日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

布川事件便宜

2011年6月14日
最高裁判所 御中
布川事件再審判決草稿が検察官にだけに密かに交付され
ていた問題に関する抗議と類似事件の調査等の要請
日本国民救援会
会長 鈴木 亜英

 5月24日、水戸地裁土浦支部(神田大助裁判長)は、冤罪・布川事件(当事者:桜井昌司さん、杉山卓男さん)の再審裁判において判決を言い渡しました。捜査機関の明白な違法行為に言及しないなど大きな問題を残す判決でしたが、両氏に対する強盗殺人の公訴事実に関して無罪の判決が出されたことは、30年以上支援をしてきた者として喜びに堪えません。
 ところが、判決後に重大な事態が起きました。裁判所は判決当日、主文朗読後に、報道用に作成した「判決要旨(骨子)」(4ページ)を検察・弁護団に各1部配布するものの、写しの作成禁止・閉廷時には回収するという異例の態度をとりました。しかし、その裏で、裁判所は内密に、検察側が「控訴検討のため」として「判決草稿」(読み上げ用の原稿)の交付を要請したことを受けて、同日中に168ページの「判決草稿」を提供していたのです(判決謄本(168ページ)は5月30日になって交付されました)。水戸地裁土浦支部支部長は5月31日、事実確認に訪れた弁護人に対し、判決を宣告した裁判体が検察の要請を受け容れたとして事実を認め、このような交付は前例がある旨説明した上、不適切な便宜供与をしたとして陳謝しました。
 これまでも、裁判所と検察官との間の「緊密な関係」・癒着は、判検交流などともあいまって指摘されてきましたが、今回の事態であらためて、その実態が明らかになりました。このような、検察官だけに偏った利益取扱いをすることは、裁判所の公正性・公平性を疑わせ、裁判に対する国民の信頼を著しく損なうものであって、許されません。同時に、このような癒着が、冤罪を生む土壌ともなっているのです。

 国民救援会は、今回の事態に強く抗議するとともに、以下、要請するものです。
一 今回の事態を、最高裁自身で検証し、その結果を公表すること。
二 全国の裁判所において、過去において検察官に対し、同様の便宜取り扱いをおこなったことがあるのか否かを徹底的に調査し、その結果を公表すること。
三 今後二度と同様の取り扱いがなされないよう、対策をとること。

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