日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

09年1月15日号

09年1月15日号  

東京・葛飾ビラ配布弾圧事件 地元集会に640人  

 マンションのドアポストにビラを配布したことで住居侵入罪に問われ、東京高裁で逆転有罪判決を受け、現在最高裁でたたかっている葛飾ビラ配布弾圧事件で、12月19日、逮捕から丸4年を前に、「最高裁勝利をめざす大集会」が行われました。事件の地元である東京・葛飾区の会場には座席数を超える640人が集まり、最高裁での逆転勝利をめざす決意を固め合う熱気あふれる集会となりました。

 「権力側、財界側の情報が大量に流布されている一方、本当に知りたいことは巧妙に隠されている。一枚のビラが権力の醜い実態を暴くこともある」――集会で記念講演を行った小田中聰樹東北大学名誉教授は、まずビラ配布がもつ意義について語りました。つづけて、「貧困と格差の進行、自衛隊の軍事活動の拡大に伴い、国民の分裂・相互監視をすすめる治安政策が展開されている」と指摘。「権力側は、国民相互の情報伝達や啓蒙活動を相当な障害として認識しているからこそ、象がアリを踏みつぶすがごとくビラ配布を弾圧している」と説明しました。さらに小田中教授は、「戦後、言論の自由は憲法によって回復したのではなく、治安維持法をはじめとする弾圧法規が廃止されて、国民がいろんな形で言論をめぐらせた。その上にたって言論・表現の自由が明記された憲法ができた」と強調。「ビラまきの自由を守ることは、歴史の教訓を未来に伝えること。誇りと自信を持ってこの弾圧をはね返そう」と訴えました。
 *  *
 昨年11月に急逝した中村欧介弁護士に代わり主任弁護人になった後藤寛弁護士が裁判をめぐる情勢について報告。
 昨年4月、立川自衛隊官舎ビラ配布事件で最高裁が出した不当決定が、各地の言論活動に悪影響を及ぼし始めていることを明らかにしました。決定の一カ月後に発生した国分寺市議ビラ配布事件では、ビラ配布中の幸野市議が、住民に「立川の判決を知らないのか」と干渉されました。憲法で保障された言論・表現の自由と民主主義を守るため、最高裁で荒川さんの無罪判決を勝ちとることの重要性を強調しました。
 加えて国連の規約人権委員会がビラ配布弾圧事件について懸念を示していることを報告。「近く提出する補充書で、国際的に異常な事態であることを知らしめたい」と述べました。
 集会には、全労連・寺間誠治組織局長、日本共産党・小池晃参議院議員がかけつけ、一枚のビラが命と暮らしを守る役割を持っていると連帯の挨拶。国公法弾圧2事件の堀越明男さんと宇治橋眞一さんも激励の挨拶をしました。
 *  *
 荒川庸生さんが決意表明(別掲)し、つづいて守る会の小松香代子事務局長が行動提起を行い、この1年間に3746通の手紙と個人署名5万3743通、団体署名1993通を最高裁に届け、計12回の要請行動を行ったことを報告。最高裁へのハガキ・手紙運動を強めようと訴えました。
 小松事務局長は、亡くなった中村弁護士の言葉を用いて決意表明。「言論活動への弾圧から繰り返された戦前の暗黒社会への逆戻りを許さない。自由を愛する多くの市民とともに、更なるたたかいを」と述べました。
 最後に「一枚のビラで」を全員で歌い、逆転無罪に向けた決意を固め合いました。
〈要請先〉〒102―8651 千代田区隼町4―2 最高裁第2小法廷・今井功裁判長

持てる力尽くす 荒川さん  

 みなさん、こんばんは。被告人・荒川庸生、元気にたたかっております。
 最高裁は石の要塞のようです。しかし、権力の象徴のような最高裁でも、私たちの市民常識、市民感覚がたくさん押し寄せることによって打ち破ることができると確信しております。みなさんの声を手紙・署名に変えて届けてください。持てる力を尽くし全力でたたかいます。ともにたたかってください。

「ビラは大切」 市民の声  

集会で紹介された手紙から

 「猊塒廚淵咼薛瓩惑曚蕕譴峠蕕瓩討錣る。ストップされれば、国民の知る権利が奪われ、判断力をはぎ取られる」(東京都)
 「戦時中、何も知らされずに生死をさまよった。戦後も、マスコミは一部を除き真実を報道してると思えない。荒川さんのビラ配布はありがたい行為だ」(石川県)
 「ビラ配りが犯罪とは、戦争への道だ。裁判所は憲法どおりの裁判を。もし有罪となれば、幾千万の命と引きかえに誕生した憲法が死に、63年前の暗黒時代に戻る」(大阪府)

長野 ひき逃げえん罪事件 塚田学さん不当判決(懲役2年)で収監  

 長野・ひき逃げえん罪事件で、最高裁は昨年10月14日、塚田学さんの無実の訴えを退ける上告棄却決定を行い、懲役2年の不当判決が確定しました。
 塚田さんは、長野地方検察庁の出頭命令を受け、12月9日同庁に出頭し、両親と多くの仲間に激励されながら収監されました。
 この日、検察庁前には、塚田さんと両親を囲んで、弁護団、守る会、国民救援会、友人など34人が駆けつけました。参加者は、「裁判所がなんと言おうと塚田さんは無実だ」「不当判決に屈することなく頑張って」「私も一緒に刑務所に入ったつもりで頑張る」と次々と塚田さんに激励のエールを送りました。
 両親が悔しさをにじませながらあいさつを行い、つづいて塚田さんが「みなさんのご支援ありがとうございます。頑張りますので、面会や手紙などお願いします」と決意を語りました。
 午前9時半前、参加者全員が塚田さんと固く握手を交わし、「塚田さん頑張れー」「塚田さんは無実だ!」とのシュプレヒコールの中、弁護士とともに検察庁に入っていきました。約30分後、塚田さんを乗せた車は長野刑務所(須坂市)に向かい、参加者は「頑張れ」と車に叫び、塚田さんも手を振ってこたえました。
 県本部と守る会ではこの日に先立ち、地元で激励集会を行い、県本部大会で両親と塚田さんを激励、また市内の労組・民主団体に県本部役員と塚田さんが訪問して支援のお礼と収監を伝え、激励を受けました。
 塚田さんは、長野刑務所にしばらく収容された後、収監される刑務所が決まる予定です。県本部、守る会では、収監先が決まり次第、面会や年賀状での激励を行うことを確認しました。

静岡・袴田事件 1年ぶり実姉と面会 国民救援会 処遇改善求め拘置所要請  

 強盗殺人・放火事件の犯人とされ、獄中から無実を訴えている静岡・袴田事件の死刑囚・袴田巌さんが12月16日、実姉の秀子さんと1年ぶりに面会しました。当日は、面会とあわせ、秀子さんと国民救援会が東京拘置所への要請を行いました。要請行動には、中央本部、静岡県本部、浜松支部の代表が参加しました。
 午前10時半過ぎに拘置所に着いた秀子さんは、面会の受付をした10分後に呼ばれ、巌さんの拘置されている10階の面会受付に向かいました。
 秀子さんによれば、しばらく待つと「今回は面会できる」との返事が拘置所からあり、面会室に入ると間もなく巌さんがあらわれました。血色は良く、以前に比べ顔立ちも落ち着いておだやかな感じがしたとのことです。すぐに秀子さんとわかったようで、声をかけると耳が聞こえないようすで「耳の中に鳥が入って聞こえない」と言っていたとのこと、しかし「(自分は)元気は元気だ」と話していたそうです。面会が終わり、席を立ち、帰りがけに手を振ったら手を振り返してこたえてくれました。
 袴田さんは拘禁症を患っており、秀子さんによると、浜松から毎月通いつづけ、07年11月から1年ぶりの面会となりました。
 午後からは、拘置所と交渉を行いました。要請では、中央本部の望月憲郎副会長が、袴田さんの健康状態を尋ね、施設側が責任をもって治療などを行うことや、手紙のやり取りや面会人の拡大を求め、あわせて全国大会の激励決議を袴田さんに渡さなかった件について問いただしました。
 応対した総務部付の富永調査官は、健康状態については「お姉さんだけに伝えたい」、また耳が聞こえないようであれば必要な対処をするとし、手紙や面会については「法律にもとづき具体的に判断している」と回答。また、激励決議については、「差入れ」として扱い、不許可とし、法の改定により、「(差入れを)返すことができる」となったことから国民救援会に連絡したと説明しました。このことから、これまでも本人に渡さないまま領置あるいは廃棄されていた可能性が強いことがわかりました。
 国民救援会は、ひきつづき処遇改善をめざして、拘置所や法務省に対して要請をすすめていきます。

長野・高見澤電機不当労働行為事件 中労委が不当命令  

 不当な企業再編リストラとたたかっている長野・高見澤電機不当労働行為事件について、中央労働委員会は12月19日、長野県労働委員会の命令で労働者を救済した事項を棄却する不当な命令を行いました。
 長野県労委は、高見澤電機の親会社である富士通、富士通コンポーネントの使用者責任、団体交渉応諾義務の認定、高見澤電機における不誠実団交の不当労働行為を認定しました。
 これに対し中労委は、親会社・富士通の使用者性を否認、「リストラはやむを得ない。高見澤電機は労働組合に誠実に理解を求めた。合意が得られなかったのは組合が反対に固執したため」と組合に責任を転嫁しました。
 今回の不当命令に対し、労働組合や支援共闘会議、弁護団は、「不当かつ反動的な命令を絶対に認めずにたたかい続ける」と決意表明しています。

福岡・自由ケ丘高校解雇事件 解雇認める不当判決  

 学校法人福原学園・自由ケ丘高校の井上佳代先生は、生活文化科の廃止を理由に整理解雇され、その取り消しを求める裁判の判決が12月2日、福岡地裁小倉支部で行なわれ、青木亮裁判長は解雇を認める不当な判決を出しました。
 判決は、「学園は解雇回避の努力を尽くした。人選も合理的、経営も厳しかった」と学園の言い分をそのままなぞったもので、井上先生が主張していた「私1人だけ解雇して経営難が解決するなど考えられない。まして平成20年度には家庭科講師を採用している」にはまったく応えていないひどい判決です。
 井上先生は「こんな不当な判決は許せない」と控訴してたたかう決意を表明し、いっそうの支援を訴えています。

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional