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布川事件国家賠償請求訴訟

布川事件国家賠償請求訴訟  

事件の概要  

 1967年、茨城県北相馬郡利根町布川(ふかわ)で、一人暮らしの男性が自宅で殺害されました。この事件の犯人として桜井昌司さん、杉山卓男さんが別件逮捕。虚偽の「自白」を唯一の直接証拠として「強盗殺人」罪で起訴されました。裁判になってからは二人は一貫して無実を主張し、自白は強制されたものだと訴えました。しかし1970年に水戸地裁土浦支部で無期懲役の有罪判決、1978年には最高裁で無期懲役が確定し、二人は千葉刑務所に送られました。
 1983年第一次の再審請求を申し立てましたが地裁、高裁、最高裁で棄却されました。二人は1996年に仮釈放、29年間の獄中生活でした。
 2001年第二次再審を申し立て。2005年水戸地裁土浦支部で再審開始の決定。2008年7月、東京高裁で再審開始決定。2009年12月14日、最高裁で再審開始決定が確定。水戸地裁土浦支部で、再審裁判が行なわれ、2011年に再審で無罪が確定しました。
 この裁判の中で、警察の不当な自白強要、警察・検察による無実の証拠隠しなどが明らかになりました。再審裁判の中で、再審請求人、弁護団、守る会などの努力や追及で隠されていた証拠の一部が開示され、自白とは矛盾する死因が記載された「死体検案書」、犯行日当日に被害者宅前で桜井さんと杉山さんとは違う人物を見たという人の供述調書などが明らかになりました。
 犯人とされた桜井さんは、このようなえん罪を繰り返さないために、警察・検察の責任を追及して2011年11月、国(検察)や茨城県(県警)を相手に国家賠償請求訴訟を提起しました。
2019年5月27日、東京地裁(市原義孝裁判長)は5月27日、警察と検察の責任を認め、桜井さんに約7600万円の損害賠償を命じる判決。警察官による嘘の事実を告げておこなった取り調べの違法性、警察官による裁判での嘘をついた行為の違法性、検察官による証拠隠しの違法性を認めました。さらに、刑訴法と検察庁法を根拠に、「検察官は、公益の代表者として、事案の真相を明らかにする職責を負っている」と述べ、「検察官の手持ち証拠のうち、裁判の結果に影響を及ぼす可能性が明白であるものについては、被告人に有利不利」を問わずに法廷に出す義務があり、「具体的に開示を請求する証拠が特定された証拠開示の申立てがあったような場合には、(中略)開示をしない合理的理由がない場合には、検察官は、その証拠の開示義務を負う」と判示。検察官の証拠開示義務という画期的判断を示し、公判の第二審(判決は1973年12月)で弁護団が求めた証拠を開示しなかった検察官の行為は違法と認定しました。
現在、東京高裁。第一回口頭弁論では、桜井さん本人の意見陳述と、弁護団の意見陳述がおこなわれました。
 桜井さんは、桜井さんと杉山さんの無実を示す目撃証言などが今も隠されていることを指摘し、警察と検察が手を組んで証拠を隠しを続けている態度を厳しく批判し、 「布川事件に重ねられた警察と検察の嘘と違法行為を見逃さないで頂きたい。この国賠裁判になっても嘘を重ね、言い逃れをするばかりの警察と検察に、それが許されないことを示す、更に厳しい判断をして頂きたい」と訴えました。
 第二回口頭弁論では、当時の手続法に証拠開示の規定がないので証拠不開示は国賠法上違法ではないという検察の主張に対して弁護団は嘘を言って無実につながる証拠を隠しても違法でないのかと求釈明しました。また、検察官がこれまで提出した証拠はいつ警察から検察に渡されたのかという求釈明には裁判長も裁判所としても知りたいと同調し、一覧表を出せないかと検察に問いました。
 4月27日に予定されていた裁判は延期となり、期日は今のところ未定です。

守る会の連絡先/署名等  

署名:file布川国賠訴訟の厳正な判決を求める要請書

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