日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

要 請 書

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要 請 書

法務大臣 松島みどり 殿

 私たち日本国民救援会は86年の歴史をもつ、人権と民主主義を守るために運動をしている団体です。第2次安倍政権の改造内閣のもとではじめてとなる国会(臨時国会)が開会しました。
いま、集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行し、「戦争をする国」づくりへの動きが強まり、同時に、国民の知る権利を制限する秘密保護法の強行など、人権と民主主義をめぐって重大な情勢が生まれています。そのようなもとで、まさに人権と民主主義を守る任にあたる法務大臣の役割がいっそう重要になっています。
そこで、以下、要請するものです。

1 日本国憲法と国際人権規約の立場にたって、人権と民主主義を守る職務にあたること
大臣は、日本国憲法や国際人権規約の立場に反する発言や公職選挙法違反問題(10月7日、参院予算委員会)など、法務大臣としての資質が厳しく問われています。
【被疑者・被告人の権利を軽視する発言】「犯罪者の人権などというのは二の次、三の次だと思っております。」(2005年3月30日 衆院法務委員会での発言)
この発言は、「すべて国民は、個人として尊重される。」という憲法(第13条)の理念を否定するものです。また、日本国憲法には他国に比して多くの刑事手続の規定が盛り込まれていますが、これは、戦前、被疑者・被告人の権利が「二の次、三の次」にされたことで重大な人権侵害が起こされたことへの反省から生まれたものです。
 【死刑再審無罪の苦い経験や国連からの勧告を無視した発言】「(法律では判決確定日から6カ月以内に死刑の執行をしなければならないことになっているが)死刑確定者で6カ月を超して未執行者が70人という状態が大体このまま続くと思います。これはやはりおかしいと私は思います。…判決の確定で事が済むのではなくて、執行されて初めて完結するわけです。…かつては、宗教上の理由で自分は判こを押せないと言って忌避された大臣がおられました。私は、こういう方は法務大臣を受けるべきではないと思っております。」(2005年10月5日 衆院法務委員会での発言)
 また、大臣に就任以降(9月26日、外国特派員協会の記者会見での発言)も、死刑制度について、世論調査で「85.6%が死刑を支持」していることを挙げて制度廃止を否定しました。また、警察のねつ造までもが明らかになった袴田事件の再審開始決定についても「検察が抗告をしている」と述べるのみで、誤って死刑にしてしまう危険性など、決定を真摯に受け止める態度ではありません。袴田事件では、確定判決においても警察の自白強要の取調べが批判され、検察が永年、袴田さんの無罪を示す多くの証拠を隠していた事実が明らかになっているのです。
大臣も当然にご存じのように、日本の人権状況をめぐっては、国連から繰り返し厳しい改善勧告が出されています。昨年の拷問禁止委員会では、委員から「(日本の刑事司法は)中世」と指摘されるほど、国際的には「人権後進国」です。
 死刑制度についていえば、自由権規約委員会から「世論調査の結果如何にかかわらず、…(政府の責務として)公衆に対して、必要があれば、廃止が望ましいことを伝えるべきである」との勧告が出されており、「世論」を盾にして、死刑制度の存続を合理化することそのものが批判をされています。
 とりわけ、永年にわたり冤罪事件を支援してきた私たちにとって重大な点は、4人もの死刑確定囚(免田、財田川、松山、島田4事件)が再審無罪となっていることへの反省が、前記の発言にはまったくないことです。死刑事件では、近年でも名張毒ぶどう酒事件袴田事件で死刑判決は誤りだったとの再審決定が出されています。万が一にも無実の人を誤って死刑にしてはいけないとの姿勢も緊張感も、大臣の上記の発言からはとうてい見てとることはできません。もし、先の死刑再審無罪4事件が、大臣が指摘したように「6カ月」で死刑が執行されていれば、まさに国家による殺人となったのです。
 ぜひ、先の発言を撤回し、憲法と国際人権規約にもとづき、職務に当たることを強く求めます。
 
2 冤罪をなくすために、取調べの全事件全面可視化、検察証拠の全面開示を実現すること
 9月18日、法制審議会は大臣に対し、取調べの可視化など「要綱案」を答申しましたが、その内容は冤罪をなくすにはまったく不十分です。逆に、新たに冤罪を生み出し、人権を侵害する内容となっています。
具体的には、ウソの自白を強要してきた取調べの問題では、録音・録画(可視化)は裁判員裁判対象事件など刑事裁判のわずか2%にとどまり、弁護人の立会いも盛り込まれていません。しかも、当初の不当な取調べを許さないための「可視化」の課題は、検察が供述の任意性を立証するための手段に矮小化されました。検察の証拠開示問題でも、公判前整理手続をおこなった場合に証拠のリストを出すというもので、検察の証拠隠しを正すものではありません。また、再審における証拠開示はまったく無視されて対象外となっています。くわえて、国連からも批判されている代用監獄制度や身柄の長期勾留(人質司法)については何らの改善案も出されていません。
 その一方で、「司法取引」制度の導入が打ち出されました。これは、みずからの刑を軽くするために、他人の罪を「密告」するもので、これまでも多くの冤罪を生んでいる問題です。しかも、新たに弁護人の同意を要件とすることでこの制度に弁護人を組み込み、弁護権の弱体化を促進するものになっています。さらに、盗聴捜査の大幅拡大・要件緩和も答申されました。
 憲法にもとづき適正な刑事手続を保障し、冤罪をなくすために、法務大臣として答申の問題点を正しく理解し、当面、次の点を実現するよう強く求めます。
 ー萃瓦戮砲弔い董∩柑件、全過程の録音・録画(全面可視化)をおこなうこと。
 証拠開示について、初公判前に、捜査機関のすべての手持ち証拠を弁護人に開示すること。再審についても、同様にすべての証拠を開示すること。
 B緲儡胴制度を廃止すること。
 ぁ嵜夕岨碧 廖歡拘勾留による人権侵害をなくすこと。
 
3 秘密保護法を廃止し、盗聴法の改悪、共謀罪の新設をおこなわないこと
 多くの国民の反対を押し切って、昨年12月6日、安倍政権は、秘密保護法を強行成立させました。成立以後も、廃止を求める声と運動は広がっています。それは、同法が「知る権利」を制限し、国民を監視する憲法違反の法律だからです。
 秘密保護法に加えて、そもそも憲法違反の盗聴法の大改悪(薬物、銃器、組織的殺人など極めて限定された対象犯罪を窃盗や詐欺など一般犯罪まで広げることや、これまでの盗聴に際しおこなわれていた通信事業者の立合いを廃止し、警察の好き勝手で大量の盗聴を可能にする)や、テロ対策を口実に、これまで3度も廃案になった共謀罪の新設(国民監視を強め、犯罪の実行前に話し合っただけで罰する)を狙っています。
 これらの法律はまさに「戦争をする国」づくりのための軍事法制であり、国民監視・管理を狙う治安立法です。戦前、国民の言論を封じて、特高警察や憲兵が国民を監視し、弾圧するために使われた法律と同じです。これらは、日本国憲法や国際人権規約の理念に反するものです。
 以上から、次の点を強く要請します。
 “詭保護法を廃止すること。
 盗聴法の大改悪をおこなわず、廃止すること。
 6λ添瓩凌契澆鬚こなわないこと。

以上、強く要請するものです。

2014年10月10日

日本国民救援会
会長 鈴木亜英

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