日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

布川要請

        布川事件の無罪判決と誤判原因究明を求める要請書

 日本国民救援会は、布川事件の桜井昌司さん、杉山卓男さんの無実を確信し、原審以来永年にわたって両氏の冤罪を晴らすため支援活動を行ってきました。
 布川事件は、貴裁判所の再審公判の事実調べと、それに先立つ8年に及ぶ再審請求審で弁護団が提出した新証拠や検察官手持ち証拠の開示によって、桜井さん、杉山さんの無実はもはや明らかです。私たちは、来る3月16日、事件発生以来44年目にして、桜井さん、杉山さんに対し、無罪判決が言い渡されるものと確信するものです。
 再審公判において、無実の証拠隠しをはじめ、警察の見込み捜査、別件逮捕、代用監獄を利用した長時間(逆送問題を含む)の「自白」強要、目撃証言の誘導、そして「自白」を録音したテープの改ざんなどの違法な捜査・訴訟活動が明らかにされました。しかし、検察は、昨年11月12日の論告で「被告人両名には改悛の情が認められない」として、原審と同じく「無期懲役」を求刑しました。それは、警察や検察が行ってきた数々の違法不当な行為に対して何らの反省もないどころか、29年間もの長きにわたって身体を不当に拘束され続けた桜井さん、杉山さんのふたりに再度無実の罪を着せようとする態度であり、冤罪救済に背を向け続けると同時に人間性の欠片もないと言わざるを得ません。

 判決にあたっては、私たちは次の点を求めるものです。
 なぜ桜井さん、杉山さんがやってもいないのに虚偽の「自白」をさせられたのか、ふたりの「自白」と矛盾する証拠が存在することを知りながら、なぜ警察・検察は逮捕・起訴し、公判においても無実を証明する数々の証拠を隠しつづけて、2人の有罪を主張しつづけたのか、その原因を究明し警察と検察の責任を明らかにし、断罪すること。
 警察・検察の違法捜査や証拠の改ざん、無実の証拠隠しを許し、「自白」を偏重し、ふたりに無期懲役刑を言い渡した裁判所の責任を明らかにすること。
 以上の点を明らかにすることは、無実の罪で29年余にわたり投獄され、事件発生から44年という永きにわたって冤罪を晴らすために文字どおり人生をかけてたたかってきた桜井さん、杉山さんへの最低限の謝罪であり、司法への国民の信頼を取り戻す一歩です。
 いま、裁判員裁判が始まり刑事裁判への国民の関心もかつてなく高まっています。さらに足利事件や大阪地検特捜部の証拠改ざん問題を通じて、いったん起訴したら有罪判決を得るために、証拠を改ざん・捏造し、無罪につながる証拠を隠すなど、「犯人を有罪にするためには何をやっても構わない」という検察の体質が厳しく批判されています。冤罪を防止するために取調べの全過程の可視化と検察官の手持ち証拠の全面開示の実現を求める声が国民の多数派となっています。
 貴裁判所には、司法への国民の期待に応え、二度と布川事件のような冤罪事件を繰り返さないために、桜井さん、杉山さんに無罪判決を言い渡すとともに、事件の構造的な誤判原因を解明し、冤罪の再発防止につながる判決を言い渡すように強く要請します。

2011年2月15日

水戸地裁土浦支部 
裁判長 神田大助  殿

日本国民救援会中央本部
会長 鈴木亜英
同47都道府県本部会長連名

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional