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布川事件再審請求審 最高裁再審開始決定に対する共同声明

声明  

 本日、最高裁判所第二小法廷(竹内行夫裁判長)は、冤罪「布川事件」の裁判のやり直しを命じた請求審・即時抗告審の決定を支持し、検察の特別抗告を退ける決定(14日付)を関係者に送付した。桜井昌司さん・杉山卓男さんの無実の訴えがようやく実を結び、ついに再審開始決定が確定したのである。
 事件発生から42年という長きにわたって冤罪を晴らすために文字どおり人生をかけてたたかってきた桜井さん・杉山さんのふたりを心から祝福し、その喜びを共にしたい。
 同時に、ここまでふたりを苦しめてきた警察・検察の不正義にあらためて深い怒りを禁じ得ない。今回の再審請求審では、一・二審を通じて、ふたりをウソの自白に追い込み、目撃証言を誘導し、録音テープを変造してまで無実の者を犯人に仕立て上げた取調官の違法な捜査手法と、捜査当初から明らかになっていた無実の証拠を隠し続け、法廷では虚偽の答弁を弄し、警察官の偽証を許して裁判所を欺き続けた検察の違法な訴訟活動が明らかとなった。にもかかわらず、検察は何の反省もないどころか、前例のない特別抗告という暴挙に及び、今日に至るまで無辜の救済に背を向け続けてきた。警察・検察は真摯に過去の過ちを認めて反省し、ふたりに謝罪すべきである。
 さらに、自白偏重の悪弊を断ち切れず、ふたりの無期懲役刑を確定させた原審裁判所にも猛省を求めなければならない。29年余にわたる投獄をはじめ、犯人に仕立てられたふたりの42年余の人生は決して取り返しがつかないのである。
 ところで、この間数々の事件で誤判が明らかとなり、今年に入ってからも足利事件の菅家利和さんの再審が開始された。これらのほとんどが布川事件と同様に、警察・検察の見込捜査や違法な取り調べ、そして自白強要により生み出され、裁判所においてこれを漫然と、あるいは平然と追認してきたものであった。私たちは、あらためて取調べ全過程の可視化や検察証拠の全面開示など、抜本的な冤罪の再発防止策を講じることを求めるとともに、裁判所における、良心を捨て去った自由心証主義の濫用に対して深甚な警告を発するものである。
 警察・検察がふたりを冤罪に陥れた違法捜査の実態は、再審公判において一層白日のもとに晒されるであろうし、かつ、再審公判においてはより具体的で厳粛な事実認定がなされなければならない。その検証と反省なくして二度と冤罪をつくらないという保証はないと心得なければならない。
 今年5月から裁判員裁判が始まり、国民の司法への関心はかつてなく高まっている。再審公判においては、一日も早くふたりの無罪を確定させることは当然であるが、同時に、裁判所自らが構造的な誤判原因を解明し、冤罪の再発防止に努めなければならない。そのことこそがふたりへの最低限の謝罪であり、国民の司法への信頼を取り戻す方途である。
 今回の決定は、当事者と弁護団、そして全国の支援運動が力をあわせて勝ちとった成果である。私たちは、ふたりが一日も早く再審公判において無罪判決を勝ちとれるよう、最後まで全力をあげてふたりの支援活動を続けていく決意である。

2009年12月15日
布川事件桜井昌司さん杉山卓男さんを守る会
日本国民救援会中央本部
再審・えん罪事件全国連絡会

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