日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

名張毒ぶどう酒事件の名古屋高裁の不当決定に強く抗議する

FrontPage

名張毒ぶどう酒事件の名古屋高裁の不当決定に強く抗議する
2015年1月9日
日本国民救援会
会 長 鈴木亜英

 名古屋高裁刑事第2部(木口信之裁判長、平手一男裁判官、肥田薫裁判官)は本日、三重・名張毒ぶどう酒事件(第8次再審請求・異議審)について、無実の死刑囚・奥西勝さんの訴えを一顧だにせず、請求を棄却する不当決定をおこなった。日本国民救援会は、不当決定に怒りを込め、強く抗議する。
 奥西勝さんは裁判で無実を訴え続け、第1審・津地裁は、「自白は信用できず、奥西さん以外にも犯行機会はある」と無罪判決(1964年)を出した。しかし、2審・名古屋高裁は、毒物が混入していたぶどう酒の瓶の王冠に残された「歯型」が奥西さんのものであるとする鑑定(第5次再審請求審で捏造が発覚)を最大の根拠に逆転死刑判決を出し、最高裁で死刑が確定した。その後も、奥西さんは、死の恐怖と孤独に耐えながら不屈に無実を叫び続け、裁判所に救済を求めてきた。
 そしてついに、2005年、第7次再審請求審で、名古屋高裁刑事1部は、弁護団の提出した新証拠(ぶどう酒に入っていた毒物は有罪判決が認定した「ニッカリンT」ではないとの鑑定など)を採用し、「自白の信用性に疑問が残る」として、再審開始決定を出した。しかし、またもや裁判所は、検察の異議申立をうけ、捜査機関で強要された「自白」を重視し、「科学的知見」にもとづかない判断で再審開始決定を取り消してしまった。
 奥西勝さんと弁護団は2013年11月、第8次の再審を申し立てたが、名古屋高裁刑事1部は昨年5月、弁護団が提出した新証拠について「第7次請求と同じ証拠に基づく同じ主張で、請求権は消滅している」と指摘し、形式的な理由で「門前払い」の判断をおこなった。
 それに対する今回の異議審では、弁護団の主張に十分に耳を傾け、検察が隠している多くの証拠を開示させ、徹底した事実調べと、科学的知見にもとづく判断が求められていた。しかし、名古屋高裁刑事第2部は、弁護団が強く求めた事実調べをおこなわなかったうえ、検察のもつ証拠の開示や、裁判所に保管されている証拠物の閲覧・謄写もおこなわせず、奥西さんと弁護団の訴えを退けたものである。「無辜の人の救済」という再審の理念や、「疑わしきは被告人の利益に」との刑事裁判の鉄則が再審にも適用されるとした最高裁「白鳥決定」に反する不当決定である。
 奥西さんは、この14日に八王子医療刑務所で89歳を迎える。奥西さんは、二度の危篤状態を乗り越え、気管切開などの手術を受け重篤な状況にありながら、病床から無実を訴えつづけている。
 日本国民救援会は、奥西さんの訴えに応え、引き続き真実と正義を愛する多くの国民のみなさんの力を結集して、再審開始・無罪を勝ちとるまで奮闘する決意を表明するものである。

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional