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福井最高検

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福井女子中学生殺人事件の再審開始決定に対する
異議申立の断念を求める要請書
最高検察庁 御中

 11月30日、名古屋高等裁判所金沢支部(伊藤新一郎裁判長)は、再審請求人前川彰司氏、同保佐人で父の前川禮三氏の請求にかかわる再審請求事件、いわゆる「福井女子中学生殺人事件」について、再審開始の決定をした。
 前川彰司氏は、7年の長きにわたる獄中生活を耐え、釈放後も「無実の私が濡れ衣を着たまま一生を送らねばならないことに我慢できず、社会正義にも反する」と、2004年7月に再審請求を申し立てました。そして、逮捕以来24年余にわたる前川彰司氏の無実の叫びが裁判所に届いた。
 本件は、1986年3月、福井市内において、女子中学生が殺害された事件である。事件発生から1年後に、前川彰司氏が犯人として逮捕されたが、前川氏は逮捕以来今日まで一貫して無実を主張した。同氏と犯行を結びつける物証は皆無で、一審の福井地方裁判所は前川氏に無罪判決を言い渡した。本来ならばこの1審判決にもとづき、前川氏は刑事被告人から解き放され人権を救済されるべきであった。今回再審開始決定がなされたことで、「二重の危険の禁止」を規定する日本国憲法の立場から無罪判決への検察上訴の是非が厳しく問われている。
 再審請求審は、これまで検察が隠していた関係者の捜査段階での供述調書や解剖時における写真などが開示されると同時に、科学的な法医学者の鑑定や意見書の事実調べを7年余にわたって慎重に審理してきた。今回の再審開始決定は、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則は再審にも適用されるとした最高裁の白鳥・財田川決定にもとづいて、新旧証拠を総合的に判断して公正な決定を行ったものである。確定有罪判決を支える関係者の供述は、もともと脆弱なものであり、再審請求審において検察官の未提出証拠等が開示された結果、確定有罪判決が根拠とした証拠は、関係者の供述の形成過程と法医学の面から、捜査本部の筋書きに基づいて、殺害態様と犯人像についての強引きわまる認定と、関係者の「目撃」供述を誘導した「砂上の楼閣」に過ぎないことが明らかになった。このように、確定有罪判決の認定と、その基礎となった検察の主張は、完全に崩壊した。
 私たちは、貴検察庁が今回の再審開始決定を真摯に受け止め、裁判をこれ以上引き伸ばすことなく、同時に「無辜の救済」という再審の理念にもとづき再審公判で訴訟をすすめることを強く要請する。福井女子中学生殺人事件の異議申立を断念されることを強く求めるものである。

2011年11月30日
                            

日本国民救援会
会 長 鈴木 亜英
再審・えん罪事件全国連絡会

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