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布川事件再審無罪判決について

布川事件再審無罪判決について
 
 本日,水戸地方裁判所土浦支部は,冤罪布川事件で強盗殺人の犯人とされた桜井昌司さん,杉山卓男さんに完全な無罪判決を言い渡した。二人は無実を叫び続けること44年目にして,ようやく雪冤を果たし潔白の身となった。
今日の無罪判決は,何よりも桜井・杉山両氏の不屈のたたかいが結実したものであり,弁護団の緻密な分析と献身的な努力,そして全国の守る会や日本国民救援会など各界・各層の大きな支援運動が相まって勝ち取られた成果である。私たちは,今日の判決を心の底から喜び,歓迎する。
 この日を待ちこがれながら志半ばに先立たれたお二人のご両親をはじめ,弁護団の山川豊さん,守る会を牽引された北林谷栄さん,清水誠さん,中田直人さん,様々な形で二人を支援されてきた全国の守る会・国民救援会の先達に,感謝を込めて勝利の報告をし,天上天下で喜びを共有したい。
 同時に,あまりにも長い苦難の歳月は決して戻らないことを訴えざるを得ない。なぜ無実の二人が有罪とされ,29年の下獄を含め44年もの間自由と人権を奪われなければならなかったのか。確定第一審で無期懲役刑を言い渡した裁判所だからこそ,誤判原因の解明が期待されてきた。
 判決は,有罪の根拠とされた二人の「自白」や「目撃証言」が,警察・検察の不当な取調べと誘導によって作られたものであるとして,その信用性を完全に否定した。
 別件逮捕から始まり,脅し,偽計,誘導による自白と証言の強要,さらには証拠の捏造から公判での偽証など,布川事件はあらゆる手段を駆使して無実の者を有罪に追い込み,「冤罪のデパート」と呼ばれた違法捜査の連鎖であった。
 また,検察は重要な目撃証言を握りつぶし,二人の無実につながる証拠を隠し続けてきた。その不当な公判活動が裁判所の判断を誤らせ,無辜の救済を長引かせた。再審請求審でも再審公判でも,何ら具体的な立証もせず面子だけにこだわり,有罪を主張し続けたことに怒りを禁じ得ない。昨今国民の批判が集中する中,自ら宣言した「検察改革」が真摯なものでなかったことを世に知らせた。
 さらに,真実を見抜けず6回にわたって有罪を認定した裁判所こそ自省しなければならない。予断と偏見,自白偏重の結果の重大さを深く自戒すべきである。
 私たちは,このような誤判の原因が明らかになった以上,警察・検察,そして裁判所が,それぞれの立場で冤罪の原因を検証し反省すること,そして,桜井さん・杉山さんに心から謝罪することを強く求める。とりわけ,検察は,直ちに控訴断念を表明し,即時に無罪判決を確定させるべきである。
 同時に,私たちは二度と冤罪をつくらないための具体的な方策を求める。代用監獄の廃止,取調べ過程の全面可視化,検察官手持ち証拠の全面開示義務が少なくとも不可欠であることを,冤罪布川事件の最大の教訓とすべきである。
 私たちは,今日の判決をわがことのように喜び,次は自らの番だと待ちわびている数多くの冤罪被害者に思いを馳せる。無実の罪で死刑を宣告され,50年の長きにわたって無罪を叫び,85歳となる奥西勝さんの名張毒ぶどう酒事件をはじめ,全ての冤罪事件の一日も早い解決を心から願ってやまない。布川事件の無罪判決が,いかなる困難があっても真実に勝るものはないこと,無実の人は必ず無罪を勝ち取ることができることを証明した希望の灯となることを確信する。
2011年5月24日
布川事件 桜井昌司さん杉山卓男さんを守る会
日本国民救援会

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