反することとあわせ、公安警察による捜査の違法性が争われています。

 03年春のいっせい地方選挙と秋の総選挙の際、警視庁公安部や月島警察署が大量の公安警察官を投入し、堀越さんを尾行・監視したうえ、ビデオカメラで盗撮しました。
 盗撮したビデオは33本あるとされ、そのうち堀越さんがビラ配布をしているところを撮影した9本が一審の法廷で映し出され、公安警察の異常な捜査の実態が明らかになりました。
 弁護団は、このような公安警察の監視や盗撮は堀越さんのプライバシーを侵害し違法であると主張しましたが、東京地裁は判決で「公道で堀越さんが顔を出して歩いていたので、プライバシー権をある程度放棄しており」、盗撮は「適法である」と不当な判断をおこないました。しかし、日本共産党千代田地区委員会への堀越さんの出入り状況を撮影したこと(警察官が証言し、ビデオ自体は未開示)については、事件と関係がなく「違法である」と認定しました。

 堀越さんと弁護団は、控訴審において、未開示ビデオの開示を検察官に求めましたが、検察官は、一審で開示されたビデオをマスコミに公開したり、救援新聞に掲載したことなどが「証拠の目的外使用である」として、開示を拒否してきました。このため、弁護団は裁判所に対し、検察に開示する命令を出すよう求め、守る会や国民救援会も開示を求めて裁判所要請や3400枚にのぼる要請ハガキ運動にとりくんできました。その結果、今回の開示を勝ちとりました。
 開示されるビデオは、一審で違法とされた千代田地区委員会の出入り状況を撮影したものもふくまれている可能性があり、弁護団はビデオを分析し、公安警察の違法捜査の実態をさらに明らかにしていく予定です。
 裁判は、証人調べが終了し、いよいよ最終盤を迎えています。12月21日の公判で、弁論をおこない結審することが予定されています。無罪判決へ運動を強めましょう。
〈要請先〉〒100―8933 千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・中山隆夫裁判

鳩山連立内閣が発足  

 衆議院総選挙では、自公政権に対し、国民の厳しい審判が下され、民主党を軸にした新しい鳩山連立内閣が発足しました。いま、戦後60年に及ぶ自民党中心の政治に決別して、国民が主人公の新しい政治に向かっていく歴史的な転換点を迎えています。
 この新しい情勢のもとで、国民救援会が求めてきた刑事事件の取調べの全過程を録音・録画する「全面可視化」や裁判員制度の改善、国際人権規約の選択議定書の批准など、私たちの要求を実現させる可能性が大きく広がっています。
 千葉景子法務大臣は就任会見で、取調べの全面可視化について、「マニフェストで明確に約束したこと。国際的な趨勢(すうせい)になっている」と早期実現に意欲を示すとともに、人権侵害の救済を個人が直接国際機関に対して求める個人通報制度を定めている関係条約の選択議定書の批准についても、「国際的基準にもとづいて選択議定書を批准し積極的な姿勢を発信したい」と述べました。
 一方、中井洽(ひろし)国家公安委員長は、おとり捜査や司法取引などの新しい捜査手法を導入すべきとの考えを明らかにしています。これらの危険な動きにも警戒しなければなりません。
 この新しい情勢のもとで、私たちの運動如何で、救援運動にとっても歴史的な成果を勝ちとる可能性が生まれています。これまで以上に運動を広げて鳩山連立内閣に対して公約の実現を迫っていくことが大切です。
 この期待の持てる情勢のなかで、攻勢的なとりくみにより、救援運動の前進と組織の拡大・強化をはかりましょう。

国際人権活動日本委員会が千葉景子新法務大臣の会見をうけ、声明  

 鳩山内閣の千葉景子法務大臣は9月17日未明の就任会見で、々馥眇邑救済機関の設置、⊃邑⊂鯡鵑慮朕幼綿鸚度の批准、取調べの可視化など、これまで自民党政権が拒否しつづけてきた政策の実現をめざす旨を表明しました。
 この会見をうけ、国民救援会も加盟する国連NGO(非政府組織)・国際人権活動日本委員会(鈴木亜英議長)は同日、千葉法相の発言を歓迎し、「個人通報制度の一日も早い批准」を求める声明を発表しました。
 個人通報制度は、人権条約を実効性あるものにするために、人権侵害を受けた個人が国内で救済されない場合、直接国連に対し救済を求めることができる制度です。
 日本委員会によれば、人権条約を批准した多くの加盟国がこの制度を批准しています(別表)が、日本政府は、批准している自由権規約、社会権規約、女性差別撤廃条約、拷問等禁止条約、人種差別撤廃条約の個人通報制度を批准していません。国連からは、昨年の自由権規約委員会からの勧告をはじめ再三にわたり、批准するよう求められてきましたが、自民党政権はこれを拒否しつづけてきました。
 民主党はマニフェストで、「人権条約選択議定書を批准する」との公約をかかげており、声明では「すべての個人通報制度の実現のために今後も奮闘されるよう強く要望する」としています。

国公法弾圧堀越事件の第11回公判で刑法学者が証言  

 国公法弾圧堀越事件の第11回公判が9月16日、東京高裁で開かれ、最後の弁護側証人として早稲田大学の曽根威彦教授が証言しました。曽根教授は、「表現の自由を制約する刑事規制」について研究をしており、裁判所の「懲戒処分と刑事処分の違いについて聞きたい」との要望もあっての証言でした。
 曽根教授は、公務員の懲戒処分と刑事処分の違いについて、懲戒処分とは公務員の内部秩序を守るためのものであり、刑事処分は直接国民の共同利益を侵害するような実害とその危険性が発生することを前提とすると述べ、堀越さんのビラ配布行為に対し、社会保険庁当局は懲戒処分もしておらず、それより制裁性が重い刑事処分を科すことは許されないと批判しました。
 一審判決が「堀越さんのビラ配布行為を放任すると、公務員全体の政治活動を許容することになり、その累積的波及的効果は、被告人と関わりのないことであっても考慮することは妥当である」としたことに対して、本人に責任がないことで罪を問うことは「責任なければ刑罰なし」とする近代刑法の基本的原理に反すると証言しました。
 また、一審判決のように「社会の秩序の保護を目的に早期に国民を処罰することは、ナチスや戦前の天皇制国家と同じである」と厳しく批判しました。
 控訴審は、この証言をもって事実調べを終了し、年内結審、来年判決となる予定です。

名張毒ぶどう酒事件で4人の面会人が要請  

 三重・名張毒ぶどう酒事件の死刑囚・奥西勝さんとの特別面会人4人が、9月18日、最高裁と最高検に対し要請をおこないました。4人揃って要請するのは初めてのことです。
 4人の面会人の要請行動は、最高裁の緊迫した情勢のもと、83歳となった奥西さんとの面会を通じて、「やむにやまれない想いから」おこなわれたものです。
 最高裁では、面会人がそれぞれ要請書を提出し、一日も早い再審決定を迫りました。
 最高検では、最高裁から提出を求められている答弁書を即刻提出せよと訴えたほか、証拠の開示を何度要請しても応えない不誠実をもって死刑判決を維持するのは社会正義に反するなどと訴え、面会人の想いを持って迫りました。

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